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アニメ『ザ・ファブル』17話感想。残虐で狡猾な宇津帆が早くも見ていられない! 赤鼻になったクロの姿だけが視聴者の癒やしだ(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ『ザ・ファブル』の第17話“ウツボレイ……。”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ザ・ファブル』第17話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

ゲスな宇津帆が登場。アニメ『ザ・ファブル』17話感想


 “ファブル”と呼ばれる伝説の殺し屋が、1年間、誰も殺さずに一般人として大阪で暮らす姿を描く『ザ・ファブル』。アニメ版は『装甲騎兵ボトムズ』で知られる髙橋良輔さんが監督を務めます。

 第14話より展開していた“サバイバル編”が前回で終了。今回より表の顔は人格者であるものの、裏の顔はひ弱な若者の親から金を搾り取る宇津帆玲が登場する“宇津帆編”に。サバイバル編はアキラとクロが野生のクマに襲われたり、洋子がチャラい河合ユウキと大人の恋の駆け引き(?)をしたりとかなりギャグに寄っていましたが、今回の宇津帆編はシリアス。序盤から緊張感のある展開が楽しめました。


 今回のストーリーは原作通り、小さな興信所を経営する宇津帆が新しく入所してきた井崎を連れ、子どもたちのために公園のブランコや池のまわりを安全なものに改装しようと地域の婦人会に提案しているシーンから。

 裏では過保護に育てられた資産家の子供を狙って大金をせしめる悪党である宇津帆は、事務所に戻ってすぐに本性を表しますが、ここは演じている藤真秀さんの芝居のおかげで裏表の違いが原作よりも出ていました。ただ、子どもたちの未来を語る宇津帆はどこかクールで淡々としており、不穏なBGMも相まって視聴者を不安にさせる内容。すでに裏があることが示唆されていましたね。

 その後、事務所に帰ってくるシーンでは宇津帆の部下である佐羽ヒナコが車椅子で移動しているシーンがあり、彼女の足が不自由であることが分かるようになっていました。

 事務所では元・真黒組組員の井崎はこんなまともな仕事なんてできないと悪態を付き、宇津帆が裏の顔を見せることに。それは裕福で過保護に子どもを育てている家庭を見つけ、成人後にその子どもの弱みを握って親から大金を取り、さらに誘拐や殺人で失踪させて、興信所として調査依頼で金を絞り取るというビジネス。

 宇津帆は拉致した男を廃棄物処理場のような場所で埋めるところを井崎に見せますが、人のよさそうな昼の顔とは異なり、とても無慈悲で怖かったですね。予想外なのは井崎で、「こういうの好き!」とうれしそう。真黒組の組員だっただけに荒事には慣れていたのでしょう。


 宇津帆の残酷な一面が描かれたあとはアキラの日常シーン。全裸でジャッカル富岡のドラマを観ているところが映し出されて、ホッとできました。

 ふたたび宇津帆の視点に戻ってからは事務所で井崎を歓迎している場面に。井崎はチームで動くには4人がちょうどいいと伝えますが、その後の殺し屋の鈴木ヒロシとふたりで話しているシーンでは井崎が使えなかった場合は彼を消すことも視野に入れていることを伝えます。人の心がない悪党であることが分かりましたね。

 一方のヒロシですが、冷酷な殺し屋であるものの親しみやすい性格。40歳を超えているということもあり、大人の余裕が見えるキャラクターでした。アニメ版は子安武人さんが演じていることもあり、さらに魅力的な人物になっているので、今後の活躍が楽しみになりました。宇津帆がファブルの存在を匂わせたことで、対決のフラグも立っていますし、期待が高まりますね。


 そんなファブルことアキラは仕事からの帰路、公園の鉄棒で立つ練習をしているヒナコを見かけます。アキラが暗殺の仕事をしていたときにヒナコと出会っていたことがあるようですが……今回は匂わせ程度の描写だったので、今後のストーリーに注目しましょう。

 続いて、もうひとつの意外なつながり、井崎とクロの再会シーン。ふたりは以前、真黒組で同期だった関係ですが、今回登場したクロはサバイバル編の赤い鼻が直っておらず、そのまま登場。キャラクター間の意外なつながりが判明する場面でしたが、クロの鼻ばかり気になってしまいました。

 その後、アキラは洋子に4年前に起きた事件の資料を探してもらおうとしますが、ここはいつものふたりの軽快なやり取りで安心できましたね。塩の振りすぎでしょっぱくなったチャーハンを食べたときの洋子のリアクションもかわいかったです。

 平和的な流れが続いたものの、次は宇津帆がヒナコに下の処理をさせるシーンに……。「今日はあの日だよ」と伝えるヒナコに「血は好きだ」と言って行為をはじめる宇津帆。ふたりの慣れている様子から日常的におこなわれていることであることが伝わってきましたね。原作の過激な描写はカットされていますが、なにが行わているのかは視聴者にも分かるようになっていました。


 次のシーンでは宇津帆の次のターゲットがアキラが務めている有限会社オクトパスの貝沼であることが明らかに。本格的に宇津帆とアキラが関わってきそうで次回以降のストーリーも楽しみです。

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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