法螺会が開発し、ケムコから12月12日にPS5/PS4/Switch版が発売される怪異判定アドベンチャーゲーム『奇天烈相談ダイヤル』の開発者インタビューをお届けします。
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『奇天烈相談ダイヤル』は、怪異が実在する1994年の日本を舞台にした怪異判定アドベンチャーゲームです。
プレイヤーは無料電話サービス“奇天烈お悩み相談室”の新人相談員・ミサコとなり、資料と相談者の話を照らし合わせながら矛盾を探し出し、相談者の悩みが怪異の仕業かそうでないかを判定することになります。
ブラウザ版が2024年2月10日に配信され、大幅にアップデートされたSteam版が2024年4月26日にリリース。そして、2025年12月12日にPS5/PS4/Switch版が発売されます。
今回お話を伺ったのは、本作の開発を担当した法螺会の笹森氏と、パブリッシャーであるKEMCOの上田氏。怪異に対するこだわりや、コンシューマ版で実現できた追加要素について伺いましたので、ぜひご覧ください!
法螺会 笹森氏:『奇天烈相談ダイヤル』のシナリオ/グラフィックを担当。原作では企画/開発/スクリプトも担当していた。
KEMCO 上田氏:KEMCOで主にアドベンチャー関連のゲームを担当。『奇天烈相談ダイヤル』では、原作のPC版からコンシューマー版への移植を担当している。
『奇天烈相談ダイヤル』開発者のお気に入り怪異は?
――そもそも『奇天烈相談ダイヤル』を開発することになったきっかけや、目指したコンセプトについて教えてください。
笹森氏
昔から「世にはびこる怪異をカテゴリー分けできるんじゃないか」と思っていました。口裂け女と言ったら、大抵の人は“黒くて長い髪”、“背が高い”、“赤い服”、“白いマスク”というイメージが湧きますよね。
八尺様だったら“黒くて長い髪”、“背が高い”、“帽子”、“白いワンピース”が思い浮かびます。この2人には“髪”と“背の高さ”が一致していますが、それ以外の特徴は異なります。
このように、“いくつかの特徴は似ているけど、まったく別物の怪異”の特徴を見比べて、同定クイズのようにしたらおもしろいんじゃないか。と思い付いたのが、本作を開発するに至ったきっかけです。
――開発の際に苦労したポイントがあれば、教えてください。
八尺様だったら“黒くて長い髪”、“背が高い”、“帽子”、“白いワンピース”が思い浮かびます。この2人には“髪”と“背の高さ”が一致していますが、それ以外の特徴は異なります。
このように、“いくつかの特徴は似ているけど、まったく別物の怪異”の特徴を見比べて、同定クイズのようにしたらおもしろいんじゃないか。と思い付いたのが、本作を開発するに至ったきっかけです。
――開発の際に苦労したポイントがあれば、教えてください。
笹森氏
これまで法螺会は“ノベルゲーム”をメインに開発していたので、本作のようなゲーム性の強い作品を作るのは初めてでした。
(コンシューマ版ではなく、原作のお話になりますが)変数や分岐の管理など、スクリプト面で特に苦労しましたね。テストプレイを繰り返してもどこかしらでバグが起こり、公開した後も不具合報告の嵐でほぼ毎日修正に追われていました……。
――開発をするうえで、特に気を付けている点は?
(コンシューマ版ではなく、原作のお話になりますが)変数や分岐の管理など、スクリプト面で特に苦労しましたね。テストプレイを繰り返してもどこかしらでバグが起こり、公開した後も不具合報告の嵐でほぼ毎日修正に追われていました……。
――開発をするうえで、特に気を付けている点は?
