11月17日、ポータブルオーディオメーカーのEarFunからワイヤレスイヤホン『EarFun Air Pro 4+』が発売されました。
これはLDAC、aptX Adaptive、aptX Losslessなどの多用なコーデックへの対応を実現しつつ、現代人の生活に必須の機能となりつつあるマルチポイント接続、そしてEarFun最大の武器と言えるアクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載されている製品です。
これはLDAC、aptX Adaptive、aptX Losslessなどの多用なコーデックへの対応を実現しつつ、現代人の生活に必須の機能となりつつあるマルチポイント接続、そしてEarFun最大の武器と言えるアクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載されている製品です。
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EarFunにとってはフラッグシップと言えるモデルですが、一方で可能な限りの低価格に抑えられているのもこのメーカーの特徴。
コスパ追及派には嬉しい仕上がりとなっています。
そんな『EarFun Air Pro 4+』を発売前に提供していただける運びとなりました。というわけで、実際に使ってみました。
ANC機能に定評のあるEarFun
2018年創業のEarFunは、“低価格帯ワイヤレスイヤホンの地位を向上させたメーカー”と言っても過言ではないかもしれません。
それ以前の格安ワイヤレスオーディオは、値段相応の音質の低さの他、明確な音ズレが発生するという代物でした。
これをスマホに接続して動画を視聴することはもちろんできますが、あまりに送信遅延が著しいためあたかも腹話術を観ているかのような具合になってしまいます。
そんな中で、1万円以下で購入できる価格を維持しつつ性能の底上げを目指すメーカーが出てきました。
あるメーカーはユーザーの支持を得られず脱落し、またあるメーカーは結局低価格低性能路線を選択します。
その中で安定した品質のポータブルオーディオを開発するメーカーとして頭角を現した走者の一人がEarFunだったのです。
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EarFunは、低価格設定ながらも雑音を大幅に軽減するANC機能を製品に搭載することで独特の地位を確立していきました。
今回の『EarFun Air Pro 4+』も同様で、独自技術“QuietSmart 3.0”により最大50dBのノイズ低減に成功しているとのこと。
実際に『EarFun Air Pro 4+』を耳に装着した状態、なおかつ室内でANC機能をオンにすると、まず途絶えるのは空調音。
ここが飲食店のような公共の場である場合は、周囲の人の話し声も(よほどの大声でない限りは)大方聞こえなくなります。
これを外で歩いている時や自転車に乗っている時、自動車を運転している時に利用するのは非常に危険で、注意を呼びかけなければならなくなるほど。
室内でPC作業をしている時、予め決めた時間だけピシッと集中するために使うという方向性であれば、『EarFun Air Pro 4+』はこれ以上ないガジェットと言えるのではないでしょうか。
宇多田ヒカルの『Automatic』を聴いてみる
『EarFun Air Pro 4+』は、EarFunにとっては初めてのハイブリッド。デュアルドライバーイヤホンです。
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イヤホンにはよくあるダイナミックドライバーの他、補聴器でよく採用されるバランスド・アーマチュアドライバーを搭載。
これにより、低音だけでなく中音、そして高音もカバーできるとのこと。このあたりを、以下検証してみました。
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接続先はiPhone 16e。『EarFun Air Pro 4+』の対応コーデックはLDAC、AptX Adaptive、AptX Lossless、LC3、SBC、AACとなっていますが、iPhoneの場合はどのような人もAAC形式による接続で音楽を聴く場合が殆どではないでしょうか。
そのため、今回の検証もコーデックはAACを選択します。曲は宇多田ヒカルの『Automatic』。
1998年12月にリリースされたこの曲は、J-POPを大きく変えたと言っても過言ではないでしょう。
ニューヨークの当時最新のリズム感やフィーリングが、日本語の歌詞と共に展開される『Automatic』は、特に音楽に詳しいというわけではない人にも強烈な「斬新感」を与えました。
日本国内の事務所に所属するアイドルが歌う曲とはまるで別物、“J-POP”という普通名詞で同一視することなどできませんでした。
1998年は、当時中学2年生だった筆者から見ても明らかに暗い時代。経済は地の底を這うように低迷し、テレビのニュース番組でも“リストラ”、“就職難”という言葉が連呼されていました。
この頃に大学生だった人たちが、のちに“氷河期世代”と呼ばれるようになります。
そんな閉塞感に満ちた時代の汚れた麻袋をナイフで切り裂くように、『Automatic』がテレビやラジオのスピーカーから颯爽と流れていたのです。
『EarFun Air Pro 4+』で『Automatic』を聴いてみると、まず耳に飛び込んでくるのは心地の良い低音。かなり力強いのですが、一方で“重低音”と表現するのもまた違う感じがします。
鉄板の上にボーリングの球を叩き落すような低音ではなく、軽さを含みながらも強力に鼓膜を叩いてくれる上品な低音と言うべきでしょうか。
それでいながら、宇多田さんの歌声の伸びを鮮明に表現してくれます。なるほど、これがデュアルドライバーのパフォーマンスなのか!?
玉鷲関の押し相撲の「音」
次に、Abemaアプリで大相撲中継を視聴してみました。
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筆者は子供の頃から大相撲を観戦していますが、振り返ってみると大相撲は常にテレビ受像機、それに付随するスピーカーの進化と共にありました。
映像がより鮮明になっただけでなく、力士が「ゴツン」と激突する音まで現代の大相撲中継は拾い上げてくれます。しかもそれをテレビだけでなく、スマホでも視聴できるのです。
『EarFun Air Pro 4+』を接続した状態で、今場所中日で41歳の誕生日を迎えた玉鷲の取組を観てみます。
玉鷲関と言えば、圧倒的かつ技巧的な押し相撲。左でおっつけながら右で豪快な喉輪、という技も繰り出します。
その一つ一つの音、ぶちかましの時の衝撃音や相手の締め込みを掌で叩く音、割れんばかりのお客さんの拍手も、『EarFun Air Pro 4+』のドライバーが克明に伝えてくれます。
そして、ここでANC機能をオンにすれば臨場感が何倍にもなります。
バッテリー持続時間は最大54時間
『EarFun Air Pro 4+』のバッテリー持続時間は、ANC機能オフの場合はイヤホン単体で最大12時間、充電ケース込みで最大54時間となっています。
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ANC機能をオンにした場合はイヤホン単体最大8時間、充電ケース込み最大36時間です。
今時のワイヤレスイヤホンの水準と比較しても、これは及第点どころか合格点と言えるのではないでしょうか。
そんな『EarFun Air Pro 4+』の価格は、1万3,990円。ハイレゾ対応&マルチポイント接続可能という点を考えても、これは決して高い価格設定ではないはず。
何かしらのきっかけで衝動買いをしてしまったとしても、のちのち十分に元が取れる製品と言えるのではないでしょうか。