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【最終話】『Fate/strange Fake』13話感想。まさか◯◯◯◯が新規映像で見られるとは…! ジェスターの怪演に衝撃のラストシーンまで要素が多すぎて語り尽くせない。果たして2期は来るのか…!?(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 放送中のアニメ『Fate/strange Fake』第13話(最終話)“夢幻は現となりて”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『Fate/strange Fake』13話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

第四次聖杯戦争の各シーンがまさかの再映像化【Fate/strange Fake】


 これまで1クールに渡って放送されてきた『Fate/strange Fake』ですが、ついに第13話が最終回に。ある意味、しっかりと一つの区切りがついた最終回らしさはありつつも「そんなのアリ!?」と思わず叫びたくなる衝撃展開まで、凄まじい情報量の回でした……。

 とにかく何よりも度肝を抜かれたのが、フランチェスカがアヤカとリチャードに対して見せた第四次聖杯戦争の映像ですよね。

 『Zero』を知っているファンとしては、まさか新規作画で第四次聖杯戦争の名シーンの数々を拝めることになるとは思っていなかったです。映像に加えて川澄綾子さんの声が聞こえた瞬間、「本物だ!」とリチャードのようなリアクションをしていました。

 とくに中心に描かれていたのが、『Zero』の中でも印象深かった、アルトリア、ギルガメッシュ、イスカンダルによる聖杯問答のシーン。『Zero』はよくも悪くも『stay night』の前日譚で、その後の士郎との出会いによって救われる展開を際立たせる意味もあり、とにかくセイバー(アルトリア)がかわいそうな目に遭う作品でした。

 3人の王が聖杯を追い求める理由について語り合った聖杯問答もその一つ。聖杯の力で、ブリテンの滅亡をなかったことにしようとするのがアルトリアが聖杯を追い求める理由でしたが、結果イスカンダルやギルガメッシュに論破されたように見えるようになっていたのに、複雑な感情を抱いていたアルトリアファンもいたと思うんですよね。

 厳密には『Fake』での聖杯問答は、『Zero』の時とはまた別物になっているようですが、今回のリチャードの「声が小さかっただけだ」は、まさにその救済になっていて(聖杯問答の時のアルトリアは、メンタル的にもボロボロでしたし)、「よく言ってくれた!!」という気持ちになったアルトリアファンも多いのではないかと思います。

 あえてアルトリアが一番不遇な第四次聖杯戦争だけを見せている(その後の第五次聖杯戦争で士郎と出会っていれば救いがあるわけですから)のは、切り抜き動画みたいな悪意があるな……と思いましたが、リチャードのアルトリアへの解像度はフランチェスカの想定を遥かに上回っていました。

 フランチェスカとしてはリチャードへの精神攻撃をしたつもりだったと思うんですが、残っていた迷いが解消され、結果的に助け舟を出すような形になったのは面白いです(フランチェスカは愉快犯みたいなものなので、それもよしといったところなんでしょうけど)。


 アルトリアたち3人の王による聖杯問答を聞いたことで、3人とは違った王としての聖杯を追い求める理由について答えを見つけるのには納得感もあります。しかしアルトリアとイスカンダルはちゃんと真名で呼んでいるのに、ギルガメッシュだけは最後まで「金ピカ」呼びされていたのは笑いました。

 後半のリチャード復活からの無双は作画も相まってカタルシスがすごかった。今までエクスカリバーの元にするための剣の素材は現地調達していましたが、何もない空間から剣を出せるのも驚きました(ギルガメッシュの王の財宝とは違い、あくまでも一時的に借りる形のようなので、今まで使っていなかったのだと思いますが)。

ジェスターが見せた初めての本気の動揺。橘龍丸さんの演技がすごすぎた【Fate/strange Fake】


 そして、今回リチャードと並んで焦点があたっていたのがジェスターです。

 今までのジェスターって、“死なない”という保険があるからかどこか余裕をもった態度を崩していませんでしたが、ここまで激昂したのは今回が初めてではないでしょうか。

 その一番大きな要因が、死徒二十七祖の1人であるヴァン=フェムに切り捨てられたこと。死徒二十七祖は英霊召喚システムが成立する世界には存在しないとされているんですが、『Fake』だけは例外で、死徒二十七祖とサーヴァントが共に存在する世界になっていることが以前から明言されていました。

 魔術師におけるロードのように、死徒にとっての二十七祖は天上の存在で、しかもジェスターを死徒化したのがヴァン=フェム(『ロード・エルメロイII世の冒険』にも登場)本人らしいんですよね。


 ジェスターは自分が死徒であることに誇りをもっているようなので、その自分を死徒にしてくれたヴァン=フェムは大恩人として認識しているのは想像に難くなく、その存在から自分を否定されるというのは、ジェスターにとっては何よりも耐え難いことだったのでしょう。

 人類史を全否定するスタンスを取るなら英霊も全否定しろ、というヴァン=フェムの指摘は実際もっともで、人類史によって作られた聖杯戦争に参加する時点ですでに矛盾してしまっていた感もあり、ジェスター自身としても反論の余地がなかったのでは。