笹森氏
本作で言うなら、すべての特徴が一致する怪異を二体以上登場させないように、特に注意しました。
同じ“てけてけ系”の怪異でも、“少女”と定義されている怪異と、ざっくりと“子ども”とされている怪異がいます。“少女”は子どもで、“子ども”には少女も含まれるので、この特徴だけでは同定ができません。つまり、別の特徴で二体を差別化する必要があるわけです。
開発当時は、本作に登場する怪異の特徴を表にして、「表現が違うだけで同じ怪異はいないか」と、一体ずつ見比べていましたね。
――さまざまな都市伝説やオカルト要素をモチーフにしている部分がありますが、特にお気に入りの怪異について教えてください。
同じ“てけてけ系”の怪異でも、“少女”と定義されている怪異と、ざっくりと“子ども”とされている怪異がいます。“少女”は子どもで、“子ども”には少女も含まれるので、この特徴だけでは同定ができません。つまり、別の特徴で二体を差別化する必要があるわけです。
開発当時は、本作に登場する怪異の特徴を表にして、「表現が違うだけで同じ怪異はいないか」と、一体ずつ見比べていましたね。
――さまざまな都市伝説やオカルト要素をモチーフにしている部分がありますが、特にお気に入りの怪異について教えてください。
笹森氏
花子さんです。人生で一番最初に触れたホラー作品が『地獄先生ぬ~べ~』だったんですよ。あの見開きの花子さんには衝撃を受けましたね。
あの頃は夏休みになると『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』の再放送もやっていましたから、一層“花子さん”というキャラクターが印象に残っているのだと思います。
――オカルト系ゲーム開発のお約束的な質問となりますが、本作の開発中に不思議な現象などはありましたか? お祓いなどは行ったのでしょうか?
あの頃は夏休みになると『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』の再放送もやっていましたから、一層“花子さん”というキャラクターが印象に残っているのだと思います。
――オカルト系ゲーム開発のお約束的な質問となりますが、本作の開発中に不思議な現象などはありましたか? お祓いなどは行ったのでしょうか?
笹森氏
自分はホラーが苦手なので、布団から足を出して眠れなくなる現象が三日ほど続いたことはありましたね(笑)。お祓いには行きませんでしたが、前述した現象の気休めとして、枕に“おいせさん”のお浄め塩スプレーを振りかけたりはしていました。
『都市伝説解体センター』『8番出口』『青鬼』など他作品とのコラボ怪異も話題に!
――『都市伝説解体センター』とのコラボなども話題になりましたが、ホラー系のインディーゲーム開発者同士でのつながりなどもあるのでしょうか?
上田氏
『都市伝説解体センター』は作品発表時から注目していたのですが、2024年の東京ゲームショウでブースの存在感に圧倒されました。
その際に集英社ゲームズの担当の方にご挨拶させていただき、怪異を扱う作品同士、何かしらできたらいいですね、といったお話をさせていただきました。
その後、別のインディーゲームイベントで墓場文庫のおでーんさんともお会いする機会があったのですが、『都市伝説解体センター』のリリース時にコラボイラストのご提案をいただきまして、笹森さんもぜひ進めたいということでイラスト制作が実現しました。
私は笹森さんとおでーんさんのやりとりを傍観する立場でしたが、お二人とも一発OKの仕上がりでお見事でしたね。
ゲーム内におけるコラボはゲームシステムや世界観の違いもあってさすがになかなか難しいのですが、『奇天烈相談ダイヤル』については原作のPC版の段階で、作品内の怪異に『8番出口』や『青鬼』などとのコラボが実現しておりましたので、同施策の拡張で“トシカイくん”など、他者様の作品と怪異コラボをさせていただきました。
コラボ怪異については順次SNSなどでも紹介したいと思いますが、皆様のご協力に感謝しております。
その際に集英社ゲームズの担当の方にご挨拶させていただき、怪異を扱う作品同士、何かしらできたらいいですね、といったお話をさせていただきました。
その後、別のインディーゲームイベントで墓場文庫のおでーんさんともお会いする機会があったのですが、『都市伝説解体センター』のリリース時にコラボイラストのご提案をいただきまして、笹森さんもぜひ進めたいということでイラスト制作が実現しました。
私は笹森さんとおでーんさんのやりとりを傍観する立場でしたが、お二人とも一発OKの仕上がりでお見事でしたね。
ゲーム内におけるコラボはゲームシステムや世界観の違いもあってさすがになかなか難しいのですが、『奇天烈相談ダイヤル』については原作のPC版の段階で、作品内の怪異に『8番出口』や『青鬼』などとのコラボが実現しておりましたので、同施策の拡張で“トシカイくん”など、他者様の作品と怪異コラボをさせていただきました。
コラボ怪異については順次SNSなどでも紹介したいと思いますが、皆様のご協力に感謝しております。
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――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。
笹森氏
『Papers, Please』です。本作の開発にあたって、ゲームシステムを参考にさせていただきました。
『奇天烈相談ダイヤル』コンシューマ版の注目ポイントは?
