電撃オンライン

アニメ『ザ・ファブル』15話感想。クマに狙われて絶体絶命のクロ――。威嚇の雄たけびで助けるアキラは心強いけど、ちょっと笑える――(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

最終更新:

 TVアニメ『ザ・ファブル』の第15話“もしかしてサバイバル…。”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ザ・ファブル』第15話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

殺人犯の次は野生のクマが相手!? アニメ『ザ・ファブル』15話感想


 “ファブル”と呼ばれる伝説の殺し屋が、1年間、誰も殺さずに一般人として大阪で暮らす姿を描く『ザ・ファブル』。アニメ版は『装甲騎兵ボトムズ』で知られる髙橋良輔さんが監督を務めます。

 第13話で小島編が終了し、第14話よりサバイバル編がスタートしました。小島編は一般人を殺して15年服役していた小島との戦いを描くストーリーで緊張感が高かったですが、今回のサバイバル編はアキラと彼に憧れるクロが山のなかでサバイバルをする展開となっており、ギャグが多めです。頼りになるアキラと情けないクロのギャップに笑わせてもらえることになります。


 山でのサバイバルを描いたサバイバル編はアニメになったことで、色鮮やかな山の風景がイメージしやすくなりました。生い茂る草木の色彩やヘビやカエルといった生き物のこまかい動きなどが分かりやすかったですね。雑草や木の枝だらけの傾斜は整備されている林道とは異なり、進むのも一苦労であることが伝わりました。アニメ版はセリフがカットされていますが、そのぶん絵の力で作品のメッセージを表現していることが分かりました。

 アキラが火を起こすときにクロがライターを渡そうとして、なるべく文明を使わないと断ったシーンで、アキラはメタルマッチを使っていますが、原作では「ホントならキリモミ式でやりたいくらいや」と本音を語っているコマがあります。アニメでも雰囲気は伝わりますが、より詳しく知りたい人は原作のほうも読んでみてください。アキラがクロに松葉のお茶を振る舞うシーンなど、ほぼ丸ごとカットされてしまっている部分もあるのでオススメです。

 さて、今回のサバイバル編で注目なのは、やはりアキラとクロの関係ですね。クロは完治していない足のギプスを外して今回のサバイバルに参加していることもあり、とにかく大変そう。アキラはそんなクロをさり気なくフォローします。

 ヘビは食べたくないとワガママを言ったりするクロに対しても叱ったりすることはありません。栄養のことなどを説明して、いかに食事をすることが大事か教えています。口数が少なく不器用に見えるアキラですが、指導者としての才能もありそうですね。サバイバルに慣れていて、ほかの人を気遣う余裕があるという前提もありつつ、クロを甘やかすことはせず、かといって突き放すようなこともせず、絶妙な距離感で接していて感心しました。

 最初はヘビを拒否していたクロがいちどその美味しさに目覚め、アキラにリクエストする姿は可愛らしかったですね。後輩力が高い……!


 基本的にギャグが多めのサバイバル編ですが、緊張感のあるシーンも。前半はイノシシ、後半はクマとの遭遇があり、ドキドキしましたね。イノシシに関しては牙による出血で失血死になる可能性が高いというアキラの説明になるほどと思いました。突進で打撲してしまうイメージがありましたが、実際には牙による出血が危険なんですね。その後にアキラがイノシシは視力が良くないことを語り、無事に事なきを得るシーンも含め、彼の博識な姿が印象的でした。

 遭遇したクマに関してはそこまで巨大ではなく、小柄なところがリアルでした。ただ、人間にとって脅威であることは変わりがなく、アキラ不在のときにクロが鉢合わせてしまうところも絶望感がありました。その前のシーンで死んだふりをするのはよくないとアキラに教えられたにも関わらず、パニックになったクロが死んだふりをするのはめちゃくちゃおもしろかったですね。とても危険で笑ってはいけないシーンなのですが、逆にそんなギリギリの状況で最大のボケをかましてしまうクロが最高でした。

 そんな絶体絶命のクロを発見したアキラが彼をどのように救ったのかというと、威嚇。大きく手を広げて大声を出すことで相手を威嚇してクマを追い払いました。この方法はマンガの『ネイチャージモン』のネイチャージモンや『ダンジョン飯』のライオスが披露していましたが、まさかアキラがやってくれるとは。恥ずかしがらずに全力で威嚇行動をやり切る様子は、迫力もありつつ、どこか滑稽でおかしかったですね。動物相手であれば正解なのでしょうが、普段は人間相手にクールな戦い方をするアキラだけにギャップがありましたね。


 今回のラストではクマがクロのカバンの匂いを覚えてしまったため、取り返しに来るであろうことが示唆されました。アキラは体がなまらないようにするため、山に入ったため、もちろん逃げるようなことはしません。

 戦闘態勢に入ったクマに対してアキラはどう立ち向かっていくのか。次回はアクションも多めになっているでしょうし、マムシを食べたあとのクロのアレな異変も描かれるでしょう。そして洋子サイドの展開も……今から楽しみですね!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

関連記事


    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります