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カプコン新作『祇(くにつがみ)』インタビュー。アクション難易度は誰でも遊びやすく、物語はシンプルながらも読後感を大切にした作りに

文:Ak

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 7月19日にカプコンより発売予定となっている『祇:Path of the Goddess』のインタビュー記事をお届けします。

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 また、ゲームの流れや基本、バリエーション豊かなステージを紹介する先行プレイ動画も公開中なので、ぜひ合わせてご覧ください!

■基本要素紹介動画

■ステージバリエーション紹介動画
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▲川田脩壱氏(本作ディレクター)
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▲平林良章氏(本作プロデューサー)

タワーディフェンスとアクションが融合した独自のシステムの構想は開発当初から変わらず


――本作の開発の経緯や、世界観が和風に決まったきっかけなどを教えてください。

川田
ゲームシステムの根幹として、タワーディフェンスとアクションを融合させたものにするというのは初期から決まっていました。世界観を和風にしたきっかけは、自分が日本文化を好きというのもありますが、“何かを守る”というゲーム性と神様の登場する世界観がマッチしたというのも大きいです。

平林
本作は単に“タワーディフェンス”というジャンルではなく、アクションと融合させたミックスジャンルとして新しいゲーム体験を目指しています。タワーディフェンスで楽しめる戦略性と、自分で介入できるアクション要素の掛け合わせによる体験ですね。タワーディフェンスでは最後の最後に負けが決まったような場面では自分で介入できないことがほとんどですが、そこに自分=プレイヤーが介入できるようにしたら面白いんじゃないかというのがアイデアとしてありました。

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――先行プレイでは“畏哭(いこく)”の異様なデザインにも惹かれました。

川田
“畏哭”は異形っぽさが際立つデザインではありますが、部品単位で見ていくと、意外と可愛く見える部分もあったりします。動きや見た目もそうですが、あまりグロテスクに見せすぎないようには注意していますね。深く観察すると面白味を感じられるデザインになっているのではないかと思います。

――ちなみに、お気に入りの“畏哭”はいますか?

平林
“鎌鼬(かまいたち)”ですね。ふだんは飛んでいる“畏哭”ですが、地面に降りてきたときや攻撃時に地面に鎌が刺さった瞬間に攻撃のチャンスが生まれます。村人の職能転向の重要さを感じることができて、序盤の攻防をうまく感じられる敵だなと思っています。

川田
一番最初にデザインが完成した“餓鬼(がき)”には愛着がありますね。ひんぱんに出現するので、引きの絵で見たときにも画面映えするようにしています。シルエットだけ見ると、可愛らしさを感じてもらえるかと思いますよ。

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――戦闘となる夜フェイズだけでなく、昼フェイズも退屈しない作りですね。昼は穢れを払うほかに穢れに取り憑かれた動物を助けたり、布陣を整えたりするなどやることが盛りだくさんです。

平林
開発チームのなかでも、昼フェイズに何を優先するかのプレイスタイルはバラバラでした。自由度が高く、どのタイミングでどの行動を行うかはプレイヤーしだいなので、ぜひ自分なりのスタイルを試行錯誤していってほしいですね。

――昼フェイズもリアルタイムにした狙いは?

川田
準備できたから終わり、というわけではなく限られた時間のなかで自分なりの最適解を探してほしいと考えて、リアルタイムで時間が経過するようにしています。音楽の切り替わりや絵的な昼夜の変化でも緊張感を出すようにしているので、そこにも注目していただければと思います。

――ちなみに、全体的な日数制限などはあるのでしょうか? あまりノンビリしているとゲームオーバーになったりしますか?

川田
日数制限に関しては、ある楽しみは用意しています。ただプレイスタイルはプレイヤーごとに異なると思うので、アクションやストラテジーが苦手な人がじっくり進めても大丈夫なようにはしているので、そこはご安心ください。ぜひ“宗=プレイヤーキャラクター”や“世代”に共感を覚えながら、自分のペースで山の旅を進んでいっていただきたいと思います。

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――世界観やストーリーの見どころについて教えてください。

平林
ゲーム体験が一番伝えたい部分ではあるので、ストーリー自体は比較的シンプルなものになっています。ほぼボイスが入っていないのも、プレイヤーごとの読後感を大事にしてほしいという狙いからですね。“山が穢れに覆われて、それを浄化する巫女を守る”というストーリーの流れは当然ありますが、その先の何かについてはあまり明確には語らないようにしています。世界観に関しては、拠点の絵巻などでも掘り下げがあるので、気になる人はそこもチェックしていただければと。

――名前のあるキャラクターは“宗”と“世代”だけなのでしょうか?