――コンシューマ版に関する追加要素や見どころについて教えてください。
笹森氏
原作で実装したかったけどできなかった要素として、相談者ごとの口調の変化と、ノブ子によるチュートリアルがあります。
作業工数的にどうしても削らざるを得なかったのですが、今回のコンシューマ版で実現することができました。「やりましょう」と言ってくださった上田さんには感謝しています。
原作をプレイしたことのある方は、ぜひそちらにも注目いただければと思います。
作業工数的にどうしても削らざるを得なかったのですが、今回のコンシューマ版で実現することができました。「やりましょう」と言ってくださった上田さんには感謝しています。
原作をプレイしたことのある方は、ぜひそちらにも注目いただければと思います。
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上田氏
基本的な仕様は原作版を踏襲しておりますが、原作版はマウス操作中心に構成されておりましたので、まずはコントローラ操作に向けて調整したのが大きな変更点です。
方向キーに合わせたUIの配置など、相談中の画面でも違いがわかると思います。操作割当の検討時は、とにかくボタンが足りなくて悩みましたね……。
怪異名をキーボードで文字入力するシーンは、コントローラではストレスにつながるので、怪異データベースからの選択式に変更しました。相談中もLRボタンで怪異文献のページをめくれるなど、便利に感じていただけると思います。
あとは原作版の段階で怪異リスト・メダル要素・達人怪異演出など、やり込み要素がもりだくさんなのですが、相談のランダム性の部分で最後までプレイしづらかった要素もあろうかと思います。コンシューマ版ではどなたでも最後までプレイしやすい工夫を加えておりますので、ぜひやり込んでいただきたいです。
ゲーム中に一度しか表示できなかった演出も、エンドリストのようなコレクション画面を加えることで、何度も閲覧できるようにしております。
――Steam版の発売から少し時間がたったということで、今だからこそ明かせる裏設定などがありましたら教えてください。特にミサコ関連の設定や、ボツキャラなどがありましたら知りたいです。
方向キーに合わせたUIの配置など、相談中の画面でも違いがわかると思います。操作割当の検討時は、とにかくボタンが足りなくて悩みましたね……。
怪異名をキーボードで文字入力するシーンは、コントローラではストレスにつながるので、怪異データベースからの選択式に変更しました。相談中もLRボタンで怪異文献のページをめくれるなど、便利に感じていただけると思います。
あとは原作版の段階で怪異リスト・メダル要素・達人怪異演出など、やり込み要素がもりだくさんなのですが、相談のランダム性の部分で最後までプレイしづらかった要素もあろうかと思います。コンシューマ版ではどなたでも最後までプレイしやすい工夫を加えておりますので、ぜひやり込んでいただきたいです。
ゲーム中に一度しか表示できなかった演出も、エンドリストのようなコレクション画面を加えることで、何度も閲覧できるようにしております。
――Steam版の発売から少し時間がたったということで、今だからこそ明かせる裏設定などがありましたら教えてください。特にミサコ関連の設定や、ボツキャラなどがありましたら知りたいです。
笹森氏
これについては、残念ながら明かすことができません。今後、本作に後続する作品が出るかもしれませんので……(笑)。
以前、SNSでオーモリが25歳であることは公表しましたから、その情報の再掲でご勘弁ください。
――最後に『奇天烈相談ダイヤル』のファン、およびコンソール版で初めて遊ぶユーザーさんにコメントをお願いします!
以前、SNSでオーモリが25歳であることは公表しましたから、その情報の再掲でご勘弁ください。
――最後に『奇天烈相談ダイヤル』のファン、およびコンソール版で初めて遊ぶユーザーさんにコメントをお願いします!
笹森氏
ファンの皆さま、お待たせいたしました。コンシューマ版の発売日をようやく発表することができて、本当にうれしく思います。
心待ちにしてくださっている方のお声を、SNSでたくさん見ておりました。その度に「あとちょっとだから!」、「もう少し待って!」と言いたい気持ちを堪え、心の中で謝ることしかできなかったのがとても辛かったです。
そして、コンシューマ版で初めて本作に触れる皆さま、ぜひ、ベテランのオーモリも認める相談員を目指して頑張ってください。
心待ちにしてくださっている方のお声を、SNSでたくさん見ておりました。その度に「あとちょっとだから!」、「もう少し待って!」と言いたい気持ちを堪え、心の中で謝ることしかできなかったのがとても辛かったです。
そして、コンシューマ版で初めて本作に触れる皆さま、ぜひ、ベテランのオーモリも認める相談員を目指して頑張ってください。