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『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』8話感想。激アツなタイミングで流れる主題歌、あざとかわいいテンなど見どころの満載のなか、衝撃のラストに全部もっていかれた(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 2024年5月26日(日)に放送された、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』第8話“友達のカタチ”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』8話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。


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過去の失敗から、周りに合わせることだけを考えるようになってしまったテン


 第7話で、適性値が足りなくなり逃げ出してしまったテン。適性値が足りなかった経験のあるリョータは、テンのことをかばいますが、アカネは本質はそこではないと指摘します。実際この認識は正しくて、アカネはいかにも他人に興味なさそうなキャラをしていながら、人間観察力が3人の中で一番高そうなのが面白いなと。

 ただ、コミュ力の方に大いに問題があるので、若干空気が読めないところも見受けられます。逆にリョータはそのコミュ力が最強クラスなので、本当に正反対のキャラとして配置されているのが分かります。

 シンカリオンの操縦において天才と呼ばれていたテンですが、それは普段の学校生活においても同じで、一人だけできすぎてしまったことが確執を生んでしまっていたようです。しかも努力が苦にならないタイプで、なまじ自分ができてしまうからこそ、他人にもその水準を求めてしまっており、7話で「一緒にいると疲れる」とテンから離れていった友人たちの言葉の意味もよく分かりました。


 訓練で本気を出さなかったのは、そういった経験から「他人に合わせる」ことが一番波風が立たないと学んだからなんでしょう。実際、回想のテンは明らかに自分のことしか見えておらず、他人の気持ちを考えられていなかった節はあるのですが、反動でやりすぎてしまっています。

 一方、遠慮なく本音をぶつけ合えるタイセイたち3人の関係がうらやましく思えたようですが、テンが驚いた通り、この3人って友達になってからほとんど時間が経ってないんですよね。とくにアカネに関しては、ちょっと前までタイセイとリョータの両方と険悪だったとは思えないくらいの馴染みっぷりで、いい意味でも悪い意味でもマイペースなアカネだからこそ作れた空気感のような気がします。

ついにアカネが指摘した、タイセイの抱えている問題点


 今回登場したのは巨大なクレーン型のアンノウン。リーチはめちゃくちゃ長いですが、足にあたる部分がないためか、その場からほとんど動かないというかなり変わったタイプの敵でした。

 衝突するアカネとリョータのバランスを上手く取りながら、二人を鼓舞するタイセイに刺激され、テンは自分がいかに周りが見えていなかったかを痛感した様子。年齢を考えるとそこまでを求めるのは酷なところがありますが、他人とチームで何かをするときに頑張りを認められると精神衛生上全然違いますし、それが自然にできるタイセイは将来後輩から慕われるいい先輩になりそうだなと。


 そこから立ち直ったテンがシンカリオンに乗り、タイセイたちの援護を受けながら走りぬけるシーンは、主題歌の「閃光ハヤブサ」が流れるタイミングが反則級にピッタリだったのも相まって、最終決戦のような熱さがありました。自分たちの世代からすると、子どもの頃に見た『勇者』シリーズの影響もあって、新幹線=のぞみ系というイメージが今でも強いので、のぞみ系のシンカリオンが活躍するとやっぱりテンションが一段と高くなりますね。

 余談ながら今回の戦闘、タイセイたちはずっと合体前の形態で戦っていたので気付いたのですが、エルダビーグルはそれぞれの支部ごとの管轄下にあり、関東から大きく離れる場合、タイセイたちはエルダビーグルと合体できないんじゃないかという気がします(電車ではなくヘリなので呼び出せはするでしょうけど、到着までの時間がかなり掛かりそう)。エルダビーグルが現地のものしか使えないと仮定すると、今回の名古屋支部のN700Sのように、現地のシンカリオンの活躍に必然的に焦点が当たるような設定になっているのは、なかなか秀逸だと感じました。

 戦闘の後も、やっぱりあざとかわいすぎるテンとか、テンの問題を通じてぶつかりあったことでより親密になったタイセイたちとか、いろいろ見どころはあったんですが、ラストのアカネの一言とちらっと映った人影のインパクトが持っていった感がありますね。


 タイセイがカッコいいことを言ったのをカドミチが褒めて、タイセイが照れずにそれを受け入れたのも面白いと思ったんですが、そこからアカネがいきなりタイセイの本質に切り込んで来るとは……。

 おそらくアカネとしては意図や悪気はなく、素直に思ったことを口にしただけだと思うんですけど、もうちょっと優しい言い方はなかったのかと。ただ、タイセイがあまりに姉に依存しすぎているところは、いつかは直面しないといけない問題でした。

 最後の最後に映った人影は、行方不明になったタイセイの姉・イナである可能性は非常に高く、そうなった場合タイセイは「絶対に正しい」とまで言い切っている姉と敵対することになります。

 最初に、タイセイがシンカリオンへの高い適性値を持っていると知ったカドミチは、イナの弟なら乗れてもおかしくないという反応をしていました。イナもシンカリオンの適性値が高かったと考えると、黒いシンカリオン(ファントムシンカリオンとすでに名前も公表されています)に乗ったイナと戦うという展開も十分にありえそうだなと。

 まだ1クール目が終わる前なんですが、早くも物語が大きく動き始めることになりそうで、今後の展開が非常に楽しみです。





米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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