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アニメ『ザ・ファブル』11話感想。沢城みゆきさんのエセ関西弁が最高や――。ミサキのピンチは場の緊張感がすごかった――(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ『ザ・ファブル』の第11話“運命の一日です♪”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ザ・ファブル』第11話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

一気に緊張感が高まる…! アニメ『ザ・ファブル』11話感想


 “ファブル”と呼ばれる伝説の殺し屋が、1年間、誰も殺さずに一般人として大阪で暮らす姿を描く『ザ・ファブル』。アニメ版は『装甲騎兵ボトムズ』で知られる髙橋良輔さんが監督を務めます。


 直近のストーリーは、海老原の舎弟であり、一般人を殺して15年服役していた小島が出所。海老原が心筋梗塞で倒れて入院したことにより、小島が好き放題に暴れているという展開です。

 海老原はデリヘルを立ち上げようとしており、その看板娘として、アキラがお世話になっているアルバイト先のミサキが目を付けられています。前回の第10話はミサキが小島に脅されて彼の指を舐めるシーンもあり、とてもショッキングでしたね。原作を読んでいる筆者は、ここから先がさらに過激になっていくことも知っていたので、今回の第11話はワクワクというよりも、もはやハラハラしていました。ミサキは花澤香菜さんが演じているので、過激なシーンはカットされると思ったものの、髙橋良輔さんはこだわりの監督なので、ギリギリまで攻めてきそう。原作をどこまで再現するのか注目でした。

 第11話はミサキのために手を尽くすアキラを洋子がからかうような展開からスタートしましたが、「もしかしてミサキちゃん好きになった?」と聞く洋子に対して素直に「世話になったからできる事をしてやりたい――」「あの娘が笑ってると俺も楽しい気持ちになる――」と答えるアキラが優しくてよかったですね。コミック版では真面目な顔だったので変化が分かりづらかったですが、アニメ版では興津和幸さんが微妙な感情の機微を表現しており、アキラがミサキに本当に恩を感じていて大事なことが伝わってきました。

 その後、洋子もミサキは友だちだから手伝いたいとアキラに申し出ますが、その結果としてとても大変な作業を押し付けられることに。ぶつぶつと文句を言う彼女ですが、アキラの真似をしてエセ関西弁でブーブー言っているのがとてもかわいかったですね。演じている沢城みゆきさんは芸達者な方なので、幼い女の子からセクシーな女性までどんな役でもこなすのですが、洋子はとてもハマり役に感じますね。


 洋子が作業している間、アキラはミサキに電話をしますが、この一連のシーンはミサキの顔が映らずにアキラの様子だけが描かれました。この演出は原作と同じですね。ただ、無理をしているミサキの様子が声の芝居からも分かるので、より切ないシーンに。会話の行間を読むような原作の演出もよかったですが、アニメ版もドラマチックでしたね。明日は予定があって会えないというミサキに対して、銃をいじりながら「大丈夫」というアキラは怖くもありましたが、頼もしくもありました。

 そんななか、小島が砂川との商談の準備を進め、砂川は小島を始末する準備を進めていました。雇った殺し屋が25歳以下でないと聴こえないモスキート音を合図に指令するように砂川に命じますが、あきらかに30歳を越えているだろう仲間が顔を出すシーンは笑ってしまいましたね。彼が老け顔というだけだと思いますが、アニメ版は声の芝居も合わさってただのおっさんにしか見えなかったのでギャップに笑わされました。

 小島がミサキを連れ出し、アキラと洋子も動き出すことに。入院中の海老原のもとに謎の人物が訪れ、海老原は「あんたがファブルか」と問いかけます。「私がファブルというのは間違いではない」と答える彼に関して、正体が分からなかった人もいるかもしれませんが、彼が“ファブル”と呼ばれる組織を作ったリーダーで、アキラの育ての親ですね。なお、その前のシーンでアキラがボスの話をしているので、そのこともヒントになっていますね。

 後半は小島と砂川が一触即発に。ふたりだけで話しあうということになり、砂川は仲間に“その間、ミサキがちゃんと仕事ができる体になるように”と命令。つまり彼女がお店で仕事をする前に自分たちで……ということですね。ミサキの心を折ろうという作戦でもあると思いますが、とにかく下衆いですね~!

 さて、その後のミサキのシーンですが……さすがに直接的な描写はカット。しかし、かなり原作に忠実な流れでしたし、なによりミサキの悲痛な叫びが凄まじく、彼女の絶望が伝わってくるものでした。自分的には十分すぎるほど満足できる映像化でした! はたしてアキラはミサキを救うことができるのか。ぜひアニメでチェックしてみてください!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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