電撃オンライン

『ロマサガ2R』インタビュー。七英雄の過去の掘り下げなど、フルリメイク版と過去作の違いに注目。SFC版にいなかった忍者、陰陽師の他、新クラスの踊り子、帝国鍛冶職人が追加【ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン】

文:電撃オンライン

公開日時:

 スクウェア・エニックスより10月24日(木)に発売予定(※Steam版は10月25日予定)の『ロマンシング サガ 2 リベンジオブザセブン』。

[IMAGE]

 人気RPGシリーズ『ロマンシング サ・ガ2』をフルリメイクした作品で、オリジナル版の世界観や物語はそのままに、バトルや育成などのシステムを現代風にアレンジ。現行のハードに向けてさまざまな追加や改良が搭載された作品となっています。


 この記事では、フルリメイクされた『ロマンシング サガ 2 リベンジオブザセブン』のプロデューサーを務める田付信一氏にインタビュー。

 フルリメイクされたきっかけから、サブタイトルに込められた想い、生まれ変わったバトルシステムの詳細など、ファンが今気になっているポイントを聞いてきました!

[IMAGE]

遊びやすくリメイクされた『ロマンシング サガ 2 リベンジオブザセブン』のポイントを田付信一氏に聞く!


田付信一氏

 本作『ロマンシング サガ 2 リベンジオブザセブン』プロデューサー。代表作は、『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』や『ガーディアン・クルス』など。『サガ』シリーズに携わるのは、今回が初めてとなる。

より広いユーザーに遊んでもらうためのフルリメイク


――本日19日から体験版も配信されて、シリーズのファンも期待を大きくしている『ロマンシング サ・ガ2』のリメイク版ですが、まずはフルリメイクでの開発に至った経緯を襲えてもらえればと思います。

田付氏(以下敬称略):経緯としましては、元々2020年に発売された『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』のプロデューサーを担当していまして、その発売後、開発チームが次に何を作ろうか模索していたところ、シリーズプロデューサーである市川から、『ロマサガ2』のリメイクはどうかと声をかけてもらったのがきっかけでした。

――フルリメイクというのはシリーズでは珍しいと思うのですが、今回こういう形になったのは、何か理由があったのでしょうか。

田付:このような感じのフルリメイクになったのは、どっちかというと『聖剣伝説3』の流れによるものでした。やはり、より広いユーザーの方に遊んでもらいたいという狙いがありました。

――開発にあたって、河津さんや市川さんから、何か要望などはあったのでしょうか?

田付:基本は、より広いユーザーに楽しんでもらいたいということを言われました。ただ、現場に関しては、ほぼおまかせという形になっていますね。

――今年は『サガ エメラルド ビヨンド』もありましたし、この2本は開発時期も被っていたと思うのですが、両チームで連携だったり、情報交換みたいなことはあったのでしょうか。

田付:開発内容での連携はあまりなかったですが、情報を出すタイミングや、発売時期などの調整は、もちろんしていました。

[IMAGE]

サブタイトルに込められた思いとは


――今回『リベンジオブザセブン』というサブタイトルがついていますけど、こちらはどんな意味があるのでしょうか。

田付:本日公開されたTGS用のトレーラーでも明かされているのですが、今回、七英雄の過去に関するエピソードが追加されていまして、そこからイメージして、このサブタイトルを付けています。

――そこは楽しみです! 七英雄はキャラクター的な人気も高いですし、彼らの過去が明かされるのは、ファンも嬉しいかと思います。

田付:原作では、モンスター化した後のことしかわからなかったのですが、七英雄たちが本当に英雄だった人間時代や、彼らが何故、復讐のために戻ってくるのかが描かれます。

――そのエピソードは、新しいシナリオとして描かれるのでしょうか?

田付:そこはプレイアブルではなく、世界中に記憶装置のようなものがありまして、そこにアクセスすることで徐々に明らかになっていきます。

[IMAGE]
――七英雄の過去といえば、『ロマサガ2』の前日譚が舞台になっていましたが、こちらを意識していたり、連携してる部分はあるのでしょうか。

田付:これまで舞台で七英雄の話は掘り下げられていますし、それ以前でもアーケード作品の『ロード オブ ヴァーミリオン』とのコラボでもフレーバーテキストで触れられていたりとかありますが、全く同じ設定というわけではありません。ただ、そういうところをしっかり活かしたものにはなっています。

――これは楽しみです。ファンには、公式の答えの1つとして楽しめそうですね。では、そうした七英雄のエピソード以外の部分、通常のフリーシナリオのプレイボリュームはどれくらいになりますでしょうか?

田付:そうですね、基本的にフリーシナリオのボリュームは、原作とそこまで変化はないです。ただ、それぞれの細かいところに、追加とか改良が行われていて、1つ1つがより深くなっている感じです。

[IMAGE]

よりわかりやすくなったバトルシステム


――では次にシステム、主にバトル面でどう変わっているのかが気になることろなのですが、基本は変わっていないのでしょうか。

田付:技やひらめきといった部分は、原作と基本は変わっていません。ただ、“この技を使うとひらめきやすいよ”というアイコンが表示されるなど、とにかくわかりやすくなっています。

 全体的な流れについては、原作のように5人が行動を選択して一気に行動するシステムではなく、どちらかというと『オクトパストラベラー』や『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』に近いシステムになっています。

 加えまして、『サガ フロンティア』以降の連携技など、好評なシステムの逆輸入もされていて、バトルの雰囲気は似ていますが、プレイ体験は変わっているんじゃないかなと思います。

[IMAGE]
――“サガ”といえば戦闘回数で敵のレベルが上がるという特徴的なシステムがありますが、こちらはどうなっているのかが気になります。

田付:原作でのシステムは、戦闘回数で敵が強い個体に入れ替わっていくというもので、逃げても回数が増えるので、逃げ続けると勝ちにくくなってしまうことで有名ですが、これはこれで面白いのですが、今回は全く違うシステムになっています。

――確かに、それがあってこその“サガ”だと言うファンもいますが、敷居は高くなってしまっていましたね。

田付:今回、原作にいるモンスターは全て登場するのですが、各地域に生息地があり、地域によって固定されています。なので、基本的には一般のRPGと同じシステムになっています。

 ただ、もちろんそのままではありません。例えばルドン高原には“キマイラ”がいるのですが、そこに直行した場合と、ぐるーっと遠回りして行った場合で、戦闘の歯ごたえが変わってしまうという問題があります。

 なので、それに対する補足として、どれだけイベントをこなしたか、そして戦闘での“勝利”回数ですね。その2つで、敵のレベルが変わるようなシステムになっています。このため、敵の強さに幅はあるのですが、原則として難しすぎて勝てなくなることはないと思います。

[IMAGE]

不条理に感じることはなくなる


――原作の戦闘はちょっと難しいゲームでしたが、今回は難易度設定もありますし、カジュアルで遊びやすくなっている感じでしょうか。

田付:そうですね。逃げ続けたら戦闘に勝てなくなることを含めて、原作にあった不条理な部分は調整しています。原作では敵の弱点だったり、防御に関する数値だったり、プレイヤーが見れないマスクデータがたくさんあったのですが、見えるようにしてわかりやすくしています。

 難易度的にはノーマルモードなら、一般のRPGプレイヤーならクリアできるようになっていて、カジュアルモードは物語中心に楽しみたい、新規の方が始めるには適している難易度になっています。

――原作では、かなり“見切り”が大切で、七英雄の一部の技は、事前に見切っておかないとあとで大変ということもありましたが、そこも緩和されているのですか?

[IMAGE]

田付:例えばロックブーケのテンプテーションなどですね。原作ではロックブーケ戦でテンプテーションを見切っておかないと、ラスボスでかなり苦労するということもありましたが、今回はロックブーケ以外からも見切れるようになっています。なので、ちゃんと救済はありますよ。

――では、逆にこれがあると凄く楽になるという術もありましたが(笑)、こちらはどうなっているのでしょう。

田付:クイックタイムですね。原作を損なわないようにと気にしながらも、クイックタイムに関してはさすがにちょっと強すぎたので、バランス調整をしています。

原作の世界観や雰囲気は、カジュアルでも楽しめる!


