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【スパロボY参戦作品紹介】勇者ライディーン:コンシューマには約20年ぶりの参戦。どんな形でストーリーに絡んでくるのか、性能含め興味津々【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第3回は『勇者ライディーン』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め、21作品が本作に参戦します。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、勿論立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『勇者ライディーン』とは【スパロボY参戦作品紹介】


 『勇者ライディーン』は、1975年に放送されたロボットアニメ。前半の監督は富野喜幸(現・富野由悠季)氏、後半は長浜忠夫氏が担当しています。

 後に富野氏は『機動戦士ガンダム』に『伝説巨神イデオン』、長浜氏は『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』など著名なロボットアニメを多数手がけていますが、両氏が手掛けた初のロボットアニメの監督作品がこの『勇者ライディーン』となっています。


 本作の主人公は、考古学者の父と祖父を持つ少年、ひびき洸(あきら)。洸は、頭の中に突如響き渡った謎の声に導かれ、かつてムー大陸に存在したムー帝国が作り上げた巨大ロボット・ライディーンの搭乗者となり、1万2000年前にムー帝国を滅ぼした“妖魔帝国”との戦いに身を投じることになります。

 『ライディーン』を語る上で欠かせないのが、主に物語前半の洸のライバルとして登場するプリンス・シャーキン。『ガンダム』のシャア・アズナブルをはじめとする、ロボットアニメのお約束である美形のライバルキャラクターの元祖にあたる存在で、シャアの名前の由来も『ライディーン』のシャーキンだった、と言う説もあります。

 その『ガンダム』でもタッグを組む安彦良和氏と富野由悠季氏が初めて共に仕事をした作品でもあり、ロボットアニメの歴史においても重要な位置づけの作品でもあります。

 1996年には『超者ライディーン』、2007年には『REIDEEN』と、本作をモチーフにしたリメイク作品も複数作られています。

■『勇者ライディーン』を見る

『α外伝』や『MX』での活躍に加えブルーガーも思い出深い【スパロボY参戦作品紹介】


 『スパロボ』における『ライディーン』の歴史は長く、1993年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『第3次スーパーロボット大戦』が初参戦。

 それから何度も参戦を重ねている『スパロボ』常連作品の一つです。

 ただ、コンシューマ向けの『スパロボ』にはしばらく参戦がなく、最後になったのは2007年の『スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd』(SLGのタイトルとしては2005年の『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』)まで遡る必要があり、『スパロボY』は約20年ぶりの参戦になります。

 自分はスマホアプリの『スーパーロボット大戦DD』もプレイしているのもあって、そこまで開いていたイメージがなかったので、今回改めて確認して20年という数字にビックリしていました。PS2の時代ですからね……。


 いわゆるスーパーロボット系に分類される機体ですが、スーパー系にしては装甲が薄めながらもシールドを備えており、ある程度は運動性も高め。

 使い勝手のいい長射程武器を持つ一方で、全ユニットの中でも最高クラスの攻撃力をもつゴッドボイスが後に追加されたり、リアル系とスーパー系の中間的な性能になっていることが多かった印象です。

 作品によって結構性能がガラッと変わることもあって、運用もかなり独特だった記憶がありますが、念動力の補正が強力で、当てて避ける万能ユニットに育てられた『スーパーロボット大戦α外伝』では特にお世話になりました。


 タイトルによっては、ライディーンをサポートするコープランダー隊が乗る支援メカ・ブルーガーがライディーンを押しのけるほどの活躍をしたことも。

 複数人乗りで他ユニットのENを回復できる補給装置(たまに修理装置も)を搭載していることが多いので、純粋なサポート役としても重宝しますし、強化パーツの装備可能数が多いほど武装の攻撃力が上がる強化パーツの“V-UPユニット”がある作品だと、攻撃役としても大活躍していました。

 ストーリー的には『ラーゼフォン』と大きく絡んだ『スーパーロボット大戦MX』が一番思い出深いでしょうか。ストーリー終盤に『ラーゼフォン』の美嶋玲香が、坂本真綾さんのボイス付きで「歌いなさい、ライディーン」と呼びかけるシーンのインパクトはかなり強かったです。

今回の『勇者ライディーン』は原作再現されるのか?【スパロボY参戦作品紹介】


 ただ、一方で『ライディーン』は『スパロボ』で原作のストーリーが再現される機会が少ないことで有名な作品でもあります。

 物語の大ボスである妖魔帝国の王・バラオがユニットとして登場したのも、『スーパーロボット大戦 Scramble Commander the 2nd』と、『スーパーロボット大戦IMPACT』(及びリメイク元となる『スーパーロボット大戦COMPACT2』)くらいと、かなり少なめです。

 なら『スパロボY』ではどうなるのか……というところですが、原作アニメのストーリーを再現するかはともかく、妖魔帝国の登場は結構期待して良いのではないかと思っています。

 まずPVでライディーンが戦っている相手として、妖魔帝国のドローメの姿が確認できるというのがその根拠。

 その他、ライディーンと妖魔帝国は、共に1万2000年前から存在しているという設定があるので、今回初参戦の『SSSS.DYNAZENON』において、5000年前から存在している組織である“怪獣優生思想”と何らかの形でクロスオーバーする可能性はあるかも? なんて想像してしまいます。こういう想像も『スパロボ』がリリースされるまでの楽しみのひとつでもありますね。


 また『ライディーン』は、ムー大陸などのオカルト的な要素も取り込んでいる作品なので、同じく初作戦の『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』とも親和性があります。

 洸の父・ひびき一郎は考古学者なので、以前から神野銘と面識がある、みたいな絡みも……などと妄想が勝手に膨らんでしまいます。

 『スパロボY』では一体どんな性能で、どんなポジションになっているのか。かなり久しぶりに『ライディーン』を見るという『スパロボ』ファンも多いと思うので、その活躍に期待したいところです。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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