Level InfiniteがSHIFT UPと手を組んで制作したiOS/Android/PC向けガンガールRPG『勝利の女神:NIKKE(メガニケ)』。その開発者インタビューを掲載します。
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インタビューのお相手は、『NIKKE』ディレクターのユ・ヒョンソク氏とシナリオディレクターのチョン・ジェソン氏。東京ゲームショウ(TGS)2025の会場にて、お2人にお話を伺いました。
『NIKKE』といえば、セクシーなビジュアルとは裏腹にハードなストーリーが展開することでも有名。指揮官(ユーザー)の感情を揺さぶりまくるシナリオは、いかにして生み出されるのか。その一端にも迫るインタビューをお届けします!
索引
閉じる――チョンさんは日本でのインタビューが初めてとのことで、まずは軽い自己紹介からお願いします。
チョン・ジェソン氏
(以下、敬称略) 『NIKKE』のシナリオディレクターのチョン・ジェソンと申します。このようにインタビューの機会をいただいて光栄に思っています。私が知る限り、話せる限りのことは答えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
――シナリオディレクターとは、具体的にどのような作業をされているのでしょうか?
――シナリオディレクターとは、具体的にどのような作業をされているのでしょうか?
チョン
まず、一生懸命文章を書きます! そしてキャラクターの設計もして、「このような性格で、こういう要素を持ったキャラクターを描いてください」と原画チームに発注をします。
また、シナリオチームのメンバーそれぞれが書いたストーリーに目を通し、全体のストーリーのトーンから外れていないか確認もします。これはイラストについても同様で、アートチームで描いたキャラクターが『NIKKE』の世界観に合っているかチェックするのも私の仕事です。
また、シナリオチームのメンバーそれぞれが書いたストーリーに目を通し、全体のストーリーのトーンから外れていないか確認もします。これはイラストについても同様で、アートチームで描いたキャラクターが『NIKKE』の世界観に合っているかチェックするのも私の仕事です。
ユ・ヒョンソク氏
(以下、敬称略) 私が『NIKKE』の制作に合流する際、「ジェソンと一緒でないとできません」とキム(『NIKKE』開発総括プロデューサーのキム・ヒョンテ氏)に伝えました。なぜなら『NIKKE』の未来を想像したときに、ジェソンが書くストーリーが一番いいと思えたからです。今の『NIKKE』のストーリーのニュアンスやスタイルが、まさにジェソンという人物そのものなんですよね。
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彼はシナリオディレクターとしてチームを引っ張るリーダーではありますが、私が一番伝えたいのは、シナリオがチョン・ジェソンそのもので、チョン・ジェソンがシナリオそのものだということです。マリアン、ユニ、レッドフードなどみなさんの心に残るニケはすべて彼の仕業なので、なんというか……本当に悪いやつです(笑)。
――早いものでサービス開始から3周年を迎えようとしている『NIKKE』ですが、メインストーリーではアークとラプチャーにくわえ、“フォービースト”や“オールドテイルズ”といった各勢力の思惑も交差して非常に盛り上がっています。今後のストーリーの方向性や見どころ、また制作で工夫されている点や苦労された点があれば教えてください。
チョン
お話しいただいたように、現在はいろいろな要素がストーリー上に散在しています。今はこれらをひとつひとつ集めて、一本の筋に集約させることを目指して努力しています。見どころとしては、「このキャラクターとこのキャラクターを組み合わせたらどうなるだろう」といった想像を満足させるような展開を準備しています。
そして、今一番気にかけていることは、物語ひとつひとつを大切にすることですね。粗末に扱われるものがないようにして、キャラクターそれぞれが自分の場所で輝けるようにしたいと頑張っています。
そして、今一番気にかけていることは、物語ひとつひとつを大切にすることですね。粗末に扱われるものがないようにして、キャラクターそれぞれが自分の場所で輝けるようにしたいと頑張っています。
ユ
私はたまにデベロッパー・ノートで新ストーリーに対する期待感を書かせていただいていて、そのたびに指揮官のみなさんもよろこんでくださっていました。3周年のストーリーについては、もう今年の年初から「3周年のストーリーに期待してください!」と書いていて、みなさんから「年初からその話!?」と突っ込まれるほどでして……(笑)。
まだ具体的なことはここではお話しできませんが、本当に3周年の内容を早くみなさんにお届けしたくてウズウズしているので、ぜひ期待していただければと思います。
――『NIKKE』はシナリオの評価が非常に高い作品だと思いますが、シナリオ全般を書くうえで特に心掛けていることや気をつけていることはありますか?
まだ具体的なことはここではお話しできませんが、本当に3周年の内容を早くみなさんにお届けしたくてウズウズしているので、ぜひ期待していただければと思います。
――『NIKKE』はシナリオの評価が非常に高い作品だと思いますが、シナリオ全般を書くうえで特に心掛けていることや気をつけていることはありますか?
