フロム・ソフトウェアから発売され、高い人気を博したメカアクションゲーム『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下、『ACVI』)』。そのTRPGである『TRPG ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下、『TRPG ACVI』)』が2025年2月20日に発売されます。
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本記事では『TRPG ACVI』のデザイナーである加藤ヒロノリ氏へのインタビューを掲載。ゲームの概要を紹介したプレイレポート記事も併せてご覧いただけると、より本作について詳しく知ることができますので、ぜひご覧ください!
原作ゲームが好きという理由で入ってくる人でも遊びやすい作りに【『TRPG ACVI』加藤ヒロノリ氏インタビュー】
――本作のメカニズムのコンセプトは、これまでに担当されていた『ダークソウル TRPG』などからベースが引き継がれているように思いましたが、『TRPG ACVI』をデザインするにあたって決めていた方向性などはありますか?
加藤ヒロノリ氏(以下、敬称略):原作再現という意味では、『エルデンリング TRPG』からのスタミナ制がけっこう喜んでいただけたので、それをペースで考えました。『ACVI』にもENゲージがありますから。
ただまったく同じではおもしろくないなと思ったので、少し手触りが変わるように意識はしましたね。最終的には少し違う味付けにできたのではないかと思います。
『エルデンリング TRPG』では、自分の手番が来たらサイコロをいくつ振るか決めてからアクションを考えるんですが、『TRPG ACVI』ではほぼ全部サイコロを先に振るんです。
手番でやることや、回避のためにどれだけダイスを残しておくかも先に考えておけるようになって、プレイテンポの改善につながっていると思います。
――ボードゲーム的というか、システマチックに遊べるような仕組みになってるように感じますが、そこも意図して作っているのでしょうか?
加藤ヒロノリ:そうですね。じつは僕、口(くち)プロレスがあまり好きじゃなくて(笑)。
TRPGって、口プロレスで物事が決まってしまうと、究極的には「判定とかデータっている?」って思ってしまいますから。なのでGM初心者でもできるように、書いてあることを読み上げればできるように作っています。
『ダークソウル』にしろ『エルデンリング』にしろ『ACVI』しろ、TRPGを知らないけど、このタイトルだからって入ってくる人もいると思うので。できるだけそういう人がGMをやっても、判断に悩まずにできるように心がけています。
――SNSでキャラクターシート公開された際、もしかして『バトルテック』(『メックウォリアーRPG』)の系譜じゃないかと話題になっていたのが印象的です。こちらの日本語版展開も現KADOKAWAとグループSNEが関わっていましたが、同じメカ系のTRPGということで影響された部分などはあるのでしょうか?
加藤ヒロノリ:これは後書きにも書いてあるのですが、じつは『バトルテック』を遊んだことがないんです。ルールブックも友達が持っていたのをパラパラと見たことあるくらいで、自分では持っていません。
あと同社が出している『エムブリオンマシンRPG』というロボットもののTRPGもあるんですが、これも一切触ったことがなくて。なので、あまりそういう影響は受けていないと思います。
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――『ACVI』の再現を目指したら、結果的に少し寄ったということですね。
加藤ヒロノリ:『ACVI』の再現といえば、本作のマップ構造もその産物ですね。本作には、4つのマスに区切られただけのボス戦用のマップシートがあります。
初めはすべてのシナリオをこのシートで行うシステムだったんです。でも後半の旧宇宙港襲撃のシナリオを作っている時に、大規模マップを作ってみたらおもしろいのではと思いました。
僕のポリシーとして“敵がフルオートで動く”というのがあるのですが、大規模マップで戦闘をするとなると、フルオートで動かすのが大変になってしまいます。
それでもできる方法はないかなと思案した結果、テストプレイで「これ、いけるな」という形が見つかりました。
実際に何度もテストプレイしていると、逆にこれの方が『AC』っぽいなと感じまして、締切一カ月前にすべてのシナリオをマップ対応版に書き直したというエピソードがあります(笑)。
加藤ヒロノリ:『ACVI』の再現といえば、本作のマップ構造もその産物ですね。本作には、4つのマスに区切られただけのボス戦用のマップシートがあります。
初めはすべてのシナリオをこのシートで行うシステムだったんです。でも後半の旧宇宙港襲撃のシナリオを作っている時に、大規模マップを作ってみたらおもしろいのではと思いました。
僕のポリシーとして“敵がフルオートで動く”というのがあるのですが、大規模マップで戦闘をするとなると、フルオートで動かすのが大変になってしまいます。
それでもできる方法はないかなと思案した結果、テストプレイで「これ、いけるな」という形が見つかりました。
実際に何度もテストプレイしていると、逆にこれの方が『AC』っぽいなと感じまして、締切一カ月前にすべてのシナリオをマップ対応版に書き直したというエピソードがあります(笑)。
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――『AC』という題材において、パーツの性能や組み替えといった部分の再現は難しそうに感じます。気を使った部分や会心の出来だなと思った要素はありますか?
