電撃オンライン

SNSの闇とトラウマが交錯する新作ホラーアドベンチャーゲーム『BrokenLore: UNFOLLOW』プレイレビュー。フォロワー数の増減が謎の焦燥感と恐怖を演出【電撃インディー#1230】

文:sexy隊長

公開日時:

最終更新:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Serafini Productionsが開発し、松竹がパブリッシャーを務める2026年1月16日に発売予定の一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム『BrokenLore』シリーズ最新作『BrokenLore: UNFOLLOW』の先行試遊会に参加してきましたので、体験した感想をお届けします。

[IMAGE]

 先に言わせてもらいます。これは単なるホラーゲームではありません。現代社会が抱える病理と、個人の内側に巣食うトラウマを、あまりにも鮮烈なビジュアルと物語で描き出した、心臓を抉るようなサイコホラーです!

 本作で描かれる“孤独”と“痛み”は万国共通であり、むしろ私たちの心の柔らかい部分に土足で踏み込んでくるようなリアリティを持っています。

 本作の息が詰まるほどの緊張感と、止めどなく溢れ出る感情をsexy隊長が語りたいと思います!

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!




■関連記事

痛みまで共有してしまう没入感。“リアル”と“ゲーム”の境界線が混ざり合う時【BrokenLore: UNFOLLOW】

 
 本作は、主人公のアンが目を覚ますところから始まります。始まってすぐに感じるのは、圧倒的な孤独と何者かの気配。それと撫でられる可愛い猫もいますが、この世界には不自然すぎて癒やしの猫ちゃんが逆に不穏に……。

[IMAGE]

 本作がもたらす恐怖は、暗闇や大きな音といった単純な仕掛けだけではありません。

 物語が進むにつれ、アンの脳裏にフラッシュバックするのは、かつて学校で受けた陰湿ないじめや、母親との軋轢といった、目を背けたくなるような“過去”そのものが襲いかかってきます。

 『BrokenLore』シリーズはストーリーテリングに定評がありますが、本作の導入は特筆すべき重苦しさがあります。

 アンの心が受けた傷、ヒリつくような痛み。それらがプレイヤーである私の心にもダイレクトに流れ込んでくるため、序盤から言いようのない嫌な気持ちにさせられます。

[IMAGE]

 アンの絶望が痛いほど伝わってくるからこそ、彼女を守りたい、救いたいという感情移入は段違いに深まり、プレイヤーは序盤から一気に本作の世界へと引き込まれていきます。

 そんな極限状態の中で登場するのが、実在する有名YouTuberである“Akidearest”氏の存在です。

 この演出が実に巧妙であり、同時に残酷でもあります。かつてアンが暗い日々を過ごしていた頃、心の支えとなっていた彼女の動画。その“救い”だった存在が、今度は逆にアンへ向かって「アン、助けて」と訴えかけてくるのです。

[IMAGE]

 しかし、どこか様子がおかしい。彼女の魅力である明るい声や笑顔は影を潜め、この陰鬱な世界に染まってしまったかのように、恐怖に駆られた必死の形相でアンに助けを求めてきます。

 実在のYouTuberが、ゲームという虚構の中から“助けて”と手を伸ばしてくる。

 その瞬間、現実と虚構の境界線は一気に曖昧になり、まるで自分自身が“UNFOLLOW”の世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥りました。現実とフィクションが溶け合うその狭間で、様子のおかしい“Akidearest”氏の雰囲気とともに恐怖はさらに濃度は増していきます!

“フォロワー数”という呪いと、悲哀をまとう怪物たち【BrokenLore: UNFOLLOW】


 本作の恐怖体験を象徴するシステム、それは画面の端に表示され続ける“SNSのフォロワー数”です。

[IMAGE]

 何かアクションを起こすたび、あるいは物語が進行するたび、その数字は増減を繰り返します。私は現実世界でSNSのフォロワー数をそこまで気にしていません。しかし、このゲームをプレイしている間、数字が減っていくことに、心臓を鷲掴みにされるような謎の焦燥感と恐怖を覚えました。

 数字が減る=自分の存在価値が否定される。そんな強迫観念が、ゲームメカニクスとして巧みに組み込まれているのです。本作のタイトルである“UNFOLLOW(アンフォロー)”に繋がる流れ、承認欲求の渇望をホラー演出として昇華させる手腕には思わず脱帽。

 そして、アンの行く手を阻む“クリーチャー”たちの存在もまた、本作の象徴を現しています。

[IMAGE]

 『BrokenLore』シリーズならではの独創的なデザインは健在ですが、本作の怪物たちは一味違います。グロテスクですが、そのねじ曲がった造形の中には、美しさへの執着や拒絶絶食症、自己嫌悪といったトラウマが見え隠れし、どこか悲哀を帯びた“美しさ”すら感じさせるデザインになっています。

 個人的な感想を恐れずに言えば、「フィギュアが出るなら迷わず購入したい」と思わせるほど、そのデザインは芸術的ですらあります。

[IMAGE]

 彼らは単なる敵ではなく、アン自身が生み出してしまった心の傷の具現化なのかもしれません。

 そんな彼らとのステルス要素を含んだ鬼ごっこは、まさに手に汗握る体験でした。暗闇の中、息を潜めてクリーチャーをやり過ごす時、それは単にクリーチャーから逃げているのではなく、アン自身の“過去のトラウマ”から逃げていると言えます。

 この重厚なストーリーとゲームプレイのリンクこそが、ゲームの中だけの話とは思えないリアリティを生み出し、サイコホラー作品としての完成度を高めています。

燃え上がる結末、そして物語はどこへ向かうのか……【BrokenLore: UNFOLLOW】


 序盤までのプレイを終えた今、私の頭の中は「続きが知りたい!」という渇望で埋め尽くされています。

[IMAGE]

 あえて詳細は伏せますが、今回のプレイで最後に観たシーンは衝撃的でした……。

「えっ? 今、燃えましたけど!? これからどうするんですか!? どうなってしまうの!?」

 画面の前で思わず声を上げてしまうほど、物語は予想外の方向へと転がり落ちていきました。

 本作には、プレイヤーの選択によって分岐する複数のエンディングが用意されているとのこと。あの衝撃的な状況から、一体どのような結末へと辿り着くことができるのか。アンは過去を乗り越え、呪われた過去から、そしてSNSという檻から脱出することができるのか。その答えを知るまでは、夜も眠れそうにありません。

 『BrokenLore: UNFOLLOW』は、ホラーゲームの皮を被った現代社会への痛烈なメッセージです。

 Akidearest氏やKnite氏といった実在のインフルエンサーを起用し、SNSという煌びやかな世界の裏側に潜む闇、誹謗中傷、承認欲求の暴走、そして孤立を容赦ない筆致で描き切る、現代人必修の人間ドラマが味わえます。

 シリーズファンの方はもちろん、「ホラーは苦手だけど、物語を楽しみたい」という方にも、強く、強くおすすめしたい作品です。恐怖の先にあるはずの救い、あるいは更なる絶望を、ぜひあなたのその目で目撃してください。

 驚かせて終わりのジェットコースター的な恐怖ではなく、プレイし終えた後もじっとりと心に残り続ける、粘着質の恐怖。恐怖は画面の向こう側ではなく、あなたの背後に立っているかもしれません。

『BrokenLore: UNFOLLOW』公式トレーラー

電撃インディーのSteamキュレーターページが開設!


 電撃オンラインのインディーゲーム応援企画“電撃インディー”では、Steamのキュレーターページを公開しています。

 本ページでは、電撃インディーで紹介したインディーゲームを中心に、さまざまなゲームを紹介しています。

 最新タイトルや電撃インディーがおすすめするインディーゲームを紹介しているので、ぜひフォローしてチェックしてみてください。


本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この記事を共有