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『モンスターハンターワイルズ』グランドアワード受賞記念インタビュー。人と人との繋がりで、もっと『モンハン』を世界へ広げたい【PSアワード2025】

文:ハチ

公開日時:

 “PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia”で“GRAND AWARD(グランドアワード)“、“ACCESSIBILITY AWARD(アクセシビリティアワード)”、“USERS’ CHOICE AWARD(ユーザーズチョイスアワード)”を受賞した『モンハンワイルズ』。この記事では、プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの徳田優也氏へのインタビューをお届けします!

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【インタビュイー】
『モンスターハンターワイルズ』株式会社カプコン
プロデューサー 辻本良三氏
ディレクター 徳田優也氏

人と人との繋がりでもっと『モンハン』を世界へ広げたい

――今回の受賞を受けて、開発チームとして誇りに思うポイントを教えてください。
徳田:『モンスターハンターワイルズ』発売直後に関しましては、コンテンツ料を払ったりだとかいろいろご不便をおかけした部分もございまして、申し訳ないと思っているところでございました。その中で、今回、ユーザーズチョイスアワードも含めて様々な賞をいただきましたことを本当に嬉しく思っております。 

 このような状況の中でもあたたかい言葉やコメントなどをかけていただいたユーザーの皆さんには本当に感謝申し上げます。チームの方は、そういった声を力に変えてアップデートの方も全力で取り組んできて、その結果が「投票」へも繋がったのかなと思っております。

――発売から約9ヶ月が経過しましたが、ユーザーの反響などを含め発売後の手応えをどう感じていらっしゃいますか?
辻本:そうですね。今回も発売後にご意見をいただきました。アップデートでは、本当に皆様のお声というのがすごく役に立ちました。

 もちろん、タイトルアップデートはまだ残っておりますので、僕たちも『モンスターハンターワイルズ』をより良くするため全力で今取り組んでいるところにあります。

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――新規ユーザーを取り込みつつ、既存ファンを満足させるゲームシステムのバランスをどのように確保したか教えてください。徳田:前作の『モンスターハンターワールド』も含めて、「初心者の方がどういうところで詰まっているか」というデータとして分析しまして、本作においては「モンスターまでたどり着けない」だったりとか「防具を作ることができない」といった部分に対してひとつひとつ手を加えて、新規のユーザーさんが、クリアしやすいような環境というのを作ってきました。

 新規の要素に関しては、例えば集中モードのように、初心者の方も既存ユーザーの方もどちらにとっても有益なものを採用するように心がけてきました。

 新規ユーザーの方だったり、今までクリアしてきなかった方が、クリアしやすい構造にしようとしたことで、既存ユーザーの方にちょっと物足りない部分を感じさせてしまったかなと思うところもあります。

 その部分は、アップデートで難易度の高いコンテンツであっただとか、装備内容であったり、というのを追加しておりますので、発売直後にクリアされて、その後遊んでないという方も、次回のアップデートを含めて、また遊んでいただけますと幸いです。

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――今作は、過酷な自然との共存がメインテーマに掲げていられているように思われます。従来のシリーズ作と比較してプレイヤー体験にどのような変化をもたらすことを意識されましたか?徳田:過酷な自然との共存と言いますか、人と自然との関係性と言いますか、『モンスターハンター』における“人”を描くタイトルにしたいというのがありました。

 今回、新人ハンターではなく、どこかのところで経験を積んできたような、すごいハンターの集まりという描き方をしたところも新しい取り組みですし、そのハンターがハンターがいない地域での人々と自然やモンスターと関わり方や、ハンターが来てからの自然とモンスターとの関わり変化みたいなものを体感していただきながら、最終的には「ハンターはすごいな」とか、「ハンターはかっこいいな」みたいなことを、今まで思ってもらえるようなゲーム体験になるように、心がけて作ったタイトルになります。

――今年の2月に発売されたタイトルかと思いますが、ゲーム内のアップデートやコラボ、ゲーム外の展開など様々あった中で、特に印象に残っているプロモーションは何でしょうか?辻本:ゲーム内のこともそうなんですけど、ゲーム外のところで言うと、リアルイベントを重要視しようというテーマもありました。実際に、グローバルで「タイムアタック」の大会もやらせていただいて、今は北米と欧州の方終わったところです。

