コロプラより、金子一馬氏が神魔画家兼コンセプトプランナーを担当するカード創造ローグライク『神魔狩りのツクヨミ』(iOS、Android、Steam)が2025年5月7日にリリースされます。
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本作のメディアイベント並びに先行体験会が5月1日に行われ、取締役 上席執行役員 CPOの坂本 佑氏、取締役 上席執行役員 CIOの菅井健太氏、『神魔狩りのツクヨミ』開発プロデューサーの齋藤ケビン雄輔氏が登壇しました。ここでは、イベントの様子をレポートしていきます。
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索引
『神魔狩りのツクヨミ』は“作りたい構造”を重視した挑戦的なタイトル
イベントでは最初に、坂本氏より『神魔狩りのツクヨミ』の戦略的な位置づけや、AIの活用方法などについてのプレゼンテーションが行われました。
坂本氏は、国内向けのモバイルゲーム市場は緩やかに拡大しているものの、中国系企業の伸長もあり、競争が激化していると語ります。そんななか売上最大化構造(LTV重視、インフレ型課金)、LiveOPS(更新リリース過多)、キャラガチャ中心のUX設計と、ユーザーの飽きや開発現場の疲弊、業界の硬直化が起こっていることが課題だと感じているそうです。
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『神魔狩りのツクヨミ』はダークファンタジー×ローグライク×カードゲームという非マス向けジャンルで、キャラガチャやLiveOPS偏重モデルから距離を置く設定を選択。
生成AIを使用した実験的なゲームとして、“売れる構造”ではなく“作りたい構造”の企画立案になっているそうです。
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『神魔狩りのツクヨミ』は、プレイヤーの行動ログによって、金子一馬氏のイラストを学習した〈AIカネコ〉がオリジナルのカードを生成するところも魅力の1つになっています。
ローグライクの戦略性と高いリプレイ性は、生成系AI技術と相性がよく、取り入れることで類似ゲームにはない新しいゲーム体験の提供が可能になると考えているそうです。
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コロプラの運営する“持続可能なPlay to Earn(遊んで稼ぐ)”の実現を目指すブロックチューンゲーム『Brilliantcrypto』でも、さまざまな要素でAIが活用されています。
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『神魔狩りのツクヨミ』は、『Brilliantcrypto』に続く挑戦的なタイトル。売り上げの最大化のみではなく、企業としての開発ポートフォリオ最適の一環で、“アプリビジネスの定石”に対する挑戦的な試みになっているそうです。
金子氏の言葉が、<AIカネコ>開発の手ごたえに
トークセッションでは、ケビン氏と菅井氏が登壇し、「“AIとクリエイターの共創はどこまで可能か?”-金子一馬の美学をAIで拡張する試み-」について語りました。
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トークテーマ①「人とAIの役割分担、そして編集という創作」
――人とAIは、それぞれどんな役割を担当したのでしょうか?
ケビン氏
:AIは手段の1つと考えています。出力されたものをそのまま使うのではなく、どれが適切なのか選び、改変して修正し、最終的にユーザーに届ける際にどんな意味付けになるのかという工程が大事だと思っています。
『神魔狩りのツクヨミ』でも、多くの時間をこの工程に費やしました。
『神魔狩りのツクヨミ』でも、多くの時間をこの工程に費やしました。
菅井氏
:弊社としても公式サイトにAIポリシーを掲げているのですが、AIはとても強力で、変化も激しく脅威を感じることもあります。しかし、あくまでツールであり、パートナーという位置づけで、主体はクリエイターである。
そのなかで、どう活用していくかを定義しています。社内ガイドラインでも、最終的にユーザーの皆さんに届ける際は、人が責任を持ちましょうと記載されています。
そのなかで、どう活用していくかを定義しています。社内ガイドラインでも、最終的にユーザーの皆さんに届ける際は、人が責任を持ちましょうと記載されています。
トークテーマ②「金子一馬らしさをどうAIに伝えたか」
――金子一馬氏らしさをAIに伝えるのは、難しい挑戦だったのではないでしょうか?
ケビン氏
:今回一番苦労したところで、菅井さんとも「あーでもない、こーでもない」と話しながら、開発していました。最初は金子さんらしさ言語化し、研究し、プロントでそれが生成できないか試しました。
しかし、言語だけではどうしても伝えきれない部分、金子さんらしさが出ないということもあり。最終的に金子さんがコロプラに来てから描いたイラストを学習させ、それをもとに生成したものを選択し、質が高いものを再学習するというのを繰り返して今のモデルになりました。
しかし、言語だけではどうしても伝えきれない部分、金子さんらしさが出ないということもあり。最終的に金子さんがコロプラに来てから描いたイラストを学習させ、それをもとに生成したものを選択し、質が高いものを再学習するというのを繰り返して今のモデルになりました。
菅井氏
:最初はAIが言語化した金子さんらしさをそもそも理解しておらず、「雰囲気があるか……? 違うな」と。チューニングを重ねることで、少しずつ近づいていきました。それに対する試行回数が多くて、どうしようかと話していましたね。
――話し合いをしながら、作業を進めていったんですね。
――話し合いをしながら、作業を進めていったんですね。
ケビン氏
:出力されたものを選定するメンバーが、何人かいました。これまで金子さんが描いてきたものを見て、どんな要素あれば金子さんらしくなるんだろうと、メンバーも勉強して基準点を作って選定していきました。
トークテーマ③「生成されたアウトプットと、共創のリアル」
――AIから生成されたアウトプットを見て、どのように感じられましたか。
ケビン氏
:1番最初のものを見たときは、「これは、どっちなんだろう」と思いました。惜しい部分もあれば、まったく違うものもある。近づけるためにトライして、学習して、生成して。離れて、近づいてを繰り返して、今の形になったと思います。
ただ生成していくなかで、金子さんらしさもありつつ、AIの独自性も出てきたんですよね。これは、これでありなんじゃないかと思いました。いろいろな神魔を生成することが大事だったので、AIの独自性は大事にしていました。
出来上がったものを見て、金子さんに見ていただいたときに「これは、私には描けないな」と言ったことがあって、その時に行けるんじゃないかと思いました。
ただ生成していくなかで、金子さんらしさもありつつ、AIの独自性も出てきたんですよね。これは、これでありなんじゃないかと思いました。いろいろな神魔を生成することが大事だったので、AIの独自性は大事にしていました。
出来上がったものを見て、金子さんに見ていただいたときに「これは、私には描けないな」と言ったことがあって、その時に行けるんじゃないかと思いました。
菅井氏
:金子さんの言葉は、すごく勇気づけられましたね。AIの1つの可能性というか、手探りだったものがやっと紐づいたのかなと感じました。
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トークテーマ④「“AIと創る”に向き合った理由」
――そもそも、なぜAIとの共創に挑もうと思ったのでしょうか?
ケビン氏
:制作過程の効率化で、AIの活用は他社さんも行っています。生成系AIが流行して、強化されていくなかで、ゲーム体験に取り入れられないかというのは数年も考えてきました。
金子さんらしさのあるイラストを生成するのが始まりではなく、AIを使用したゲーム体験を作ることが始まりでした。そのなかで、金子さんが作る作品で、ユーザーが求めるのは金子さんらしいイラストだよねとなって、それを実現させるために動いていきました。
金子さんらしさのあるイラストを生成するのが始まりではなく、AIを使用したゲーム体験を作ることが始まりでした。そのなかで、金子さんが作る作品で、ユーザーが求めるのは金子さんらしいイラストだよねとなって、それを実現させるために動いていきました。
菅井氏
:AIで1度は楽しめるゲームは作れるのですが、繰り返し遊びたくなるかと言えば違うものが多いです。そのなかでモチーフと、金子さんの世界観が上手く合致して、この作品が生まれたのかなと思います。
トークテーマ⑤「AIが“継承のツール”になる可能性」
――“継承のツール”になっていくのではないかという可能性について、どう考えられますか?
