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【スパロボY参戦作品紹介】ゴジラ S.P<シンギュラポイント>:少しずつ強くなっていくジェットジャガーの再現に期待。ゴジラはストーリー上どのように扱われるのか?【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第11回は『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め、21作品が本作に参戦します。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、勿論立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』は、2021年に放送されたTVアニメ。他の『ゴジラ』シリーズとの物語的な繋がりはなく、本作独自のオリジナルの世界として作られています。


 物語は、小さな町工場であるオオタキファクトリーに勤める天才エンジニア・有川ユンと、幻想生物の研究を専門にする大学院生の神野銘の二人の視点で進んでいき、当初はただの幽霊騒ぎと思われていた事件が、やがて怪獣をめぐる大騒動に発展。ユンと銘の二人はそれぞれの視点から推理を進めていくことになります。

 故・伊藤計劃先生との共著『屍者の帝国』などでも知られるSF作家の円城塔先生が、シリーズ構成・全話の脚本を担当しているだけあって、『ゴジラ』シリーズの中でもSF要素が強め。科学的な裏付けもしっかりしていて、怪獣や超常現象が現実に起こったら、こんな感じの検証が本当にされるんじゃないかと思えるようなリアリティを感じられます。

 銘側の視点はとくにその傾向が強いのですが、一方でユン側の視点は、オオタキファクトリーが開発した巨大ロボ・ジェットジャガーで、怪獣たちが暴れ始めた時にどう立ち向かうかという展開が描かれるので、SF側の話をそこまで深く理解しなくても楽しめます。

 とくに物語が進むにつれ、起きる事件のスケールもどんどん壮大になっていくので、難解な部分はありつつも、しっかりとエンタメ性が取れたバランスの良さが魅力の作品です。

ゴジラのテーマが『スパロボ』で流れる瞬間が楽しみすぎる【スパロボY参戦作品紹介】


 『スパロボY』で楽しみにしているのが、『ゴジラ S.P』の主役メカといえるジェットジャガーの活躍。

 一応、ジェットジャガーはオオタキファクトリー所長の大滝吾郎が主導して、地球を守るためのメカとして建造されてはいるんですが、物語の序盤では、お祭りのアトラクションとして利用されていたり、武装らしきものが一切搭載されていなかったり(オオタキファクトリーは軍ではなく一民間会社でしかないので、重火器が搭載できないのは当然ですが)と、最初の頃は到底戦闘用のロボットとは言い難い状態からスタートします。

 しかし、そこからエピソードを重ねるごとに少しずつパワーアップしていき、どんどん戦闘力が向上していくんですね。


 最初弱かった主役メカがパワーアップしていく流れは、『地球防衛企業ダイ・ガード』のダイ・ガードを思い出したりもしました。『ダイ・ガード』が参戦していた『第2次Z』では、少しずつダイ・ガードが強くなっていくのがデータ的にも再現されていたのが嬉しかったですね。

 ジェットジャガーについても、最初はかなり貧弱な性能からスタートして、ストーリーが進むにつれどんどん強くなっていくという流れを、ユニットの性能的な部分でも再現して欲しいと期待しています。

 個人的にはアニメの中盤での、捕鯨砲を使って戦う戦闘シーンがロボットアニメらしい外連味に溢れまくっていてめちゃくちゃ好きなんですけど、あのシーンでのジェットジャガーはちょっと装備が特殊な状態だったのもあって、『スパロボ』での武装として実装するのはやや難しめでしょうか。

 それでも、『スパロボ』スタッフならなんらかの形であのシーンの演出をどこかで活かしてくれるんじゃないかと期待しています。

 あとは、なんといっても“ゴジラ”といういろんな意味で規格外の存在をどう扱うのかも楽しみなポイント。

 映画『レディ・プレイヤー1』で、メカゴジラとRX-78-2(ガンダム)と戦いが実現した時も、映画館で叫びそうになったくらいテンションが上がった思い出があります。

 ゴジラとマジンカイザーやコンバトラーV、ライディーンのようなスーパーロボットが対決する光景って、一度は妄想したことがある人は多いんじゃないかと思いますが、それが実現すると想像しただけでワクワクします。


 基本的に『スパロボ』って、とんでもない強さの主役ロボットたちが協力しあっているので、見方によっては敵がかわいそうになることがたまにあるんですが、もうゴジラに関しては、あらゆるスーパーロボットが集まっても対抗できるのか不安になる、特別な“格”をもった存在ですよね。

 ゲーム中に例のテーマ曲が掛かった時、間違いなく鳥肌が立つだろうなと(ゴジラが登場するステージは、是非あの曲が流れっぱになるようにして欲しいところ)。

 実は一応、ゴジラ自体は『ゴジラ対エヴァンゲリオン』名義でスマホアプリ『スーパーロボット大戦X-Ω』に参戦した際に『スパロボ』への登場は果たしています。あちらはあちらでイベント報酬として配布され、ゴジラを自軍で使えたりとなかなか面白い扱いになっていたのですが、期間限定参戦でメインストーリーに絡んだりすることはなかったので、『スパロボY』ではまったく違った扱いのゴジラを見られそうで楽しみです。

 とくに本作のゴジラは、他の『ゴジラ』シリーズとは位置づけがまた違っていて、さらにとんでもない存在になっているので、終盤は『スパロボY』のストーリーの大きな軸になっていくのではないかなと。

 銀河に終焉をもたらす存在だったケイサル・エフェスが登場した『第3次スーパーロボット大戦α』を彷彿とさせるような展開になっていくかもしれません。

 あとは怪獣つながりで、『SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)』とのクロスオーバーもいろいろ期待したいところ。

 ゴジラを初め、本作に登場する怪獣に対して、『ダイナゼノン』の敵組織“怪獣優生思想”のキャラクターたちがどんな反応を示すかも楽しみなポイントです。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第8回~第10回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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