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『ドラゴンボール Sparking! ZERO』グランドアワード受賞記念インタビュー。ドラゴンボールらしいバトルを追求していきたい【PSアワード2025】

文:ハチ

公開日時:

最終更新:

 “PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia”で“GRAND AWARD(グランドアワード)“を受賞した『ドラゴンボール Sparking! ZERO』。この記事では、プロデューサーの古谷 純氏
とマーケティング リードの飯島雄也氏のインタビューをお届けします。

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【インタビュイー】
『ドラゴンボール Sparking! ZERO』
株式会社バンダイナムコエンターテインメント 
プロデューサー 古谷 純氏
マーケティング リード 飯島雄也氏

ドラゴンボールらしいバトルを追求していきたい

――グランドアワード受賞についてひと言お願いいたします。

古谷:この度はこのような栄誉ある賞をいただき光栄です、ありがとうございます。これも一重にユーザーの皆様のご支援のおかげだと思っております。

 『ドラゴンボール』というIPを以前から愛ているファンの方がたくさんいらっしゃって、本作も盛り上げていただいたと思っております。この場を借りて感謝申し上げます。

飯島:本日は表彰をいただきまして誠にありがとうございます。本当に多くのファンの皆様に支えていただいたことが、グランドアワード受賞へ繋がったと思っております。マーケティング担当で見ても本当にファンの熱量というところは非常に感じておりますので、引き続き頑張っていきたいと思いっております。

――前作から17年ぶりの新作となりましたが、開発の経緯などを教えてください。やはりファンの声が大きかったりするのでしょうか?
 
古谷:ファンの皆様のお声の後押しもあって、本作を制作するというところまで至ったということは間違いないと思っております。17年前に『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』という作品が発売されておりました。この時点で我々としては、スパーキングシリーズとして完成形を迎えていたと思っております。

 その後、いろいろな『ドラゴンボール』のゲームを発売してまいりましたが、近年プラットフォームや技術などの変化があり「感動をお客さんに届けられるだろう」というところで、本作の制作に至るというところになりました。

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――発売以降、好調さを長くキープされ続けていますが、この人気の高さをどのように分析されていますか? また、何がここまでプレイヤーを魅了していると捉えていらっしゃいますか?古谷:大前提として『ドラゴンボール』という作品自体が非常に魅力的であり続けていて、ファンの皆様が高い情熱と愛情を持って作品に接しておられると感じています。
 
 本作としても、『ドラゴンボール』に登場する超戦士になりきるというところを1つのコンセプトに掲げまして、競技性の高い非常にシビアな対戦というよりは、本当に気持ちよく超戦士を体験できるようなバトルシステムとして作って『ドラゴンボール』らしい遊びができるよう全力を尽くしてまいりました。

 まさにその『ドラゴンボール』のファンの皆様にとって、『ドラゴンボール』らしいアクションが楽しめるというところを届けることができたからなのではないかと思っております。

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――全世界のゲーマーや『ドラゴンボール』ファンの心を掴んでいますが、開発者視点でそれはなぜだと感じていますか?
 
古谷:前作の『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』の遊ばれ方を、いろいろな方から伺ったり、遊んでいる様子を拝見させていただいたりしていました。その中で本作の楽しまれ方としては“やっぱり『ドラゴンボール』らしいバトルをいかに楽しむか”だという考えに至りました。

 例えば、ベジータがギャリック砲を打ったら、普通の対戦ゲームでいけば避けて相手のスキを突いて攻撃をしてダメージを取れるんですが、プレイヤーの方々はそうではなくて、かめはめ波で返す、という風に楽しまれる方が非常に多いと我々としては認識しております。

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 なので、本作でもそういった『ドラゴンボール』らしいバトルを追求できるような対戦ゲームとして、前作から進化させていこうというのは根本に持っておりました。これまでの基本的なバトルシステムは変えずに、新たな『ドラゴンボール』らしいアクションを加えて、パワーアップした『ドラゴンボール』を楽しめる形で正当進化させるということを心がけました。

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――世界中で高い評価を得ている本作ですが、『ドラゴンボール』の魅力を表現するために、調整や開発で苦労した点があれば教えてください。
 
古谷:本作に関しましては先程申し上げました通り、『ドラゴンボール』らしいバトルを追求するというところを念頭に置いておりましたので、作中に登場したキャラクターの中でも、非常に強かったキャラクターはこのゲームでも強く、逆に苦戦を強いられているようなキャラクターは、このゲームでも苦戦するかもしれないという形で、ゲームを作らせていただいております。

 当然、ゲームとしてその2人が対戦すると、すごく大きな差を感じるような形にはなっているかなと思っています。

 それだとゲームが成り立たなくなってくるので、チームやコスト制のようなものを導入して、全体としてバランスを取ることで、全体としては皆さん等しく楽しんでいただけるような形になっているのかなと思います。

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――前作『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』から17年ぶりの完全新作ということで、開発スタッフにもそれなりの入れ替わりがあったのではないかと想像します。変わらずシリーズが愛されるために何か意識して受け継いでいったことはあるのでしょうか?
 
古谷:やはりシリーズとして、引き継がなければならないもの、残さなければならないものをはっきりとさせようというところは大事にしておりました。そのために前作の遊び方というのは非常に研究もさせていただきましたし、その上での結論にはなってしまうんですけれども、基本的なバトルシステムの部分に関してはほとんど変えずに、その上でよりプラスしていくという形で、今回開発としてアプローチをしてまいりました。

 操作感の部分には、かなり注意しておりまして、前作を遊んでいた方々が、久しぶりに触った時に、「あれ、これ俺のやってたゲームじゃない」という風になってしまったら本末転倒なので、当時の操作感は非常に大事にして、ボタン配置もほとんど同じにしました。そこに新たな『ドラゴンボール』らしいアクションを追加することがこそが、我々の考える正当進化だろうということで、今回前作のファンの方からも評価していただけるような形で取り組んでまいりました。

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――世代によって知っているキャラクターが大きく異なるIP作品だと思いますが、ゲームとしてのターゲティングやアプローチで工夫、苦労したことがあれば教えてください。
 
飯島:本作は本当にファンの方の熱量が大きいなと感じています。『ドラゴンボール』が好きだけどゲーム自体は初めてという人も、やっぱりファンの方の評判などを聞いて、「じゃあ買ってみようかな」というところで遊んでみて、楽しいといった評価をいただいてるんです。

 本当にそういった点もファンの皆さんに感謝したいなと思ってます。


古谷:我々としてもう一本筋を通して徹底させていただきたいと思ったのは“やはり『ドラゴンボール』愛を再現できる、実現できる”ということで、常に念頭に置き開発を進めておりました。

 このプロジェクトを実際に初めて一般に公開させていただいた時に、プロモーション映像を作ったのですがそこからも当時の思い出を呼び覚ましていただいて、本作が新しくそのシリーズの体験をもう一度体験することができ、さらに新しい体験もできるという形でメッセージとしてお届けできるよう意識しました。

 本作は初めてゲームに触れる、または『ドラゴンボール』のゲームに初めて触れるという方がたくさんいる状況でした。そういった方々にもより触っていただきやすいように、今回は操作に関してはアシスト機能をかなり充実させており、四角を連打する簡単な操作だけでも『ドラゴンボール』らしいアクションが多彩にできるので、大人だけでなく子供でも、誰でも楽しむことができるゲームになっています。

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