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『僕の妻は感情がない』マンガ第1巻感想レビュー。無表情だけど可愛さ&強さあふれるミーナちゃんの魅力や物語の見どころを紹介(ネタバレあり)

文:Ak

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 アニメも放送中の杉浦次郎先生の漫画『僕の妻は感情がない』。ここでは第1巻のレビュー記事をお届けします。

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  この記事には、漫画『僕の妻は感情がない』第1巻のネタバレが含まれるのでご了承ください。なお、記事中に使っている画像は第1巻のものです。現在は第7巻まで刊行中。なお、7月12日~7月25日にかけて開催される“KADOKAWA夏のアニメフェア2024”では『僕の妻は感情がない』がお得に読めますので、各電子書籍ストアをご確認ください!(※一部実施対象外のストアがある場合がございます)

作品概要:『僕の妻は感情がない』とはどんな作品?【僕の妻は感情がない1巻感想レビュー】

 まずは『僕の妻は感情がない』がどんな作品かについて簡単に紹介したいと思います。

 本作は、ひとり暮らし3年目の多忙な青年“タクマ”と、家事ロボット“ミーナ”との同居ストーリー。タイトルから想像できる通り、ロボットらしく無感情に見えるミーナちゃんと主人公の不器用ながらも心あたたまる交流が描かれます。

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 最初はミーナちゃんのことをただの家事ロボットとしか見ていなかったタクマでしたが、酔った勢いで冗談半分に「お嫁さんになってくれない?」といったことで、2人の奇妙な夫婦生活がスタート!

 主人公の提案をロボットらしく機械的に受け入れて(そもそも受け入れる時点でもうすごい?)夫婦になったかと思いきや、意外なまでに結婚生活にノリノリなミーナちゃんがとにかく可愛いのです。

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 本作で主に描かれるのは、人間とロボットの価値観のズレなども題材にした、ちょっとホッコリする2人のラブストーリー。

 第1巻では、ピクニックに行ったり、あるプレゼントを贈ったり、ひたすらスキンシップを試みたりと、2人でさまざまなことに挑戦します。人間とロボットならではの奇妙な絆の深め方にクスっとしながらも、自分たちなりのペースとやり方で関係性を築き上げていく2人の行く末を見守りたくなってくるんですよね。

『僕妻』の魅力1:ロボットらしからぬ? ロボットだからこそ? ミーナちゃんの心根の強さと主人公への愛情にときめく【僕の妻は感情がない1巻感想レビュー】

 基本的に無表情であるミーナちゃんですが、返事の間や返す言葉などからは、かなり感情豊かに見えます。

 タイトルこそ“感情がない”とあるものの、読者目線だともはや1話時点で本当にそうなんだろうか? と思ってしまうレベルなんですよ。タクマは一生懸命ミーナちゃんのことを考えているし、ミーナちゃんもそうなんじゃない? 感情がないって本当に? みたいな描写がそこかしこにあって、思わずタイトルに突っ込みたくなってしまうというか(笑)。

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▲感情があるように見えてしまいますね。表情の変化こそ読み取りづらいものの、決して無機物な単なるロボットではないように思えてきます。

 何より主人であるタクマから愛されていることに、かなりの自信を持っている点も可愛い! 誰かに2人の関係性を突っ込まれても、理路整然と反論をするところはロボットらしいです。

 主人の役に立つことを最優先にしつつも、タクマに対する不満や要望もしっかり伝えられるのもロボットならではの気もします。主人のよくないところはしっかりと指摘するあたりはロボットだからというよりも“妻”ならではの部分と感じられたりもします。

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▲電子レンジよりもよい蒸しタオルを作れるところをアピールするシーン。この顎の角度と目の描き方、めっちゃよくないですか!

 そして顔に角度を付けてクイっとする、この顔。最初は何のリアクションかと思ったものですが、これはどうやらミーナちゃんなりの“ドヤ顔”のようです。

 無表情なりに相手に自分の意志を伝えようとしているのか、自然とこの顔になっているかは不明。主人に褒められたときにするこの顔は、もはやこの作品の名物ともいえますね。

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 そんなミーナちゃん、たまにタクマとの価値観のズレに悩むことはあっても、自分がロボットであること自体にはコンプレックスはなさそうに思えます。自分の性能の優れた部分を、スキあらば自慢してくるのが可愛い!

