PS5/PS4/Switch/Xbox series X|S/PC(Steam)で配信開始となった新作ローグライトアクション『無双アビス』のレビュー記事をお届けします。
「無双」らしいボリューム感とローグライトのランダム性の融合で中毒性バツグン!【無双アビスレビュー】
本作のジャンルはローグライト無双アクション。「無双」シリーズのキャラクターたちが登場するローグライトゲームです。
発売時点では『真・三國無双7』および『真・戦国無双4』のキャラクターが中心なので、それらの作品に触れたことがある場合はキャラクターごとのアクションに馴染みやすいと思います。
とはいえ基本的な操作方法は「無双」らしく誰でも簡単に爽快感を味わえるものなので、アクションゲームや「無双」シリーズ初心者であっても大丈夫!
ビルド構築に複雑さが少ないので、ローグライト初心者でも安心です。
とにかく登場キャラクターが多彩で、発売時点で100人以上のキャラクターが登場。「無双」シリーズを狭く深くした『真・三國無双 ORIGINS』に対して、本作は「無双」らしいボリューム感をキープしつつ、新たな魅力を深堀りした“お祭りゲー”のような魅力も感じます。
操作キャラクターは1人ですが、ダンジョン(地獄)を進むうちに英傑をランダム入手することでその力を得ることができます。入手した英傑によって操作キャラクターを強化することが可能です。
ダンジョンを潜るたびに入手できるキャラクターも違ってくるので、変化のある育成や戦闘を楽しむことができるので飽きがこないのは、ローグライトらしい楽しさに満ちていますね。
さらに英傑の“召喚”によって、操作キャラクター以外の英傑も戦闘に一時的に参加してくれます。感覚的には、スキルのようなものですね。各チャージ攻撃のあと、そのままボタンを押すと対応する英傑召喚が行え、最大6人まで召喚可能です。
また一斉召喚ゲージがたまるとセットした英傑すべてを召喚する“一斉召喚”も可能。もちろん、シリーズではお馴染みの無双奥義も使えます。
あるていど育成が進むと比較的気軽に“一斉召喚”や“無双奥義”を使用可能になるので、それらを活用して一気に敵を蹴散らす爽快感がすごい! 歴代『無双』シリーズと比べても出現する敵の数が段違いなので、集団戦の気持ちよさをしっかり味わえます。
『無双アビス』の主な目的は、ダンジョンに潜って最深部にいるボスを撃破すること。一度最深部で“ゴウマ”と呼ばれるボスを倒すと一応のエンディングを迎えますが、むしろそこからが膨大なやり込みのスタート!
難易度を上げて再度ダンジョンに潜ったり、ダンジョンで入手できる業蛍火(通貨のようなもの)を使って英傑を解放したり、英傑それぞれのユニーク武器の入手を目指したりと、やり込み要素は豊富です。
筆者の場合は最初にゴウマを倒すまでが6時間、全英傑の解放には15時間ほどかかりましたが、育成やユニーク武器はまだまだなので、かなり長時間遊べそうな印象です。
ビルドやアクションのコツをつかむまでは、敵の攻撃の激しさから難易度が高いと感じていましたが、慣れてくると効率的に敵を倒せるようになって爽快感が増していきます。
ダンジョンは1種類しかないものの、潜るたびに変化があるおかげでそれでも飽きが来ない作りです。
累計レベルのおかげで誰でも戦力として使えるのがキャラゲーとしてうれしい【無双アビスレビュー】
基本的にはダンジョンで得た英傑や強化アイテムなどは持ち帰れませんが、ダンジョン中に上がった操作キャラクターのレベルは“累計レベル”として蓄積されます。
序盤はそこまで累計レベルの恩恵を感じられませんが、何回もダンジョンに潜って蓄積していくと、目に見えてそのキャラクターが強くなっていきます。
最終的にはそれぞれの能力値のカンストまで上がるようなので、序盤は能力値が控えめなキャラクターでも、累計レベルを上げると誰でも戦力になれるのがうれしい!
キャラクターの個別の育成要素としては、この累計レベル以外には“ユニーク武器”の取得があります。ユニーク武器を取得すると操作時特性の2つ目が解放され、一気に性能が強化!