平林
そうですね、その2人だけです。それも、ゲーム体験への没入感を高めてほしいという狙いからですね。

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――時間の経過が水盆に移り込む太陽や月で表現されるなど、UIも印象的でした。

川田
UIも含めて、徹底的に和のデザインで統一しようとはしていました。村人の配置などあらゆる場面で和を感じてもらえるようになっています。視認性とデザイン性の落としどころには苦心をしましたが、やはり和の雰囲気を楽しむためには、そこまで徹底的にやり切った方がゲームの価値としても生まれるのかなと考えました。

――“宗”のデザインやアクションがかっこよかったです。“宗”や村人たちの仮面にはどのような意味があるのですか?

川田
仮面は”神の力”が宿るある種の象徴のような存在です。村人たちは仮面を被って神の力を借りることで、さまざまな職能を得られるわけですね。一方“宗”は少し特別な存在となっていて、“世代”との関係性を表すような仮面のデザインになっています。

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――“宗”といえば、踊るようなアクションも印象的でした。

川田
“宗”のアクションに関しては、ただの剣術というよりは踊りのようなものも意識しています。エフェクトもこだわっているので、ぜひよく見てもらいたいですね。ちなみに敵が攻めてこないタイミングなどでは、よく見ると村人たちも踊っていたりします(笑)。

――踊りに関して、振付の参考にしたものなどはあるのですか?

川田
ネットなどでいろいろな神社の神楽などを参考にしています。もしくは地元の神社で祭りを開催していたらそれを見に行ったりですね。もちろんあまり同じにしすぎるのもよくないので、それぞれの踊りのルーツを理解したうえで、本作の世界観に合うものを分析して再構成しています。

村人の職能は上位互換ではなく多彩な種類を用意


――村人の職能(ジョブ)にはどんなものがあるのでしょう?

川田
今回先行プレイでは7種類の職能が遊べましたが、製品版ではさらに多くの職能が用意されています。職能は必ずしも上位互換というわけではなく、役割分担ができる形にしているので、敵の種類や状況に合わせてリアルタイムに変更していただけるといいと思いますね。

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――村人には個別に名前が付いていますが、能力的な差はあるのですか?

川田
基本的にはないので、プレイヤーごとにお好みで職能を変更していただければと思います。開発時のテストプレイでも、名前によって職能を決めている人も多かったです。ちなみに拠点で村人のバックボーンなどを読むこともできます。

――本作はストラテジーでありつつも、アクション要素にも力が入っているところに驚きました。

川田
もちろんアクションはカプコンの得意分野で、社内にはアクション好きも多く、もちろん自分もアクションゲームはプレイするので、アクションとしての触りごこちにはこだわっています。

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――アクションゲームとして、操作の難易度はいかがでしょう?

川田
カプコンのゲームのなかでも、比較的低めにしてあります。そのため、アクションゲームが苦手でも楽しめるようにはなっていますね。ゲームを進めて成長させていけば、じょじょにテクニカルな立ち回りも可能になっていきます。

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――最後にメッセージをお願いします。

川田
今回、ゲームを作らせてもらえる機会をいただけて本当にありがたかったです。自分たちでも面白いものを作れたという実感があるので、1人でも多くの方にプレイしていただいて、本作の絶妙な感覚というのを味わっていただければと思います。

平林
少しでも新しいゲーム体験にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ本作を手に取っていただけると嬉しいです。

本作の最新情報が公開される“CAPCOM NEXT - Summer 2024”は本日朝7時から!


 カプコンの特別番組“CAPCOM NEXT - Summer 2024”が本日の朝7:00から公開されます。本作の最新情報も公開予定となっているのでお見逃しなく!

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