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『悠久幻想曲リバイバル』インタビュー。なぜ今リメイク? mooさんが描くキャラはどう変わった? ファン必携の『アンサンブル』の話も聞きました

文:Z佐藤

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 1998年7月18日にSS(セガサターン)版、同年8月28日にPS(プレイステーション)版が発売され、恋愛だけでなく、友情や絆をテーマとした独自の作風で人気を博した育成シミュレーションゲーム『悠久幻想曲』。

 発売から28年が過ぎた2025年、同作品をリメイクした『悠久幻想曲リバイバル』が発表されました。

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 今回は株式会社ブリッジから開発プロデューサーの川村真也さん、ディレクター/シナリオ制作の寺山宗宏さん、キャラクターデザイン/ビジュアルディレクションのmooさんと、株式会社タイトーからプロモーション担当の中村真梨子さんの4人にインタビュー。開発の舞台裏や新たな見どころなどについて聞いていきます!

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▲左からmooさん、川村真也さん、寺山宗宏さん。

 なお、特装版には通常版ソフト、アートブック、CD、グッズに加え、ダウンロード販売が行われる『悠久幻想曲アンサンブルRe:R』も同梱されるほか、2025年7月11日(金)0時から7月14日(月)23時59分までの4日間にわたって開催する“Amazonプライムデー”の期間中、Amazonで『悠久幻想曲リバイバル』関連商品を予約すると、1997年に発売された『悠久幻想曲』を忠実に移植したオリジナル移植版のNintendo Switch用ダウンロード番号が付属されます。

※本Amazonプライムデー限定商品は、Amazonプライム会員でなくても予約できます。
※限定特典は、一部内容を変更して後日無料または有料で頒布・販売される可能性があります。

復活が決定するまでの道のりと、『悠久幻想曲』に対するスタッフたちの想い


──『悠久幻想曲リバイバル』の制作が決定したことを知った時の率直な感想からお願いします。

moo
じつは『悠久幻想曲』の移植やリメイクの話っていうのは今回が初めてではなくて、これまでにも何度かあったんですよ。ただ、残念ながら、いずれも実現まではいたりませんでした。

 なので、「今回もそうなるのかな?」と思っていたら、ここまで形になったことは素直に嬉しいですし、驚いています。水面下ですごくがんばってくれてた人がいたんだろうなと。

川村
水面下で何度か動いていたのは事実ですね。何度か「移植しませんか?」というお声がけをいただくことがありました。

 でも、そのたびにいろいろな事情でプロジェクトが流れてしまいまして。今回ようやく実現できたことにビックリしつつ、素直に嬉しく思っているのが率直な気持ちですね。

寺山
なんだか見えないパンチが飛んできたみたいで、純粋にビックリしました。20年以上前、僕らが仕事を始めてまだ数年のころのタイトルなので思い入れは強いのですが、なにぶん古い、昔のものなので、もう移植はないだろうと思っていたら「今ですか!?」って(笑)。本当にタイトーさんや川村ががんばってくれたんだなと思いますね、

──まずは原作をリマスターした移植版かと思いましたが、原作に手を加えたリメイク版であることに驚きました。リマスター版の構想はなかったのでしょうか?

川村
じつはリマスター版の制作も同時に進んでいまして、Amazonプライムデーの際の予約特典として、『悠久幻想曲』オリジナル移植版 ダウンロード番号がついてきます。こちらのゲーム部分は原作と変わりありませんが、キャラクターなどのグラフィックまわりを高精細にしたバージョンとなります。

──『悠久幻想曲』のリメイク版という今回の企画が立ち上がったきっかけと経緯について教えてください。なぜタイトーからの発売となったのでしょうか。

中村
もともと弊社プロデューサーの飯田が『悠久幻想曲』の大ファンだったんですよ。そもそもブリッジさんと弊社タイトーはこれまでたびたび開発等でお付き合いをさせていただいておりまして、その中で川村さんから『悠久幻想曲』を復活させたいというお話をお聞きしたんです。

 弊社としても昔のタイトルのリメイクや移植をやってきていましたので、意気投合させていただいて、今回はリバイバルという形で開発の実現を目指して動くことになりました。

 それから川村さんに権利許諾に関して調整していただいたり、権利元であるメディアワークスさん(現KADOKAWA)とも交渉したりして、許諾をいただけました。こうして、『悠久幻想曲』のリメイク企画が実現することになったんです。

──飯田さんや中村さんが『悠久幻想曲』を好きだったこともあり、お2人の熱量も今回の企画の実現にハマったんですね。

川村
そうですね。そういったことが今回いろいろ噛み合いました。また、もちろん根強いファンの方もたくさんいらっしゃって、何周年とかでイラストをアップしてくださったり、「リメイクや移植を待ってます!」みたいなコメントを付けてくださってたり、そういったみなさんの応援や要望・あと押しも影響していると実感しています。

──過去に何度もお話が出ていた中で、今回は話が進んで開発が決まったことの理由について思い当たることはありますか?