 自分がロボットだからこそできることを自覚して、そのために動こうとする前向きさには魅力を感じますね。たまにナチュラルに人間を上から目線で見ることがあるところもお茶目です。

『僕妻』の魅力2:ロボットに対して優しい世界観とさまざまな価値観を持つ登場人物たち【僕の妻は感情がない1巻感想レビュー】

 人型ロボットが当たり前に売られている世界ではありますが、それ以外の文明レベルはほぼ現実世界と変わらないレベル。SF要素はそこまで強くなく、日常ものとしてストーリーを楽しむことができます。

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 人によってはロボットに関して複雑な感情を持っている場合もありますが、基本的にはロボットに対してやさしい世界。家事ロボットをただのロボットとして使う人間が一般的ですが、家族の一員として扱う人も決して異端ではないようです。

 第1巻時点ではそこまで深堀りされないものの、ストーリーが進んで登場人物が増えていくと、“ロボットと人はどう関わるべきか”といった重厚なテーマも本格的に描かれていくので、そちらも見どころですね。

『僕妻』の魅力3:主人公の成長もきちんと描いているところがいい!【僕の妻は感情がない1巻感想レビュー】


 そんな世界なので、ミーナちゃんを“妻”として接する主人公も“ちょっと変わった人”程度の認識です。

 登場人物の多くが、ミーナちゃんへの愛情を熱く語るタクマに若干ヒくことはありつつも、「まあがんばれ」くらいの認識でいてくれるので、読後感がいいですね。

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 タクマは女性慣れしていないこともあって、ミーナちゃんの一挙手一投足に大興奮。読者目線で見ると、そんな姿に「あちゃー」と思うこともしばしばあるかもしれません。それでも根っこの部分は善人で、ミーナちゃんとの関係に一生懸命なのが読みすすめるごとに伝わってくるので、だんだんと応援したくなってくるんですよね。

 ロボットであるミーナちゃんが人間の心を理解していく……のかどうなのかだけでなく、双方向のコミュニケーションとして主人公もまた成長していくストーリーも描かれるのが本作。なので、タクマの変化にも注目してほしいなと思いました。

『僕妻』の魅力4:第2巻以降の展開は? 好評放送中のアニメから入るのもアリ!【僕の妻は感情がない1巻感想レビュー】

 さて、第1巻時点での主な魅力はそんなところですが、本作が真骨頂を発揮するのは第2巻以降であったりします。

 登場人物が増えることで、別角度からタクマとミーナちゃんの関係性が掘り下げられて、新たな魅力が発見できるのが見どころです。

 序盤は主に2人の交流が描かれますが、第2巻以降ではロボットの存在意義に踏み込む展開や謎めいたミーナちゃんの過去など、シリアスな展開も! 個人的には、第3巻で登場するあるキャラクターによって生まれる二人の関係性の変化が必見だと思います。


 TVアニメも好評放送&配信中なので、まだ原作を読んでなくて気になっている人はそちらから入るのももちろんアリ。動いているミーナちゃんがとにかく可愛いので、原作読者も必見です!

 最後に1巻で一番好きなシーンをピックアップして終わろうと思います。ミーナちゃんがタクマに“好きなもの”を問いかけるシーン。並べて読むとよーくわかるのですが、“好きなもの”を聞くミーナちゃんの何かを期待した表情と次ページのちょっと寂しそうな表情。この変化がとても印象的で、あとになって読み返すほど味わいの出てくるシーンです。

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アニメ『僕の妻は感情がない』放送・配信情報


【放送情報】
TOKYO MX:毎週火曜日23:00~
MBS:毎週火曜日27:00~
BS朝日:毎週水曜日23:30~
AT-X:毎週木曜日23:00~
※リピート放送 毎週月曜日11:00~/毎週水曜日17:00~
CBC:7月20日より 毎週土曜日26:03~

【配信情報】
ABEMAにて毎週土曜日23:00~ 地上波3⽇間先⾏・単独最速配信中!
その他配信サイトでも配信中!

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