電撃オンライン

『けものティータイム』体験版レビュー:極上の癒やし空間に散りばめられた多くの謎が気になる作りの作品に【電撃インディー#805】

文:カワチ

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はフリューのゲームレーベル・Studio Lalalaのプロデューサーである林風肖さんと声優の小岩井ことりさんが共同プロデュースする『けものティータイム』の体験版レビューをお届けします。

[IMAGE]

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ストーリーの描かれない部分も気になる作り!【けものティータイム】


 本作はケモミミがあたり前に存在する世界の喫茶店を舞台にしたアドベンチャーゲーム。『CRYSTAR -クライスタ-』や『モナーク/Monark』を制作した林風肖さんと自身でASMRレーベルkotoneiro(ことねいろ)をプロデュースしている声優の小岩井ことりさんがタッグを組んで制作されている作品です。ここでは東京ゲームショウ2024で出展されていた体験版のレビューをお届けします。

[IMAGE]

 ゲームはタルトとマカロンというふたりの主人公が営む“喫茶K”が開店するところからスタート。タルトはプロデューサーでもある小岩井ことりさんがボイスを担当しており、マカロンのほうは和多田美咲さんが担当しています。

 姉であるタルトが初日から寝坊して慌てていることに対し、妹のマカロンは冷静に準備をしていたりと、ふたりの関係性にも注目です。しっかり者の妹と、そんな妹を溺愛する姉という構図にほっこりします。

[IMAGE]

 本作に登場するキャラクターはケモミミばかりですが、タルトはナチュラルな人間。なぜ姉妹のタルトとマカロンが別の種族であるのか。そういった世界の謎も本作をプレイするうえで気になるポイントになります。

 本作はケモミミやASMRが題材の癒し系のゲームであり、ダークな要素があるわけではありませんが、林さんは『CRYSTAR -クライスタ-』や『モナーク/Monark』などプレイヤーに寄り添い、心に訴えるような作品を手がけているので本作も深いテーマがありそうですね。

[IMAGE]

 ゲームは、まず、開店準備でお菓子を決めることに。お菓子を作るのはパティシエのマカロンの役目になりますが、なにを作るのかは店長のタルトの役目。最初に選べるのはクッキーのみでしたが、ゲームを進めることで新しいものが増えていくようでした。

[IMAGE]

 お店を開くとお客さんが訪れ、そのお客さんの好みに合わせてブレンドしたお茶を提供することに。『VA-11 HALL-A ヴァルハラ』や『コーヒートーク』に近いシステムですが、本作で特徴的なのは“ハーブ”。匂いや味のほか、お客さんの体調や気分に合わせたハーブを組み合わせることで、病気の予防をしたり気分をリラックスしたりすることができます。

[IMAGE][IMAGE]

 要望通りのお茶を出さなくてもストーリーは進みますが、気に入ったものを出した場合はよろこんでくれて会話も弾みました。要望に応えられるかどうかがエンディングにも関わってきそうですね。

[IMAGE][IMAGE]

 序盤に登場したキャラクターは“香り高いお茶が好き”や“冷え性がつらい”といった話をしてくれたので作るお茶も分かりやすかったですが、ストーリーを進めていくと難しい注文をしてくるお客さんも出てくるかもしれません。

[IMAGE]

 ただ、茶葉の香りやコクは数値として表示されていますし、ハーブの効果も分かりやすく記載されているのでプレイヤーがわざわざ覚える必要は無いのでスムーズにゲームを進行させることが可能です。

[IMAGE]

心地のいいASMRがクセになる【けものティータイム】


 本作がこれまでの作品と大きく異なるのはお茶を作るときのアニメーション。“カポッ”や“ファサッ”といった擬音がASMRで表現されています。こちらはバイノーラル録音で、ヘッドフォンを付けながら聴くことで左から右へと流れる立体感のある音が楽しめるのでぜひ聴いてみてください。

[IMAGE][IMAGE]

 なお、本作は物語を進めているとキャラクターの感情を表現する“あわあわ”や“ドキッ”といった擬音が登場することもありますが、こちらもお茶を作るときと同様にASMRで展開。ゲームをプレイしていると自然に耳に幸せになっていきます。

[IMAGE][IMAGE]

 接客中にはお客さんの言葉に対して選択肢で答えるシチュエーションも。選択肢には制限時間があり、選ばずにスルーすることでも物語が進行。展開によってはあえて沈黙を貫いたほうがいいときもあるかもしれません。

[IMAGE]

 お店にやってくるお客さんのなかにはクロテッドという女性も。彼女はお菓子作りに必要な材料や調理に必要な道具を仕入れてくれ、tabletという通貨を支払うことで購入することができます。tabletはゲームを進めていくことで増えていくので、いろいろなことができるようになりそうですね。

[IMAGE]

 また、行商人をしているキッシュという女性は住む場所を探しており、喫茶店の一室で暮らすことになりますが、そんな彼女からは家賃の代わりに茶葉やハーブをもらうことが可能です。

[IMAGE]

 1日の終わりには新聞も読むことができましたが、こちらはお店の外にある世界を知ることができる内容。独自の世界を断片的に理解できるものになっていて、興味深い内容になっています。

[IMAGE]

 最近流行しているお店を経営するタイプのゲームでありつつ、かわいいキャラクターや癒しのASMR、裏設定が気になる世界観など、独自の魅力に溢れた作品でした。発売は2025年ということで今から楽しみに待ちたいですね!

[IMAGE]

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります