電撃オンライン

レポート:『Plaud Note Pro』は専用アプリの要約で言ったこと以上の提案ができる新型AI連携ボイスレコーダー

文:澤田真一

公開日時:

 PLAUDは、10月8日に新型AI連携ボイスレコーダー『Plaud Note Pro』の発表会を開催しました。この記事では、そのレポートをお届けします。

[IMAGE]

「人間中心のソリューション」を目指すAI連携文字起こし・要約ボイスレコーダー『Plaud Note Pro』


 PLAUD株式会社は10月8日、新型のAI連携ボイスレコーダー『Plaud Note Pro』の日本向け発売を発表しました。発売日は10月14日、価格は税込3万800円です。

 発表会は渋谷スクランブルスクエアSCRAMBLE HALLで行われました。会場にはPLAUD Inc. CEO兼PLAUD株式会社代表取締役のネイサン・シュー氏が登壇。『Plaud Note Pro』のスペックとパフォーマンス、そしてそれがもたらすソリューションについて語りました。

 記事ではこの発表会の様子を伝えると共に、実際に製品に触れ、際立った特徴を観察していきましょう。

Plaudが目指す「人間中心のソリューション」


 PLAUDのボイスレコーダー『Plaud Note』は、厚さが2.99mmという以外はほぼクレジットカードサイズに収まる製品でした。2基のMEMSマイクを内蔵し、録音範囲は半径3m。Plaudが提供する専用アプリと連携し、音声記録を文字起こし・要約するという機能を有していました。

[IMAGE]

 今回発表された『Plaud Note Pro』は、MEMSマイクが2基から4基になり、最適録音範囲も3mから5mに向上。バッテリー残量などを表示するAMOLEDディスプレイが搭載され、さらにバッテリーの大型化により連続録音時間が最大50時間になりました(『Plaud Note』は最大30時間)。

 そうでありながら、サイズは『Plaud Note』と全く同様の85.6×54.1×2.99mm。大きさは変わらず、性能だけを向上させた模様です。

[IMAGE]

「Plaudが目指すのは“人間中心のソリューション”です」

 PLAUD Inc. CEO兼PLAUD株式会社代表取締役のネイサン・シュー氏は、プレゼンが始まって早々そのように語りました。

[IMAGE]

「AIによるソリューションが、人間に取って置き換わる、または人間の職業や知的活動を奪うということはまず起こり得ません。我々は、人間同士の会話こそが知性の一形態であると信じています。しかし一方で、人間の記憶力には限界があります」

 たとえテクノロジーが進化しようとも、人間の会話が知性の発展に寄与する原理は今に至るまで変わりません。では、その会話の記録を誰がどのように記録するのか。話者が書記を兼ねるとしたら、あまりに膨大な労力が必要になってしまいます。

 また、議事録を手作業で作成したとしても、今度はそれを要約する作業が待っています。

言及した以上のことを提案してくれる『Plaud Intelligence』


 10月9日から配信が始まったPlaudの専用アプリ『Plaud App 3.0』では、スマホから次世代インテリジェンス基板『Plaud Intelligence』を利用できます。

[IMAGE]

 この『Plaud Intelligence』は、3,000種類以上の要約テンプレートを備えています。「要約した文章」というのは、それを担当する人や要約の方向性によって全く異なる内容になってしまいます。会話の中のどの部分が重要なのか、それによっても要約の仕方が変わってきます。

[IMAGE]

 『Plaud Note Pro』の筐体に搭載されているボタンを会話中に押すと、「ハイライト記録機能」が発動します。ボタンを押した時から30秒遡った記録が重要発言とされ、『Plaud Intelligence』の要約作成にもそれが影響する仕組みです。

 実際に『Plaud Note Pro』と『Plaud Intelligence』を使ってみると、会話内の個々のテーマを自動検出し、それぞれの節目でまとめてくれます。

[IMAGE]

 今回はコダックが『コダカラー』という新しい35mmフィルムを発売したという内容の話を録音しました。その中で筆者は「『コダカラー』は通販サイトではまだ入荷されていないが、首都圏のカメラ店では販売が開始されている模様」「ただし、筆者は静岡市在住なのでフィルム購入のために長距離を移動しなければならない」ということを話しています。

[IMAGE]

 『Plaud Intelligence』はそれらの内容を分かりやすく区切って要約するのみならず、AIからの提案として「首都圏店舗の在庫確認を電話やメールで行う」「用途別に『コダカラー100』と他社のモノクロフィルムを使い分ける」という、筆者が言及した以上のことを記載してくれました。

 写真フィルムにはISO感度というものがあるという概念を(ISO感度に関する具体的な説明などしていないにもかかわらず)、筆者の話から見事に読み取っています。

[IMAGE]

前モデルとの価格差はわずか


 なお、『Plaud Note Pro』にはスマホケース背面に装着するMagSafe対応ケースが用意されています。これを使うと通話時の音声振動をキャッチし、会話を録音してくれます。

 前モデル『Plaud Note』にも通話録音と対面録音を手動で切り替える機能がありましたが、『Plaud Note Pro』はさらに進化して通話録音・対面録音の切り替えが自動でできるように。

[IMAGE]

 驚くべきは、冒頭にも述べた税込3万800円という価格です。実は前モデル『Plaud Note』の価格は税込2万7,500円で、その価格差は僅か3,000円程度。にもかかわらず、『Plaud Note』は終売するというわけではなく、『Pro』に並行する形で引き続き発売されるとのこと。

 そうである以上、これから始めてPlaud製品を入手するとしたら、より多機能かつ録音性能の高い『Pro』を購入したほうが大きな付加価値を得ることができます。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります