2024年5月27日にサービス終了を迎えた全方位にハマる! ギリギリアクションRPG『キュービックスターズ(キュビスタ)』。そのメインストーリー集をお届けします。
この記事では、第一章“円卓の惑星”11話“医療兵器アヴァロン”~15話“聖杯の騎士王アーサー”を掲載します。
この記事では、第一章“円卓の惑星”11話“医療兵器アヴァロン”~15話“聖杯の騎士王アーサー”を掲載します。
第一章 円卓の惑星 11話~15話
11話 医療兵器アヴァロン
アヴァロン:…………。
アヴァロン:侵入者……下層部エリアへと侵入。迎撃システム作動中……。
アヴァロン:高硬度物質分解システム……エネルギー充填中。充填を優先。迎撃システムは最低限を維持して停止。
アヴァロン:……ねえアヴァロン。あれはこの遺跡の装置で壊せるかしら。
アヴァロン:……ええ、そうね。ダメなら別の方法を考えましょう。
アヴァロン:あれは人々の手に渡ってはいけない物……。
アヴァロン:私たちの手で……必ず破壊しなくては……。
パンドラ:それにしても、アヴァロンはなんで聖杯を持っていっちゃったんだろ~?
ソロモン:たしかアヴァロンが現れたとき「壊せないから持ち帰る」……みたいなこと言ってたよね。
アーサー:ああ、たしかにそんなことを言っていた。アヴァロンは、聖杯を破壊しようとしていたのだろう。
ソロモン:でも、だとしたら何のために……? 人を治療する目的とは真逆なんじゃ?
ノストラダムス:うーん……。
ノストラダムス:あっ! 自分が治せなくなるから聖杯を壊しちゃおうと思ってるとか!
ロビンフッド:……だとしたらとんでもなく迷惑だな。
アーサー:今はとにかく、アヴァロンのもとへ急ごう。……聖杯が破壊されてしまう前に。
12話 アヴァロンとの対立
アーサー:この部屋は……!
パンドラ:広い部屋ドラ~!
ソロモン:あの水晶、いろんな場所の景色が映ってる……!
ホームズ:あれは王都かな。ここにいるだけで外の様子も見れるみたいだ。
ノストラダムス:監視する為の部屋ダムス~!
ランスロット:……そして中央にいるあの巨大な古代兵器が──!
アーサー:──アヴァロン! 聖杯を返してもらおう!!
アヴァロン:…………。
マーリン:聖杯はみんなが必要にしてる物なの! だからお願い! 返して!
アヴァロン:……それはできない。あれは人の手にあってはならない物。
アーサー:これまでも私たちは公平に運用してきた! 私たちの使用方法に問題はなかったはずだ!
ランスロット:我が国には聖杯があるおかげで生き長らえている民もいる。その民たちの為にも、それを渡すわけにはいかない!
アヴァロン:……だめ。このシステムは……危険。あなたたちには渡せない。
ランスロット:くっ……! 階下に逃げたか!
パンドラ:追いかけるドラ~!
13話 隠された真実
アーサー:まだ奥があるのか……。今度の部屋はいったい……。
パンドラ:さっきと同じモニターにいっぱい文字が書いてあるドラ~。
マーリン:これは……魔法か何かの研究報告かな? びっしり書いてある~。
ランスロット:何が書いてあるのか興味深いが、じっくり読む時間はない。アヴァロンに逃げられてしまう。
ホームズ:──ふむ。これはどうやら聖杯についてまとめられた資料らしい。内容もしっかりしてる。
マーリン:うん。すごく丁寧に分析と検証がされてるね……。アヴァロンが書いたのかな?
アーサー:アヴァロンが……? もしや、それが王都を襲った原因か……? アヴァロンにも、何か理由がある……?
エクスカリバー:……アーサー。お前が選ぶんだ。戦いと対話、どちらの道を進むかは王たるお前の判断次第だ。
アーサー:…………。
アーサー:……詳しい内容を教えて欲しい、マーリン。対話で済むのであれば、無用な血は流したくない。アヴァロンのことを理解しよう。
マーリン:うん! 一番重要な所は、え~っと……。
ホームズ:……明確におかしな点は、ここかな。聖杯を構成する物質の年代測定……。他にもいろいろ不気味な所はあるけれど……。
マーリン:そうだね! アヴァロンの分析によると、あの聖杯はここ最近に作られた物みたい。
ランスロット:……そんなバカな。聖杯はずっとこの国の象徴として保管されていたはずなのに……。
ホームズ:でも私には、アヴァロンが嘘を書いているようには見えない。分析データや検証の結果がしっかりと記載されている。ここに書かれていることに捏造はなさそうだ。
パンドラ:……つまりどういうことドラ~?
ホームズ:”可能性としてあり得ないことを除外して残った物は、それがどんなに奇妙な結果であろうと真実である──。”
ホームズ:アヴァロンの分析が真実なら……いったい何が間違っているんだろうね。
アーサー:…………。
アーサー:アヴァロンに、直接聞いてみよう。……話し合いが可能なら、平和的に解決したい。
14話 偽りの聖杯
アヴァロン:……待っていた。この国の王様……。
アーサー:待っていたということは……君は私たちと対話に応じる意思がある……ということか。
アヴァロン:私が説明しても信じてもらえない……だから来てもらった。自分たちの目で見て……ゆっくりと考えてもらう為に。
ホームズ:君が残した資料を見て、いくつか疑問が生まれたよ。アーサーたちが聖杯と呼ぶ物が、いつ出現したのか? そしてそれが何をしているのか?
マーリン:まず、何をしているかだけど……。あの聖杯は、周囲の生命力を奪っている……ってことだよね?
アヴァロン:……そう。あの装置は、周りの生命を吸い取って治療している。治療した患者本人も、大きく衰弱してしまう……。
ランスロット:そんなバカな……! 聖杯は重病人や大怪我をした者も治していたのに……!
アヴァロン:……データをみればわかる。この装置は人々を害している……破壊するのが最も最善の選択。
ランスロット:そんな……! 何かの……間違いでは……!
ホームズ:残念だけど、私にはデータの間違いは見つけられないね。……そしてそれが正しいと考えた方が、アヴァロンの行動に一貫性があって納得できる。
ホームズ:アヴァロンは……本当に人々を救う為だけに動いている。そして問題があるのは、あの聖杯の方なんだ!
アーサー:……待ってくれ。それじゃあ、あの聖杯はいったい……?
マーリン:さっき、あの聖杯は最近作られた物……って説明したよね? だからたぶん……あの聖杯はいつの間にか、偽物とすり替えられていたんじゃないかって思うの。
アーサー:アヴァロンは破棄しようとしていた聖杯は……偽物だったということか……!
ランスロット:だが……民の中には今すぐその聖杯を必要としている者もいる! たとえ偽物であってもそれを破壊すれば、彼らは命を落としてしまう……!
アヴァロン:それでも、これを返すことはできない……。死ぬ寸前の者を延命する為に、他の者の命を削ることは治療ではない。
アヴァロン:……充填したエネルギーを物質分解システムに転送。システム起動。分解、開始……!
ソロモン:なんか動き出してる……! あれを止めないと聖杯が破壊されちゃうの……!? いや、でもあの聖杯は偽物で……!?
アーサー:く……!
ランスロット:偽物であれど、あの聖杯がなければ生きられない人がいる……。……ですが王よ、あなたの選択に従います。
エクスカリバー:だがあの聖杯を使い続ければ、関係ない人間までもが命を吸われる。……アーサー、それでもお前の信じる道を進め!
アーサー:……みんな! 私に考えがある! アヴァロンの操る装置を止めて、あの聖杯を確保しよう!
アヴァロン:……敵対行動確認。排除、開始……。
15話 聖杯の騎士王アーサー
アーサー:よし……装置が止まった……!
アヴァロン:施設内部の出力低下……。作戦目標を変更……目標の確保を優先。
アヴァロン:……これはあなたたちの求める聖杯ではない。悪意ある者が用意した、まったく別の装置。……だから、廃棄する。諦めて。
アーサー:それでも……必要とする者がいる。だからそれを返して欲しい。民にも説明するし、悪用することはしない。
アヴァロン:……だめ。この装置に組み込まれた機構を…その存在を許容することはできない。
アヴァロン:……この子…アヴァロンがそう叫んでいるの。
アーサー:……それでも、今の私たちには必要な物なんだ。
アーサー:だから信じてもらうまで訴えかけよう。……私に任せて欲しい。
アヴァロン:……これは私が処分する。邪魔をするなら……。
アヴァロン:アヴァロンシステム、起動。戦闘モードに移行し、目標の確保を最優先……。
アーサー:力付くで奪うと言うなら……相手になろう! 民の為に、譲ることはできない!
ランスロット:王よ……お供します。
パンドラ:……アーサーを信じるドラー!
ソロモン:……うん! たとえ聖杯が偽物でも……こんなやり方は間違ってるよね!
