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6月15日は『ガンダムSEED』で地球連合によるオーブ侵攻が行われた日。キラとアスランの共闘、『DESTINY』へも繋がる重要なキーポイント(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 Netflix及びAmazonプライムビデオで劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の配信もスタートし、まだまだ熱気が収まる気配のない『ガンダムSEED』シリーズ。

 6月15日は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』のC.E.(コズミック・イラ)71年おいて、地球連合軍によるオーブ連合首長国への侵攻が行われた日。いろいろな意味で『ガンダムSEED』シリーズにとっての重要な意味をもつ戦いでもありました。

ムルタ・アズラエルが権力を握ったことで連合との関係が悪化【機動戦士ガンダムSEED】

 C.E.71年のオーブは、代表首長ウズミ・ナラ・アスハの元に「他国を侵略しない、他国の侵略を許さない、他国の争いに介入しない」という理念を掲げ、地球連合とプラントの対立からは中立を保っていました。地球に位置する国家ではありますが、コーディネイターも受け入れており、キラ・ヤマトたちが住んでいたヘリオポリスも、オーブの資源衛星コロニーです。

 ただ、この頃のオーブはかなり強かなところもあって、地球連合のMS開発計画に協力し、連合と共に初期のGATシリーズ(ストライク、イージス、デュエル、バスター、ブリッツ)を完成させています。こっそりとデータを盗んで、自国のMSであるアストレイを作ったりもしていますが、ザフトに追われていたアークエンジェルを保護したり、中立とはいいつつも結構地球連合側に寄ったスタンスを取っていました。

 そのため、連合との関係は比較的良好だったと思われるのですが、大きな変化が起きたのはオペレーション・スピットブレイクの後。

 ザフトがパナマ基地を制圧したことで、連合は地球から戦力を宇宙に送り込むためのマスドライバーが使用できなくなってしまいます(オペレーション・スピットブレイクについては以下の記事でも紹介しています)。


 この時のザフトは、オペレーション・スピットブレイクの失敗により、大きく戦力を減少させており、主力MSであるストライクダガーが完成した連合としては、ここで一気に反転攻勢に出たいタイミングでした。そんな時に目を付けられたのがオーブが保有するマスドライバー"カグヤ”で、この提供を拒否したオーブに対して強硬手段に出た……というのは主な開戦の流れです。

 とはいいつつ、この時の指揮をとっていたのは、すでに連合の権力を掌握していたブルーコスモスの盟主であるムルタ・アズラエル。コーディネイター廃絶を唱えるブルーコスモスとしては、コーディネイターを受け入れているオーブはどの道容認できない国家なんですよね。ブルーコスモスが権力を握った時点で、マスドライバーに関係なくオーブが侵攻を受けるのは避けられなかっただろうなと思います。

フリーダムを圧倒する3機のガンダムの強さ。『SEED DESTINY』へと繋がる悲劇も【機動戦士ガンダムSEED】

 この時、連合側の新型GATシリーズであるカラミティ、レイダー、フォビドゥンの3機のMSと、オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラスの3人のブーステッドマンが実戦投入され、オーブに身を寄せていたキラの乗るフリーダムを3対1とはいえ圧倒しています。

 この時に苦戦するフリーダムを見て、居ても立っても居られなくなったアスランが、命令ではなく自分の意志で参戦するという熱い展開へと繋がっていくので、もしここでフリーダムが何なく3機を撃退していたら、アスランはザフトに所属したまま、その後のコズミック・イラの歴史は大きく変わっていたのかも。

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 アスランが参戦した後は、フリーダムとジャスティスのコンビ優位に形勢が逆転していたんですが、よく見るとこの3機の相手をせざるを得なかったことで、最強戦力であるキラとアスランが他の部隊の援護に一切回れなくなっています。

 アズラエルはこの時の3機の働きに満足していないようでしたが、フリーダムとジャスティスの足止めという意味では、これ以上ないほど役割を全うしていたと言えます。実際、薬が切れて3機が撤退した後も戦闘を継続しようとした連合艦隊の司令に「このまま戦ったら全滅しますよ」とアズラエルが意見を述べる一幕もあって、3機の存在は戦況に大きく影響していたんじゃないかと思います。

 最終的に戦いは、マスドライバーとモルゲンレーテの施設を自爆させる、オーブの事実上の降伏という形で幕を下ろすのですが、これまでキラと敵対してきたアスランとディアッカが仲間になる感慨深さ、屈伸の名曲である“暁の車”が特殊エンディングとして流れる演出など、『SEED』の中でもとくに印象的なシーンが生み出された戦いでもありました。

 また忘れてはいけないのが、この戦いの裏で続編となる『SEED DESTINY』の主人公、シン・アスカの家族がこの時の戦闘の流れ弾に巻き込まれて命を落としていること。

 1人生き残ったシンは、後に自分のような想いをする人間を減らすためにザフトに入隊し、『SEED DESTINY』の物語へと繋がっていきます。キラとオルガが戦った場所がほんの少しでも違っていれば、『SEED DESTINY』の物語は間違いなく完全な別物になっていたでしょうね。

 なおHDリマスター版では、フリーダムとカラミティの戦闘中にシンの一家らしき民間人が避難しようとしているカットが追加されていて、『SEED DESTINY』を踏まえた上で見ると「あー!」と声を上げたくなります。

 前述したキラとアスランの合流、最後にウズミがカガリにオーブを託す流れなど、いろいろと後のコズミック・イラの歴史に及ぼした影響力が半端ない戦いだったんだなと改めて思います。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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