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『BAKUDO』試遊レポート。ドッジボールと“死にゲー”が見事に融合。パリィとガードを合わせたような“キャッチ”アクションの上達を実感できるのが楽しい【BitSummit the 13th:電撃インディー#1049】

文:米澤崇史

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 集英社ゲームズから発売予定のPC(Steam)向けゲーム『BAKUDO』の試遊レポートをお届けします。

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“ドッジボール×死にゲー”が生む新しい楽しさ【BAKUDO】


 集英社ゲームズがパブリッシングを担当し、台湾のゲームスタジオ・SAYIL GAMESが手がける“学園SF×ボールスポーツ”ゲーム『BAKUDO』。

 7月18日~20日にかけて京都で開催される、インディゲームの祭典“BitSummit2025”で本作がプレイアブル出展されます。今回は出展されるものとほぼ同じバージョンを、イベントよりも少しだけ先にプレイする機会をいただきました。

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 まず『BAKUDO』がどんなゲームか簡潔に言うと、「体力制のドッジボールに、死にゲーのエッセンスをあわせたゲーム」といったところ。

 そもそもドッジボールを題材としたゲーム自体が珍しいのもありますが、そこに最近は“死にゲー”の要素も加わり、非常に新しい体験ができるゲームになっています。

 通常のドッジボールとは異なるのが、まずチーム制ではなく、ゲームは相手との1対1のバトルが基本となる点。雑魚敵のような前座の戦いはありません。

 ドッジボールにおける“ボールを当てる”行為は、攻撃へと置き換えられていて、ボールをぶつけて体力を削っていき、相手の体力を削りきればその試合に勝利できます。

 ボールはストレートとカーブで複数方向を投げ分けることができ、相手が隙を見せたタイミングや、ガードがない方向からボールを当てることで有効なダメージが与えられます。

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 もちろん、プレイヤー側にもHPは存在しているので、相手の攻撃を凌がなければなりません。

 相手の攻撃に対するリアクションとしてプレイヤーが取れる主な行動が、向かってくるボールをローリングで回避するか、ボールをキャッチするかの2択。

 中でも本作ならではと言えるのがキャッチで、タイミングよくコマンドを入力することで、相手の投げたボールをキャッチで防ぎ、即座に相手に投げ返すことができます。

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 ローリングと比べるとキャッチはダメージを受けるリスクが高めなのですが、その分“BAKUDOゲージ”というHPとは別のグローブの耐久値に相当するゲージを回復できるメリットが用意されています。

 キャッチには通常とPERFECTの2種類の成功パターンが存在していて、PERFECTの場合は上述した“BAKUDOゲージ”が回復しますが、それ以外では逆に“BAKUDOゲージ”が減少。

 ゲージが0になるとグローブが破壊されて一定時間使用不能になり、キャッチをしてもダメージを受けてしまいます。“BAKUDOゲージ”は回避のPERFECT成功でも回復しますが、キャッチよりはタイミングがシビアめです。

 なので“BAKUDOゲージ”が減ってきたら、できるだけジャストタイミングでのキャッチを狙いたくなるのですが、少しタイミングがずれると、逆に残り少ない“BAKUDOゲージ”を削られてグローブが破壊され、よりピンチに陥ってしまうことも。

 その分、キャッチ自体のタイミングの猶予時間は長めに設定されているので、PERFECT以外のタイミングのキャッチはさほど難しくはなく、“BAKUDOゲージ”に余裕があるタイミングなら結構積極的に狙っていけるようになっています。

 リスクはあるものの、成功した時にしっかりとリターンがある受動的なアクションという位置づけは、いわゆる“パリィ”に近い要素ですが、入力ミスをしてもグローブで受けられるというガード的な保険もある分、一般的な“パリィ”よりも取っつきやすいと感じました。

