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『龍が如く 極3』クリア後レビュー。物語とゲームの一体感、リメイクの壁を破る体験は“今”プレイする意味がある【龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties】

文:キャナ☆メン

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最終更新:

 セガから2月12日に発売される『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』を事前にプレイする機会を得たので、本編の『龍が如く 極3』をクリアまでプレイしたレビューをお届けします。

 なお、本作はPS5/PS4/Switch 2/Xbox Series X|S/PC(Steam)版がリリースされ、今回はSteam版をプレイしています。

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 元極道の桐生一馬を筆頭に、漢(おとこ)の生き様や人間性に踏み込んだドラマを描く『龍が如く』シリーズですが、本作『龍が如く 極3』は極を冠するということでリメイクに相当する作品です。

 グラフィック向上にカットシーン表現の深化、あるいは新システムの追加やゲームデザインの見直しなど、変更点は多岐に渡りますが感想を一言にすると、まずは「“今”プレイしておもしろいゲーム」ということに尽きます。

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▲大人向けと称されることが多い『龍が如く』。ですが小学生のころ『シティハンター』や『北斗の拳』が好きだった筆者は、夜の街や暴力の表現は人間味とドラマを引き立てるもので、いいドラマは年齢に関係なく楽しめる! と考えてしまいます。
 PS3オリジナル版は2009年の発売で、高解像化した上位機種向け移植が2018年に行われました。その移植版は現行機でもプレイ可能であるため、ゲーム性の現代化は必須であり多くのユーザーが期待するところでしょう。

 しかもタイトル発表直後の配信番組で語られたように、ストーリーの結末まで手が入っている……通常のリメイクを超えた再構築は、ファンを筆頭にプレイする意味を高め、“リマスターよりリメイク派”の方には、たとえ時間をかけてもクリアしてほしいゲームだと感じました。

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▲2本のゲームが1本に収録され、本編の主要人物である峯義孝を主人公にした外伝まで遊べる本作。物語の表と裏を体験してドラマ性が深まるだけでなく、本編と対照性のあるダークなプレイ感も楽しいです。(※『龍が如く3外伝』の画像)
 本稿では、どのような点が“今”遊べるゲームになったのか、ゲーム性の現代化およびそれに基づくゲーム体験の感想を語っていきます。

 なお、開発陣が示唆する結末の変更部分について具体的なネタバレは避けていますが、原作ですでに描写された内容やドラマを補強する追加要素などは、テキストや画像で一部触れていますので、主に原作を未プレイの方はその点にご留意ください。

 また、『龍が如く 極3』とともに収録されている新作『龍が如く3外伝』のレビューも別途掲載しています。そちらも合わせてご覧いただけますと幸いです。

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ストーリー体験の現代化。ゲームデザイン面からもドラマをより楽しめるように


 本作における桐生一馬は、東城会と近江連合の抗争が幕を引いた後、児童養護施設アサガオを運営する職を得て沖縄に旅立ちます。

 そんな彼が、米軍基地拡張とリゾート開発による立ち退き問題に端を発した、国家レベルの陰謀に巻き込まれていく『龍が如く 極3』のストーリーでは、さまざまな形で“親子の絆”を軸にしたドラマが描かれていきます。

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▲桐生自身が孤児で施設育ちであるため、彼はアサガオの子どもたちに“本物の家族”という想いを抱いています。
 なおリメイク部分の概要自体は、公式サイトやトレーラーが確認しやすいうえに体験版が配信中ですし、試遊レビューでも感想が語られているため、本稿では大きく割愛します。このタイミングでレビューを読む方はおそらく、ゲームの情報よりも体験を参考にしようと考える方が多いでしょうから。

 まず伝えたいのは、リメイクによる変化がストーリーの体験にどう結びつくのかです。

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▲なお、一部キャストは変更に。筆者が気に入っているのは、原作の演技を引きずっておらず、新キャストの味が出ている点です。
 『龍が如く』が“ドラマ”、言いかえればプレイヤーの心を動かす体験を、非常に重視して制作されていることは、長年にわたって開発陣から絶えず語られているところです。

 ただし、オリジナル版の2009年当時は、PS3の技術的限界によってインゲームとCGムービーの乖離に違和感が拭えず、ローディングを挟むテンポの悪さも相まって、ゲームとムービーを交互に重ねたサンドイッチ構造の体験が惜しいところでした。

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▲今ではもちろん上記のような違和感はありません。しかも、多くのイベントシーンでコーディネートを楽しめます。
 またゲーム性の面を考えても、メインと寄り道で緩急のバランスは取れていたものの、プレイ感としては繋がりが薄かったかと思います。例えるなら、おせち料理のように全体のバランスは取れているけれど味の統一感は薄い料理が重箱に詰め込まれている感じですね。

 全体的なゲーム体験の部分は、リソースがお金に集約された『龍が如く0 誓いの場所』や食事でさえ強化に繋がる『龍が如く6 命の詩。』で、まずはメカニクス面から一体感が出てきて、『ジャッジアイズ』シリーズや『龍が如く7 光と闇の行方』を経て、メインと寄り道で一体感のあるサイクルやゲーム体験が確立し、そうした積み重ねが、どんなプレイスタイルでもメインを再開すると、すぐに没入感を高めてドラマ性を深く味わえる今の『龍が如く』に繋がっているのではないでしょうか。

 もう少し掘り下げると、近年の『龍が如く』シリーズは、シナリオのゲームへの落とし込みが巧みになって、寄り道をした場合にも根底で本編のドラマに通ずる何かを感じられるような作りになってきました。

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 例えば、思い出してほしいのが『龍が如く8』。春日一番が向田紗栄子にプロポーズする同作では、恋愛や結婚を題材にしたサイドストーリーが多かったですよね。

 また、『龍が如く8』の桐生編では、桐生と旧知の人物らとの絆を描いたコンテンツ“エンディングドラマ”が存在。これに関しては「なぜ本編に入れないのか」と思うくらい、直接的にメインストーリーの体験をも変えたと思います。

 そして『龍が如く 極3』もまた、サイドコンテンツをプレイすることで、“親子の絆”という桐生の物語の中心になるドラマをより深く楽しめる作りになっています。

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 例えば、桐生に琉球武術を教えるミヤさんは、大型サイドコンテンツ“ツッパリの龍”で主役とも言えるツバサと親子関係にあるキャラです。ドライな言い方をすれば新要素のために存在するキャラですが、本編で描かれるドラマと根底で繋がる描写もきちんとあります。

 彼は、桐生を強化するため琉球スタイルの奥義(新たな技)を学んでいくたびに、ツバサに対する親心を語るのですが、それがメインストーリーで描かれる桐生や主要人物らの家族愛とはまた違った絆のあり方を感じさせてくれるんですよ。しかも、食えないオヤジ感のあるキャラクター性が非常にいい味を出している。

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▲ミヤさんのひと癖ある人柄は味があって、きっと多くの人が好きになるはず。ツバサの不良なのに真面目というギャップもいい。
 ほかにもサイドストーリーでは、育ての親である祖母と孫が互いを想い合う心、女手1つあるいは男手1つで子を育てる親子の姿、遊び歩いて母を心配させる息子、単身赴任の父を訪ねる子どもなど、さまざまな形の親子関係を描いたエピソードがちりばめられています。

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▲親子の絆を描いているからシリアスというわけでなく、話の多くは笑いあり人情ありという作り。『龍が如く』らしい物語の緩急は健在です。
 そして忘れてはならないのが、桐生がアサガオの子どもたちの“パパ”として奮闘する大型コンテンツの“アサガオライフ”です。料理のレパートリーを増やすメインの話を進めたり、各種ミニゲームで家事をこなしたりすることで、桐生と子どもたちの距離が縮まっていく家族愛のドラマを堪能できます。

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 アサガオライフの遊びは、簡単に書くと『龍が如く維新!極』のアナザーライフをアレンジしたような内容。

 けれど、メインストーリー(お料理リクエスト)と複数のサイドストーリー(絆ストーリー)があり、ミニゲームがちりばめられた構造は、ある意味で『龍が如く』を小型化したようなゲームデザインでもあり、アサガオライフ内だけでもゲームとストーリーのサイクルがうまくかみ合っています。

 なので、実際にプレイしていると説明から受ける想像以上におもしろい。遊びが充実している割にプレイが重たくないので、人によっては時間が溶ける寄り道になりそうです。

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▲話題のミシン縫い(さいほう)のほかにも数多くのミニゲームがあります。料理は弁当を自作して、バトルでも回復アイテムとして活用できます。
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▲ミニゲームの成果物は、町内会の人に買い取ってもらい、その資金をアサガオライフに活用可能。この循環のお陰でゲームにまとまりが出ています。
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▲アサガオライフを通じて描かれるドラマは、神室町にいると忘れがちな「桐生が何のために戦うのか」という理由を胸に刻んでくれます。
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▲アサガオライフの場合、個々の絆ストーリーは子どもとしっかり向き合い、メインとなるお料理リクエストはネタ満載。自然にプレイするだけでゲーム全体が楽しくなるかと。
 本作のサイドコンテンツはいずれも必須ではなく、つまみ食い状態でもメインストーリーで本来のドラマを体験できます。しかし、何気なく寄り道をすることで親子関係に対して思うところが深まり、本編の印象的なシーンにおいて、より桐生たちの内面に想像をめぐらせ、ドラマが心の奥底まで響く――そんな体験が得られる、絶妙なプラスアルファのデザインになっています。

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▲家族愛のドラマを際立たせるように、メインストーリーの中では、親子とは呼べないような間柄の親子関係も描かれます。
 ゲーム全体で“物語をゲームとして体験する”設計がうまく機能しているといいますか。ゲームプレイで気持ちを作りながら、より深くメインストーリーで描かれるドラマを楽しめるプレイと物語の一体感がありますね、本当に。

 誰もが魅力として挙げる、技術やノウハウの向上によるグラフィックの美麗化やカットシーンの深化が没入感を高めてくれるのはもちろんですが、ゲームデザイン的にもドラマの感動をより深めている。ストーリー体験において、トレーラーだけでは伝わらない、『龍が如く 極3』の大きな違いがここにあります。

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 また、そうした『龍が如く 極3』単体の体験向上に加えて、峯義孝を主人公にした新作『龍が如く3外伝』を同時収録した今回は、双方のゲームをプレイすることで互いのドラマ性をより深める構造になっています。

 桐生と同じ孤児でありながら、人を信じることができず、その姿が桐生とは対照的に映る峯。ですが彼は東城会のトップ・堂島大吾に対する強い忠義を抱いており、その過程を描いた『龍が如く3外伝』をプレイすることで、本編である『龍が如く 極3』のドラマがさらに味わい深くなります。

 大吾が見せる絆と峯の孤独、桐生が守る絆と峯の忠義、それぞれの対比が絆のドラマを際立たせ、それと裏表である哀愁の余韻が胸の奥まで沁みわたるように広がる。外伝と銘打ちながら、スピンオフというよりも、とことん本筋のドラマを濃密にするような作りが好きです。

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 『龍が如く 極3』としてはリメイクでより丁寧に描写を重ね、さらに新作の外伝との相乗効果でクロスするドラマ性の深みを体感できる“2つで1つ”の形は、まさにリメイクの概念を崩すような体験があります。これに慣れてしまうといけない、そう思えるくらいのストーリー体験です。

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▲詳しくは『龍が如く3外伝』のレビューで述べていますが、峯を主人公したゲーム体験は本編との対照性があって新鮮。互いの結末がリンクする描写もあるため余韻の深さがハンパないです。(※『龍が如く3外伝』の画像)

バトルデザインの現代化と『龍が如く』らしい自由度の高さが体験を作る


 『龍が如く 極3』のバトルは、拳に敵の武器、周辺にある家具や乗り物まで何でも利用して戦う“堂島の龍・極スタイル”と、8種の武器による琉球武術を使いこなす新アクション“琉球スタイル”の2種を切り替えて戦えます。

 順序を変えて先に琉球スタイルから感想を述べると、ボタンの長押しやコンボの派生によって8つの武器を使い分けるため、攻撃方法が非常に多彩です。さらに敵の刃物や銃弾をガードで防げるので安定性に優れ、あらゆる状況に対応できる汎用性の高さが光ります。基本的には琉球スタイル1本でもやっていけるほど使い勝手はいいですね。

