セガは、Sports Interactiveが開発する人気サッカーマネジメントゲームシリーズ最新作『Football Manager 26』(以下、FM26)を、11月5日にPlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch、PC(Steam/Epic Games Store/Windows)、Mac、Netflixにて発売します。
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今回は開発のキーマンであるSports Interactive スタジオディレクターのマイルズ・ジェイコブソン氏へのインタビューをお届けします。開発経緯から裏話に加え『Football Manager』を初めて遊ぶ人に向けた遊び方について語ってくださいました。
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『FM』初心者はどう遊ぶ? おすすめのリーグは?
―― 今回の『FM26』では、新規プレイヤーに向けた配慮などはありますか?
過去作で新規参入してきてくれたプレイヤーによるさまざまな意見やフィードバックを反映させています。例えば、サッカーとはこう成り立っている、フットボールマネージャーはこういう風に遊ぶ、といった簡単なチュートリアルを用意しています。
あとは“FMペディア”という検索エンジンを新たに作っており、例えば“タクティクス”と打ち込むとそれが何かを文字やデータベースとして見られるようになっています。
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さらに、UI周りも特にホーム画面などを過去作と比べて一目で、どの情報がどこにあるか分かりやすく、簡単にアクセスできる形で作っています。触っていただいてわかりやすいと言っていただけると、調整してきた身としては嬉しいです。
――コーチの行動をスタッフに任せることもできますが、それも初心者向けの機能なのでしょうか?
行動を任せることができるシステムに関しては一概に初心者向けではなく、経験者にも利用する機能です。全て自分でやるのもの良いですし、興味ない分野はスタッフに任せるのも良く、人それぞれのスタイルで楽しめるようにしています。
――初心者でも楽しめるという話でしたが、サッカーをあまりよく知らない方や、シリーズ未経験の人におすすめの楽しみ方はありますか?<br />
新規プレイヤーであれば、タクティクスと移籍を重点的にプレイして、その他の部分は他のスタッフに任せ、徐々に自分で行うようにしていくと良いでしょう。記者会見については任せないことをおすすめします。他の人はプレイヤーが思っていることと全く違うことを言うかもしれませんからね。
―― 初心者がプレイするにあたって、どのくらいの規模のリーグが適しているか、また特に注目すべき項目などがあれば教えてください。
初めてプレイするのであれば、自分が知っているリーグや知っているクラブでプレイすることをオススメします。知っている選手や知っているクラブでプレイすることはモチベーションにも繋がります。
難易度については、それぞれ別の難しさがあると思います。例えば、トップリーグのトップチームになると優勝しなければならないというプレッシャーはありつつも、簡単には解雇されません。お金もたくさんあってできることも多いです。
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逆に、プレミアリーグの残留争いをしているチームだと、降格したらすぐに解雇されることもあります。経営陣がそこを非常に重要視しているからです。そういったプレイスタイルの違いはありますが、基本的には知っているリーグ、知っているチームでプレイするのがオススメです。
ある程度プレイしてゲームがある程度理解できたら、全く知らない地域の全く知らないリーグでプレイしてみるのも良いでしょう。それもまた面白い体験になります。
最新作ではグラフィックやUIが進化して追加参加リーグも
―― 今作はUIが改善されましたが、中でも大きく変わった部分を教えてください。
欲しい情報をより簡単により早くアクセスできるようになりました。“FMペディア”を使うと社内で作ったテキスト情報が表示されるようになりました。
ホーム画面ではまず情報が出てきて、そこをさらにクリックするとウィンドウが開いて詳細な情報が出てきます。前の作品から比べて大きく進化したところで、力を入れているところです。
―― 今回エンジンがUnityに変更されているとのことですが、その理由は何ですか?
もちろんUIを作るためでもありますが、一番の理由は今までのグラフィックが古すぎる問題を改善するためでした。元々『Football Manager 2024』までは自社制作のゲームエンジンを使用していましたが、他のエンジンと比べると古くなっていました。
グラフィック関連では、グラフィックデザイナーを雇用して今のエンジンで続けていくのは非常に困難でした。そういった人材はUnityやUnreal関連のゲームに引き抜かれてしまいます。
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どこかのタイミングで、時間をかけて自社で新しいエンジンを作るか、他のゲームエンジンを使うかという決断を迫られました。結果、別のゲームエンジンを使うことになり、候補に上がったのが現在使用しているUnityとUnrealです。
当時話をしていた時点ではUnityでは我々のやりたいことはできませんでしたが、共同で開発を続けて実現していこうと言ってくれたのがUnityだったのでUnityを選びました。
結果“Unity 5”から“Unity 6”に進化する時に希望していたことが可能になり、他のデベロッパーにもいい影響を与えることができたので、それは良かったと思います。
―― 今回から女子リーグが参戦しましたが、その特徴や参戦した理由を教えてください。
女子サッカーは前から追加したいと思っていました。男子リーグとはビジネスの形態が違うとか、契約期間が違うとか、給料形態が違うとか、いろいろ問題があり調整が必要でした。
今回は男子の方も含めていい塩梅に落とし込めたので、双方に利益があるような形が完成しました。今回女子リーグを実装できたことを非常に嬉しく思っています。
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違いに関して言えば、パッと見て分かるのが体の構造の違いです。身長も違うし、体の形も全然違うので、女子に関しては最初からアニメーション、モーションを作り直しています。
外部の協力会社を使って、ピッチ上でカメラを流して、プレイヤーが走っているところで骨の一本一本がどのように動いているのかをモーションキャプチャーして、そのデータをゲーム内に入れ込んでいます。
―― テストプレイの際に男子リーグでプレイしていたのですが、女子選手を移籍させることはできるのでしょうか?
EAFCの規定ではミックスチームを作れますが、フットボールマネージャーでは不可能です。その理由の一つは、選手の能力値が20段階で評価されていることです。例えば、スピードでは、100m、200m、400mなどの記録で男性の方が物理的に速いことが証明されています。
女子サッカー選手で最速の選手にスピード18を付けたとして、もし彼女が男子のチームに入ったらスピードは18に下がるのでしょうか? 変更するとしてもどう判断すればいいのでしょう? それはやはり不公平ではないかと思うので、現状では女子選手を男子試合に入れることはできません。
―― プレミアリーグが追加されましたが、ゲームにはどのような変化がありますか?
プレミアリーグのライセンスについては、20年前からずっと実装したいと思っており、今回やっと許可が出たのでとても嬉しいです。元々プレミアリーグのライセンスはEAが独占的に持っているところもあるのですが、今回はEAFCさんから『Football Manager 』と一緒に使用して良いと許可が降りて実現できました。本当に感謝しています。
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ゲーム内にどのような影響としては、各選手の顔写真やチームロゴ、ユニフォームデータが使えます。また、プレミアリーグの試合の配信画面で、時計がどう進んでいるか、画角がどうなっているかなどの情報も流用して使えるようになりました。
他にも、いろいろなカットシーン、選手の登場シーンなどもすべて使えるようになっているので、よりリアルな臨場感を生み出せるようになりました。プレミアリーグと仕事するようになってからは勉強することばかりで毎日が楽しく、今後もこのプレミアリーグとの関係をずっと続けていきたいと思っています。
――ゲーム内のコラボレーションやスタジアムのパートナーシップ活動は今年披露される予定とありましたが、現段階でお話できることががあれば教えてください。
コラボというよりはデータ共有という形になりますが『サカつく』の新作で『Football Manager』のデータベースを共用することが決まっています。社内グループは同じなので競合するのではなく一緒にやりましょうということで、開放して使っていただいています。こうして頼っていただくのもすごく嬉しく思っています。
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この『Football Manager』のデータは、実在する40ほどのクラブが実際スカウティングや選手の採用、スカウトのための情報収集ツールとして使用しており、かなり信憑性の高いデータになっていると思います。
世界中で1500人ほどのリサーチャーが毎日試合を見てデータを集めて生み出しているデータです。ベータ版をプレイしてもそれを活かしたゲームとしてかなり面白く感じており、出来上がるのを楽しみにしています。
――マイルズさんはこのようなゲームの枠を超えたコラボについてはどうお考えでしょうか?