 来年2月には「モンスターハンターフェスタ」という『モンスターハンター』のお祭りを日本でも開催させていただこうと思っています。

 久々にリアルイベントを日本で開きますので、プレイヤーの方たちと直接お会いできることが嬉しいですね。ゲームの方も「タイムアタック」や「狩猟決定戦」ですごいプレイが見れると思いますので、すごく期待していますし楽しみにしてます。

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――発売後もタイトルアップデートや季節イベントなど複数回実施しておりますが、手応えはいかがでしょうか?徳田:多くのユーザーさんが遊んでくださり、目玉のコンテンツはもちろんなんですが、急難信号もたくさん貼られていて、お手伝いする姿を見るのもすごく嬉しいですね。

 この前の季節イベントでは「カボチャ被り」というジャスチャーがあって、低確率で白いトマトを被るギミックを入れたんです。その白いトマトを被るために何度も連打する姿を見て、ゲームを狩猟以外のところでも楽しんでくれている姿を見ることができて嬉しく思っています。

辻本:そうですね。もちろんシリーズとしては、ここで立ち止まるつもりはありません。まだまだやっぱり『モンスターハンター』シリーズを続けていこうと思ってますし、さらに多くの方にプレイしていただけるよう頑張っていきたいと思っています。ゲームの方のもそうなんですけど、『モンスターハンター』というIPが、どれくらいの可能性があるのか、より可能性を広げていけるような展開ということを、ゲーム外でも色々考えていきたいと思ってます。

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――先日の『ファイナルファンタジー14(以下、『FF14』)』とのコラボコンテンツが実施されました。イベントクエスト「零式オメガ・プラネテス検証戦」は難しいという声も多く見受けられましたが、環境などはどのように感じられていますか? ちなみにクリア率は想定通りでしたでしょうか?徳田:タイトルアップデートのコンテンツについては、幅広い層の方が楽しめるものコアなユーザーさん向けのコンテンツという両方を設定しています。『FF14』さんとのコラボに関しては、普通の『モンスターハンター』のモンスターにはできない、多彩な兵器を使ったアクションが楽しめるようなコンテンツとして設計をしました。

 クリア率に関しては、概ね想定通りかなと思っております。ただ1人でのチャレンジは想定よりもすごくたくさんの方が挑戦してくださって、クリアのすごく早かったんです。ここは、想定をちょっと超えてることっていうのがありました。

 難易度に関してましては、強力なランス使いのサポートハンターを期間限定で使えるようにしたというのがクリア率と高める施策になっております。次回のタイトルアップデートでパラメータが上がる部分もありますし、各武器種の調整というのが入りますので、いまちょっとクリアが難しかったりだとか、素材集めが難しいという方は、アップデートでパラメーターを上げて再度挑戦していただければと思います。

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――『モンスターハンターワールド』から一層、世界市場での『モンハン』の存在感が高まった印象ですが、世界を視野に入れる上での特別な意識などはありますか?辻本:『モンスターハンター』シリーズは、人と人とが繋がっていくことで広がったゲームでもあると思っております。これからもその部分はすごく大事にしたいと思っていますし、日本だけでなくグローバルでのプレイヤーのみなさんのお声も、開発の方にも入るような形を取っております。

 僕たちも積極的に海外に行くことで、いろいろな地域の方のプレイ感覚などをインプットしていくことを心がけております。

――数々のメガヒット作を有するカプコンにおいて、これから『モンハン』はどのような存在になっていきたいと思いますか?辻本:難しいですね(笑)。『モンスターハンター』の1作目が発売されてからもう20年以上になります。今後も『モンスターハンター』シリーズをできるだけ続けていけるような努力をしていきたいと思っています。

――次回のアップデートに向けて今お伝えできることがあればお願いします。徳田:直近では、ゴグマジオスが追加されます。かなりやりがいのある、モンスターになっていますし、生態についても面白いものになっていますのでご期待ください。

 また、クエストの追加や武技種の調整などより便利になるような工夫や改善をしていきますので、これからもせひご期待していただければと思っております。

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――ユーザーの遊び方や意外な視点、世界や生態系などに対しての着眼点、分析力など印象に残った反響があれば是非お聞かせください。徳田:こちらの想定を超えるほど様々なキャラクターに注目がされていて、すごく驚いていますね。今回、モンスターにも様々な行動を入れているんですが、モンスターの糞に着目して分析をされてる方がいらっしゃったりだとか、モンスター同士の争いに着目して、条件や個体差、群れの状態での勝ち負けを分析している方などもいて、ユーザーさんはすごく深いところまで遊んでくださってるなと喜んでおります。

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