 ただし、敵の攻撃の中にはキャッチができないものもあり、その際は回避でやり過ごすか、トスを狙うかの二択になります。

 トスに成功すると自陣内に緩くボールを打ち上げるチャンスボールに変わり、タイミングをあわせてジャンプ攻撃をすることで、スマッシュで大ダメージを与えられます。

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 その分、トスのタイミングはキャッチよりもシビア。ジャストタイミング以外では100%ダメージを受けてしまうので、キャッチよりもハイリスク・ハイリターンなアクションとして設定されています。

 トスに成功した場合も、その直後のスマッシュのジャンプタイミングをミスると、せっかくのリターンを一切活かせなかったりもするので、上級者向けのアクションと言えます。

 もっとも低リスクなローリングでの回避、“BAKUDOゲージ”さえあれば比較的気軽に狙えるキャッチ、成功させるのは難しいもののリターンも大きいトスと、相手の投げるボールや自分の状況に応じて、どのリアクションを取るのかの判断が毎回発生するのが、難しくもあり楽しかったポイントでもありました。

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 また、“BAKUDOゲージ”は相手側にも設定されていて、ゲージを0にすると、一定時間相手がダウンし、連続してスマッシュを叩き込むチャンスも生まれます。

 スマッシュはトスの時と同様、ジャンプでタイミングをあわせる必要があってちょっと難しいのですが、その分連続で成功した時の爽快感はかなりのものでした。

最初は絶対に無理だと感じたボスも次第に……?【BAKUDO】


 今回の試遊では、2体のボスと戦うことができたのですが、とにかく手強かったのが2体目のボスです。

 1体目のボスはチュートリアル的な相手で、少し苦戦はしつつも初見で倒せるレベルだったのですが、2体目は何もできないまま瞬殺され、最初は何が起こったのか分からないレベルの絶望感を味わうことに。

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 試遊の序盤はひたすらやられ続けていたので、「これは自分には無理かも……」と最初は思ったのですが、自分のようなパリィが苦手なタイプは「タイミングをあわせるのが難しい攻撃は、最初から割り切って回避だけに専念するほうがいい」と気づいてからは、かなり安定してダメージが与えられるようになっていきました。

 最初の頃はもうあらゆる攻撃にビビって回避し続けていたんですが、繰り返しプレイしていく内に投球モーションが頭に入り始めるので、ジャストキャッチできる機会がどんどん増えていきます。

 その分、敵のHPを削るスピードもプレイを重ねる度に上がっていって、限られた時間のプレイでも、着実にプレイスキルがアップしている実感が得られたのが非常におもしろかったです。

 このあたりは“死にゲー”のお約束ではありますが、本作では、大まかに攻撃と防御のターンが分かれているのがとっつきやすかったポイント。

 こちらから相手に攻撃ができるのは、手元にボールがある間だけなので、攻撃を続けすぎてカウンター気味の反撃をもらうみたいなことはほぼないですし、ボールがない時は相手の攻撃をどう凌ぐかだけを考えればいい分、相手の行動をしっかりと見る余裕があります。

 このおかげで相手のモーションが頭に入りやすく、高難易度アクションがさほど得意ではないプレイヤーでも、自然と上達していける作りになっていると感じました。とくにキャッチはやればやるほど目に見えて成功率が上がっていくので、どんどん気持ちよさを感じられるポイントが増えていきました。

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 2体目のボスについては、あと2、3発ボールを当てれば倒せそう……というところにまでは行ったのですが、試遊時間が終わってしまい惜しくもクリアは叶わず。

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 ただ、それでも何度か再挑戦できれば多分倒せただろうと思うくらいの手応えは感じられました。それだけに、あと少しで倒しきれなかったのはむちゃくちゃ悔しかったですね……!

 ドッジボールならではの要素をアクションに盛り込みつつ、“死にゲー”らしいゲーム体験の面白さをうまく融合させたゲームになっているなというのが、今回プレイしての印象でした。“BitSummit2025”に参加される予定の方は、ぜひともプレイしてみてください。

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