単純な強化というよりは、そのキャラクターの強みがさらに生かされる強化が多い印象。ある意味では、ユニーク武器の取得が第二のキャラクター解放と言えるかもしれません。
ユニーク武器は基本的に宝箱からランダムで入手可能。運よくユニーク武器を入手できたキャラクターがいたら、その機会に育成してみるのもいいでしょう。なお、キャラクターを指定してユニーク武器を入手する方法もありますが、やや割高なのでどうしても欲しいユニーク武器がある場合にのみ活用するのがオススメです。
最初はキャラクターごとの性能差が顕著であるものの、どんなキャラクターでも使い込むことで着実に強くしていけるのはうれしいポイント。
ちなみに、解放に必要な業蛍火が多い英傑ほど初期から強い傾向があるので、序盤はそれらの英傑の解放を目指していくといいでしょう。
ランダム要素のおかげで変化に富む奥深いビルドが楽しめる【無双アビスレビュー】
ダンジョン内には、さまざなランダム要素が存在。
階層を進むたびに次にどんな階層に進むかを選択することになります。基本的には英傑を入手できる階層を選ぶのが大事ですが、状況によっては大王の大釜(ショップ)や桃樹(回復フロア)を選んで体勢を立て直すことも重要!
また、階層を選ぶ段階であるていど次の階層で獲得できる英傑を絞れることもあるので、ビルドに合わせた臨機応変な選択が可能です。
序盤はとにかく各種能力値を伸ばせる“印”の多い英傑を選んでいけば大丈夫ですが、慣れてきたら英傑同士のシナジーを考えて獲得する英傑を選んでいくのがオススメ。
英傑ごとに固有戦法(アビリティ)の発動に必要な条件が異なり、場合によっては特定の英傑の取得が開放条件になっていることも。最終的にどんなビルドを目指すかによって、どんな英傑を獲得していくのかが変わっていく戦略性が、奥深くて楽しいです。
獲得する英傑を選ぶ際の悩ましさと、うまく理想形が作れたときの気持ちよさは、感覚的にはローグライト形式のカードゲームに近いものがありますね。
ダンジョン内ではランダムイベントも多数存在しており、運によって攻略難易度が大きく変わることもあります。
とくにボス階層で入手できる“遺宝”はその後の攻略方針をガラッと変えてしまうほど強力な効果が多く、攻略のいいアクセントになっていますね。
英傑の取得にもランダム要素が多いため、狙った陣営の英傑を獲得しやすい操作時特性を持つ劉備や曹操などは使いやすかったです。
筆者の場合は序盤は劉備を使って蜀の英傑たちを中心にビルドを組んでいきましたが、非常にシナジーが分かりやすく初心者向けに感じました。
その後、運よくユニーク武器を入手できた曹操に切り替えましたが、こちらも使い勝手がよかった印象です。
序盤はボスが強く回復手段も乏しいので、難易度が高く感じるかもしれませんが、ビルドやアクションのノウハウがわかってくるうちに爽快感や戦略性にハマれます。
やり込み要素が非常に豊富で、噛めば噛むほど味が出る作品になっているので、ぜひ最初のボス撃破まではあきらめずにプレイしてみてください!
攻略情報:開発チームおすすめのビルドを公開!【無双アビスレビュー】
最後に、初心者プレイヤー向けに『無双アビス』開発チームがオススメするビルド例が共有されていますので、そのうちのいくつかを紹介します。ぜひ攻略の参考にしてみてください!
張遼:全属性付与ビルド
全属性の印を4個以上獲得し、チャージ攻撃に全属性を付与。さらに荀彧の固有戦法“王佐の才”で印“魏”を持つ英傑の状態異常付与率を100%にすることで、チャージ攻撃に全属性を乗せることを狙っているビルド。
張遼はチャージ攻撃4のスライサーの攻撃範囲が広いため、広範囲の敵に全属性を付与しつつなぎ倒すことが可能です。
さらに吹き飛ばした敵に雷属性の追撃が発生する特性もあるため、常に敵を何かしらの属性で倒し続けることができます。
■優先して獲得したい英傑や遺宝など
荀彧:戦法“王佐の才”で印“魏”を持つ英傑の状態異常付与率を100%にできる
司馬懿:状態異常にした敵の周囲を氷結状態にする固有戦法で、攻撃範囲外の敵にも氷結状態にすることができる
印“堅”10個:回避時に敵にダメージを与える“猛進”の効果に、属性が付与されるようになる。
王異:回避だけで敵を殲滅する氷炎ビルド
操作時特性で敵を氷結状態にすると一斉召喚ゲージが溜まる王異を操作英傑にしたビルド。
状態異常を伝播させる固有戦法を積むことで、敵を状態異常にすると、それが連鎖的に広がってダメージを与えていくことが可能です。
また印“堅”10個の技能で回避アクションに属性攻撃が乗るようになるため、回避をしているだけで敵に状態異常を付与できるようになっています。
■優先して獲得したい英傑
司馬懿、周瑜:状態異常を周りの敵に伝播させる効果を持つ
孫堅、夏侯淵:状態異常になった敵を攻撃すると爆発が発生するようになる
石田三成:氷結する時間の延長
島左近:氷結する時間の敵を攻撃することで一斉召喚ゲージが蓄積する
柴田勝家:無双奥義連発紅涙ザクザクビルド
ユニーク武器の効果で印“織田”を持つ英傑数×10%の無双ゲージ獲得量アップを狙える柴田勝家を採用したビルド。印“織田”を持つ英傑は合計で12人いるので、すべての英傑を仲間にすると最大で無双ゲージ獲得量が120%アップします。
無双ゲージの上昇量を極限まで高めているので、無双奥義を連発できるのが強みです。また、おまけの効果として紅涙(※)ドロップも狙っています。
■優先して獲得したい英傑や遺宝(※)など
前田利家:印“織田”を持つ英傑数×5%無双ゲージ獲得量アップ
稲姫:感電状態の敵を攻撃することで無双ゲージが獲得できる
服部半蔵:感電状態の敵を攻撃することで爆発を発生させる
織田信長:攻撃力アップ
袁紹:感電状態の敵を攻撃することで紅涙を獲得できる
石川五右衛門:無双奥義で敵を倒すことで紅涙を獲得できる
大克鼎(遺宝):無双ゲージ獲得量が+100%される。
竹中半兵衛:豊臣家無限召喚ビルド
操作時特性で陣形スロットボーナスを上昇させ、英傑召喚のダメージをアップできる竹中半兵衛を採用。さらにユニーク武器で召喚待機時間を短縮できます。
印“豊臣”を持つ英傑を同時に召喚するねねの召喚待機時間を0にすることで、6人の英傑を絶え間なく召喚し続けることができます。
■優先して獲得したい英傑や遺宝など
ねね:自分が召喚された時に印“豊臣”を持つ英傑を同時に召喚できる
豊臣秀吉:印“豊臣”を持つ英傑の召喚待機時間短縮
直江兼続:印“豊臣”持ち。障壁ダメージがアップする
黒田官兵衛:印“豊臣”持ち。状態異常付与率と属性威力をアップ
藤堂高虎:印”豊臣”持ち。召喚技の威力が高い
石田三成:印“豊臣”持ち。凍結時間を延長させる
松風or赤兎馬(遺宝):特定の召喚スロットの召喚待機時間を短縮できる。ねねの待機時間を短縮させられればよいので、どちらかひとつでよい
姜維:乱れ光弾ビルド
ユニーク武器で陣形スロットボーナスを上昇できる姜維を採用したビルド。
召喚技“乱れ光弾”持ちを揃えたビルドとなっており、さらにその威力を強化しています。
■優先して獲得したい英傑や遺宝など
祝融:“乱れ光弾”系の召喚技の攻撃力を+100%できる
乱れ光弾持ちの英傑:乱れ光弾を持つ伊達政宗、袁紹、呂玲綺、荀彧、孫権の中から所持している英傑をセットする
浅井長政:五月雨撃ち乱射ビルド
召喚技“五月雨撃ち”を所持する英傑で固めて、常時召喚技の援護を受けて立ち回りを楽にすることを狙っているビルド。
浅井長政は操作時特性が“敵を氷結状態にすると、残り召喚待機時間-1秒”なので、その効果を利用して、くのいち・夏侯淵の召喚技によってほかの英傑の召喚待機時間を減らして召喚技を高頻度に撃つことが可能です。
■優先して獲得したい英傑や遺宝など
黄忠:自分だけでなくほかの英傑の“五月雨撃ち”の攻撃力も+120%できる
くのいち、夏侯淵:どちらも召喚技が“五月雨撃ち・氷“なので召喚待機時間の短縮が可能
五月雨撃ち持ちの英傑:孫尚香、稲姫、徳川家康、毛利元就の中から所持している英傑をセットする
松風or赤兎馬(遺宝):召喚時間を短縮して、一斉召喚中ではなくても夏侯淵、くのいちを発動する。とくにくのいちは印“真田”を持つ英傑の状態異常付与率が100%になる固有戦法を持ち、自身も印“真田”を所持している。そのため固有戦法が発動すると必ず敵を氷結状態にでき、さらに召喚待機時間を減らしやすい