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▲複数の敵を巻き込める範囲攻撃が多いのも琉球スタイルの特徴。
 対して堂島の龍・極スタイルは、強化前の状態だとアクションが少ないのでスロースターター気味。ただ本領は、街にあるものを利用したヒートアクションや、看板や自転車を拾っての攻撃など、いわゆる“環境を利用した戦い方”にあるので、そこに攻撃手段の豊富さや強みが出ています。琉球スタイル1本でやっていけるとは書いたものの、環境を利用するなら攻撃面では堂島の龍・極スタイルが勝ります。

 能力強化を進めていくと、琉球スタイルは特長であるガード性能と汎用性の高さが伸び、堂島の龍・極スタイルは素手の対応力と回避能力が増していきます。筆者のプレイでは、序盤は琉球スタイルの汎用性に頼りつつ、素手のアクションが増えるにつれ、攻撃面に優れた堂島の龍・極スタイルを使用する機会が増えていきました。

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▲多勢に無勢。スクーターを担いでぶん殴る!
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▲コンビニのレンジにチンピラの頭をぶち込み「温めよろしく!」と桐生。
 能力強化については、今作はスキルツリーに似た仕組みで、前提となるノード(能力)を解放するとその先にあるノードを解放できるシステム。ただ、ゲーム内の説明でツリー状とは書いてあるものの、『龍が如く 維新!』や『龍が如く0』のような形状ではなく、段階ごとに選択肢が2つか3つあるという形式であるため、育成の自由が狭まったように感じる人もいるでしょう。

 とはいえアクションの手触りはよく、そこに『龍が如く』らしい攻めの爽快感を伴って、チンピラ戦からボス戦まで気分よく戦えます。『龍が如く5 夢、叶えし者』以降、だんだんと手触りの粗い部分がそぎ落とされ、『ジャッジアイズ』シリーズを経て近作は成熟されたアクションになっていると思いますが、ガチャプレイでも戦術を意識したプレイでも、人それぞれにバトルを楽しめるはずです。

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▲的確なボタンの使い分けが必要な琉球スタイルは、ガチャプレイには不向き。弱攻撃ボタンだけでコンボを繰り出せる設定を活用するのもアリでしょう。
 筆者の体感として、攻撃の手応えは『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』に譲る気もしますが、爽快感に繋がるアクションの出しやすさ、そうした状況の作りやすさは、シリーズ中でも光るタイトルではないかと思いました。

 また爽快感という点では、従来のアルティメットヒートモードに相当するような“ドラゴンブースト”を発動すると、相手を畳みかけるように圧倒して専用アクションでコンボを締める、豪快かつ爽快なバトルを体験できます。このドラゴンブースト時の手触りが最高に気持ちいい!

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▲ドラゴンブースト時はコンボが変化。個人的には、堂島の龍・極スタイルでボディスラムに繋げるコンボが爽快でお気に入りです。
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▲ドラゴンブーストの終了が近づくと、必殺技のドラゴンフィニッシュを繰り出せます。これまた気持ちがいい。
 加えて細かな点ではあるものの、今では欠かせない“バトル中は常にダッシュ”設定をONにすると、構えるボタンを長押しせずともワンボタンでスウェイできるのがラクです。

 さらに現代的なバトルデザインとして、ジャスト入力が攻防のカギになっている点が挙げられます。今作では、スウェイやガードをジャスト入力してからのカウンター、あるいは後ろからの攻撃などがクリティカル扱いになり、ダメージが上昇するほか、強敵がまとう闘気(敵を強化するバフのようなもの)を剥がす際に通常攻撃と比べて効果的という仕様になっているんですね。

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▲クリティカル攻撃はさまざまな状況から繰り出せます。
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▲敵から食らうダメージは決して小さくないゲームなので、闘気をまとった敵はジャスト入力やドラゴンブーストを積極的に活用したいです。
 ジャスト入力と言っても、それほど入力受付は厳しくないので、近作をノーマルでプレイしている方は今回もノーマルが合うと思います。

 感覚的には、『ロストジャッジメント:裁かれざる記憶』や『龍が如く8外伝』にあったアルティメットカウンターをそこそこ使いこなせていれば、すぐに慣れるかなと。ちなみに、カウンター時のスロー演出ではなく、避ける際のタイミングくらいですね。

 それと誤解のないように書いておくと、パリィゲーと呼ばれるゲームのように受け身ばかりでフラストレーションが溜まることはなく、1vs1のタイマンを除けば基本は攻めていく戦い方でOK。『龍が如く』らしい、攻めの爽快感については先に述べた通りです。

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▲タイマンとは正反対に、最大20人を率いて集団戦を行う“ツッパリの龍”というコンテンツも。コメディと熱血ノリがいい塩梅で組み合わさって、おもしろいストーリーが展開します。
 むしろ、環境を利用すると非常に高いダメージを出せる堂島の龍・極スタイルだったり、汎用性の高い琉球スタイルだったり、あるいはドラゴンブーストだったり、桐生の攻撃手段が豊富で敵に対して有利な感覚もあります。

 ただ……と反語が多くなるのは、『龍が如く』は自由度が高く、同じ難易度であっても、寄り道にかける時間=能力の強化具合が人によってバラつき、バトルに関しては一概に語れない部分があるからで。

 能力強化が足りなければテクニックで切り抜ける必要があるし、能力強化が行き過ぎていれば楽勝になるし、弁当やタフネス、スタミナンなどを買い込んで戦いに臨めば、わりとゴリ押しできてしまう。そうした“あえて緩さが残る”作りで、さまざまなプレイスタイルに対応する幅がある点はいつも通りです。

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▲ちなみに筆者は、ただクリアするには強くなり過ぎたクチ。
 もちろん、クリアまでの過程がプレイヤーごとに千差万別で、自由度の高いところは『龍が如く』のいいところですよね。だからバトルについて語ったものの、どのような体験になるかはプレイヤーごとにだいぶ差が出るはずです。自由度という意味では、先に述べたストーリー体験もサイドコンテンツのクリア状況やタイミングによって感じ方の差が出ると思いますが。

 ちなみに、一般的には難しいか易しいかという観点で選ぶ難易度ですが、ノーマルを選ぶとそれなりに寄り道が必要になるはずなので、可処分時間を考慮してクリアを最優先するためにビギナーを選択するというのもアリな気がしています。

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▲難易度は3種類。一番難しいプロフェッショナルは「極限の歯応えと、死と隣り合わせの緊張感を味わえる」らしい……。
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▲試しに難易度をプロフェッショナルにして、高難度の敵と戦ってみたところ、ジャスト入力を使いこなせないと栄養ドリンクをガブ飲みするはめになるという感じでした。
 というのも、本作はプレイした以上は、何よりもクリアすることを一番優先すべきだと思うからです。

 先述の通り、サイドコンテンツも含めて楽しんだほうが、メインストーリーをより深く楽しめるのは確かなのですが、最大限に楽しもうとして時間をかけるうちにフェードアウトするよりは、寄り道を最低限にしてクリアしたほうがよい体験になるはずです。特に原作をプレイした人は。

 むしろ誤解を恐れずに書けば、原作をプレイした方であれば、クリアしないと『龍が如く 極3』をプレイする意味がないとさえ思います。そのぶん、『龍が如く 極3』と『龍が如く3外伝』の両方をクリアまでプレイしたとき、人それぞれにいろいろな想いが胸に残るでしょう。

 この点については、いったん区切りをつけて語っていきましょう。

『龍が如く 極3』クリア後の感想と『龍が如く 極3』の先に思うこと


 ここまでは、『龍が如く 極3』におけるゲーム性の現代化やゲーム体験について語ってきました。ただし、開発陣から結末について意味深な発言が繰り返されてきた本作ですので、こうしてクリアまでプレイする機会を与えられたということは、その感想も書かなければ画竜点睛を欠きます。

