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『バベルの塔』38周年。シンプルな操作性ながら奥が深い名作パズル&アクションゲーム。30数年の月日を経て気付いたバベルの塔の真理とは?【メモリの無駄づかい】

文:sexy隊長

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回はファミリーコンピュータで発売されたパズル&アクションゲーム『バベルの塔』について紹介します。

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『バベルの塔』とは


 ナムコが開発し1986年7月18日に発売されたファミリーコンピュータ用のパズル&アクションゲーム。本日がちょうど38周年の記念日になります!

 考古学研究者で探検家のインディー・ボーグナインを操作して、頂上にある空中庭園をめざすのが目的。L字型の不思議な石を運んで組みかえたり落としたりして、出口にたどりつくとステージクリアとなり、次のフロアへ進んでいきます。通常面64+エクストラステージ64の全128フロアという歯ごたえのある作品です!

 フロアによっては敵が待ち構えていますが、石をぶつけて下敷きにすると倒すことができるアクション要素があったり、8フロアごとに“壁画の間”があり、塔の頂上へ上がるために必要な“謎の絵”が隠されている理不尽な謎解き要素があるなど、シンプルなのに高難易度な作品。

無慈悲な30数年の月日と頭の固さ【バベルの塔】

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 記憶が定かではありませんが、幼稚園ぐらいの時からファミコンで遊んでいた記憶がうっすら残っており、最初は父親からの勧めで、『スーパーマリオブラザーズ』を遊んでいました。しかし、幼き私は、隠し1UPきのこがあるところらへんの穴がどうしても超えられず半泣きでプレイしていました。そこから私のアクションゲームへの苦手意識が付き、好きだけど苦手を背負い続けて今に至ります。

 そこで、ファミコンカセットがいくつか入っていた引き出しを漁っていると、出会ったのが「なんかカッコいい!」という理由で選んだ『バベルの塔』というソフト。何もわからず始めてみると、最初は全くなにをすればいいのかわからない……どこへ向かうのか? どうすればいいのかわからない……。

 わからないけど、BGMと効果音が心地よい! あとすぐに死なない! なんか焦らずにいろいろできる! そんな理由で何度も何度も繰り返しプレイしていた記憶があります。最初こそ何をすればわからなかったけど、繰り返しプレイをしていると自ずと目的や、パワーが無くなると死んでしまうということを理解していきました。今思うと知育玩具的な役割があったみたいです。

 だんだんと理解していくと、あとはもうトントン拍子にステージが進んでいきます。道中出てくる敵に対して大苦戦をするもののパズルの部分は意外とすんなりクリアできました。自分でもクリアできる! という成功体験は幼少期の私にはとても大きい経験でした。途中で死んで最初からになっても、同じステージを何度もクリアするのがとても楽しく、後半はちょっとずつ、ちょっとずつですが先へと進んでは喜んでいました。

 あれから30数年の月日が経ち2023年6月6日、『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』に『バベルの塔』が追加されることが発表されました。幼少期の思い出のゲームがまさか追加されるなんて!! と狂喜乱舞。

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 しかも本作は、ノーヒントで自力発見不可能な理不尽すぎる“ビッグパスワード”というものが存在し、それを入力することでエクストラステージへ行くことが可能となります。通常面64フロア+エクストラステージ64フロアをクリアすることで完全クリアになる! ということを大人になってからインターネットという文化を通じて知りました。

 これは、幼少期には成し得なかった“バベルの塔完全制覇”ができるじゃないか! と思い、配信日に速攻でプレイ。もちろん、やり込んだ作品なので30数年経っても、BGMは脳内に流れているし、何をすべきは全部理解している。パズルの攻略は覚えていないので後半はちょっと苦戦するかもしれない……と、思っていましたが、最初のステージで……。

 あれ? このL字のブロックを持って置いて、出口を目指すんだよな!? ど、どどどどうやって置けばいいんだ!? と思いっきり躓きました……。

 30数年の月日を経て、ゲームスキルやIQは高くなりましたが、頭は想像以上に固くなっており、柔軟な発想力が低下。トントン拍子でステージを進んでいった幼少期の面影はなく、後半はちょっと苦戦するかもしれない……どころか序盤から大苦戦。

 バベルの塔が持つ「人間の驕りの象徴」、「傲慢に対する戒め」という意味を身をもって体感し、真理に近づけた気がします。

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