――バトル以外のシステムでは、原作ではいつでもセーブできて便利だったのですが、そのたね、タイミングを間違えてセーブすると、もう帰れないといったことがありましたが、この辺も今風にになっているのでしょうか。

田付:はい、そうですね。間違ったところでセーブできないようになっていますので、大丈夫です。

[IMAGE]
――たまに原作を遊びなおすのですが、年を重ねるとしんどい部分もあるので、カジュアルで遊ぶのは楽しく遊べそうで、期待しています。

田付:以前はあの難易度でも楽しかったのですが、今は時代にそぐわない部分はありますね。ただ、原作の世界観や雰囲気は、カジュアルでやってもしっかり楽しめると思います。

――カジュアルになった部分とは別に、難易度的に、当時遊んでいたままの感覚というのは、残っているものでしょうか。

田付:オリジナルでプレイいただければその感覚は味わえます。ただ、まったく同じではなくて、原作にあった不条理な部分や、わからない部分をわからないままプレイするという、手探りな感じはなくなっています。

 とくにデータ的な情報はかなり開示されていて、その分プレイしやすくなっています。ただ、その上で改めてバランス調整を行っていますので、そういう意味では、ある一定の手応えはあると思います。

[IMAGE]

同じクラスでもキャラクターごとに異なる!?


――バトルの感覚が当時からどう変わったのか、ファンは気になるところなので、楽しみです。では、次にクラスについてなのですが、やはり気になるのは、同じクラスでキャラクターごとの違いがあるのかどうかなのですが。

田付:見た目とかでは、髪型とかが違ったり、髪の色が違ったり、身につけている服の形が違ったりと、マイナーチェンジの形で、クラスごとに8人のキャラクターが登場します。

 能力についても、原作と同じで“ちょっと違う”という感じですね。今回、酒場で仲間を選択できるのですが、そこで、この人はこういうことが得意だということがわかるようにもなっています。

[IMAGE]
――今回ボイスがついたことも大きな魅力ですが、これによって、印象が変わったシーンだったり、ここは見どころだというシーンがあれば教えて下さい。

田付:やはり七英雄ですね。彼らのエピソードも含め、七英雄関係のイベントは、声が入ることでゲーム全体が盛り上がると思います。

――TGSトレーラーで、リマスター版で追加された忍者と陰陽師がいることがわかって、ファンも一安心なのですが、これ以外に、今回リメイクで追加した新クラスはいるのでしょうか。

田付:クラスは2つ追加されていまして、1つは原作に人魚イベントがあったと思うのですが、その踊り子がクラスとして追加されています。もう1つは、原作にいた鍛冶屋の帝国鍛冶職人がクラスとして追加されています。その辺りに関しては、ちょっとしたストーリーも追加されていますね。

――体験版も配信され、盛り上がっていますが、発売後の展開などは考えていますか?

田付:DLCなどは予定しておらず、製品版にすべて詰め込まれています。

――では最後に、今まさに体験版で遊んでいる人も多いと思いますが、発売を待っているファンの方々にメッセージをお願いします。

田付:原作のファンの皆さんが懐かしいと感じつつも、まったく新しい体験ができるようなリメイクになっていますので、ぜひご期待ください。また、名前は知っているけどまだシリーズをプレイしたことがないという人も、今回は本当に敷居を低くしていて、システムもわかりやすく現代化していているので、ぜひ経験して欲しいと思います。

 『サガ』シリーズはたくさんあるので、どれから始めていいのかわからないという人もいるかと思いますが、本作はまさにスターターとして最適になっています。

 七英雄を倒すため、皇位を継承しながら、数千年の歴史を味わえる、そんなゲームは他にはないとので、まずは体験版からでもいいので、体験してほしいなという風に思っています。

[IMAGE]




    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります