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【スパロボY参戦作品紹介】マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍:ゲッター線でマジンガーZが進化した『F完結編』は激アツだった。あのダイナミックな合体攻撃も久しぶりに見たい【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第18回は『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』と『ダイナミック企画オリジナル』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め21作品が参戦し、さらにDLCで6作品の追加参戦が発表されています。



 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、もちろん立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』は、2003年に発売されたOVA。2001年~2002年にかけてリリースされていたOVA『マジンカイザー』の続編にあたります。

 この作品、『スパロボ』シリーズとは切っても切り離せない関係にありまして、作品タイトルにもなっている主役ロボ・マジンカイザーは、元々は『スーパーロボット大戦F完結編』にて『スパロボ』オリジナルの機体として登場したのが初出。

 それが非常に高い人気を博したため、マジンカイザーを主役に新たな『マジンガー』シリーズの映像作品として作られたのが、OVA版の『マジンカイザー』なんです。


 位置づけとしては、TVシリーズとも永井豪先生の漫画版とも異なる『マジンガーZ』のパラレルワールド的な作品。

 兜甲児や弓さやか、Dr.ヘルといった主要キャラクターは共通していますが、マジンカイザーの存在以外にも、続編『グレートマジンガー』の剣鉄也と炎ジュンがミケーネ帝国出現前に共闘していたり、漫画版に登場していたローリィとロールが光子力研究所に合流したりと大きな違いがあり、ストーリーも完全に別物です。

 OVA版の1話では、あしゅら男爵に奪われ敵となったマジンガーZを、兜甲児の乗ったマジンカイザーが倒すという衝撃の展開からスタートし、Dr.ヘル一派を撃退するまでの戦いが描かれます。

 今回『スパロボY』に参戦するのは、その後に作られた『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』版で、こちらは『グレートマジンガー』の1話に先駆けてWマジンガーの主役交代劇を描いた映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』がモチーフになっています。


 前作のOVAシリーズがシリアスな面がありつつもお色気要素やギャグシーンも豊富だったのに対し、こちらは全編を通してシリアスなストーリーが描かれます。

 開幕からいきなりミケーネ帝国との戦いが始まり、前作のOVAシリーズの主要キャラだったローリィとロールが死亡するなどジェットコースターのような展開で、ひたすら劣勢の続く前半から、マジンカイザーの登場と共に一気に逆襲が開始されるのが見どころです。

■『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』を見る

マジンカイザーはダイナミック企画オリジナル版が登場【スパロボY参戦作品紹介】


 そんな『マジンカイザー』ですが、『スパロボY』では少し特殊な参戦になっており、キャラクターやストーリーについてはOVA版、ロボットとしてのマジンカイザーは『ダイナミック企画オリジナル』版という変則的な扱いになっています。

 前述した通り、マジンカイザーは『スパロボ』シリーズ用に生み出されたマジンガーなのですが、OVA版のマジンカイザーは、収納式だったスクランダーが合体方式に変わったり、オリジナル版の“魔”、“神”、“Z”の3つのモード変化がなくなっていたり、機体の設定が変更されていました。

 これらの設定を組み込んでいない、『スパロボ』用に作られた設定を踏襲しているのが『ダイナミック企画オリジナル』版のマジンカイザーとなります。

 ゲーム的に分かりやすいのは武装の違いで、オリジナル版では肩から出す剣の名前が“ショルダースライサー”、OVA版は“カイザーブレード”という名称に。

 さらにOVA版は最強武装もカイザーブレードに設定されるのに対して、オリジナル版はコミカライズ版が元ネタの“カイザーノヴァ”が最強武装として設定されるケースが多いです。

ゲッターとのクロスオーバーで誕生した『F完結編』のマジンカイザー【スパロボY参戦作品紹介】


 OVA・ダイナミック企画オリジナル版共に何度も『スパロボ』参戦しているマジンカイザーですが、個人的にやっぱり衝撃だったのは初めて参戦した『F完結編』です。

 あの時代のマジンガーZはゲーム序盤こそ頼りになるものの、終盤になるとパワー不足でスタメン落ちすることが非常に多かったので、めちゃくちゃカッコいいデザインでマジンガーZの後継機が出た……というのはテンションが上がりまくりました、