川村
やっぱりタイミングとか、ご縁ですかね。タイトーさんのプロデューサーの飯田さんと中村さんはもちろんですし、今回このプロジェクトを進めるにあたって、以前オリジナル版で携わった方にも連絡を取らさせてもらったんですけど、みんなあと押ししてくださるような形で。

 当時所属してた会社の社長にも20数年ぶりに連絡をして、それから時々近況をメールするようになったり(笑)。そういう形で、いろいろなご縁とタイミングに恵まれたかのが大きかったと思いますね。

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──SS版、PS版に携わられていたみなさんにとって『悠久幻想曲』とは、どんなタイトルでしょうか? 当時の思い出などがありましたら、そちらも交えて教えてください。

川村
『悠久幻想曲』はたくさんのお客さまに購入、認知していただいたタイトルで、いまだにお会いする方から「昔、遊びました」「好きです!」ってお声をいただくこともありますね。ちょっと変ないい方かもしれませんが“名刺代わり”になったタイトルかなと思っています。

寺山
先ほどもお話しましたが駆け出しのころに手掛けたタイトルで、まだゲーム開発のノウハウが乏しくて明確な答えもわからない中、今では怒られそうですが会社に泊り込んだりして。みんなマイ寝袋とか持ってた時代ですね(笑)。

 若さと根性でいろいろな困難を乗り切って完成させたので思い入れは強いですし、それをたくさんのユーザーさんに遊んでいただけたのは本当に嬉しく思っています。

川村
あの数年間、人生で一番徹夜しましたね。もう体力的にできませんし、あの時代だからこそできた部分かもしれませんけど。

moo
こんなにシリーズを重ねるとは思いませんでしたね。1つのシリーズとして考えると、一番長く携わった作品ですから。

川村
タイトルを重ねるたびにキャラクターがどんどん増えて、最後の『悠久組曲』には全員登場したり(笑)。

moo
ああいうお祭りみたいなゲームが作れたのも長く続けてきたからこそですし、やっててよかったなって思います。

『悠久幻想曲』がヒットした要因は? 女性のプレイヤーからも多くの支持が


──たくさんの恋愛SLGや育成SLGがあふれる時代に颯爽と現れた『悠久幻想曲』は大きな話題を呼びました。その要因は、どんなところにあったと考えていますか?

moo
男女混成のパーティを組めたり、世界観は中世ファンタジーですがそれほど深くはしてなくて、この世界に入ってくる時のハードルが低かったんじゃないかと思いますね。

 キャラクターの設定にしても、1作目では特に変化球になる人物は作らなかったつもりです。例えばプレイボーイとか、猫耳の女の子とか、メガネ文系少女とか。みんな1つか2つのパワーワードで説明できるキャラクターで攻めたところも、導入の間口としては広くてすっと入り込めたんじゃないかと思います。

寺山
恋愛と友情の両方が成立していて楽しめるところも特徴ですし、年齢・性別問わず、幅広いユーザーに受け入れていただけたと思います。

川村
世界観的なところをもう少し触れておくと、親しみやすいライトなファンタジーなんですよ。基本的な知識があれば入り込めるように、いい意味で大雑把というかスキがある世界観で作っていますし。

寺山
ゲーム自体の設計も、RPG風ではあるんですけど旅に出たりはせず1つの街を掘り下げる形で、顔見知りの仲間たちとワイワイ・ドタバタするような。こじんまりとしている中で味わえる優しい空気感というか、そういった部分も魅力になってたように思いますね。

──男女混成で、育成できるメンバーに男性キャラクターがいることはユニークな試みでしたが、当時、ユーザーからの反響はいかがでしたか?

寺山
結構受け入れられてる感じはしましたし、ファンレターは女性の方からも届いている印象でした。

川村
女性比率は多かったと思います。moo宛のファンレターはどうだった?

moo
多かったですね。手の込んだイラストを描いてくださった方もいて、ファンレターを描くのは女性のほうが熱心のような気がしました。

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──当時、電撃PlayStationなどの雑誌で読者参加コーナーを担当したときも、同じように感じました! ゲームの作りとして、会話を進めるアドベンチャーゲーム的な部分とキャラクターを育成するシミュレーションゲーム的な部分をメインにしつつ、バトルの要素も加えたのはどういった理由からでしょうか?

moo
『悠久幻想曲』のゲーム構成やシステムは、前身にあたる『エターナルメロディ』を継承していますので、バトルを含め、いろいろな部分にその名残りが感じられると思います。

川村
ただ『エターナルメロディ』は恋愛に比重を置いた作品でしたので、コンセプトとしては『悠久幻想曲』とは違いますね。バトルの要素を引き継いだことに関しては、やっぱり育成シミュレーションである以上、育てたキャラクターがどのくらい強くなったのかという成果が知りたくなるので、それを体感できる場所としてバトルを採用しています。

寺山
クエストを引き受けてダンジョンで敵と戦ったり、街のコロシアムで腕試しをして対戦相手に勝つと賞金がもらえたり、そういったことも楽しめるようになっていますね。

川村
あとはゲームのメリハリというか、進行が単調にならないようにする意味でもバトルは大事な要素になっています。

──シナリオを制作するにあたり、心がけていたことはありますか?

寺山
好き、嫌いなキャラクターを作らず、全員を平等に扱うことを心情としていて、どんな組み合わせのパーティでも影が薄いキャラクターが出ないように心がけました。

 自分は“存在判定フラグ”って呼んでましたけど、すべてのイベントでキャラクターがいる、いないパターンを全部調べて整理して、満遍なくセリフを入れました。これは作業量的に本当に大変だったところですね。

川村
ゲームを始める時に男性3人、女性7人から3人を選んでパーティを組むことができるんですけど、主人公と相手キャラクターの1対1でお話が進む個別のイベントに関しては問題ないんです。

 けれどメインのイベントの場合、パーティ単位で話が進むので、誰がパーティにいてもお話が破綻しないように作らないといけないので、そのチェックがすごく大変でした。

寺山
気を抜くと、「あいつどこ行った?」なんてことが起こるんですよ(笑)。今回、リメイクするにあたって、もう一度すべて見直していまして、やっぱり手間がかかってますね。

──その部分がていねいに作られていることもあって、好みのキャラクターを選んで遊んでいると、選ばなかったキャラクターもけっこう会話に入ってきて、次にプレイする時にそのキャラクターをパーティに加えて遊んだり。そうして周回プレイを重ねることでゲームが好きになっていくという、よい循環が生まれた気がしますね。目的のキャラクターとハッピーエンドを迎えたら、そこで満足して終わりにしてしまうゲームもありますし。

寺山
「エンフィールドという街の中で、住人たちが何かやっているところを見るのがおもしろい」という、箱庭を見守るようなゲームにしたかった気持ちはありますね。

──当時のユーザー的にも、その部分が刺さったんだと感じます。中村さんとしては、どんな印象をお持ちでしたでしょうか?

中村
まだ当時は学生で、もともとシミュレーションゲームが好きでいろいろ遊んでいたんですけど、その中でいちユーザーとして『悠久幻想曲』を遊ばせていただき、やっぱり登場するキャラクターたちに魅力を感じましたね。

 あと、ジョートショップを通して仕事を請け負ってお金を稼ぐところも好きでした。友情とか絆をテーマにしたゲームには珍しい部分だったので、そこも含めてとにかく楽しんでプレイしていた思い出があります。

──『悠久幻想曲』のイベントは選択肢も存在し、シナリオの量が膨大な印象ですが、シナリオの制作で苦労されたところはありますか?