加藤ヒロノリ:原作は知っている方はイメージできると思いますが、『AC』ってデータが多いうえに、各数値の繋がりが細かいですよね。
デジタルだと全部コンピュータが処理してくれるので、複雑なのはむしろ楽しい要素でもあるんですが。
はじめの頃は、全部再現したらどうなるか実際に作ってみたのですが、ちょっと吐き気がするぐらい大変で(苦笑)。
次に考えたのが、ロボットアニメの量産機のような感じで、機体そのものを30機くらい作っておいて、乗り換えていく形式でした。
でも、これはこれでおもろいけど、アセンブルがないと『AC』じゃないなということで基本に立ち返り、そこからかなり引き算をすることで今の形式ができあがっています。
僕はものすごく面倒くさがりなのですが、そういう人でもこれくらいなら耐えられるかなというレベルで作ってみました。
――パーツの性能部分はシンプルにしたけど、組み合わせ自体の楽しさは残したままというバランスですね。
加藤ヒロノリ:ちょっとTCGのデッキ構築に近いと思います。アセンブルに慣れてくると、FCSと武器の組み合わせで特定の戦術に特化した機体なども作れるようになっています。
武器の重さと重量負荷、EN負荷といった要素もあるので、その辺もうまく組まないと動かなくなるのも一応再現しています。面倒じゃない範囲でですが。
あとはパーツの価格ですね。原作ゲームでは細かい数字が設定されていて、つど購入していく必要がありますが、あれをTRPGでやっていたら計算で頭がパンクしちゃうので……。
20,000単位で★1個という単位で変換して処理するので、その辺の計算は楽だと思います。
加藤ヒロノリ:原作は知っている方はイメージできると思いますが、『AC』ってデータが多いうえに、各数値の繋がりが細かいですよね。
デジタルだと全部コンピュータが処理してくれるので、複雑なのはむしろ楽しい要素でもあるんですが。
はじめの頃は、全部再現したらどうなるか実際に作ってみたのですが、ちょっと吐き気がするぐらい大変で(苦笑)。
次に考えたのが、ロボットアニメの量産機のような感じで、機体そのものを30機くらい作っておいて、乗り換えていく形式でした。
でも、これはこれでおもろいけど、アセンブルがないと『AC』じゃないなということで基本に立ち返り、そこからかなり引き算をすることで今の形式ができあがっています。
僕はものすごく面倒くさがりなのですが、そういう人でもこれくらいなら耐えられるかなというレベルで作ってみました。
――パーツの性能部分はシンプルにしたけど、組み合わせ自体の楽しさは残したままというバランスですね。
加藤ヒロノリ:ちょっとTCGのデッキ構築に近いと思います。アセンブルに慣れてくると、FCSと武器の組み合わせで特定の戦術に特化した機体なども作れるようになっています。
武器の重さと重量負荷、EN負荷といった要素もあるので、その辺もうまく組まないと動かなくなるのも一応再現しています。面倒じゃない範囲でですが。
あとはパーツの価格ですね。原作ゲームでは細かい数字が設定されていて、つど購入していく必要がありますが、あれをTRPGでやっていたら計算で頭がパンクしちゃうので……。
20,000単位で★1個という単位で変換して処理するので、その辺の計算は楽だと思います。
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素材は潤沢なので、GMのオリジナルシナリオを作ってみてほしい【『TRPG ACVI』加藤ヒロノリ氏インタビュー】
――本作には『ACVI』の武装のデータは全部載っているのでしょうか?
加藤ヒロノリ:そうですね。追加分も含めて、作成時で判明していたすべての武装、パーツ、エネミーデータが踏襲されています。
シナリオはチャプター3のアイスワーム戦までですが、敵のデータ自体はラスボスまで全部載っていますよ。アイスワーム以降はGMの方が自由に作ってね、という形式を取っています。
逆に『エルデリング TRPG』のときはGMが想像して自由に作ってくださいという余地をあまり入れられなかった感じがしていて。世界とシナリオを表現するのにすべてのページを使ってしまいました(笑)。
でも『ACVI』では企業とかもありますし、GMの工夫しだいでけっこう広げられそうだと思ったので、最後までシナリオを作るより、ここまでサンプルとして乗せておいて、あとは自由に作ってもらうっていうスタンスの方が喜ばれるんじゃないかなと思いました。
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――材料はあるから、ここからは自由に作ってねと。
加藤ヒロノリ:そういうことです。
3機編成という部分も同じですね。『エルデンリング』には原作から鉤指というマルチプレイ要素がありますが、『ACVI』では基本的に1人ですから。
僚機がいる理由は、ウォルターの子飼いのACという設定でもいいし、現地で手配した傭兵だっていい。こちらでは設定はしていませんが、そこはもう自由にしてくださいというのも書いてあります。
これも書いてありますが、それこそ“アイビスの火”発生前という設定で、GMがオリジナルな歴史を想像して遊ぶのもアリですよ。
――これを機に『AC』の過去作品のTRPG化とかは考えてらっしゃいますか?
加藤ヒロノリ:どうですかね。どれだけ頑張っても、今が旬な『ACVI』より望まれる声は少ない気がしましすが……(苦笑)。でもきっとユーザーの方が同人ソースブックみたいの作るんじゃないかな。
今回システムをきっちり作ったので、ユーザーが各々で利用して遊んでくれればいいなとは思っています。
――原作ゲームのファンに対して、アピールしたいことなどはありますか?
加藤ヒロノリ:フロム・ソフトウェアさんのゲームって、高難易度でありつつ面白い作品が多いじゃないですか。その点『TRPG ACVI』はアクションが苦手な方でもプレイできます!(笑)
特に今回はランダム的な要素はほぼ手番の最初に決まるので、そこからの行動で悩みにくい設計になっています。
もちろん戦術としてのパターンの幅はあるのですが、遊びかたに悩まないというか。全体的に遊びやすいと思いますよ。
自分の出目が最初に決まり、そこから最適解を考えやすいんです。たまに行き過ぎてボコボコにされることもありますが。
加藤ヒロノリ:そういうことです。
3機編成という部分も同じですね。『エルデンリング』には原作から鉤指というマルチプレイ要素がありますが、『ACVI』では基本的に1人ですから。
僚機がいる理由は、ウォルターの子飼いのACという設定でもいいし、現地で手配した傭兵だっていい。こちらでは設定はしていませんが、そこはもう自由にしてくださいというのも書いてあります。
これも書いてありますが、それこそ“アイビスの火”発生前という設定で、GMがオリジナルな歴史を想像して遊ぶのもアリですよ。
――これを機に『AC』の過去作品のTRPG化とかは考えてらっしゃいますか?
加藤ヒロノリ:どうですかね。どれだけ頑張っても、今が旬な『ACVI』より望まれる声は少ない気がしましすが……(苦笑)。でもきっとユーザーの方が同人ソースブックみたいの作るんじゃないかな。
今回システムをきっちり作ったので、ユーザーが各々で利用して遊んでくれればいいなとは思っています。
――原作ゲームのファンに対して、アピールしたいことなどはありますか?
加藤ヒロノリ:フロム・ソフトウェアさんのゲームって、高難易度でありつつ面白い作品が多いじゃないですか。その点『TRPG ACVI』はアクションが苦手な方でもプレイできます!(笑)
特に今回はランダム的な要素はほぼ手番の最初に決まるので、そこからの行動で悩みにくい設計になっています。
もちろん戦術としてのパターンの幅はあるのですが、遊びかたに悩まないというか。全体的に遊びやすいと思いますよ。
自分の出目が最初に決まり、そこから最適解を考えやすいんです。たまに行き過ぎてボコボコにされることもありますが。
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――最近、パーツを組み換えて遊べる『ACVI』のプラモデルも次々と発売されていますし、これでプレイヤーの機体を作って遊ぶと盛り上がりそうです。こういった他の商品との横のつながりみたいなものも意識されていたのでしょうか?
加藤ヒロノリ:いや、そこはぜんぜん考えていないです。もし絡めるのであれば、最初からシステムに組み込むことを考えてしまいそうです(笑)。
でもプラモデルまで行かなくても、原作ゲームで自分のアセンブルをそのまま組んで印刷したものをシートに貼るのは手軽で楽しそうですね。
――フロム・ソフトウェアさんの作品をTRPG化するのはこれで3作目となりますが、今回の手応えみたいなものはありますか?
加藤ヒロノリ:アクションゲームをアナログに落とし込むことが熟れてきた気がします。僕も作ってるうちに進化してるので、たとえば『ダークソウル』からこのスタミナシステムを使って綺麗に作り直したい気持ちはあります。予定はありませんし、また機会を与えていただけるなら、なにかしらの新作にチャレンジしてみたいです。
――最後に『ACVI』のファンの方々にメッセージをお願いします。
加藤ヒロノリ:『ACVI』が好きな人は、とりあえず一度誰かのGMで遊んでいただけると、虜になってもらえるんじゃないかなと思います。
先ほども言ったように、アクションが苦手な方でもゆっくりと遊べるので、ぜひ遊んでみてください。
また、初めて本作でGMを遊んでみようと思った人でも、基本的に読み進めるだけでそこそこ運用できるように作ってありますので、挑戦してみてください。
逆に別のTRPGを遊んだことがある人にとっては混乱するかもしれませんが、逆にその作りの違いを味わっていただければ僕としてはすごく嬉しいです。