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『この世界は不完全すぎる』12話感想。あまりにもキャラが濃いアカネの存在感。新ヒロイン(?)の木下は見た目とかわいい声のギャップがすごい(ネタバレあり)

文:米澤崇史

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 TVアニメ『この世界は不完全すぎる』12話“ザ・ダイヤモンド”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『この世界は不完全すぎる』12話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

アキラやアカネのプレイヤーは本当に女性なのかという禁断の疑惑【このふか】

 アキラたちの指導者的な立場にあったアルバが、テスラの弟的な存在でもあるメタAIだと知ったハガたち。

 レンのいうとおりアルバの方針は悪質なデバッガーを排除したいテスラの方針と食い違うわけではなさそうですが、メタAIがプレイヤーに過度な干渉をすることは、テスラとしては看過できないようです。

 一方、レンはハガたちの存在をかなり警戒しているようで"消す”という不穏な言葉も。アキラがハガたちの肩をもって強く反対したのは、様々な意見の食い違いはありながらも、ハガたちをしっかり仲間として認識していたからだということが確認できて安心しました。ただアキラからするとレンたちも仲間なわけですから、間に挟まれるなかなか辛い立場にあります。


 アルバ自身もテスラと対立する気はない意思を表明しながらも、開発へのバグ報告をされるのは相当に都合が悪かったらしく、ハガはダンジョンに飛ばされる結果に。

 11話で描かれていた緊張を和らげるためのおまじないが、まさかこんな形で使われるとは予想できませんでしたが、アキラたちも巻き込まれているあたり、最初からハメるつもりだったわけではないのでしょう(あの時点ではアルバがメタAIということも判明してませんでしたし)。

 すでに黒幕がレイやアルバであることを推測できているのはさすがアマノといったところですが、まさかアキラやアカネが不幸な事故で巻き込まれたとまでは想像できないですよね……。

 個人的に、アマノがMMOをプレイいていると絶対に遭遇するネカマ問題に言及しているのは面白かった。ある意味、ニコラやルゥはNPCで中の人がいないので安心できる部分はありますね。


 今のところ登場しているプレイヤーは男性が多い印象ですが、基本的に皆仕事でやっていてリアルの顔も知っているデバッガーなので、そのままの性別でプレイしているんじゃないかと推測はできます。ただ、もし実際にこんなリアルなVRMMOが発売されたら、未知の世界を知りたいという意味でも異性のアバターを作る人が続出しそうな気がします。

ハガたちより先に木下がダンジョンに飛ばされていた謎【このふか】


 単独で転移させられたハガは、壁抜けバグも利用しながらダンジョン内を進むものの、偶然発見した書庫で膨大な本のデバッグを始めるのは、完全に病気の域に入っていて笑いました。


 海外のオープンワールドゲームをプレイしていると、メインストーリーはちゃんとしていても、こういう細かい部分は妙に機械翻訳っぽかったりローカライズが怪しかったりすることがあるので、チェックのやり甲斐はあるだろうなと。ただ、この部屋のためだけに凄まじい数の本当に読める本を作った開発スタッフの執念的な部分も恐ろしいところ。

 そんな書庫で出会ったのが、アキラたちと同じエンタメイションで働いていた木下でした。現在の『エヴァ』のラミエルみたいな姿もそうですが、バグる前のリザードマンの時の姿の時にも古賀葵さんの声だったのかと想像すると、見た目のいかつさと声のギャップが凄まじそうで、ちょっとそっちも見てみたかったなと。


 ハガと違って、姿が反映されないバグに巻き込まれたくらいで、アルバともとくに対立してなさそうな木下が飛ばされてきた理由はなかなか謎。犯人は同じくアルバなのか、別の要因によって飛ばされてきたのか……。

 一方、アマノたちはまさかのカジノを発見していて、NPCのテンプレートみたいな発言が本当にカタコトっぽい機会音声のようになっていて、やっぱり声優さんってすごいなと感心。「なんでこんなダンジョンの奥深くにカジノが?」という疑問も当然湧いてきましたが、平然とアカネの臓器が担保にされているあたりで、そういうヤバい系の店なんだとちょっと納得いきました。

 しかしアカネ、本格的に出番があったのは今回が初めてだと思いますが、かわいい見た目に反して元パチプロだったことが分かったり、とにかくキャラが濃すぎて存在感がすごい。この手の面白いキャラをやらせたら新井里美さんの右に出る人はいないなと……改めて感じました。


 地下1000階からの脱出を目指すハガでしたが、本来地上から降りて最後に戦うはずのボスが出口を封鎖していることが判明。プレイヤーが来ていないからか、行儀よく座って待機している姿はシュールで思わず笑ってしまいますが、現状まともな武器がなく、アマノたちとも離れ離れになっているハガが戦うには厳しすぎる相手です。

 いよいよ『このふか』も残すは最終話のみ。ハガたちは無事にダンジョンを脱出できるのか、一人離れ離れになったニコラはどう行動するのか、クライマックスが楽しみです。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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