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チョン
キャラクターを設計するときは、まず短所から考えます。そのキャラクターの短所はどこにあるか、そしてそのキャラクターの追い求めるものや渇望しているものは何なのか。長所より短所から入り、その短所をどのように克服するかにフォーカスした物語が好きなんです。
キャラクターの話を通して伝えたいのは、結局のところ人間に対する讃美のようなものだと感じています。シナリオを書く際は、ストーリーから人間らしさがにじみ出ることを意識しています。
キャラクターの話を通して伝えたいのは、結局のところ人間に対する讃美のようなものだと感じています。シナリオを書く際は、ストーリーから人間らしさがにじみ出ることを意識しています。
ユ
じつはこの話、私が面接を受けた時に話した内容とほぼ同じなんですよね。私も人間の短所や渇望にフォーカスする傾向があるなと。
戦友のように互いの背中を任せて開発に挑む【NIKKE TGSインタビュー】
――システム面はこの3年間で安定期に入っている印象ですが、この先システムまわりで大きな変更が入る可能性はありますか? それとも、より安定性を目指す方針でしょうか?
ユ
今後も安定性を追求するのは、まず間違いありません。そのなかで、いかにして新しいものを提供できるかについて、常に悩み考えるべきだと思っています。すでに発表されている新要素の“地上コンテンツ”などがこれから追加されますが、そういったものがまたひと味違った楽しさをお届けできるのではないかと期待しています。
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新しいコンテンツを追加するにあたって、現在は以前よりもいろいろと考えることが多くなっています。プレイタイムは長くなりすぎないか、プレイするときに不便なところはないかなど、本当に深くチェックする必要があると感じています。なのでより注意深く、安定性を目指しながら努力していきたいと思っています。
――ユさんとチョンさんは共に『NIKKE』制作のためにSHIFT UPに入社したと伺っていますが、お2人で共有している『NIKKE』開発の方針やテーマのようなものはありますか?
ユ
ジェソンとは、『NIKKE』の前にもいくつかプロジェクトを一緒にしてきた間柄です。『NIKKE』を作るなかであらためて気づいたのは、思ったより2人の考え方が似ていることと、ジェソンがこんなにも深く考える人だったということです。
『NIKKE』では意見が分かれてぶつかるよりも、2人の考え方が似ていることから「これはこの方向にしたほうがいいね」と一緒に進めていくことのほうが多かったと感じています。意見が分かれた場合も、それぞれに根拠がしっかりあるので「考えてみればジェソンの言うことが正しい」と納得させられたり、逆にジェソンに納得してもらったりしています。
『NIKKE』を開発するなかで、お互いの対話がよりスムーズに行われているように思います。まあ、私だけがそう思っているのかもしれませんが(笑)。
『NIKKE』では意見が分かれてぶつかるよりも、2人の考え方が似ていることから「これはこの方向にしたほうがいいね」と一緒に進めていくことのほうが多かったと感じています。意見が分かれた場合も、それぞれに根拠がしっかりあるので「考えてみればジェソンの言うことが正しい」と納得させられたり、逆にジェソンに納得してもらったりしています。
『NIKKE』を開発するなかで、お互いの対話がよりスムーズに行われているように思います。まあ、私だけがそう思っているのかもしれませんが(笑)。
チョン
ユと私は、開発の初期にゲームの大枠を決める際は非常に深く話し合いをしましたし、緊密にコミュニケーションを取っていました。しかし、今はゲームがライブサービス中で、お互いに忙しくて頻繁に話し合えるような状況ではありません。
なので、今は背中と背中を合わせて戦っている味方のような認識が強いですね。たまに振り返って「大丈夫?」「どうしてる?」と確認して、また背中合わせの体勢に戻って各自の仕事をするような関係性です。お互いを信じているからこそ背中を任せられるのであって、別に顔を見たくないから背中合わせになっているとかではありませんよ(笑)。
なので、今は背中と背中を合わせて戦っている味方のような認識が強いですね。たまに振り返って「大丈夫?」「どうしてる?」と確認して、また背中合わせの体勢に戻って各自の仕事をするような関係性です。お互いを信じているからこそ背中を任せられるのであって、別に顔を見たくないから背中合わせになっているとかではありませんよ(笑)。
――『NIKKE』以前にお2人が関わったというタイトルは何だったのでしょうか?
ユ
『OVERHIT(オーバーヒット)』という作品です。おそらく日本ではジェソンが書いたシナリオではなく、別の作家による別バージョンのシナリオでサービスされていたと思います。ジェソンと一緒に仕事をしたのは、『OVERHIT』の韓国版です。
――ユさんはこれまでにも“人生に影響を与えたゲーム”を語っていたと思いますが、チョンさんも同様のゲームはありますか?
――ユさんはこれまでにも“人生に影響を与えたゲーム”を語っていたと思いますが、チョンさんも同様のゲームはありますか?
