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電子レンジは持ち運べる時代へ。発熱する糸(布)がすごすぎて世界に認められた電子レンジバッグ『WILLCOOK』の魅力や秘密を聞いてみた

文:電撃オンライン

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 布が発熱する特許技術を用いて作られた、画期的なポータブルレンジバッグ『WILLCOOK』シリーズ。バッテリーを接続してスイッチを入れるだけで、バッグの中のものを温められるという優れモノです。

 先日行われた“マクアケ最新家電体験会”で初めてその便利さを体験し、画期的なアイディアに驚きました。

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 この製品の良さをもっと多くの人に知ってもらうため、その魅力や開発過程のエピソードなどを、株式会社WILLTEX代表取締役である木村浩氏にインタビューしました。

糸1本1本が発熱する!?『WILLCOOK』シリーズの保温機能の秘密は布にあり!


 『WILLCOOK』シリーズは電子レンジのように使えるバッグとのことですが、まずはその素材に使われている布についてお聞かせください。

――こちらの布の特長についてお教えください。

木村
通常の布と全く変わらない性能を持ちながら、導電することによって糸1本1本が発熱し、編み構造によって伸縮する、耐久性に優れたファブリックヒーターです。

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――開発を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

木村
布自体は株式会社三機コンシスが開発し特許を持っています。

 その布を使いWILLTEXにて企画・開発を行い出来上がった製品が「WILLCOOK」となります。

 弊社は株式会社三機コンシスとライセンス契約を結びアライアンス企業として様々な開発案件を協業しながら事業を進めています。

世界にも認められた『WILLCOOK』シリーズの魅力とは? それぞれの便利ポイントを紹介


――『WILLCOOK』シリーズの特長やアピールポイントをお教えください。

・ショルダータイプで使いやすい『WILLCOOK HO-ON』

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木村
一番初めに開発した製品。ショルダータイプになっており、電源を入れなければサコッシュバッグとして使用でき、電源を入れるといつでもどこでも手軽に温かい食事をとることができます。日常時と災害時の垣根をなくし、フェーズフリーな考え方を取り入れた製品です。

 この製品はフェーズフリーアワード2022 オーディエンス賞を受賞しています。

・4つ折りにたたんでコンパクトに!『WILLCOOK TREK』

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木村
第2弾として開発した製品。WILLCOOKの加熱機能はそのままに、フルオープンにするとブランケットになり暖を取ることが可能です。4つ折りにたたんでコンパクトにカバンにしまう事もできる登山を意識した製品となっています。

 この製品は世界最大のテクノロジー展示会「CES2024」においてベストオブイノベーションアワードを受賞しています。

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・リュック型で大容量!『WILLCOOK PACKABLE』
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木村
第3弾として開発した製品。既存のWILLCOOKは加熱機能をメインに考えていた為全体的にコンパクトな作りが多かったのですが、今回の製品はリュック型となっており、大量の荷物を持ち運びながら外側のポケットで加熱機能を使える仕様にしました。

 ポケットからWILLCOOKの発熱シートを取り出せば、シート単体で持ち運んだり暖を取ったりすることが可能です。

 また、第1弾、第2弾の製品は専用バッテリー使用でしたが、今回のWILLCOOK PACKABLEからお客様のご要望にお応えする形でモバイルバッテリー仕様となっています。

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――発熱する布を開発してそれをレンジバッグにしようと思った理由はなんでしょうか。

木村
WILLCOOK開発のきっかけは開発担当上田の息子が野球をやっており、真冬のグランドがとても寒く「温かいものが食べれたらいいのに」という思いと、弊社代表の木村が阪神淡路大震災で感じた温かい食べ物の必要性がきっかけとなり開発されました。

――レンジバッグの開発中に苦労したことはありましたか?

木村
ヒーターの温度が高いため放熱が激しく、断熱材選びにとても時間を要しました。

 新幹線につかわれる断熱材を取り寄せて試しましたが、布感がなくなってしまい、試行錯誤の上今の断熱材にたどり着きました。

――布素材ということで、さまざまな製品に応用できるものだと思いますが、これから特に力を入れたい製品・分野などはありますか?

木村
WILLCOOK開発当初から考えている「布でお湯を沸かす」という事を実現したいと考えています。ハンカチを取り出してその上にカップを置いてお湯が湧いたら、災害時やアウトドア等便利なシーンがたくさんあるのではないかと考えています。

株式会社WILLTEX 代表取締役 木村浩氏 略歴・プロフィール


 アメリカの芯地メーカー、日本の紡績メーカー、繊維商社などを経る。各企業の収益改善と経営企画に携わる。繊維業界を練り渡るスペシャリスト。宅地建物取引士の資格。

 1965年広島生まれ。1987年新卒で副資材商社に入り、ゴムベルトをひたすら切らせれる。昼食時、弁当に先に醤油をかけただけで上司に怒られる。

 新規顧客開発をするなど、修行の日々。木村のベースができあがる。

 オーストラリア留学をし、1996年フランスの原糸メーカー大阪支社長就任。

 その後、アメリカの芯地メーカー、日本の紡績メーカー、繊維商社などを経る。

 2018年、株式会社WILLTEXを設立。

 趣味は、筋トレとギター。スキューバダイビングが得意。PADIアドバンスド・オープンウォーター・ダイバー(AOW)。

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