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『コードヴェイン2』飯塚Pと吉村D、椎名豪氏にインタビュー。悲哀の中に込めた"一筋の光"――楽曲に込めた想いや裏話を超深堀り!!【ネタバレあり】

文:電撃オンライン

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 2026年1月29日(Steam版は1月30日)に発売されたドラマティック探索アクションRPG『CODE VEIN II(コードヴェイン2)』。

 発売から2カ月経過し、多くのプレイヤーが本作のエンディングを迎えているであろうなか、本作のプロデューサーを務める飯塚啓太氏、ディレクターの吉村広氏、そして楽曲を担当した椎名豪氏の3名にインタビューを行いました。

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▲左からディレクターの吉村広氏、楽曲担当の椎名豪氏、プロデューサーの飯塚啓太氏。

 前作から大きく進化したドラマティックなストーリーと、それを飾る楽曲たちはどのようにして生まれたのか? 話題となったミュージカルシーンや、プレイヤーの心を揺さぶった歴史改変シナリオの詳細。そして個性豊かなキャラクターたちの秘密に迫ります。

“時空を行き来する感覚”を表現したハイブリッドな楽曲【CODE VEIN II 制作陣インタビュー】

――まずは楽曲についてお伺いします。今作の楽曲には、全体としてどのようなテーマがあったのでしょうか?

椎名氏
今回は作品の中で"時空を行き来する"という要素があるので、そこを感じてもらえるような楽曲にトライしました。

 具体的には、純粋なオーケストラだけではなく、EDM的な要素やシンセサイザーを混ぜたハイブリッドな楽曲で、未来的な時空間を表現しています。また、ストーリーが前作以上に濃密になっているので、その重厚さに準拠した濃い曲を中心に据えています。

飯塚P
前作や他のタイトルにはあまりない"複数の時代が存在する"作品なので、各時代で感じられる印象や世界の状況を椎名さんに知っていただくところからスタートしました。

吉村D
単に時代ごとの曲というだけでなく、作品全体の"時空を超える"という空気をどう伝えるかという点で、現代的な音源を加えたアプローチは本作の大きな特徴になっていると思います。

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――メインテーマを聴いたとき、前作の荘厳なオーケストラとは異なり、様々な要素が入った“『CODE VEIN II』としての味”を感じました

吉村D
前作は世界や空間が軸足にあり、その中でバトルが繰り広げられるイメージでしたが、今回はそこにキャラクターの感情やプレイヤーの心情が大きく反映されています。それが全体の特徴ですね。悲哀の中にも"前に進むための光"の印象を込めていただきました。

――前作は激しい戦闘曲が印象的でしたが、今作はピアノアレンジやキャラクターの心情に寄り添った美しい曲が多い印象を受けました

椎名氏
敵キャラクターの涙が見えるような場面など、実際に(キャラクターが)泣いているわけではなくても、プレイヤーさんには泣いているように感じてもらいたくて、表現としてピアノを使ったりしています。

 ずっと激しいリズムが流れている隙間を縫って、一度音を落とすことで悲哀を感じ取ってもらえるようにこだわりました。

――個人的には英雄を倒すというネガティブなシーンに悲しさだけでなく、勇壮さ、ポジティブさも楽曲に感じました

椎名氏
それはすごく嬉しい感想ですね。僕の中で一番大事にしているのは、ゲームをプレイする上で"前に進まなきゃいけない"というプレイヤーの原動力です。

 悲しい要素を入れることでプレイヤーが進みたくなくなってしまっては困ります。バランスを取りつつ、前に進むための"一筋の光"のようなヒロイックな要素は必ず入れるようにしています。

吉村D
世界観は悲壮なところからスタートしますが、最終的には希望を描く作品です。椎名さんの楽曲が持つ推進力と、作品が目指す希望は根っこが一緒なのだと思います。

――歴史改変によって同じ敵と二度戦う場面がありますが、曲の変化も印象的でした

飯塚P
一回目は悲壮感がありますが、二回目はプレイヤー側も少し吹っ切れて「次に進むんだ!」という気持ちが強くなっていると思います。過去の改変による変化と、プレイヤーの心情の変化が楽曲にもよく表れています。

