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『SCHiM スキム』レビュー:子どものころに遊んだ影から出たらいけないゲームを思い出す。懐かしくて、可愛くて、クセになるアクション【電撃インディー#715】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPLAYISMより7月18日に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト『SCHiM ‐ スキム ‐』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

あと1ステージだけ…クセになる影渡りアクション


 本作の主人公“スキム”はモノや人の影に住んでいる不思議な存在。真っ黒な蛙みたいな彼らですが、その見た目通り蛙のようにぴょんぴょん跳ねて影から影へ移動することができます。

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▲影からぴょんと飛び出している黒い蛙のようなものが“スキム”。

 この影から影への移動が、子どものころに遊んだ影から出たらいけないゲーム(正式名称不明)と重なって、なんだか懐かしい気持ちになります。小学生時代の下校中とかに1度はやりましたよね!?

 本作のルールは影から影へ移動するだけで、あとは影の配置や形をうまく利用して目的地へ向かえばオーケーです。

 ちなみに影から出てしまうと、スキムは弱弱しいジャンプしかできなくなり、そのまま少し経つと少し前にいた影(チェックポイント)へ戻されます。

 また、スキムは影に入っているモノや人をちょっと操ることができます。

 操った結果は対象ごとにそれぞれで、茂みがちょっとガサガサしたり、人がくしゃみをするといったフレーバー的なものから、フォークリフトのアームを伸ばして長い影を作るなど、ステージ攻略に役立つものも。

 自由自在に動かせるドローンなんかもあって、新しいオブジェクトを見つけるたびにどんなことができるかワクワクしました。

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▲フォークリフトのアームを伸ばして遠くの影へ。

 また、当然ですが人や人が操作している機械や乗り物は自ら操らなくても勝手に動いています。そんな動くオブジェクトをうまく活用して目的地へ向かうステージなどもあり、単純ながら飽きの来ない作りになっています。

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▲車や自転車の影で移動するだけでなく……。
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▲ベルトコンベア上の荷物の影を利用、なんてことも。

 影を渡るジャンプの挙動が小気味良かったり、一見どう進むかまったくわからないステージを意外な方法で攻略できたときの達成感などがクセになり、シンプルなシステムながら「あと1ステージだけ……!」とやめどきを見失ってしまう中毒性の高いゲームでした。

言葉はないけどなんだか切ないストーリー


 本作の物語はプレイヤーが操作するスキムが、離れ離れになってしまった持ち主の男を追う、という流れで進んでいきます。

 文字や言葉での直接的な説明はありませんが、なんだかスキムとその持ち主はあまり長く離れ離れになっているとまずそうな雰囲気……。

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▲スキムがいなくなり影がうすーくなっている男。なんだかこのままじゃお互いにヤバそう。

 また、ゲーム冒頭では男の少年時代から大人へ成長するまでをスキムとして見守る流れがあり、離れ離れになるのも仕事がうまくいかずリストラされて男が消沈しているタイミング
なので「なんとかしてやらないと……」と親心のようなものも湧いてきます。

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 ついでに言うと、男のうまくいかない様子が妙にリアルでちょっと胃がキリキリします。幼少期は兄弟と楽しそうに遊ぶ天真爛漫な少年だったのに……。

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▲彼女ができたり別れたり……。
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▲幼少期の体験から消防隊への進路を選ぶ兄弟。男も誘われますが断わり自分なりの進路を見つけますが結果は……。

 独特なアートスタイルもノスタルジックな感情を刺激される魅力的なもので、プレイ後の余韻も心地よく遊んでいる最中に楽しいだけでなく、思い出に残るゲームだなと感じました。

 アクションは基本的に影から影へのジャンプだけで、パズル要素も考えて解くというよりはひらめき重視の作りになっていて、ゲームの難易度は低め。空気感や世界観が気に入った方なら確実に楽しめる作品になっているので、ぜひ実際にプレイしてみてください。


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