スクウェア・エニックスの完全新作アクションRPG『冒険家エリオットの千年物語』がSwitch2、PS5、XboxSeriesX|S、Windowsで6月18日(木)に発売。Steamは6月19日(金)に発売されます。

本記事では、先行プレイを行ったライターが、本作のストーリーや世界観についてのレビューをお届けします。
■関連情報
冒険家と妖精。4つの時代を越える大冒険
物語は謎の問いかけから始まりました。「誰に向けたものか分からない、でも王国が滅びるから救う必要がある」という、途切れ途切れの言葉。こうしたアニメ的な始まり方は最終話に繋がってくるので覚えておかなくてはいけないのですが、視聴(プレイ)している間にすっかり忘れてしまうんですよね。



実際、30時間近く遊んでいて紆余曲折あるストーリーに熱中したこともあり、この冒頭部分は見返すまで忘れていました(笑)。そして改めて「ここが繋がるんだ!」とスッキリしたところです。
舞台はヒューリア姫の加護の力で守られているヒューザー王国。王国の外には蛮族と呼ばれる魔物が徘徊しており、出歩くには少し危険が伴う大陸です。そんな外敵から加護の魔法で人々を守るヒューリアの負担を減らすため、古代遺跡に眠るかもしれない魔法知識の調査を冒険家エリオットに任せるところから冒険がスタートします。




エリオットは、ヒューリアが魔法をかけたイヤリングを通して姫様と会話ができるようです。会話だけでなく、回復魔法をはじめ、仕掛けのヒントや宝箱の所在などもヒューリアが優しく教えてサポートしてくれます。孤独な冒険にはならず、しかもRPGではお約束の一国のお姫様との冒険。こうした直球な設定は、そういえば久々かもしれません。



冒険を続けると、最初の遺跡には歯車仕掛けの扉があるものの、開けられず一旦保留に。そんな矢先、「冒険家の一団が魔物に追われ、とある遺跡内に取り残された」という情報がヒューリアに入ります。未探索の遺跡にも関わらず、迷わず助けに向かう決断を下すエリオット。もちろんヒューリアもそれを了承し、やっぱりゲームの冒頭はこうして矢継ぎ早に物語が動いてこそですね!




そうして向かった遺跡で救助者を助けつつ、最奥の宝箱から鍵と本を見つけ出します。その本によれば、歯車仕掛けの扉は"時を渡る魔法"の力を持つ扉のようで、数百年の時間を行き来できる魔法遺物ということが判明します。



これに目を付けたのが大臣のカイフリード。「大いなる力を持って未来を手にする」という強い野望を抱き、時の扉を解放して別の世界へと旅立ってしまいます。歴史を変えようと画策するカイフリード大臣を止めるため、エリオットたちも時を渡り、彼の野望を阻む新たな冒険が始まります。


何も知らずに本作を遊び始めたものですから、まさかゲームを始めて間もなく時代を超越する大冒険が展開するとは思わず、かなりの驚きでした。だって「時代を超える」って、もっと終盤のイベントというイメージを持っていましたから。まさか出し惜しみなく、序盤から時を渡って大冒険するゲームだったとは……!!


そこから物語が進むと、過去の行いが影響してか、ヒューリアが氷漬けになる呪いにかかってしまいます。旅先で出会った、なぜかエリオットにしか見ることができない妖精「フェイ」と共に、姫の呪いを解くため、4つの時代を行き来することになります。


時代が変わることによって、人々の生活様式や技術水準、魔法の有無など、さまざまな違いを発見できるのも時を越えるからこそ味わえる魅力。各地で出会う人々がどう時代を越えて繋がっていくのか、そういった細かな関係性にも注目です。

関連のなさそうな要素が繋がっていくストーリー
ヒューリアを救うために時を越えるのが物語の目的の1つ。そしてもう1つが、妖精フェイの探し物です。

実は彼女はエリオットにしか知覚できない存在であるだけでなく、フェイ自身も目的があって同じ世界にやってきたようなのですが、それを忘れてしまったとのこと。さらに「ピカピカ光るなにか」を落としてしまい、それが大切なものだったことも判明します。


かなりのドジっ子妖精ですが、困った人がいると助けたくなるお人好しな性分のエリオットは、妖精フェイを連れて冒険に向かいます。


実際、ストーリーの展開もエリオットが往く先々で誰かを助ける善意から動き出すことが多いのですが、それが決して遠回りにはなりません。そのおかげで少しずつヒューリアの呪いの解除方法に近付いたり、別の時代を動かすキーになっていたりと、物語が繋がっていく楽しさも本作のストーリーの魅力です。



ある意味でRPGのお約束ともいえる「誰かを助ける行為」が、単なる寄り道ではなく、自然と物語の本筋に絡んでくるのは見事な流れです。もちろんここで多くを明かすことはできませんが、本作はマルチエンディングを採用しているので、1つの結果だけに留まらず、時を越えて未来を塗り替えていくことができます。

エリオットたちが生きる"加護の時代"をはじめ、人々が滅びかけている"再建の時代"、魔法の力で繁栄している"魔法の時代"、そして人間とは異なる種族も生きる"萌芽の時代"と、複数の過去へと飛びます。基本的なマップは同じであるものの、景色の色合いやダンジョン内の構造に変化があり、過去に行ったアクションが後の時代に影響することも多くありました。


よくある設定だと思って気にも留めていなかったエリオット自身に関することや、フェイの探し物。そして失敗を成功に導く、あるいは「どこを正せばいいのか」を探っていく楽しさもあり、この物語がどう終着していくのかというモチベーションが終盤に向けて加速していきます。まさかゲーマーとして「ただいつも通り遊んでいた、やり込んでいたこと」が、こんな大きな力になるとは想像だにしませんでした。



各時代でエリオットが行ったさまざまな人助けが、正しい未来へと繋がっていく――。小さな波紋だったものがやがて大きな波になるように、物語が1つにまとまっていく楽しさをぜひ体験してください。