――特にジョゼ編やホリー編での曲の違いは顕著でしたね

椎名氏
確かに、ジョゼ編とホリー編はそうですね。「盲目の英雄ジョゼ」の時にはピアノのまま途中で転調して悲しめな感じで終わるんですけど、「英雄ジョゼ」戦だと結構アップテンポで前のめりな曲にした記憶があります。ホリー戦もそうでしたね。僕は英雄ホリー戦で3回ぐらい死にましたけど(笑)。

吉村D
ジョゼ戦に関しては、もともと改変前と改変後の2パターンを作っていただいていたのですが、椎名さんから「もっと情緒に寄った、ユーザーの心情に寄り添う曲があったほうがいい」と提案をいただき、後からピアノアレンジを一曲いただいたんです。

 ジョゼ戦は最初の英雄戦ということもあり、大体負けてしまうんですが、その負けイベントでジョゼが悲しんでいるセリフが入ります。そこでプレイヤーの中に積み上がった悲しみに寄り添う形で、モードチェンジ後にあのピアノの曲が流れる演出にしました。

 これは最初の依頼内容だけでは達成できず、椎名さんが作品全体を通して必要なパーツを提案してくださったおかげですね。

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――ゼノン・グリフゴートのミュージカルシーンの楽曲も椎名さんが作られたとのことですが、あれはいつ頃に作られたのでしょうか?

椎名氏
テーマ曲の次、2番目くらいに作りましたね。曲に合わせてイベントシーンを作らなければいけないので、最初に曲がないと厳しいという事情がありまして。

――はやい段階ですと、声優さんも決まっていなかったのではないでしょうか?

椎名氏
そうなんです。声が高い人なのか低い人なのかも分からない中で作るのは結構難儀でした。

 キャラクターのデザインはいただいていたので、自分の感覚と、企画側が選定する声優さんのキャスティングがマッチすることを賭けて作るしかなかったです。

吉村D
最終的に子安武人さんにお願いすることが決まったので、椎名さんには子安さんの音域の幅なども見ていただきました。

 制作フローとしては、私がシナリオ上の展開と尺、キャラクターイメージをお伝えして、椎名さんに曲を作っていただく。そこからシネマティックシーンを膨らませ、歌詞を作り、音声を収録するという流れでした。

――映像として完成したのはいつ頃だったのですか?

吉村D
映像としてできあがったのは開発の最後のほうですね。カットごとのライティングなど(映像としての)作り込みが必要だったので、期間としては本作の中でもかなり長い時間がかかっています。

――ストーリーについての反響はいかがでしたか?

飯塚P
トゥルーエンドまで到達された方からは「ストーリーが本当によかった」という声を多くいただいています。

 ゲームを遊ぶというコストに対して、満足度が釣り合っている、あるいは上回っているという印象です。ストーリーは出してみるまで分からないものですが、今回は楽しんでいただきたい部分がきっちり届いているなと感じています。

吉村D
私としては、1つ目のエンディングから次のエンディングへ行く際のゼノンが活躍するメタ的な仕掛けがどう受け止められるか心配していました。

 ゲームの外側から攻めてくるような仕掛けですが、ゼノンというキャラクターの強さとお客さんの信頼もあり、しっかりと受け入れていただけて良かったです。

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――ゼノン・グリフゴートというキャラクターだからこそ許された仕掛けだと感じます

飯塚P
そうですね。キャラクター人気も想定以上に高く、「キャラクター全員が好き」と言ってくださる方が多くて嬉しいです。

 今回は大団円をゴールにしつつも、それが押し付けられたものではなく、プレイしてくださったユーザーが自ら勝ち取る構造にすることを意識しました。

キャラクターの変化に違和感を抱かせない作り方【CODE VEIN II 制作陣インタビュー】

――歴史改変を扱う上で、整合性などで気をつけていた点はありますか?