 ということで、ここからはクリア後の感想になりますから、何も見たくない方はページを閉じていただければ。もちろん、致命的と思われるネタバレは避けますが。

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 感想を語る前に、まずは一般論として結末が変わることの意味を整理すると、『龍が如く』のように同じ世界観で地続きの物語が展開していくシリーズにおいて、結末が変わるということは、異なる世界線の物語が生まれるということです。仮に誰かの運命が変われば、その影響は物語の繋がっている範囲に及びます。

 だからこそ皆さんも開発陣の発言に注目したでしょうし、筆者も皆さんと同じように、いろいろと期待や想像を膨らませてきました。

 というか正直、タイトル発表の時点では「2月は毎年、大作が重なるし今は様子見かな……」と思っていたのですよ。ゲーム体験の現代化は手に取るまでわからない部分ですし。ですが、RGG DIRECT 2025で堀井亮佑プロデューサー兼ディレクターが結末にも手が入ることに言及したとき、予約を決めたんですよね。

 『龍が如く 極3』の物語において誰の運命がどう変わったか。そこはみんなが一番楽しみにする部分でしょうから、具体的な言及は避けます。なので筆者からは、一番に浮かんだ感想を声を大にして一言。

 早く続きをプレイさせて!!

 予想通りの部分もあれば、そうでない部分もあり、ラストに「完」の文字が出るまでは、手に汗握る思いでコントローラを掴んでいました。そして、ざわつく心を落ち着かせ、まず脳裏に浮かんだ、むしろ心の奥底から沸き上がったこの気持ち。『龍が如く 極3』から続く、まだ誰も知らない『龍が如く』をプレイしたい――。

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 「龍が如くスタジオ」の代表・制作総指揮の横山昌義さんは、
冠婚葬祭展時のメディア向け合同インタビューで「今後のシリーズの方向性を指し示すヒントが隠されている」「この先『龍が如く』シリーズが何をやっていくつもりなのかがわかる」と語っています。

 おそらく「龍が如くスタジオ」としても、(同じ名称でいくのかともかく)『極』シリーズを続ける意思はあるのでしょう。でないと投げっ放しジャーマンを自分たちのゲームに仕掛けたようなものです。我々ユーザーが許す許さない以前に、彼らの矜持が許すと思えない。

 新エピソードの追加に留まらず、結末に手を入れるところまで踏み切った以上、実際にプレイした人の中に賛否は出るでしょう。筆者としても原作をプレイしたがゆえに、しこりを感じる場面もあります。正直、もっと以前に『龍が如く 極3』が発売されていたら、安易に物語を変えるべきでないとの思いが先に立ったかもしれません。

 けれど実際は、「きっと『龍が如く 極3』を描いた先にしか体験できないゲームがあるのだろう」と考え、その挑戦に対する期待感が大きいです。その理由は、『龍が如く7』以降のゲームをプレイして、『龍が如く』の表現が広がったことを体感したから。それと筆者は、実際にプレイすると期待以上におもしろいのが『龍が如く』だと思っているので。

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 最初に書きましたが、『龍が如く 極3』は、リマスターよりリメイク派の方にはまず勧めることができるゲームです。そしてプレイしたならば、クリアもしてほしい。ストーリー面の変更はもちろんのこと、移植版を現行機でプレイできるからこそ、それとは異なる現代のゲーム体験に仕上がった『龍が如く 極3』をプレイできます。

 2月は他にもプレイしたいゲームがある方は多いでしょうし、筆者自身、他にフルプライス1本とインディー1本を購入して本作が3本目です。そうしたゲーマー事情を踏まえたうえでも、本作はプレイする意味があると思います。

 『龍が如く 極3』は、通常は影響の範囲が単作で完結するリメイクの壁を破って、その先にある物語と体験に繋がるのかもしれない。前述の『龍が如く7』がシリーズの分水嶺となったように、ある意味でシリーズの新たな始まり、あるいは分かれ目になるかもしれません。そんな今作を、みんなで体験して次に繋げていけたらいいなと。

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▲本稿では、ゲームとして直球な部分に絞ってお伝えしましたが、いろいろと遊べたり笑えたりする要素も含む本作。今回は外伝まで一緒に遊べることを含めると、さしずめゲームの満漢全席といったところでしょうか。

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