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『ギフトピア』ラジオから流れてくるゲーム音楽じゃない音楽にナナシ島の日常と“オトナ”を感じた【メモリの無駄づかい】

文:宮本デン

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームで遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は2003年4月25日にゲームキューブで発売された『ギフトピア』についてです。

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DEEJによるナナシ島一HOTなラジオ番組“ナナシFM”


 『ギフトピア』の舞台は、神様の島・“ナナシ島”です。総人口数30人にも満たないような小さな島ですが、島独自の文化が形成されており、中でも若者の人気を集めているのがパーソナリティDEEJによる“ナナシFM”という番組です。

 ナナシFMは朝晩2回の決まった時間に放送されます。内容はDEEJがディグったHOTなミュージックがランダムに流れてくるんだYO!というだけの非常にシンプルな番組なのですが、このナナシFMが『ギフトピア』のゲーム体験を数段押し上げているという話をさせてください。

 ナナシFMには22曲の音楽がストックされています。ラインナップされているミュージシャンも、加古裕三からインディーズバンドまでと幅広いです。

 音楽の情報を掘り下げていくと、この曲は個人サイトの個人制作曲からピックアップしてるんじゃないか?と思われるような曲もあり、当時のスタッフの方々はどうやってこの音楽を掘り当てたのだろうと今でも不思議に思います。実はめちゃくちゃ趣味に走った音楽ディグの結果なんじゃないか……というのは、私の勝手な考察です。

 『ギフトピア』用に作られた音楽じゃない、世間一般で聞くような普通の音楽がゲーム中のラジオから流れている。というシステムにはゲームと現実との地続きを感じており、ナナシ島をより愛おしく身近に感じさせる一つの要素となっていました。

『大人のおゆうぎ/Youtarou Shibari』


 ニューゲームで開始した際の、ラジオ初回で必ず流れる曲です。ラジオからはこの一度しか流れないのですが、ゲーム開始早々主人公・ポックルがモザイク処理され鉄球に繋がれゴミ拾いをするという衝撃的なイベントの最中に流れる曲なので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

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▲絵柄はポップなのに倒錯的過ぎる世界観。

 子供番組を感じさせる可愛らしい曲調に載せて架空の言語(ハナモゲラ語)で歌われており、途中唐突な泣きメロが入ったり、ラジオノイズでスクラッチが入ったりと割とやりたい放題の曲です。ポックルが鉄球を引きずる重苦しい音がやたらと音楽にマッチするのも、味わい深いポイントです。

 一応架空の言語ということになっていますが、絶対“残りの家をあと左~♪”って歌ってるよね?みたいな空耳歌詞はやたらと頭に残っています。ある意味中毒ソングかもしれません。

『BOXBOX/6ninn』


 この曲が夜のラジオから流れると、タウンから離れないようにしてずっと景色を眺めていたのを思い出します。今思えば、ゲームに対して“チル”を感じたのは『ギフトピア』が最初だったかもしれません。

 昔、この曲を掲載している個人サイトに辿り着いた記憶があるので、おそらく個人制作の楽曲なのかな……とは思うのですが、現在はそのサイトも閉鎖されているので何もわかりません。アーティストの情報、お待ちしております。

『ASTRO/エイプリルズ』


 今でも都内でライブ活動を精力的に行っているそうで、いつかライブ行きたいな~と考えていたのですが、達成しないうちに東京を離れてしまったのが心残りです。

 初めてラジオから流れてきたのを聴いた瞬間に“好きな音楽センサー”が発動し、ちゃんと聞こうとテレビの音量を上げ、結果母親から怒られてまともに聞けなかったというお約束な展開になりました。

 ナナシ島の“バー オスメス”のジュークボックスで自由に聞けることを知るまでは、ひたすらラジオで流れてくることを祈る日々です。だいたいラジオが届かないタウンの外側にいるときに限って『ASTRO』が流れていたりして、悔しい思いをするんだよな……。

 ちなみにこういう雰囲気の曲が好きな人は、“USAGI-CHANG RECORDS”で検索すると幸せになれるかもしれません。

ラジオを夜中まで聞ける。それがオトナの証。


 『ギフトピア』は、ストーリーが進んでいくにつれ主人公・ポックルがオトナびていき、一日の活動時間が増えていくゲームです。

 そのため、おこちゃま時代には聞けなかった夜のラジオが聞こえてくると“オトナになったなあ”と、ゲームのテーマも合わせて感慨深くなったのをよく覚えています。

 その当時の気持ちが『ギフトピア』へのノスタルジアを一段と大きくしているのです。

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