そもそもゲーム業界では外部とのコラボレーションは比較的少ないと思います。例えば映画業界では、この監督はどこの監督と一緒に仕事をしている、あるいは別の会社の監督も務めているなどクロスオーバーが多いですが、ゲーム業界では少なかったと思います。
今回の『サカつく』の件も含めて、他の当社タイトルである『ツーポイントミュージアム』が社内の他のIPとコラボレーションしているなど、他社と共有してゲーム自体をより面白くしていく取り組みはとても良いと思います。
私自身も昨年は時間があったので『ツーポイントミュージアム』のベータ版を500時間ほどテストプレイしました。今後もクリエイター同士のコラボレーションや協業がどんどん進んでいけばいいと思います。
―― 『サカつく』シリーズと『Football Manager』シリーズはそれぞれ魅力がありますが『FM』シリーズと『サカつく』との違いはどこにあると思いますか?
比較というわけではありませんが『Football Manager』はシミュレーションがメインになります。より深く入り込んで、よりリアルに作り込んでいると思うので、コアな方はこれを第二の仕事として捉える方もいらっしゃいます。
本当に何時間も何時間も現実を忘れて、その世界に没頭するのであれば『Football Manager』がやり応えがあるでしょう。その点では、『サカつく』は少し短い時間で楽しむために優れており、そういう住み分けがあるのではないかと思います。
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ゲーム性を考えると『サカつく』の方がより多くの人に受け入れられやすく『Football Manager』はニッチなゲームだと思っていましたが、こちらもプレイヤー数がどんどん増えてきてメインストリームに近づいており、どちらも日本のサッカーゲームの柱のようになってきていると思います。
―― 開発中に特に楽しかった瞬間はありましたか?
定期的に行っている“フットトーク”というプログラムがあり、月に1回ほどの頻度でプレミアリーグのマネージャーとマイルズが対談して戦術などの話を聞くという会を開いています。
先週はブライトンのCEOとも話をしましたし、以前には2日後の試合のラインナップや誰をマークするかなど、すべて事前に明かしてもらったこともありました。こういったイベントができているのも、サッカー業界内で『Football Manager』が信頼されているという証拠だと思います。
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サッカー関係者の皆さんも『Football Manager』というゲームをよりリアルにして欲しいと協力してくれています。昔は開発メンバーといたずらなどをし合ってゲームを作ることも楽しさの1つでしたが、それは90年代で終わりました(笑)。
今は実際にマネージャーと話をして意見交換するなど大人のゲーム作りの楽しみを感じています。
―― 『FM26』を開発していて、特に苦労した点はありますか?
『FM26』は『Football Manager 25』の延長線上にあるので、やはり前作の発売中止を決めた決断が最も重かったです。31年間で初めてシリーズを発売しなかったことになりましたが、その決断を下すには非常に勇気が必要でしたし、とても難しい決断でした。
ただ、セガやその他のグループ会社の理解もあって決断できました。これは『FM26』としてだけでなく、私のキャリア人生の中でも最も難しく、苦しい決断でしたし、他のクリエイターの方々にも経験してほしくないと思います。
その代わり、これから発売される『FM26』は過去最高の出来栄えになっていると思いますし、それに向けて頑張っています。
――発売できなかった前作も今作に活かされているということですね。
『FM26』開発という面で最も大変だったのは『Football Manager 25』に実装されていた機能の中で何が悪かったのかを探し出して改善することでした。解決方法の方向性が見えてくると少し楽しさも感じていましたが、やはり大変だったということには変わりありません。
―― 最後に、FMシリーズのファンと、サッカーは好きだけれどまだ『Football Manager』を経験したことがない方へのメッセージをお願いします。
『Football Manager』シリーズの経験者の方には遊んでいただいて本当にありがとうございます。『Football Manager 24』で日本語を実装してJリーグも入れたことで、日本のユーザー数はすごく増えましたが、それ以前からプレイしている方々もたくさんいるので、本当にありがたく思っています。今後もぜひもっと遊んで欲しいです。
まだ『Football Manager』に触れたことがない方はぜひ一度遊んでみてください。PCでは無料デモも用意されますし、Netflix登録者向けをはじめとしたサブスクリプションモデルもかなりあるので、いろいろなところから遊べるようになっています。
Netflixに登録していれば、そこからプレイすることもできるので、まずはそこから触ってみるのもいいと思います。この『Football Manager』があなたの人生の一部になればとても嬉しいですし、なってほしいとも願っています。