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【21日夜は湊あくあさん再襲来】ガッチマンさんから剣持刀也さん、兎田ぺこらさん、P丸様。まで! “犬山たまき対談バトル”の「いま視聴したい」傑作回7本を選んでみた

文:こひき庵

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 漫画家・佃煮のりおさんがプロデュースするバーチャルYouTuber事務所“のりプロ”所属の犬山たまきさん。2018年にデビューした古参組のVTuberである犬山さんは、“犬山たまき対談バトル”という対談企画を継続してきました。

 21日夜には、卒業を控えるホロライブ2期生の湊あくあさんを招待しての対談が行われることになっています。ここでは、そんな犬山さんの過去の対談バトル傑作回を振り返りたいと思います。
犬山たまき対談バトルは、犬山さんが誰かゲストを招いて1対1のトークを繰り広げる定番番組として、200回以上を重ねてきました。近年はVTuberに限定することなく、さまざまな方を招いて断続的に開催されています。

 V業界では珍しく(?)しっかり事前に進行の計画も立てられているそうで、犬山さんの安定したMC術と合わさって基本的に毎回“1時間番組”としてしっかり成立しています。
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 毎回多彩なゲストを招いて開催されてきたわけですが、個人的にもここで初めて名前を覚えたり、「こういう人だったのか!」という気付きを得た記憶が非常に多くあります。あくあさんの印象もここで大きく変わった記憶があり、今回あらためて犬山さんとの対談バトルを見直していたのですが、当時の空気感を含め、野心と好奇心にあふれた2人のやり取りはいま観ると違った感慨があることでしょう。
 この対談が行われたのは2020年4月。ホロライブが4期生デビュー後の大きなブレイクスルーを遂げつつあった時期で、メンバーが続々と10万人登録を達成。“ホロライブの元祖配信モンスター”だったあくあさんは登録者40万人を達成し、先行していた他事務所のトップVTuberたちに迫りつつある状態でした。

 そうした環境の変化の中で「泥水すすってきたからな」と語る犬山さんが「僕らは同接3桁スタート。これを4桁に増やすにはどうしたらいいんだろうと考えてきた」という話をしていたり、それに応じてあくあさんが「どうやったら観てもらえるんだろう?もっともっと」と考えていた話など、あるいは犬山さんのあくあ評など、非常に面白いはず。

 ……という感じに視聴し直していてあらためて思ったのが、「いま聴くと面白いというか、いまだからこその面白さがあるぞ」ということでした。

 結果的にVの歴史の生き字引というか、言ってみれば一つの史料となっている面もあると感じました。「当時あの人は何を思っていたのか」「どういう雰囲気だったのか」「どんな文化が成立していたのか」を知る材料にもなるのかなと思います。

 そんなわけで、自分の記憶を頼りに、いま見直したくなる犬山たまき対談バトル傑作回を7本ピックアップしてみました。特に順位とかはありません。

傑作選7本

ガッチマンさん

 まっさきに思い出したのはこの回。遅れてきた大型新人、ガッチマンさん襲来回です。ゲーム実況のパイオニアだったガッチマンさんがVTuberになるという驚きを拾っての対談でした。

 含蓄ある話がいろいろ続くのですが、ガッチマンさんがVの文化に触れて「他の配信者にリスナーを誘導する」ことに驚愕していることが面白いですね。それに応じて犬山さんが「Vのパイ自体を広げないといけないから、V同士で奪い合っている場合じゃないんだ」と言っていたのも、2020年当時の空気感がうかがえます。

 同時に、Vの世界が発展することによって、こういう協調関係が徐々に薄れていくであろうことを犬山さんが予見されているのも印象的でした。

剣持刀也さん

 にじさんじ2期生の剣持刀也さんが来た回も印象的ですね。時期は2020年終盤です。

 ロリについての話はわりとどうでもいいのですが、配信業について「道楽の域を超えずにやりたい」と言ってのける剣持さんのスタンスの話は、黎明期のVやそれ以前のネット文化を愛する剣持さんの思想や哲学がよく出ていました。

 いまはたぶん、少し考え方が変わっているのかなと拝察します。これまた当時のV、そして“にじさんじ”にあった空気感、大きな潮流へ流されるように、道楽だった配信業が完全にビジネスとなっていく中での葛藤が伝わってきます。

