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高橋慶太氏最新作『to a T(トゥーアティー)』プレイ感想。T字の体を使って空も飛べる!? 主人公の不思議で温かな日常を描く【電撃インディー#1013】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、開発・uvula LLC、発売元・Annapurna InteractiveよりPS5、Xbox Series X/S、Steamで2025年5月29日に発売されるナラティブアドベンチャー『to a T』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


なぜか体がTの字な主人公と愛犬の日常【to a T】


 本作は、『塊魂』などで知られるクリエイターの高橋慶太氏の完全新作です。

 主人公は、なぜか両手が上がって、体がTの字になっているティーン(名前変更可能)。ティーンの性別は明言されておらず、姿もカスタマイズ可能なため、プレイヤーが思うスタイルで物語を進めることが出来ます。

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 ティーンは体がTの字のため、服を着替える、顔を洗うといったモーニングルーティンをこなすのも一苦労。両手の向きをカーソルで操作し、ボタン操作でものを掴むなど、プレイヤーはミニゲームでティーンの日常を体験することになります。

 そんな大変な毎日ですが、愛犬・犬ちゃん(名前変更可能)の優秀過ぎるサポートや、ティーンのために用意された便利な道具のおかげもあり、ほとんどのことを自分でこなしているのがすごい!

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 ちなみに着替えは必須ですが、顔を洗う、食事をするなどのルーティンは、2話目以降はスキップ可能。物語が気になるとき、サクッと進められます。

 ただ、ちゃんと顔を洗わないとティーンに目やにがついた状態のまま物語が進むことになるので、ちゃんと身支度を整えてあげたくなります。

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 ティーンはよく笑う明るい子なのですが、T字の体をからかってくるいじめっ子もいるようで、学校はあまり好きじゃない様子。13歳の誕生日を迎えた日も、しぶしぶ学校へ向かいます。

 学生時代って特に理由がなくても、学校休みたい日ってありますもんね……。悩みがあるなら、その気持ちもより強くなるでしょう。

 それでも、遅刻しないように学校に行くティーンはいい子です。

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 学校帰り、ひょんなことから回転することで飛べる不思議な能力に目覚めたティーン。

 その力を使って、いじめっ子を助けることに……。

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 助けたことがきっかけで、いじめっ子と和解。さらに、能力の活かし方を先生が教えてくれて……。

 個性を活かす方法を見つけ、自分らしく過ごすティーンは応援したくなるし、見ていて前向きな気持ちになります。

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 また、町に飛来した謎の物体の正体など、エピソード全体に関わる謎も用意されており、先にが気になる物語展開になっているのも見どころです。

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 物語は複数のエピソードに分かれており、それぞれのお話は短時間で遊ぶことが出来ます。

 途中ミニゲームが発生しますが、上手くいっても、失敗しても、物語を進行できるので、アクション要素が苦手な人でも楽しめる作品になっています。

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 各話には、オープニングとエンディングも! 高橋氏の作品の音楽らしく、とても聴き心地がいいし、自己肯定感を上げてくれる歌詞もステキなんですよ。一度見た後はスキップも出来て、自分のプレイに合わせて聴くか選べるのも嬉しいところ。

 ちなみにオープニング・エンディング以外のBGMも、名曲ぞろいです。

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ティーンを取り巻く世界はとっても温かい【to a T】


 本作で個人的に好きなのが、個性的で、優しい登場人物たちです。

 犬ちゃんは、どこに行くにも一緒で、着替えからマップガイドまで、何でもこなしてくれます。とにかく優秀。

 でもお肉大好きだったり、人様の家の前で……したり、犬らしい無邪気さがあるのもかわいいんです。

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 一緒に暮らしているお母さんは、ティーンの理解者。子どものために、蛇口を改良したり、一輪車を直してくれたり、いろいろサポートしてくれているのがわかります。

 ティーンに秘密にしていることがあるようで、家族関係が気になるところ。

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 家族以外にも、魅力的な住人たちが多数登場します。いじめっ子たちも根が悪い人物ではないですし、学校の先生たちも面白い人物ばかり。エピソードを進めることで、彼らの人となりをより深く知ることが出来るのも楽しいです。

 イチ推しなのが、キリンのサンドイッチ屋さん。料理上手で、大人な雰囲気があって、とってもステキなんですよ。

 ちなみに、アイスクリームやポップコーンのお店を経営しているキリンもいます。どの衣装もかわいいんですよね。

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着せ替えや寄り道も楽しい【to a T】


 ティーンの服装は、プレイヤーが着せ替えすることが出来ます。最初から複数の制服、私服が用意されていて、何を組み合わせようかワクワクしました。

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 エピソードが進むと、お店で新たに購入できるようになり、オシャレの幅がより広がります。

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 買い物に必要なコイン(ホスパ)は、町のなかで集めることができます。

 私は最初、街中に何かあるなと思ったのですが、物語を進めることを優先して放置しちゃったんですよね。序盤から、コツコツとコインを集めておくことを強くオススメします。

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 コインは、ミニゲームにチャレンジするのにも使用! クリアすると賞品がもらえるそうなので、積極的に挑みたいところです。

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 街並みはかわいく、ティーンと直接関わらない住人たちのなかにも、面白い姿をした人が多いです。寄り道することで楽しみが広がっていくので、ぜひ町や施設のいろいろなところを見ていただきたいです。

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 本作は、序盤を遊べる体験版も配信されています。セーブデータは製品版に引き継ぎも可能なので、気になる方はぜひ遊んでみてください。

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