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PS5『SALOS』開発陣が語る『Returnal』のDNAを継ぐ歯ごたえと次へつながる成長要素

文:電撃オンライン

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 2026年4月30日に発売予定のPS5用ソフト『SALOS』のメディア向けのプレビューイベントが開催。それに伴い、本作のクリエイティブディレクターを務めるGregory Louden氏と、アートディレクターを務めるSimone Silvestri氏のお二人へのメディア合同インタビューを行うことができました。


 本作がどのようなアプローチで作られていったのか、また特徴的なアートスタイルの話にも言及しています。

▲Gregory Louden氏
▲Simone Silvestri氏

『SALOS』開発者インタビュー


――どのような作品を目指してプロジェクトがスタートしたのでしょうか?

Gregory Louden氏:まず前作『Returnal』のような歯ごたえのあるアクションであることを維持しつつ、永続的な成長システムを導入することで、失敗してしまっても次につなげられる仕組みを取り入れました。そこに、新しい体験として、弾幕をただ避けるだけでなく、自分から向かって行って吸収するという、弾幕との対峙のしかたの拡張を行い、この2つを軸として開発が進みました。

――弾の吸収やパリィといった新しいアクションに関して、前作と比較してどのような体験を提供する狙いがありますか?

Gregory Louden氏:我々はやはり弾幕ACTが大好きですので、『Returnal』からより良いものにしたいと考えました。弾幕をただ避けるだけでなく、弾幕に対してさまざまな対処ができるという体験を届けたいと思いました。『Returnal』が弾幕による障害物レースだとすれば、本作は弾幕と触れ合う遊び場のようなイメージです。弾幕が危険を表すものから、チャンスにすることができるものへと変える。そういった変化をもたらしています。

――本作の武器は、『Returnal』の延長にあるような手触りで作られているのか、それともまったく新しい試みを試そうとしているのか、設計方針を教えてください。

Gregory Louden氏:本作では、アルジュンたちが目的を持って地球からカルコサまで来ているため、今回は地球製の武器を持ち込んでいます。『Returnal』では基本的に異星の武器が主でしたが、本作では地球の武器と、カルコサの技術の武器が存在し、使い分けることが可能です。これによってプレイスタイルの幅も広がりましたし、一つの武器種……例えばハンドキャノンひとつとっても複数種類が存在するので、さまざまなプレイスタイルにつなげることができます。そういった、より多様な体験をもたらすことができるように設計しています。

――おすすめのウェポンやアビリティはありますか?

Gregory Louden氏:今回の試遊範囲内でいえば、リコシェ・ハンドキャノンという武器の、地面や壁に弾が当たると反射するバウンス・ラウンドという特性が気に入っています。

Simone Silvestri氏:私はショットガンが好きです。ダメージを与えながら接近して、近接攻撃でトドメを刺すようなプレイが好みですね。

――エリアを最初から進むことも、解放された中継地点から進むこともできますが、ゲームを進行するうえでの違いはありますか?

Gregory Louden氏:スタート地点からプレイした場合は、ボスまでの道のりが長いぶん、道中で手に入るアイテムや強化がそれだけ増えることになります。そのため、ショートカットを使うよりもボス戦時の能力は強化されているはずです。なので、ボス戦で行き詰っている場合などは、あえて少し遡った場所からスタートするのも手ですね。

 そしてショートカット地点へのファストトラベルを利用すれば、比較的すぐにボスに挑戦できます。ご自身のプレイスキルなどに合わせて調整してみてください。

――『Returnal』は暗いシーンが多くダークな色調でしたが、本作では青い空が見えるなど、全体的に明るくなっている印象を受けました。本作の空間やデザインの方向性はどのように決まっていったのでしょうか?

Simone Silvestri氏:『Returnal』では独特の雰囲気をうまく作り上げることができたと思っており、そこで築き上げた我々の哲学は大切にしつつも、まったく新しい物語を描きたいと考えました。だからこそ今作では異なるアプローチが必要だったのです。

 本作では「日蝕」が、ストーリー、アートスタイル、そしてゲームプレイに至るまで、ゲームのあらゆる要素に関わってきます。日蝕を際立たせるために、まずは土台となる世界のトーンを設定し、日蝕によってそれをどう変化させるのか考えていきました。異なる色調を使うに至った理由でもあり、特に意識したのは、プレイヤーにスケール感を味わってもらえるような世界を作ることです。

 また、ゲーム序盤はまず落ち着いたトーンのバイオームから始まりますが、そこから徐々にプレイヤーをカルコサという狂気の世界に誘っていくように、ビジュアルデザインや色彩表現も過激になっていきます。プレビューでご覧いただいたのは最初の2つのバイオームだけであり、まだ表現も抑えめにしています。そこからカルコサの深部へと進んでいくにつれ激化していく様子を楽しみにしていただければと思います。