ノストラダムス:未来がどうなるか、決めつけるのは良くないダムスー!
アーサー:ありがとうみんな! ……行くぞ、アヴァロン!
エピローグ
アヴァロン:システムダウン……戦闘続行不能……。
アヴァロン:……目標の確保に失敗……。それを使っては……だめ……。
アーサー:……安心して欲しい、アヴァロン。これはあと一度しか使わない。
アーサー:現在重症の患者に使ったら、今後は使用を禁ずる。最後の別れを言う時間ぐらいは……民たちに与えたいんだ。
アヴァロン:……だけどそれにも、誰かの命が使われてしまう。
アーサー:いいや。使わせない。使うのは……私の命だ。だから、それで納得して欲しい。
ランスロット:そんな……!? 何を突然……! そんなこと、許されません! 王!
アーサー:それは私が決めることだ。これまで民の命を使ってしまった分、私の命を捧げよう。これなら文句ないだろう、アヴァロン。
アヴァロン:……いいえ。あなたの命を使うことも、だめ。それは……おろかなこと。
アーサー:……手厳しいな。だが私は、王とは民の為に存在すると思っている。……この命を捧げることに、何の未練もない。
アーサー:これが私の出した答えだ! ……マーリン、エクスカリバー、ランスロット。あとは頼んだ。
マーリン:そんな……! ダメだよ、アーサー!
アーサー:これは……?
ソロモン:まさか……
ランスロット:これは……新しい聖杯……! 「国難訪れし時、真の王の器を見せた者の前に聖杯が降臨する」……この国に古くから伝わる言い伝えだ……。
エクスカリバー:ああ……間違いない。あれこそが真の聖杯だ。聖杯は誰が奪おうと、常に王たる器を持つ者の前に現れる。……真の聖杯に認められたな、アーサー。
アーサー:これが……真の聖杯……!?
アヴァロン:……解析完了。先程までの装置とは全く異質の物。疑わしい機能は存在しない……
アーサー:……ならば、することは一つだ!! 今苦しんでいる民の元へ、真の聖杯の祝福を届けよう!
アーサー:感慨に浸っている暇などないぞ! 民のもとへ急ごう、ランスロット!
ランスロット:……はっ! 我が王よ!
●場面転換
アーサー:……ふう、これで最後か。
ランスロット:ええ、お疲れ様でした。聖杯の奇跡は、これまで以上に重病人たちを癒やしてくれたようです。
マーリン:他の人たちが偽の聖杯に奪われてた生命力も調べてみたけど、たぶんこれから回復していくと思うよ!
アーサー:そうか……良かった。
ノストラダムス:あれ? そういえばアヴァロンはどうしたダムス~?
マーリン:いつの間にかいなくなっちゃった。遺跡にもいないみたい。偽の聖杯がなくなったから、どうでもよくなっちゃったのかな?
ホームズ:ここの治療は任せて、誰か治療が必要な人を探しに行ったのかもしれないね。
ロビンフッド:ハハ、挨拶もなしか。まあ悪いヤツじゃないんだろうが。
ソロモン:そうだね。アヴァロンのおかげで聖杯が偽物だって気づけたんだし。
パンドラ:それにしても、なんで聖杯はニセモノだったドラ~?
アーサー:それは目下調査中だ。ひとまずは警備の目を強化し、警戒しているが……。
ランスロット:誰かが偽物にすり替えたのか……? でもいったい何のためにそんなことを……。
マーリン:あ! そういえばアヴァロンの遺跡に、パンドラたちへの伝言が残ってたんだった。伝言って言っても、複雑な言葉でよくわからないんだけど……。
ホームズ:それは……もしかすると、何かのデータじゃないかな? 機器を通せば読み取れるかもしれない。
ノストラダムス:持ってきた端末で解析してみるダムス!
ロビンフッド:これは……第一部隊の信号だ! この先にある惑星の方へ向かって船を進めた痕跡がある。
パンドラ:なら次はそこに行ってみるドラ~!
アーサー:……そうか、ではここでお別れだな。今回は君たちのおかげで助かった。ありがとう。
ランスロット:君たちがいなければ、この事件は解決できなかったかもしれない。私からも礼を言うよ。
ノストラダムス:そ、それほどでもないダムス~!
ソロモン:アーサーたちが頑張ったからだよ! さすがこの国の王様だね!
アーサー:そう言ってくれると助かる。困ったことがあったら、また訪ねて来て欲しい。きっと協力を約束するよ。
パンドラ:うん! また来るドラ~!
パンドラ:それでは次の星に向けて~……出発進行~~!!