 しかし、ヴァン=フェムに捨てられたあとのジェスター役の橘龍丸さんの演技が本当にすごかった。「そうか。私も捨てられたか……これでお揃いだな」のあとの、「愛しのアサシンよ」と口にする声色の変貌っぷりには本当にゾクっとさせられました。

 個人的に、キャスト陣の熱演というところでは、『Zero』でのジル・ド・レェ役の鶴岡聡さんの、怪演と呼ぶに相応しい演技がシリーズの中でもとくに印象深かったんですが、『Fake』のジェスターもそれに匹敵するくらいのインパクトがありました。

 元々こういうぶっ飛んだ悪役が好きなのもあるんですが、橘さんの熱演でジェスターというキャラクターの存在感や魅力が間違いなく激増していると感じます。

椿とシグマの切ない結末。そしてフラットがまさかの…?【Fate/strange Fake】


 そして言及しないわけにはいかないのが椿とシグマについてのエピソード。

 12話で椿の背景が語られたことで、一気に救われて欲しいという気持ちが強まったタイミングだっただけに、この結末は辛かった。世界の滅びは防がれたものの、それは椿がただただ良い娘で、自己犠牲という道を選んだが故で、シグマたちは結局ほとんど何もできなかったんですよね。

 せめてもう少し長く交流ができていれば、この夢の世界の中でも椿に何らかの救いを与えられていたかもしれませんが、そんな時間はなく、初めての友達だと思っていたジェスターも、自分を騙していたと気付いたわけですから、あまりにも救いがない。

 そこに追い打ちをかけるように、両親は椿の腕だけを切り落とそうとする始末。なんでこの両親からあの善性の塊のような子供が生まれたんだ……という疑問は湧いて来ますが、結果それがシグマの地雷を踏み抜いてしまい、悲惨な末路を遂げることに。これほど“自業自得”という言葉が似合う最期もないですが。

 しかし、椿にとってはどんなに自分に酷いことをしても両親は大切な存在だったことに違いはなく、両親がいないシグマ自身と同じ立場に椿をしてしまったのも、なんとも切ないです。ここから椿が目を覚ますというのは聖杯でも使わない限り難しそうですが、仮に目を覚ましたとしても、椿の肉親は誰もいないわけですからね……。

 放送終了後に公式から公開されたイラストがある意味一番の救いになったかもしれません。おそらくペイルライダーだけが、最初から最後まで一貫して椿の味方だった唯一の存在なんですよね。


 仮にこの場面に出くわしていたのがアヤカだったとしても、おそらく代わりにリチャードが2人を殺していた気がしますし、偽のアサシンの場合も同じでしょう。ちょっとしたタイミングの違いで、シグマ自身が手を下さざるを得なくなったのも切ないところです。

 そして、何よりも衝撃だったラストシーンでまさかのフラットの死亡。

 フラットって『Fate』シリーズを通していろいろな作品に出てくる名物キャラでもあり、ある種「こいつは死なないだろう」という安心感がある存在だったので、頭を狙撃されるシーンはちょっとショッキングすぎました。


 もっともファルデウスが聖杯戦争の収拾をつかなくさせている存在を排除したいのであれば、フラットよりも優先して排除した方がいい人たちがゴロゴロいるような気がしますが。

 ただ、フラットの知り合いだったヴァン=フェムが一切感情を乱さず偉業の達成を祝福している上、明らかにまた新しい異常事態が発生しているようなので、結果ファルデウスは自分の首をさらに締める形になったのでは……という予感もしています。

 これでアニメは放送終了となるんですが、そもそも原作が完結していないのもあって、物語の完結まではいかないことは事前に予想できていたんですが、最終話ではアヤカ、シグマ、ジェスターの3人が今回の聖杯戦争に関するスタンスを明確にした形となり、想定していた以上に綺麗な区切りを迎えられたのではないかなと。

 やっぱり気になるのは、本格的に聖杯戦争が始まりそうなこの先の展開の続きの映像化はどうなのかというところですよね。

 待ち望んでいた2期の発表こそありませんでしたが、この放送終了のタイミングで新たなキービジュアルが公開され、ポストには「to be continued.」とも書かれています。これはもう、期待するなと言われる方が無理がありますよね……!


 『FGO』とのコラボも決定し、まだサーヴァントの大半が未実装なので、一体誰が来るのかも楽しみ。アニメは一旦放送終了を迎えましたが、まだまだ『Fake』への熱量は続いていきそうです。

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担当者プロフィール

  • 米澤崇史

    米澤崇史

    ロボットアニメを愛するライター。 フリーランスの専業ライターとして10年以上活動。複数のアニメ・ゲーム系のWebメディアでコラムやインタビュー記事を担当し、書籍では主に攻略本・ムック本のライティングに多数関わる。ゲーム会社在籍時は企画・プランナーとしてゲーム開発にも参加。 幼少期からゲームに触れ、主にRPG・SRPG・アドベンチャーゲームを中心にプレイし、とくに好きなのは『テイルズ オブ』シリーズや『Fate』シリーズ。ガンダム系のゲームも好み、『スーパーロボット大戦』や『ジージェネレーション』シリーズはほぼ全作プレイ済の大のファンで、人生のベストゲームは『スーパーロボット大戦α』と『ジージェネレーションF』。

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