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食パンを食べながら運命の出会い……『PIXEL DASH:Toast of Destiny』レビュー。ドット絵横スクロールアクション【電撃インディー#1229】

文:保坂柊

公開日時:

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、株式会社ゼノトゥーンが送る、かわいい見た目と裏腹の高難易度が魅力の横スクロールアクション『PIXEL DASH:Toast of Destiny』のレビューをお届けします。


 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


かわいいだけじゃない? ジャンプとダッシュで挑む覚えゲー【PIXEL DASH:Toast of Destiny:レビュー】

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▲「いっけなーい! 遅刻遅刻!」――誰もが知る“あの”テンプレから、少女の壮絶な一日が幕を開けます。

 本作の主人公は、遅刻ギリギリで家を飛び出すごく普通の女子高生、遙華ラン。

 操作は”ジャンプ”と”ダッシュ”の2つだけと非常にシンプル。美しいドット絵で描かれた街並みを、障害物をよけながらひたすらゴール目指して走り抜ける、いわゆるランアクションゲームです。

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▲緻密に描かれた街並みを駆け抜ける爽快感!……も束の間、数々のトラップがランを襲います。

 しかし、その親しみやすい見た目にだまされてはいけません。本作の正体は、プレイヤーの心をへし折りにくる、歯ごたえのある“死にゲー”なのです。

 道中には、行く手を阻む落とし穴はもちろん、バウンドするマリやスケボーに乗った通行人など、ステージに合わせた多彩なギミックが登場します。これらの特筆すべき点は、“同じ見た目の障害物でも、毎回同じ対処法が通用するとは限らない”という点。

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 あるときはジャンプで、あるときはダッシュですり抜け、またあるときは何もせず走り抜けるのが正解といったように、プレイヤーは何度もミスを繰り返しながら、ステージごとの正しい攻略パターンを覚えていく必要があります。

 ジャンプ一回のタイミングが少しずれただけでミスにつながるシビアさは、まさに覚えゲーの極致と言えるでしょう。

“グシャッ”の絶望と“あと一回!”の中毒性


 何度もやられてしまう高難易度。しかし、不思議と「もうやめよう」という気持ちにはなりません。その理由は、絶妙に配置されたチェックポイントと、ミスしたときのシュールな演出にあります。

 なんとか難所を乗り越え、中間地点にたどり着いたときの「これで先に進める!」という安堵感・達成感は難易度の高い本作だからこそ。たとえその逆で、あと一歩でチェックポイントというところでミスしてしまっても、「次こそは絶対!」というアツイ気持ちが沸き上がってきます。

 そして、本作のユニークなスパイスとなっているのがミスしたときの演出。可愛らしいドット絵のランが、落とし穴に落ちた瞬間だけ“グシャッ”という、妙にリアルで少しグロい効果音が鳴り響くのです。このギャップが、シビアなゲームプレイの緊張感をやわらげ、思わずクスリと笑ってしまうようなシュールな空気感を生み出しています。

 この“心を完全に折らせない”ための絶妙なゲームデザインこそが、本作の持つ強烈な中毒性の源泉なのです。

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▲リザルト画面ではリトライ回数がしっかり記録されます。15回のミス……頑張ったほうではないでしょうか……。

修学旅行、運命の出会い、そして交通事故? 予測不能すぎるストーリーから目が離せない


 過酷なランアトラクションと並行して描かれるランの物語も本作の大きな魅力です。

 “パンをくわえた少女がぶつかって運命の出会いを果たす”という、誰もが知るコテコテの王道ラブコメ。本作でも、見事にパンが顔面に張り付いた少年との出会いを果たします。

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▲見事なトースト・ミーツ・ボーイ。ここから甘酸っぱい学園生活が始まる……かと思いきや?

 登校だけじゃなくて修学旅行先でもパンをくわえて全力疾走。夜もパンをくわえて全力疾走。しかし、夜に待っていたのは運命の彼ではなく、一台の車。

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▲もはや遅刻どころの話ではない衝撃的な展開。彼女の身に一体何が……?

 果たしてランの安否は? 運命の出会いを果たした少年との関係は? その答えが気になり、高難易度ステージへの挑戦にもより一層熱がこもること間違いなしです。

 もちろん単純にクリアするだけでなく、各ステージに用意された“パン”をすべて集める収集要素や、ストーリークリア後に開放される、さらに鬼畜なギミックが待ち受ける高難易度コンテンツも用意されており、やりこみ要素は十分。

 アクションゲームファン、そして歯ごたえのある“死にゲー”を愛するすべての人に、自信を持っておすすめしたい一作です。予測不能な彼女の運命の結末を、ぜひその目で見届けてください。


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