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『深 四のの目~陰陽の巫女~』タイトルの本当の意味がついに明かされる!? 序盤のおすすめテクニックやボリューム感などを開発者に聞いてみた【電撃インディー#736】

文:電撃オンライン

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、先日開催された“Bitsummit Drift”でも出展された、ローグライクホラーアクション『深 四のの目~陰陽の巫女~』の開発者インタビューをお届けします。

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 本作は、入るたびに変化する和風の屋敷ダンジョンを探索し、屋敷で入手できる武器やアイテムを駆使しながら、1部屋1部屋攻略していくローグライクホラーアクションゲームです。

 2022年に登場した『四のの目』のパワーアップ版であり、新しいモノノケやダンジョンなどが多数追加。大幅なパワーアップを遂げています。

 今回は、開発会社であるWODANの『深 四のの目~陰陽の巫女~』ディレクター・岩尾賢一さんにお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

劇的なパワーアップで帰ってきた『深 四のの目』。『深』になって、深まったことととは?


――まずは、『深 四のの目』の注目点を教えてください。

 思考型ローグライトホラーアクションとして、リアルタイムで動く世界の中で、手持ちの罠や武器、有利な地形を用いて敵とどう戦うのかを考えながら生き残り、屋敷からの脱出を目指します。

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 パズル要素(敵によって対処方法を変えていく)の強いテクニカルな敵とパズル要素を逸脱する(この敵にはこのアイテム、といったルールを超える)強力な能力・武器の追加。

 そして、「よの」の別人格として登場するもう一人の破壊的な主人公「四目ヨノ」に注目してください。新規の強力なボスも登場します。

――本作の開発経緯やコンセプトについて教えてください。

【開発経緯】

 今から30年前、『バイオハザード』のゲームメカニクスを設計したとき、扉を開ける前に部屋の様子を覗うという要素やゾンビを誘き寄せて罠に嵌める、部屋に立て籠もるといった要素が、スケジュールの関係で入れられませんでしたが、そういったものを入れられればもっとおもしろくできたのでは……と、私の中ではずっと心残りでした。

 その、いわば若い頃の自分の積み残しを、別のゲームに形を変えて昇華させてみようと考えたのが開発の始まりでした。

【コンセプト】

 私はアクションゲームが大好きなのですが、なかなかに下手でいろいろなゲームで最後までクリアできることは稀でした。どうしても指が追いつかないんです。

 そこで、アクションゲーム特有の爽快感や達成感を、指先のテクニックに頼らなくても実現できないかと考えたのが、出会って戦うと中々倒せない敵でも、事前に情報を集めて準備しておけば、戦う前に勝つことができる、というコンセプトとなりました。そこが“思考型”と言っているゆえんです。

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――前作である『四のの目』との違いやパワーアップした点を具体的に教えてください。

 オリジナルの『四のの目』がかなり"緊張"を重視したストレス強めのパッシブなゲーム性だったのに対し、『深 四のの目』は爽快感のある強力な攻撃手段の追加、移動のストレスを緩和する要素の導入など、全体に"緩和"にも注力したアグレッシブなゲーム設計にシフトしています。

――開発をするうえで、特に気を付けている点があれば教えてください。

 微かな物音や痕跡をヒントに、戦う前に作戦を立てて攻略していくパズル要素の強い繊細な基本のゲームコンセプトは失わずに、ある意味ゲーム性に相反する派手な攻撃やアクションを実装していくという点の調整には苦慮いたしました。

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――ゲームタイトルには、どのような想いが込められているのでしょうか。

 『四のの目』には、実は様々な意味が込められています。"死に目"の暗喩。囲碁用語の"四目殺"。クリアした時に見る"東雲"、広く四方を見て、聞くというゲーム性を表す言葉"四目四聴"。他にも様々な意味が込められています。

 そして何より今回登場する四目ヨノによって、隠されていた本当の意味が明かされますので楽しみにしていてください。

 『深』には、単なる"新"よりも、よりディープになったゲーム性を表す"深"のほうが合っていると思ったからです。

――ダンジョンやモードなど、本作のボリューム感はどれくらいでしょうか。また、1プレイのだいたいのプレイ時間も気になります。

 以前の『四のの目』でも百時間以上遊んでくださっているプレイヤーがかなりいらっしゃいました。

 『深』では、さらに12のダンジョンやテクニカルな敵を増やしましたし、従来のダンジョンもテコ入れしましたので、ボリュームはさらに増しております。

 とはいえ、気軽に遊べるお化け屋敷ゲーム、というコンセプトがあり、『深』もその点は大切にしておりますので、短くて1プレイ3分から長くて10時間以上まで、プレイヤーのライフスタイルやその日の遊べる時間に合わせてプレイしていただけます。

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――ゲームモードは“祓”、“禊”、“行”の3つあるとのことですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。:構造や配置が決まっているダンジョンで、物怪(もののけ)を祓っていく、パズル要素の強いモードです。

:毎回ランダムに構造が変化するダンジョンを、いかに早く抜け出すかがテーマの脱出ゲームです。

:ランダムに構造が変化し、かつ無限に続くダンジョンで、どこまで生き残れるかがテーマのサバイバルモードです。貯蔵場所を決めたり、移動手段を確保したりと、長期的な戦略を立てることが長く生き残る秘訣です。

――主人公が危機に陥ると現れるという今回の新要素“もうひとつの人格”について、もう少し具体的に教えていただけますか?

 よののもうひとつの人格"四目ヨノ"は、祓のストーリーを進めると出現し、行でも使えるようになる強力なプレイヤー。ストレスが限界に達するとヨノは出現し、よのと入れ替わります。

 ヨノは足が速く、暗闇でも目が見え、短筒や小太刀を使って独自の技が放てる等、様々な特殊能力を持っています。

 しかし、その高い代謝量の代償として、始終エネルギー補給していないと餓死してしまうので注意してください。

――序盤を生き残りやすくするテクニックがあれば教えてください。

 モードによって生き残るための方法は異なります。

 ただ、どれにも共通して言えることは、物怪は遭遇してから対処するのではなく、できるだけ遭遇する前に情報収集し、しっかり作戦を立てておくことでしょうか。

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――岩尾さんご本人についでですが、ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 子どもの頃から紙でゲームを作るのが好きでした。

 シミュレーション、推理、対戦アクションなど、様々なゲームを紙で作り、学校で流行らせました。

 他の生徒の学業の妨げになると、職員室に呼びだされ、没収されたことも数知れずでしたけれど。

 でも、その延長線上で、長じてカプコンに企画書を出してプランナーで採用していただいたのが、ゲーム開発のスタートでした。

――では、個人的にここ数年でもっとも感銘を受けたゲームは何しょうか?

 ここ数年ということであれば、やはり『Vampire Survivors』ですね。

 革新的なゲーム性があれば、低予算で作られたゲームでも成功し得ることを示し、インディーズのみならず、ゲーム業界全体にも新しい風を吹き込んでくれたと思います。

――それでは最後に、楽しみにしているユーザーに一言お願いします!

 ローグライクRPGっぽいのに、ターン性ではじゃない。

 アクションゲームっぽい操作なのに、動きがとろい速くはない主人公。

 初めてこのゲームに触れた方は、最初のうちは何がおもしろいのか、戸惑うかもしれません。

 でも、プレイを続けていると、見た目から期待、想像していたゲーム性とは異なるところにこそ、本作のおもしろさがあることに、アハ体験よろしく、やがて気づいていただける瞬間がきっとあるはずです。

 そこからは、深い深~い沼が待ち受けております(笑)。

 そして、前作を楽しんでくださった皆さま。

 より濃く深くなった『深 四のの目』の世界を楽しみにしていてください。

『深 四のの目』ディレクター 岩尾賢一
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