吉村D
一番守るべきルールにしていたのは“プレイヤーが認識していることを否定しない”ということです。プレイヤーが見た事象をなかったことにするのではなく、極力見なくて済むような構造にしました。

 「どちら様ですか?」と言われるような状況になるキャラクターは、そもそもその時系列には登場させない。プレイヤーが順番に見ていくものがすべて積み重なっていくように状況を整理しました。

――だからキャラクターが変わってしまったという違和感がなかったのですね

吉村D
事象が変わってしまった以上、そこで「どちら様ですか?」と言わないほうが不自然になってしまいますが、それを言われてプレイヤーが嬉しいわけではないですからね。

――ヴァレンティンの義手や、他のキャラクターの身体的な特徴については何か意図があるのでしょうか?

吉村D
本作において吸血鬼は、永遠の命や高い技術を持つ強い存在ですが、世界の困窮の出発点でもある“不完全な存在”として描いています。

 対して人間は寿命も短く弱いですが、その精神性や感情の強さを描きたかった。吸血鬼たちが力の代償として失った部分を金継ぎで補っている姿は、彼らが人あって初めて成り立つ不完全な存在であることの象徴です。

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――ルゥの足も義足と認識していますが、あっていますでしょうか?

飯塚P
そうですね、欠損した場所を補っている形です。ヴァレンティンは手が骨のようになっていますし、ルゥも胸に穴が開いています。ノアも実は左耳自体が金色のパーツで作られていて、元は左耳がないんですよ。

――血族の名前に「七つの大罪」の要素が入っているようですが、キャラクターとの関連性はありますか?

吉村D
人間との対比や歴史との関わりを考える上で、発想の種として「七つの大罪」を採用しています。基本的にはキャラクターが先にあって、その後に血族を当てはめていきました。

 例えばゼノンは「怠惰」の血族ですが、怠け者だからこそ彼は効率化を求め、楽になるために掘り下げるという解釈を盛り込んでいます。ルゥやノアなどのヴォーダ家は「傲慢」の血族、ライルやクレイグは「忍耐」の血族ですね。ちなみに忍耐は「憤怒」の下位血族にあたります。

――ゼノン・グリフゴートという強烈なキャラクターは、どのようにして生まれたのでしょうか?

吉村D
彼はストーリーを構成する側のキャラクターなので、まずは“シナリオを成立させるために必要な役割”から組み上げました。

 世界の秘密を暴くためには、探究心を持った技術屋である必要があり、対となるイドリスと異なるイデオロギーを持っていなければならない。そこに“懲役一万年”というキーワードや、吸血鬼の寿命の長さなどが組み合わさっていきました。

――あの特徴的なマスクや和装のデザインは?

吉村D
デザインは最後のほうですね。彼の“つかみどころのなさ”や、何でもやってしまう可能性の塊のようなキャラクター性を表現するために、何を考えているか分からないデジタルフェイスのマスクを採用しました。

椎名氏
僕が最初に資料を見たときは、戦国時代の武士と中世の軍隊が混ざったようなハイブリッドな印象を受けました。なので、楽曲でも鉄っぽい音やアンビルの音を入れたりしています。

――最後に、読者の皆様へ一言ずつお願いいたします!

吉村D
まずは『CODE VEIN II』をプレイしていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 何度プレイしても新しい発見があるタイトルだと思いますので、ぜひプレイ済みの方も、楽曲やストーリーを掘り下げながらもう一度遊んでいただけると嬉しいです。

椎名氏
このインタビューでお伝えした通り、キャラクターの背景や心情を入れた楽曲をたくさん制作しました。楽曲の端々にある"前に進む力"を噛み締めて遊んでくれると嬉しいなと思います。

飯塚P
本作はストーリーの構造やキャラクターの個性に非常に力を入れています。

 プレイヤーの皆さんが主人公として深く関わっていく物語や、バトルを通じて流れるこだわりの楽曲を楽しみながら、キャラクターの内面に触れて好きになってもらえればと思います。良いと思った方は、ぜひお友だちにも勧めてみてください。

――本日はありがとうございました!

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