兎田ぺこらさん

 ホロライブ3期生・兎田ぺこらさんがやって来たこともありました。当時は2019年11月ですから、デビューしてまだ4カ月。初々しい“ぺこ”が聴けます。

 語尾キャラを捨てるか悩んでた話なども飛び出しますが、配信を面白くするために向き合う真摯な姿勢は当時から際立ってますね。

 一方、「コラボで相手を殴りにいけない」という悩みを吐露し、犬山さんから積極的に殴るように促される様子などは、ホロライブでリーダーシップを執って“箱ゲー”の主催までこなすようになった今日を思うと、すさまじい成長を感じさせます。

 壊れかけのモニターを使い、所持金が205円しかなく、ファンから贈られるカロリーメイトが頼みの綱だと語ってる懐事情も、いまと大きな格差がありそうです。

 一方、頭の上がらない相手として白上フブキさんの話が出てきますが、この辺りのお世話になった先輩を立てて敬意を払う感覚は、たぶん今も余り変わってないですよね。

しぐれういさん

 しぐれうい先生はたぶん2回来ているのですが、その1回目です。

 “ホロライブの大空スバルのママ”としての出演。VTuberではない、「半生です」という自己紹介。あくまでイラストレーターですというスタンスで語られてますが、特殊な立ち位置のVTuberとして“ういママ”が認知されて出世していく過程の一幕として観ても面白いですね。

 仲良しイラストレーターVのお二人が楽しくトークするだけの異色回とも言えます。クリエイター同士の会話ってこんなに面白いんだなという気付きをわれわれに与えてくれるやり取りなんですが、おそらく犬山さんにもそういうインスピレーションを与えてたんじゃないかなと想像します。

 2019年6月の配信ですが、“にじさんじ”舞元啓介さんの立ち位置が、この時期には確立されていることもわかりますね。

P丸様。さん

 元々は動画勢からスタートし、スーパーマルチなクリエイターとしての地位を確立し、Vの体を得ての活躍も凄まじいP丸様。この配信が行われた2023年末の少し前に、自身の言葉で「胸の大きなVTuberの中の人だった」ことをカミングアウトしており、その流れを受けての話もありました。

 「この話、OKなのかよ」とコメント欄から突っ込まれた犬山さんが「僕が一番言いたいわ。OKなのかよ、と」と返していたように、「OKなのかよ」な話も出てきます。

 「この界隈を作り上げた伝説」(犬山さん)が言うように、たとえばVTuberの“ママ文化”を作り上げた話などは典型ですね。「イラストレーターの名前を出さないようになってたんだけど、ちょっとやっちゃった。自分のママだからね!」(P丸様。)。最高ですね。

赤見かるびさん

 時代がだいぶ下って、最近だと2023年7月、個人勢の赤見カルビさんがやってきた回もインパクトがありました。

 やっていて気付きましたが、この短いスパンでのVTuberの配信画面やLive2Dモデルの長足の進歩にも気付かされますね。

 燃えそうになった話から、短大もバイトもパッと辞めてしまう思い切りの良さ、「好きなことしかできない」かるびさんっぽい話が続々と出てきます。彼女を知らない人も多かったであろうYouTubeの視聴者層に向けてのインタビュー回として秀逸です。

一条莉々華さん

 最後に最近の回も紹介しておきたいなと思って、真っ先に浮かんできたのが一条莉々華社長の顔でした。

 ホロライブプロダクションの“ReGLOSS”に所属する一条さんのトンデモない感じに、経験を重ねて落ち着いた雰囲気が漂うようになっていた犬山さんが振り回されるのが楽しいギャグ回になっています。僚友の“青くん”こと、火威青さんの回とセットで観ると、より楽しめるんじゃないでしょうか。

 以上、好き勝手に書いてきましたが、みんなで歴史を積み上げて文化を創っていく過程も、本質的な意味で新しい存在であるVTuberを観る楽しさの一つ。犬山たまきさんがV黎明期から積み重ねてきた“犬山たまき対談バトル”は、そんな歴史の1ページを確実に彩っている素敵な玉手箱なのです。

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