大正5年(1916年)に図案屋として創業し、2026年に110周年を迎えた工画堂スタジオ。四代目の代表取締役・谷逸平氏が、会社の歴史と受け継がれてきた考え方を語るインタビューコラムをお届けします。

第4回となる今回は、工画堂スタジオが求める6つの人物像と、そのなかに掲げられた「運の強い人」についてお聞きしました。宝くじに当たるような“幸運”と、努力を続けることで能力を引き出す“強運”は何が違うのでしょうか。
谷逸平:株式会社工画堂スタジオ四代目代表取締役社長。大正5年(1916年)に図案屋として創業した同社を牽引する。祖父である初代から受け継ぐグラフィックデザインを根幹に据えつつ、ゲームやイラスト制作など時代に合わせた事業を展開。110年続く企業の秘訣を「先人たちの真面目さ」と「人々の人間力」と語る。
「考える力、愛嬌、強運、熱意、誠実、オタク」――工画堂が求める6つの人物像
――工画堂スタジオが110年続いた背景のひとつに“強運の連鎖”があったとのことですが、これはどのような意味で使っているのでしょうか。
谷
うちでは、求人の際に「工画堂が求める人物像」を6項目で表現しています。
「考える力」「愛嬌のある人」「運の強い人」「熱意が強く諦めない人」「誠実な人」「オタク」です。工画堂に入るのであれば、この6項目に何か感じてくれる人がいいよね、ということで使っています。
そのなかにある「運の強い人」という表現は、ほかの会社には多分あまりないですよね。
「考える力」「愛嬌のある人」「運の強い人」「熱意が強く諦めない人」「誠実な人」「オタク」です。工画堂に入るのであれば、この6項目に何か感じてくれる人がいいよね、ということで使っています。
そのなかにある「運の強い人」という表現は、ほかの会社には多分あまりないですよね。
宝くじに当たる「幸運」と、努力で引き出す「強運」
――「運がいい人」ではなく、「運の強い人」としているのには、どのような違いがあるのでしょうか。
谷
面談のときに「あなたは運は強いですか?」と聞くと、皆さん少し考えて、「僕は運はいいと思いますよ」と答えるんです。
でも、運がいいかどうかを聞いているのではないんですよね。強運かどうかを聞いているんです。
“幸運”というのは、宝くじに当たるように、偶然、自分にとって好都合な結果が生まれることです。一方で“強運”とは、自分が持って生まれた人間的な能力を、努力によって引き出す力。その努力を続けることができる力であると、師匠から教わりました。
そして、それが常態化して、何に取り組んでも物事が成就するようになる。これが、強運の持ち主という考え方なんです。
でも、運がいいかどうかを聞いているのではないんですよね。強運かどうかを聞いているんです。
“幸運”というのは、宝くじに当たるように、偶然、自分にとって好都合な結果が生まれることです。一方で“強運”とは、自分が持って生まれた人間的な能力を、努力によって引き出す力。その努力を続けることができる力であると、師匠から教わりました。
そして、それが常態化して、何に取り組んでも物事が成就するようになる。これが、強運の持ち主という考え方なんです。

松下幸之助が語った「愛嬌のいい人、そして強運の持ち主」
――“強運”という考え方は、どこから生まれたのでしょう。
谷
先に答えを言ってしまうと、松下幸之助さんの言葉なんです。
僕が社長になって以降、松下幸之助さんの経営哲学を学ばせていただく社長会というか、勉強会があり、たまたまご縁があって参加することになりました。2001年から通っていて、そこで教えていただいたことが、今の工画堂の経営の背骨になっています。
松下幸之助さんが松下政経塾を作ったとき、面談を頼まれた人たちが「どういう人を採ればいいんですか」と尋ねたそうです。すると松下さんは、「そうやな、愛嬌のいい人がええな。そして、強運の持ち主がいいね」とおっしゃった。その話が、すごく強く僕の記憶に残っているんです。
だから、うちでも「愛嬌」と「強運」という言葉を使わせてもらっています。これは本当は、あまり表には出したくないんですけど、110周年記念ということで特別にね(笑)。
ただ、自分たちが実際に使い続けることで、それが工画堂の力になり、同じような考え方を少しでも次の世代へつないでいけるのではないかと思っています。
僕が社長になって以降、松下幸之助さんの経営哲学を学ばせていただく社長会というか、勉強会があり、たまたまご縁があって参加することになりました。2001年から通っていて、そこで教えていただいたことが、今の工画堂の経営の背骨になっています。
松下幸之助さんが松下政経塾を作ったとき、面談を頼まれた人たちが「どういう人を採ればいいんですか」と尋ねたそうです。すると松下さんは、「そうやな、愛嬌のいい人がええな。そして、強運の持ち主がいいね」とおっしゃった。その話が、すごく強く僕の記憶に残っているんです。
だから、うちでも「愛嬌」と「強運」という言葉を使わせてもらっています。これは本当は、あまり表には出したくないんですけど、110周年記念ということで特別にね(笑)。
ただ、自分たちが実際に使い続けることで、それが工画堂の力になり、同じような考え方を少しでも次の世代へつないでいけるのではないかと思っています。