寺山
あの当時にもっと経験があれば。いろいろと効率化したり、作業の手間を省くようなことができたと思うんですけど……何しろ経験もノウハウもなくて、すべて力技で乗り越えた感じで(笑)。今となってはいい思い出ですし、経験にはなりましたね。

川村
じつは過去にリメイクの話が立ち上がって流れてしまった理由として、このことが要因になったこともありました。海外販売も前提にしたいと考えた際に、ゲームのテキスト量を見て、これは翻訳費用だけでとんでもないことになるとわかって、ちょっと厳しいのでナシに……と。

──恋愛シミュレーションゲームといえば、男性のプレイヤーが女性キャラクターとの恋愛を体験するものが多かったと思うんですけど、『悠久幻想曲』は恋愛もありますが友情や絆にもスポットが当てられていて、女性のプレイヤーも多かった印象はありました。そのあたりは狙い通りだったのでしょうか?

寺山
初めから目指していたところではありますね。まずゲームの難易度ですが、男女を問わずたくさんのユーザーさんに気軽に遊んでほしかったので、いい意味で緩やかというか、あまりシビアにするのではなく、遊びやすさや楽しさのほうを重視して調整しています。

 あと女性キャラクターとの関係性についても、シナリオを担当するライターから上がってきたものを見たら普通に恋愛方面に進んでいたものもあって、「いやいや、そうじゃない!」ってセリフを書き直したり(笑)。男女の間でも恋愛だけでなく友情や絆が感じられるような、絶妙なさじ加減で仕上げるのが難しかったですね。

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久しぶりに『悠久幻想曲』のキャラクターを描いた感想をmooさんに聞く!


──『悠久幻想曲』のキャラクターを描くのは当時以来になる思いますが、久しぶりに描かれた感想はいかがでしたか?

moo
『悠久幻想曲』のキャラクターを描くのは20年近くぶりになりました。リメイクの話が決まったあと、リハビリがてらSNSのほうにちょこっと絵を描いて投稿したんですけど、さすがに四半世紀以上が過ぎてますので、もう別人の絵かなって思いました(笑)。

 ただリメイク作品とかの場合、原作のイラストレーターではなく、別の方が代わりに描くことが多いと思うんですけど、今回は自分が描いた絵のリメイクでしたので、その点に関してプレッシャーとか気負いはなくてやりやすかったですね。

──キャラクターの特徴や性格といった詳細な設定は、どのように制作されたのでしょうか?

川村
キャラクターデザインと同時に性格やバックボーンとかもmooに出してもらい、それをディレクターやライターさんのほうで膨らませて、セリフ例みたいなのも考えて詰めていって仕上げた感じです。

 mooは自分の手を離れたあと完成したキャラクターを見て、「あれ? こんなイメージじゃなかった」ってキャラクターはいなかった?(笑)

moo
そんなに最初のイメージから変わったり、かけ離れたキャラクターはいなかったかな。手を離れて戻ってきたあと、こちらで多少調整をかけたことはありましたが(笑)。

──今回のリメイク版であらためてキャラクターをデザインするにあたり、どんなコンセプトでイメージされたのでしょうか?

moo
「当時のものをそのままのデザインで描くことがリメイクなのか?」という疑問が自分の中にありましたので、令和時代のテイストを採り入れつつ、もとのキャラクター性を損なわない程度のレベルでアレンジを加えて、立ち絵からチビキャライラストまですべて描き直しています。

川村
コスチュームとかも手を加えたところがあるよね。

moo
そうですね。当時の解像度で見たら違和感はありませんでしたが、さすがにフルHD、2K、4Kだって時代にこのデザインだとちょっと情報量が少ないところが見えちゃったんで。そういった部分を補う形でキャラクターの細かい部分に手を加えて描き込んだりしてます。

 おそらく1番変わったのはメロディじゃないでしょうか。原作は、よくも悪くも90年代といった感じのデフォルメが強めなデザインで、この等身を維持したまま現代のテイストで描くのがすごく難しくて。なので、コスチュームのデザインとか、なるべくシルエットが変わらないようにしつつも大幅に描き直しています。

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原作『悠久幻想曲』からの変更点は? 気になる特装版の内容にも踏み込む!


──ストーリー、システム、イベントの仕組みや選択肢などに原作からの変更点はありますか?

寺山
基本のシステムやイベントの構成については原作を踏襲していまして、原作をプレイしたことのある方は懐かしさを感じながら楽しめますし、新規のユーザーさんも安心して遊べると思います。

 大きく変わった点は見た目ですね。原作の画面比率は4:3でしたが16:9に変わりましたし、それに合わせてビジュアルの部分も一新させていただいています。各種イベントに関しては大筋の内容は変わりませんが、中身のセリフは結構変えてるところがあって、その部分の調整にかなりの時間を費やしています。

 「リメイクするなら、やっぱり手を加えなきゃダメでしょ!」という考えがありましたので、20年以上の開発経験でたまったノウハウを注入して作ったらこうなりましたというところをお見せできればと思っています。あと細かい部分だと、表現ですね。当時は平気でしたが現在の基準だと不適切というものがありましたので、そこは修正をかけています。

──アドベンチャーパートのキャラクターは新たなグラフィックで描写されるようになりました。こちらをデザイン・制作するにあたり、心がけたことはどんなことですか?

川村
今回はエモートというミドルウェアを使って、2.5次元的にキャラクターを描写していまして、セリフに合わせて身体を動かしたり、まばたきをしたり、口パクをしたりするようになりました。

 メインのキャラクターはもちろん、サブのキャラクターも動きますので見ていて楽しいですし、こちらも新しい見どころといえる部分ですね。

──"すごろくバトル"も『悠久幻想曲』を構成する要素の1つですが、こちらに手を加えられたところはありますか?

寺山
マス目の構成や途中で発生するイベントは原作のままですが、ビジュアル的な部分は細かくアニメーションするようになっていますし、ルーレットの目押しもちゃんとできるようになってます。

──リメイク版で初めて『悠久幻想曲』を遊ぶ方も多くいると思います。スタッフのみなさんのお気に入りのキャラクター、戦力的に優秀でプレイするときに必ず仲間に加えるキャラクター、そのほかオススメのコンビなどについて教えてください。

moo
主人公の相棒的なキャラクターがほしいので、プレイする時は必ず男性キャラを1人加えてました。

 お気に入りはピートですね。やっぱり元気なキャラクターって何をしても無理がきくというか絵になりますし、相棒や弟分として考えて遊んでもおもしろいので。あと2人は、パティとシーラかな。

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川村
かぶったな(笑)。俺はパティ、シーラ、アレフなんだけど。理由としては、シンプルに見た目はシーラが1番好きで、性格はパティが好きで、アレフは性格と言動がちょっと自分じゃ持ち得ないものを持ってるので、逆にちょっとそこがいいなっていう感じですかね。あと声優が子安武人さんなので(笑)。

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寺山
僕はさっきお話したように心情的に好きなキャラクターを作らないようにしているんですけど、強いてあげるならシナリオ的に使いやすいアレフと、逆にシナリオ的に最上位で使いづらかったメロディですね。

 あと1人はリサなんですけど……彼女を選んだのは、キャライベントを1回全部消しちゃった苦い思い出がありまして(苦笑)。完成したと思ったところで、なぜか消しちゃって。あまりの傷心で伊豆旅行に行ったんですけど。

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川村
ああ、突然旅行に行ったのってそれだったんだ(笑)。

寺山
本当にしばらく何もかも嫌になって(笑)。

川村
リサが好きっていう人、けっこういるよね。

──仲間に選んだキャラクターによってゲームの空気感が大きく変わりますよね。そのあたりも『悠久幻想曲』の楽しいところでした。

川村
確かにそういうところがありますね。

寺山
リサとエルをパーティに加えただけでもガラッと変わりますし。

川村
ピリッとするよね(笑)。

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──トリーシャ、由羅、ローラ、イヴといったサブキャラクターたちも魅力的ですが、彼女たちも人気になることは想定されていましたか?

寺山
モブではなく、ちゃんとしたキャラクターとして扱おうと決めていたくらいで、物語の中の位置付けとしては普通のサブキャラクターとして考えていました。ただトリーシャはちょっと出番が多めだったとは感じていましたけど。

川村
シナリオ担当としては、トリーシャと由羅は絶対に人気が出るなって思っていました。描き手としてはどうだった?

moo
メインキャラクターとサブキャラクターに分かれていますが、トータルでデザインしていて、ゲーム的な部分でメインキャラクターが縛られてるぶん、サブキャラクターは好き勝手に動けるように、あまり縛りを考えず作った記憶があります。こういう予測は毎回外すんですけど、トリーシャは人気出ると思っていませんでした(笑)。

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──おっしゃる通り、トリーシャは出番が多かったので、当時、「じつは隠された攻略可能キャラクターなんじゃないか?」とか、「誰ともハッピーエンドにならなかった場合の救済エンディングにローラが出てくるんじゃないか?」なんて思ったりもしてました(笑)。

川村
ありそう(笑)。でもないんですよ。

寺山
いわゆるバッドエンド的な結末のときに、リカルドやアルベルトが出てくるくらいでした。

moo
そういう時のお相手は、男性キャラクターばかりになってましたね(笑)。

──本作は通常版に加えて特装版、そしてAmazonプライムデー限定商品なども用意されていますが、それぞれの特徴について教えてください。

中村
通常版は、SS版のパッケージイラストを採用したいわゆる普通のバージョン。特装版はPS版のパッケージイラストをもとに、mooさんが新たに描き下ろしたものを外箱に採用しつつ、当時を知っている方にはニヤっとしていただける内容を盛り込んでいます。

 具体的に言いますと、特装版には『悠久幻想曲リバイバル』パッケージ版とmooさんの描き下ろしイラストを使った外箱に加えて、1997年に発売されたサウンドトラックCDとドラマCDの復刻盤、『悠久幻想曲 ensemble』をベースに『悠久幻想曲』のキャラクターが登場する、グラフィックや映像面を大幅リニューアルした追加コンテンツ『悠久幻想曲アンサンブルRe:R』、アートブック、キービジュアルイラストを使用したアクリルスタンド、クリアしおりセットが付属されます。

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 通常版、特装版ともに、描き下ろしB2タペストリー、アクリルスタンドセット、缶バッジセット、アクリルチャーム(シーラ&メロディ)がセットになった『ファミ通DXパック』もご用意させていただきました。

 さらに、Amazonプライムデー限定特典もありまして、7/11(金)~7/14(月)の期間にAmazonで『悠久幻想曲リバイバル』関連商品をご予約いただきますと、1997年に発売された『悠久幻想曲』を忠実に移植した『悠久幻想曲』オリジナル移植版が遊べるダウンロード番号がついてきます。

──『悠久幻想曲アンサンブルRe:R』の仕様はどのようになっているのでしょうか?

寺山
ベタの移植ではないですね。本来は『悠久幻想曲 2nd Album』のキャラクターも含むファンディスクですが、今回は『1』とセットで展開するものとなるので、グラフィックや映像面を大幅にリニューアルしつつ、登場キャラも調整しています。

──『悠久幻想曲』1作目の復活が実現したことで、その続編である『悠久幻想曲 2nd Album』の移植やリメイクに関しても気になるところですが、どのようにお考えでしょうか?

川村
どうでしょうかね(笑)。もちろん、我々としてはぜひ『2』以降のリメイクも実現させたいと思っておりますので、これからも応援していただければ嬉しいです。よろしくお願いします!

──最後に本作を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

中村
今回、ブリッジさんとタッグを組んで制作させていただきました。本当に多くのみなさん、KADOKAWAさんを含め、たくさんの方々のご協力で実現できた企画ですので、ぜひとも楽しんでいただければと思います。

寺山
現在、まさに急ピッチで開発中です。移植版は原作を忠実に制作していますし、リバイバル版につきましては、これまでに得たゲーム開発の知識と経験を注入してより遊びやすく、各部をリニューアルして仕上げています。

 原作を遊んだことのあるユーザーさんなら、「ここが変わった!」「ここがグレードアップしている!」というところをいくつも見つけられると思いますので、昔を懐かしみつつ、新しくなった部分を見つけながら遊んでいただけたらと思います。

moo
今回は28年前に発売したタイトルを忠実に移植したものと、原作をリメイクしたリバイバル版の2作品に携わらせてもらいました。昔を懐かしんでいただけると思いますし、昔を思い出しながら新しいものにも触れていただけると非常にありがたいです。

 今回、初めて『悠久幻想曲』に触れるという方も、「28年前の育成ゲームってどんなものだったのか?」というのを体験しながら楽しんでもらえると嬉しいな思います。

川村
冒頭でも申し上げましたが、いろいろなご縁とタイミングがピッタリ噛み合って実現したって感覚が強いです。このプロジェクトの実現にご尽力いただいた方、昔の関係者の方々も含めて深く感謝したいと思います。もちろんずっと長く熱量を持って応援してくださってるファンの方にもお礼をいいたいなと思います。

 さすがにもう徹夜とかできる年齢ではなくなってはきてるんですけど(笑)、気持ちはまだ若いので、これからも頑張りたいと思います。ぜひ、引き続き応援のほどよろしくお願いします。

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