チョン
たくさんあって語り尽くせないくらいです! 私は日本のRPGやシミュレーション、アクションゲームから強く影響を受けていて、『クロノトリガー』、『ペルソナ3』、『キングダム ハーツ』シリーズ、『テイルズ オブ』シリーズ、『スーパーロボット大戦』シリーズ、あと『デビルメイクライ』などが好きです。
なかでも一番を選ぶとしたら、やはり『ファイナルファンタジーVI』でしょうね。この作品をプレイして初めて、「自分もゲームを作ってみたい」と思うようになりました。
なかでも一番を選ぶとしたら、やはり『ファイナルファンタジーVI』でしょうね。この作品をプレイして初めて、「自分もゲームを作ってみたい」と思うようになりました。
ユ
私もついでに語っていいですか。自分の人生のゲームとしては『英雄伝説』シリーズの話をよくしていますが、ゲームディレクターとして影響を受けたのは『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズです。また『NIKKE』制作の過程で、ジェソンと協力するうえで最も影響を受けたのは『Kanon』というゲームです。
コラボストーリーでも「自分たちが語りたい物語を作る」ことを決意【NIKKE TGSインタビュー】
――前回の『ステラーブレイド』コラボ以降、コラボストーリーと『NIKKE』本編要素との結びつきが強くなっているように感じましたが、シナリオの作り方が変わったのでしょうか?
チョン
ご指摘のとおり変化がありまして、これはいつかお伝えしたいと思っていたことでもあります。前回の『ステラーブレイド』コラボでシナリオを書いた際、私たちのなかにひとつの確信が湧いてきました。それは、「我々が語りたい物語を作ろう」ということです。
今までは、『NIKKE』のキャラクターたちがコラボの物語を語るという立ち位置でシナリオを書いてきました。しかし『ステラーブレイド』コラボ以降はやり方を変えて、コラボのキャラクターたちを迎えて“一緒に『NIKKE』の物語を語る”という風に方向転換しました。そのほうが、より『NIKKE』を楽しく届けられる方法だと思ったのです。
今までは、『NIKKE』のキャラクターたちがコラボの物語を語るという立ち位置でシナリオを書いてきました。しかし『ステラーブレイド』コラボ以降はやり方を変えて、コラボのキャラクターたちを迎えて“一緒に『NIKKE』の物語を語る”という風に方向転換しました。そのほうが、より『NIKKE』を楽しく届けられる方法だと思ったのです。
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――『ステラーブレイド』コラボストーリーはアーカイブに収録されることが告知されましたが、そのほかのコラボストーリーの扱いについてはいかがでしょうか?
ユ
『ステラーブレイド』の場合は自社IPということもあって、イベントアーカイブへの追加がスピーディーに確定しています。しかし、他者様のIPとなるとお約束することは難しいです。もしコラボストーリーを読み返したい場合は、動画サイトなどを活用していただければと……(笑)。
――ゲーム内コラボだけでなく、“DORO FAMILY SUMMER TOUR”や“NIKKE in 京都”のようなリアルイベントも積極的に展開されていますね。
――ゲーム内コラボだけでなく、“DORO FAMILY SUMMER TOUR”や“NIKKE in 京都”のようなリアルイベントも積極的に展開されていますね。
ユ
今までオフラインイベントというのは、『NIKKE』を愛してくださっている指揮官のみなさんへの恩返しとして、やるべき当たり前のことだと捉えていました。しかし、最近はそこからさらに一歩進んで、オフラインイベントもみなさんがより楽しめるひとつのコンテンツにしたいと考えるようになりました。
そういった観点から、指揮官の方々に楽しみを提供できる機会を準備したいと思っています。TGS以降、年末までそれほど長い期間ではありませんが、オフラインイベントがまたありますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――公式サイトなどに記載されている本作のジャンルが、これまでの“背中で魅せるガンガールRPG”から“戦場に響く銃声と絆~地上奪還ガンガールRPG~”に変わりましたが、その理由とは? 深読みかもしれませんが、“背中で魅せる”の文言がなくなったことで今後のビジュアルや衣装に影響が出る可能性も……?
そういった観点から、指揮官の方々に楽しみを提供できる機会を準備したいと思っています。TGS以降、年末までそれほど長い期間ではありませんが、オフラインイベントがまたありますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――公式サイトなどに記載されている本作のジャンルが、これまでの“背中で魅せるガンガールRPG”から“戦場に響く銃声と絆~地上奪還ガンガールRPG~”に変わりましたが、その理由とは? 深読みかもしれませんが、“背中で魅せる”の文言がなくなったことで今後のビジュアルや衣装に影響が出る可能性も……?
ユ
よく気付かれましたね! いわゆるスローガンを変えた理由は、『NIKKE』をまだプレイしていない“予備指揮官”に向けたメッセージのためです。『NIKKE』はクオリティの高いビジュアルだけでなく、ストーリーにも魅力があることを伝えたいと思い、“戦場に響く銃声と絆~地上奪還ガンガールRPG~”に変更しました。
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こういうスローガンやキャッチコピーというものはみなさんの目に最初に飛び込むワードなので、再調整する必要があると感じていました。『NIKKE』にまだ触れていない方々に、「我々の物語を聞いてみませんか?」というメッセージを伝えるためのひとつのツールです。
ただ、“背中で魅せる”という文言がなくなったからといって、ビジュアルの重要度が下がったわけではありません。ストーリー面でもアピールできるのではという考えからこのメッセージにしただけで、衣装やビジュアルの重要性はこれからも変わりません。
スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。
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