 加えて、『F完結編』でのマジンカイザーは、マジンガーZに『ゲッターロボ』のゲッター線を浴びせて強化したという経緯で生まれていて、『スパロボ』ならではの夢のクロスオーバーが詰まった設定になっていたのも最高でした(残念ながらこの設定は『F完結編』のみでしたが、その後も真ゲッターとマジンカイザーは設定的なクロスオーバーが豊富でした)。

 『F完結編』では、もう加入するなり優先的に改造資金も突っ込んで強化したのですが、あの時代のマジンカイザーには、パイロットの宇宙適性が低いという弱点が存在していました。

 しかもマジンカイザーが加入するのは中盤以降で、ちょうどその頃には戦いの主な舞台が宇宙に切り替わり始めるタイミングなのもあって、スペックがフルに活かせない場面が多かったのがちょっと残念だったところ。地上ステージさえ多ければ、終盤もしっかり強かったと思うのですが……。

 ただ、その次の『スパロボα』では、スーパー系全体の大幅強化や地形適応の改善もあって一気に強くなり、主力として大活躍してもらいました。ショルダースライサーの戦闘アニメがめちゃくちゃカッコよかったのも印象的。

 『スパロボα』以降は真ゲッターと並ぶ最強クラスのスーパーロボットとして、毎回安定した強さを誇っているイメージがあります。

久々の“ファイナルダイナミックスペシャル”の実装はあるか?【スパロボY参戦作品紹介】


 クロスオーバーの話ではないんですが、個人的に『スパロボY』で楽しみなのが、オリジナルのTVシリーズの声優である石丸博也さんが演じる兜甲児が久しぶりに使えること。

 ある程度最近の『スパロボ』では、マジンガーの枠が『真マジンガー 衝撃! Z編』や『マジンガーZ/INFINITY』に代替わりしていたので、家庭用で石丸さんの声の兜甲児が参戦するのは、2009年の『スパロボNEO』以来になります。


 赤羽根健治さんや森久保祥太郎さんの兜甲児もピッタリだし大好きなのですが、マジンカイザーに関してはOVA版の存在もあって、石丸さんの兜甲児が乗っているのが個人的に一番しっくり来るので、また石丸さんのマジンカイザーが使えるのは嬉しいですね。

 マジンカイザーだけではなく、『スパロボV』にて初登場した、グレートマジンガーの強化機体となる“マジンエンペラーG”の参戦も判明しており、こちらとの共演も楽しみなポイント。

 とくに『スパロボY』では、『ゲッターロボ アーク』に登場するゲッター聖ドラゴンが敵として登場することがPVの内容から予想されるので、マジンカイザーとマジンエンペラーがゲッターアークと共にゲッター聖ドラゴンに立ち向かうという、余波で世界が滅びかねないスケールの戦いが繰り広げられそう。

 今回は『ゲッターロボ アーク』が参戦した以上、ゲッター線という存在がこれまでの『スパロボ』以上に掘り下げられると思うので、ゲッター線でマジンカイザーが生まれた……という設定はさすがにないにしても、ゲッターにマジンカイザーがどう絡んでくるのかはとくに楽しみなポイントです。

 またマジンカイザー、マジンエンペラー、ゲッターアークあたりで、一昔前の『スパロボ』では恒例の合体攻撃だった“ファイナルダイナミックスペシャル”が久々に実装されていたりすると嬉しいな……とほのかに期待していたりもします。

 5月から続けてきた本連載ですが、今回で初期収録の参戦作品紹介はラスト。『スパロボY』自体の発売もかなり迫ってきました。

 もう一日も早く『スパロボY』がやりたくてたまらないのは自分だけではないはず。まだまだ妄想を広げながら、発売を楽しみに待ちたいと思います。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第15回~第17回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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