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『この世界は不完全すぎる』第9話感想。ハガたちのパーティに待望のアタッカー・アキラが加入。超マッチョな少年・ゲーデルの過去とのギャップがすごかった(ネタバレあり)

文:米澤崇史

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 TVアニメ『この世界は不完全すぎる』第9話“加賀見アキラ”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『この世界は不完全すぎる』第9話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

人の良さそうな性格に反して、やっていることはなかなか物騒なアキラ


 黒い鎧の騎士の正体が、同じデバッカーである加賀見アキラだったことが判明。ボクっ娘という意外性もありつつ、ハガとも社長ともプレイヤーとしてのスタンスが違っており、アキラはデバッグは極力使わず、この世界で自然に生きることを受け入れているようです。

 超のつく抱きつき魔であること以外は悪い人間ではなさそうですが、社長たちのような質の悪いデバッガーを何の躊躇いもなく殺しているのは結構恐ろしいポイント。眼の前で社長が殺されたのを目の当たりにしたアマノとしては、社長がログアウトできなくなり精神が壊れてしまったことに気づいていたのもあって、感情的にはちょっと複雑なところがありそう。

 アマノは隠れて社長と会っていたことはハガに伏せていたので、アキラが社長を不意打ちで殺したことはハガたちは知らないはず。このあたり、もしかすると今後問題になってくるのかもしれません。


 一方で、剣士であるアキラが加入してくれたことで、パーティのバランスは大幅に改善しました。今までは前衛がハガ一人で、あまりにも負担が大きすぎたので、戦力的な意味では一番大きい加入になりそうです。

 料理対決のエピソードでは、実はハガが自分の料理に結構自信をもっていたっぽいのがちょっと意外でした。ハガの作っていたいわゆる“マンガ肉”は、やっぱりオタクとしては一度は食べてみたい食べ物なのもあって美味そうに見えましたが、過去回を見返すと、前にもマンガ肉の料理を作っています。テスラから「ワンパターン」と指摘されていたのはこの辺なんでしょう。

 料理要素のあるサバイバル系のゲームをプレイする場合、自分も効率を重視して、できるだけ楽に作れるコスパのいい料理をひたすら量産するタイプなので、ハガと同じことやってそうだな……とちょっと親近感が湧いていました。

村人たちが警戒していたのは実はハガたちではなく……?


 後半からは、巨人たちを追ってハガたちと遭遇した、新キャラクターのゲーデルが登場しました。

 ゲーデルはシーカーを自称しているものの、プレイヤーではなくNPCのようで、山中というプレイヤーのデバッグストーンの影響を受けている様子。デバッグモードでNPCのパラメーター変更の処理を行ったんじゃないかと推測できますが、回想で登場した過去のゲーデルの姿とのギャップがあまりにもデカすぎてちょっと吹き出しました。

 ゲーデルをの声を演じているのは小林ゆうさんで、登場した時は見た目に対してちょっと声が高いと感じたんですが、まだ声変わりも迎えていない少年だったという正体を知ると、個人的にかなり腑に落ちます。


 ゲーデルに連れられて村に到着した際は、明らかにただならない雰囲気にハガたちが警戒されているのかと思いましたが(おそらくハガたちもそう考えていたはず)、村人たちが本当に恐れているのはゲーデルであることが判明。

 ゲーデルに楯突いたという村人は手足を失うほどの重症を負っており、怪我の原因が事実ならゲーデルはかなり危険な人物ということになります。ただ、ハガたちに対しては友好的で悪意がないので、村人たちを止めるべきなのか、ゲーデルをどうにかするべきなのか、ハガとしてはどう動くべきか悩ましいところでしょう。

 今までハガたちにとっての主な敵だったアソビング社の面々は、誰も彼も分かりやすい悪党たちだっただけに、これまでとは違った方向のドラマにも期待できそうです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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