 そして最終的には日蝕の存在が、プレイ後まで強く皆さんの印象に残ってほしいという狙いがございます。また日蝕はアート面だけでなく、サウンドにも影響を及ぼします。作曲家サム・スレイターが手がけた音楽が、日蝕により様変わりする様子もぜひ楽しんでください。

――六本の手を持つ敵や、日蝕に入る際の無数の手が集まったオブジェ、壁に埋められている身をよじるような石像などのアートが印象的でした。こうしたアートスタイルは、開発のなかでどのような意図を持って、どのようなインスピレーションを受けてこの形へとできあがっていったのでしょうか?

Simone Silvestri氏:異星の文明、それも日蝕の崇拝を軸とした文明を描くという話になり、そうした文明にマッチしそうな様式として、まず新古典主義(Neo Classicism)に目を向けました。崇拝や神秘主義、壮大な建造物といった特徴を有しているからです。ですが新古典主義の建築はソフトで、親しみやすい印象を与えがちです。

 そこで新古典主義への反動として生まれたイタリア未来派(Italian Futurism)も取り入れました。相反するこれらの様式を組み合わせることで、暴力的で鋭く、それでいて美しいスタイルを構築することができました。カルコサの凶暴な美しさを表すことに繋がったのです。

 そこから日蝕による啓発を受けた文明というのを練り上げていくわけですが、コズミックホラー的な側面も取り入れたく、結果として歪んだ啓蒙とも言うべき、おぞましき文明の有様が浮かび上がってきました。

 このように、新古典主義という私自身がよく理解する様式を土台としながら、さまざまな要素を混ぜ合わせていくことで、本作のアートスタイルを構築していったわけです。

 混ぜ合わせていった要素には、日本のアニメや漫画も含まれています。Housemarqueは奇妙・極端・異質なものが大好きであり、この凶暴ながらも美しい文明を描くにあたり、さまざまなものを組み合わせていきました。

――ストーリーに登場するエリアをすべて踏破すれば、ゲームはいったん終わりという形になるのでしょうか。2周目ならではの要素や、やりこみ要素はありますか?

Gregory Louden氏:ネタバレになるので詳しくは言えませんが、一度ゲームをクリアしたあとも、まだまだ解き明かすべき謎は残される作りにはなっています。


――モディファイアによって難易度を調整できるとお聞きしましたが、さらに難易度を上げることは可能でしょうか。また、難易度を上げることで得られるものなどはありますか?

Gregory Louden氏:「アーマーマトリックス」(スキルツリー)とは別に、「カルコサモディファイア」というゲームプレイの難易度を変更できるシステムを導入しています。モディファイアには、プラスの効果を発揮するプロテクションモディファイアと、マイナスの効果を発揮するトライアルモディファイアという2種類があります。トライアルモディファイアのほうを実行すれば、より高い難易度のゲームが楽しめます。ただしこの機能は、ゲーム体験を自分に合わせてカスタマイズすることが目的ですので、難易度を上げることによる報酬などはありません。

――モディファイアで行える調整内容で、ユニークなものはありますか?

Simone Silvestri氏:変更できるもので特徴的な例としては、永続的な成長システムをごっそりと無効化するものであったり、セカンドチャンス(復活)の無効化だったりというものがあります。モディファイアの用途としては、ゲーム上の困難のどれを維持して、どれを無効化するかを決めるものです。プレイヤーの腕前や好みに応じてゲーム体験の調整を行うものとなります。

――最後に日本のユーザーへメッセージをお願いします。

Simone Silvestri氏:本作は、古きアーケードゲームであったり、日本のゲームやアニメ、マンガなどからも影響を受けております。そうしたエッセンスをゲームをプレイしながら体験していただければと思います。我々が本作に込めた愛を感じてほしいですし、好奇心の赴くまま楽しんでもらえればと思います。

Gregory Louden氏:本作は我々にとって、ドリームチームで作り上げられた夢のプロジェクトです。歯ごたえがあるゲームでありながら、困難を乗り越えたときの達成感を存分に味わえるような、そんなゲームを目指して作りました。奥深いミステリーや、心に残る物語もあります。

 Housemarqueというスタジオはヨーロッパのなかでももっとも日本的な開発スタジオのひとつだと、個人的には思っております。ですので、日本のユーザーの方に楽しんでもらえると幸いです。

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SAROS

  • メーカー:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
  • 対応機種:PS5
  • ジャンル:アクションシューティング
  • 発売日:2026年4月30日
  • 希望小売価格:8,164 円+税

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