菅井氏
:創業者の馬場はチーフクリエイターとして、今でもゲームのレビューをしてもらっています。それをAIで出来ないかなという思いがあります。考えの固定化いいますか、外に出せるノウハウとしておいて置くことで、どんな疑問にもすぐに返してくれる環境にして、現場レベルでいいものが作れる組織になっていくのではないかと考えています。
〈AIカネコ〉を作ったことで、2025年現在の金子さんの考え、感性が保存され、セーブされています。将来、時が流れて感性が進化した金子さんが、2025年の金子さんと対話してインスピレーションを受けることもあるのかなと。
〈AIカネコ〉を作ったことで、2025年現在の金子さんの考え、感性が保存され、セーブされています。将来、時が流れて感性が進化した金子さんが、2025年の金子さんと対話してインスピレーションを受けることもあるのかなと。
ケビン氏
:私は現場レベルの話になるのですが、いろいろな現場を渡り歩き、その度にIPやプロダクトのことを勉強しています。人の入れ替わりは大事なことなので、学習コストやクオリティの担保という意味で、AIには可能性があると思っています。
10年続くタイトルに今から入って、これまでのぶんを勉強するのは難しいです。文脈の部分やイラスト、UIなどのデザインの方向性を、AIに学習させて再現出来るのであれば、新しい人が入ったときの継承のツールとして、可能性があるのかなと思います。
10年続くタイトルに今から入って、これまでのぶんを勉強するのは難しいです。文脈の部分やイラスト、UIなどのデザインの方向性を、AIに学習させて再現出来るのであれば、新しい人が入ったときの継承のツールとして、可能性があるのかなと思います。
トークテーマ⑥「AIとの共創で見えた新しい創作のかたち」
――今回の取り組みを通じて感じた手ごたえや、今後の展望を教えてください。
ケビン氏
:AIは手段ですので、ユーザーに何を届けたいかという価値とのセットで考えなければいけないと思います。AIを使ったから面白くなるわけではなく、AIを取り入れたからこその価値。またAIに対して現状賛成も反対もあるなかで、納得性、ゲームのなかでの意味づけも考えながら開発していかなければいけないと感じました。
菅井氏
:なんでAIなのかという理由が自分たちになければ、ユーザーの皆様もたぶん受け入れてはくれないです。今回の先行体験版のアンケートなどを通して、それを感じました。
またAIが進化し、誰でもできるという世界になるなかで、エンターテインメントはその上に来る存在だと思っています。開発は、客観を9割、主観を残り5%入れると言われます。
AIが進化していつか主観さえもシミュレーションするときが来るかもしれませんが、クリエイターが主観を持ち、最後の責任を持つのは人だなと改めて感じ、認識しました。
それを忘れず、うまくAIと共創する世界を目指していきたいと思います。
またAIが進化し、誰でもできるという世界になるなかで、エンターテインメントはその上に来る存在だと思っています。開発は、客観を9割、主観を残り5%入れると言われます。
AIが進化していつか主観さえもシミュレーションするときが来るかもしれませんが、クリエイターが主観を持ち、最後の責任を持つのは人だなと改めて感じ、認識しました。
それを忘れず、うまくAIと共創する世界を目指していきたいと思います。
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イベント終盤には、ケビン氏の解説も交えつつ、ゲームの試遊も行われました。
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挑戦的なタイトル『神魔狩りのツクヨミ』は、いよいよ5月7日に配信予定です。金子氏が描く魅力的な世界観やキャラクターたちと、AIを活用したシステムがどんなゲーム体験を生み出すのか、今から配信が待ち遠しいです!