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『兵站将校は休みたい』しろうるり×『オルクセン王国史』樽見京一郎対談【後編】。樽見先生に戦場の生々しさを感じさせたのは意外過ぎる“アレ”の臭いだった

文:米澤崇史

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 5月15日に掲載した前編に続き、しろうるり先生&樽見京一郎先生の特別対談後編をお届けします。


 軍隊における裏方である兵站(へいたん)業務に焦点を当てた、しろうるり先生が描く異色のファンタジー小説『兵站将校は休みたい』。その書籍版1巻が2026年5月29日に発売されることを記念して実施されたこの対談。

 前編では、2人が作品における重要な要素として“兵站”にスポットを当てた理由などを語っていただきました。後編ではどのようなお話が展開するのでしょうか? お2人のファンはぜひごらんください。

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軍事用語を扱ううえで意識したこと【兵站将校は休みたい×オルクセン王国史 対談】


――どちらの作品も軍事的な専門用語がたくさん出てきます。読者を意識して工夫していることはありますか?

しろうるり
自分の場合、「ごめん、これはわかって」って感じで、半分くらいは諦めてしまっているところがあります(笑)。

 設定については、設定そのものをただ出すのではなくて、お話のうえで必要なところであったり、できるだけ自然なところで出すようには心がけています。

――確かに、必要なところだけを説明されているなという印象は受けました。

しろうるり
割と不親切な書き方だなという自覚はあるんです。とはいえ、あんまり説明ばかりになってしまうのはマイナスですし、そもそもストーリーを理解するために絶対にその設定が必要かというと、そうではない場合が多いんですよね。

 絶対に必要なことは後で説明するから、わからない人はわからないままで、説明があった時になんとなくの雰囲気で理解してもらえれば……みたいなスタンスで書いています。

樽見
私の場合、とにかく「地の文が長い」と言われるので、意外に思われるかもしれませんが(笑)、極力その場に必要なことしか説明しないように気をつけています。

 そのうえで意識したのが、レイヤーを順番にやっていくこと、さらにそのレイヤーの中で、PDCAサイクルを回していくということです。

 最初の頃、演習などをしている部分は計画の“P”、実際に軍隊が動き出すのが実行の“D”です。その後は結果を検証するチェックの“C”、最終的にそれにあわせて改善を行うアクションの“A”、これを順番に回していこうと。

 実は今コミカライズは演習のあたりで、オルクセン軍の優秀さを示すような展開が描かれているんですが、このあたりは“C”にあたる部分で、「勝った勝った」と思ってくれたら、私としてはしてやったりなんです(笑)。今後の失敗に向けた種を、あの演習の中にたくさん撒いてあります。

しろうるり
僕は書籍版を追いつつコミカライズも楽しんでいるんですけど、まさに今、樽見先生の手のひらで転がされているところです(笑)。

樽見
これは普段の仕事でもそうなんですけど、勝っているうちは失敗に目が行かないんです。

 失敗が目立ち出すのって、負けてからなんですよ。でも、それから修正しても間に合わなくて、勝っているうちからやっておかないと勝ち続けられないんです。『オルクセン王国史』ではそのあたりを書きたかったんです。

――樽見先生はかなり最初の頃から終わりまでの構成を考えられていたような感じだったんでしょうか。

樽見
そうですね。『オルクセン王国史』は書籍の1巻部分を書き始めた時ぐらいから、もう2巻までの内容はほぼ完璧に固まっていて、2巻の冒頭を書いている時には最後のオチまで見えていました。なので、そこらへんに伏線をたくさん張っています。

――『兵站将校』は、執筆する前にプロットをどれくらい固められていたのでしょうか?

しろうるり
基本的には1章分の話についてはプロットを完成させてから書き始めています。

 ただ『オルクセン王国史』と違って、『兵站将校』の場合は物語を通して一つの大きなプロジェクトをやり遂げるっていうストーリーではないんですね。その時起こった問題を一つずつ対処していく流れなので、基本的には全体ではなくエピソード単位でプロットを作っています。

 一応、『兵站将校』は現場寄りの話として最後まで書きたいなと思っているので、あくまで現時点のイメージですが、レフノールが現場から離れるような昇進をすると、多分そこで話が終わるんだと思っています。

――なるほど、確かにそれは納得がいきます。

しろうるり
今はいわゆる現場での中間管理職的な仕事をしているわけなんですけど、そこから完全にマネージャーみたいな立場になってしまうと、元々書きたかった話の趣旨から外れてくるので。そんな感じに話を畳むことになるんじゃないかなという、ぼんやりした終わらせ方のイメージは自分の中で持っています。

『オルクセン王国史』の戦争の流れはゲームのチュートリアルを意識していた【兵站将校は休みたい×オルクセン王国史 対談】

――戦闘シーンについては作品の中のどんな要素として位置付けていますか?

しろうるり
『兵站将校』はお仕事小説である一方で、戦記ものとしても書いているので、やはり戦闘シーンはわかりやすく盛り上がるポイントとして書いています。

 とはいえ、基本的に主人公の本来の業務ではないので、自ら戦闘に参加するのではなく、もらい事故のような形で巻き込まれるようにすることを意識しています。

――戦闘だとレフノールへの印象が少し変わりますよね。普段の兵站の仕事をしている時は完璧といっていいくらい有能なのですが、戦闘になると少し頼りない部分が出てきて、そのギャップが結構面白いなと。

しろうるり
個人的には、能力に凸凹があるほうが主人公らしいと思っているんです。

 レフノールは本来の業務をやらせている限りは基本きちんとやってくれるし、本来業務じゃないところでもそれなりに定石を踏んだ対応はできます。でも、周りにはもっと頼れる連中がいっぱいいるので、そういった人材を適材適所に配置して、一緒に問題を解決してもらうキャラクターとして設定しました。

樽見
戦闘シーンは、『オルクセン王国史』では先ほど話したPDCAサイクルのうち“D”の部分だけにあたるので、そこがメインになりすぎないようには意識しました。そこでうまくいくこともあれば、失敗することもあるという、ある種の結果が一番浮き彫りになる場面でもあるので、盛り上がるところなのは間違いないですね。

 ただ、実は戦闘シーンを書くこと自体『オルクセン王国史』が初めてだったんです。なのでとても緊張しながら書いていました。

 特にミリタリーがお好きな方は非常に詳しい方が多いイメージもあったので、そういった方々のお眼鏡にかなうように、突っ込まれやしないかなと内心ビクビクでした(笑)。

 あとは、たくさん映画を見たり本を読んだりしながら、元ネタがすぐにバレないように、何か1つのものがモデルにならないように、複数混ざるように気をつけて書きましたね。「この戦いは何が元ネタなんだろう?」と考えてもらうのも一つの楽しみになるかなと。

――どちらの作品も戦闘規模が大きいので、地形や部隊編成などいろんな情報を整理しながら書く必要があると思います。小説を書く時に図や表を作ったりといった工夫はされましたか?

しろうるり
『兵站将校』の場合は、地形は基本局地的なものしか出ていないので、ポイントポイントで矛盾が出ないようにさえしておけばオッケーっていう、割といい加減な感覚でやっていますね。

 一方で部隊編成は制度の話になるので、そこそこかっちりと決めていて、スプレッドシートにまとめています。それを見れば、各軍団がこういう単位で編成されていて、大体何人ぐらいの規模かがわかるようになっています。

 『兵站将校』では、一番大きい部隊の単位が“軍団”なのですが、それは4000人ぐらいとか、その下にどういう部隊が配置されているかみたいな。そのあたりは一応図も作って、「この部隊にはこういう人たちが随伴しているんだよ」っていうのは、出てくる出てこないに関わらず自分の中ではイメージできるようにしています。

――そのあたりの設定には、どれくらい現実をモデルにされているんでしょうか?『兵站将校』の軍隊は結構近代的な仕組みになっている印象も受けました。

しろうるり
かなりごちゃ混ぜなんですよね。主には、ご指摘のとおり近代的な軍隊の要素と、“軍団”というのは共和政ローマのレギオンから引っ張ってきていたり。他にもいろんな時代がごった煮なんですけど、自分が扱いやすそうな規模の部隊の切り分けが、できるだけ自然に感じられるように設定を固めていきました。

――『オルクセン王国史』はいかがでしょうか?

樽見
『オルクセン王国史』の場合は、規模がとても大きな戦いを書くことが多かったので、全体の編成表に加えて、あとメモ書きでも地図を用意して、それに書き込みながら執筆していました。

 あとは、実は私は『オルクセン王国史』を書くまで陸軍のこと全く知らなかったので、いろいろなことを勉強しながら書いていたんですが、たくさん本を拝読した中から「これはわかりにくいな」と思った表現はなるべく外すようにしました。

――例えばどのような表現でしょうか?

樽見
戦争モノでは、政治ではなく方角的な意味で「右翼」「左翼」って言葉を使うのが一般的なんです。これは自陣営からみたらすごくスッキリするんですけど、相手側から見ると逆になるんです。これを視点が変わる小説でやったらものすごく混乱すると思ったので、あえて左右ではなく東と西のような方角で表現するようにしました。

 もう1つは、戦闘の規模を徐々に大きくしていくことです。最初の5千人規模の演習から始まって、次は1万、次は3万、最終的には10万規模といった具合に大きくしていって、それぞれで階段を上っていくように説明するので、最終的な10万規模の戦いでは説明をあまり書かなくても良いような作りにしたんです。

――なるほど。そう聞くと、ゲームのチュートリアルみたいですね。

樽見
はい、まさにゲームのチュートリアルを思い浮かべながら書いていましたね。私自身が本当に陸軍の知識が薄くて、他作品を読む時も苦労したんです。逆に言うと、自分が悩んだことは軍事に詳しくない読者の皆さんも悩むところだろうと考えていたので、そのあたりはなるべくわかりやすくなるように気を使いました。実際そうなっているかはともかくとして(笑)。

しろうるり
いや、うまくいっていると思いますよ。実は対談させていただくにあたって予習をしようと思って、今日『オルクセン王国史』の6巻を読み返したんです。まさにその10万対10万の戦争をやっているところなんですけど、なぜかするっと読めちゃう。これはすごいなと思います。

2人が考える戦記ものの“ロマン”について。そして樽見先生はあるものの臭いに戦場の生々しさを感じていた【兵站将校は休みたい×オルクセン王国史 対談】

――それぞれの作品に対して、特に具体的にすごくよく作られているなと感心した部分はありますか?

しろうるり
「作り込まれている」という話なら、本当に「全部」と言いたいくらいです(笑)。

 具体的に挙げるなら、大規模な戦略や作戦の領域における「四次元的」な――時間軸も含めた整理ですね。部隊がどこでどうぶつかるかだけでなく、時間の経過とともに部隊の配置や戦場がどう動いていくかという全体の動きが、最初から最後までしっかり構築されているのは本当にすごいなと。

 そういった土台があるからこそ、樽見先生が描く兵站の困難さや、想定外の場所から現れる敵軍といった展開が、説得力を持って立ち上がってくるのだと思います。すごく憧れている部分ですね。

樽見
私は逆に、しろうるり先生の作品を拝読して「戦場の匂い」を感じられるところが素晴らしいと思いました。私があまり書けなかった視点でもありますから。

 帯にも書かせていただきましたが、作中に出てくる“ピクルスの臭い”という表現なんかは最高ですよね。あそこは佐藤大輔先生がお好きなんじゃないかなと感じたポイントの1つでもあります。戦場の匂いや、土にまみれている感じ、泥の匂いが伝わってくる。こういった現場の生々しい部分は、私が掘り下げたくてもなかなかできなかった部分ですので、とても憧れました。

しろうるり
大変恐縮です……! ありがとうございます!

――お2人の小説を読んで、「自分も戦記ものを書きたい」と思う人はたくさんいると思います。戦記小説を書くうえで、一番大事なことは何だと思われますか?

しろうるり
自分自身、それがわかれば苦労しない……というのがまず前提にあります(笑)。

 そのうえで、自分自身が書いてみてわかったのは「エピソード中心だと自分には書きづらい」ということで、自分は極力キャラクターを中心に据えたいと考えています。

 軍や部隊の動き、個々の戦場でのエピソードなど様々な要素がありますが、自分が書きたいのは登場人物が「何を見て、何に悩み、どう決断し、どのような結果を得て、それをどう受け止めたか」のほうなんです。とても難しいことですが、最終的にはそういうお話が書きたいと思いながら小説と向き合っています。

樽見
私も悩みながら書いている身なので、とても人にアドバイスできるような立場ではないですが……。

 1つ思うのは、あくまで私個人のやり方として、本を読んで勉強することも大事なんですけど、「映画をたくさん見たほうがいい」ということですね。

 例えば練習として、映画のワンシーンを文字に起こそうとすると、わからない用語が大量に出てきて、「これは一体なんていう道具なんだ?」「この人たちはなぜここで一斉に伏せるんだ?」みたいな疑問が出てくる。そこから調べていくと、わかることが増える一方で、また新たな疑問もたくさん出てきます。

 そうしたインプットの繰り返しが必要なので、映画や記録映像など「映像で何かを見る」というのはすごく大事なことだと感じました 。戦闘シーンだけでなく、さまざまな面で勉強になると思います。

――戦記ものに対してお2人が感じる“ロマン”とはどんな部分でしょうか?

しろうるり
戦争という極限の状況下で現れる「人間性」がすごく好きですね。人の綺麗なところや醜いところ、善性、知略、勇気、あるいは極限状態ならではのユーモアなど、いろいろなものが出てくると思います。

 個人的に、史実の戦史だと背後にものすごく悲惨な現実があることがわかっているので、それを純粋に楽しむのには後ろめたさみたいなのがあるんですよね。一方でフィクションであれば、そこを遠慮なく楽しめてしまう。それがフィクションの戦記もののいいところであり、ロマンだと思っています。

樽見
そうですね、私が言いたいこともほぼすべてしろうるり先生に言っていただいたなと(笑)。

 まさに、極限状況での“人間の生き様”こそが歴史や戦記の魅力だと私も思います。人間のいいところも醜いところも、すべてがむき出しになるのが戦争ですから。そこを作品の魅力として描き出せればと思いながら執筆していますが、同時に「現実の悲惨な出来事をモチーフに扱っているんだ」という真摯な気持ちは常に忘れずに向き合っていきたいと思っています。

――『オルクセン王国史』のコミカライズ版でも、かなり悲惨なシーンも描かれていて、「お昼時にはちょっと読めないな」という生々しさもありました。

樽見
あそこを避けずに原作どおりに描いていただけたことには、私としては本当に感謝しています。フィクションであっても、ああいった悲惨さから逃げないことも戦記ものの重要なポイントだと思っているので、しっかりと描いていただけたのは本当に嬉しかったですね。

影響を受けた作家・ゲーム。納得のラインナップから意外な作品の名前も…?【兵站将校は休みたい×オルクセン王国史 対談】


――先ほど佐藤大輔先生のお名前が出ましたが、他にも影響を受けた作家はおられますか?

しろうるり
そうですね……『兵站将校』に限らずというところで言えば、歴史小説の塩野七生さんでしょうか。特に『コンスタンティノープルの陥落』や『レパントの海戦』とかは、『ローマ人の物語』よりも自分は好きでしたね。

 あとは、自分では意識はしていないものの、無意識に影響を受けているだろうなと思うのが『銀河英雄伝説』の田中芳樹さん、『海の史劇』や『戦艦武蔵』の吉村昭さんあたりかなと……見事にライトノベルがないですね(笑)。

――確かに(笑)。ライトノベルはあまり読まれなかったんでしょうか?

しろうるり
そうなんです。いわゆるライトノベルを読むようになったのは、それこそ自分で小説を書き始めてからで。ただTRPGは好きだったので、その延長線で『ロードス島戦記』や『ソード・ワールド』の短編集は読んでいました。その後は四半世紀くらいスッポリとブランクが空いて、最近また読み始めているような形ですね。

樽見
戦記ものというところで言えば、執筆にあたって勉強する目的もあって、光人社NF文庫の作品を大量に読みました。先ほど名前が挙がった吉村昭さんもその系統だと思いますが、とにかく実体験のある方々の戦記ものをなるべく読むようにしましたね。

 やっぱり、経験者の書くものは違うんですよ。「戦場でどんな苦労をしたか」といった匂いの話にしても、経験していないと絶対に浮かばないような感想が書かれていますから、そういったところで勉強させてもらいました。

 戦記もの以外に目を向けると、歴史小説では司馬遼太郎先生が昔から好きで、『オルクセン王国史』でもオマージュ的なことも何度かやらせてもらいました。もうちょっと枠を広げると、池波正太郎先生のファンで、特にご飯を食べるシーンが大好きなんですよ。間違いなく『オルクセン王国史』の食事シーンは池波先生から大きな影響を受けています。

しろうるり
『鬼平犯科帳』とか有名ですよね。

樽見
そうですね、『鬼平』とか『仕掛人・藤枝梅安』、あとは『剣客商売』とかですね。池波先生から学ばせていただいたのは、「料理はその料理自体が魅力であると同時に、料理のシーンにいろいろな役割を持たせることができる」ということです。

 江戸時代であれば、料理の素材で季節感を出せる。例えば、昔はトマトは夏しか採れませんでしたし、ナスは秋のものですから、食事を通して四季を表現できる。そういったエッセイを拝読した時に、料理ってすごくたくさんの魅力が出せるものなんだなと気づいて。なるべく『オルクセン王国史』でもそういうことができるように意識しました。

 あとはノンフィクション作家の小島襄先生とか、フランスのエミール・ゾラが好きです。19世紀のフランス文学は本当に深くて、「なんでそんな細かいことまで書くんだ」と思うくらい(笑)。私自身が細かいことを書きたがるのは賛否両論あると言われますが、その作風は間違いなく19世紀フランス文学からの影響ですね。

――TRPGの話題は出ましたが、デジタルゲームで好きなタイトルはありますか?

しろうるり
すごいオールドゲーマーの匂いしかしない回答になってしまうんですけど、『ウィザードリィ』とか大好きでした……というか、今でも好きです(笑)。

 いわゆるウォーシミュレーション系も結構遊んでいて、特に工画堂スタジオさんの『パワードール』がすごく好きでしたね。比較的最近のものだと、Paradox版の『バトルテック』とか。元々のボードゲーム版もやっていたんですけど、それのデジタルゲーム版にもハマりました。

 あと『ウルティマオンライン』とか、最近はちょっとやる時間がなくなってしまったんですが、『艦これ』も遊んでいました。『スプラトゥーン』は一時期は家族でワイワイやっていましたが、ただ、今出ている『3』は私はやっていなくて。今は娘と妻が遊んでいるのを脇で見ている感じで、多分、娘のほうがもう私より上手くなってしまったと思います(笑)。

――『ウルティマオンライン』ではどんな職業をやられていたのでしょうか?もしクラフト(生産)的なポジションをやられていたのだとすれば、『兵站将校』にはその影響もあるのかなと。

しろうるり
確かに、言われてみるとそういうキャラクターを作って遊んでいたなと思い出しました。自分で鉱石を掘ってきて鎧を作るところまで、生産工程を全部1人でやれるようなキャラを作ったりしていましたね。

――樽見先生はいかがでしょうか。

樽見
私の場合、振り返ってみるとセガサターンとか初代プレステの世代なんですが、その頃によくやっていたのは『大戦略』ですかね。最近、鈴木(貴昭)先生の『ガルパン』のコメンタリーを聞いていて、「当時のおまけを私が作っていたんだよ」とあってびっくりしたんですが(笑)。

 あとは各家庭にパソコンが出回り出した最初の世代でしたので、PCゲームで言うと、アイマジックさんが出していた『メビウスリンク』という艦隊戦シミュレーションゲームをやっていました。『パワードール』と同じぐらいの時期のゲームですね。

しろうるり
名前は聞いたことがあります!

樽見
PCゲームなら、『ブリッツクリーグ』とか、いわゆるパラドックス系のタイトルもやりました。他は『トータルウォー:ナポレオン』とか、日本の幕末を舞台にした『トータルウォー:ショーグン』とかですね。

 コンシューマー機なら、コーエーテクモゲームスさんの作品はずっと好きでした。『信長の野望』シリーズはもちろん、『真・三國無双』や『戦国無双』などのアクション系もやっていました。

 あとオンラインゲームで言うと、私は『大航海時代 Online』をかなり長い年数やっていました。あれもまた、資材を採集して1から鍛冶をやったり、丸太を切ったり、お酒を作ったりといろんなものが作れるんですよね。時間のかかるコツコツ系のゲームが好きみたいです(笑)。

――『大航海時代 Online』で、どの職業をやられていたのでしょうか。

樽見
一応「船大工」はカンストしていて、船大工のカンストキャラと、軍人キャラの2人を育てていましたね。ただ、アメリカ大陸まで行けるようになった時期くらいにプレイヤーとしては引退してしまったのですが。

――なるほど。「軍人」という線もあるかなと思ったのですが、やはり商人・生産系だったのですね。

樽見
私、海沿いの生まれなんですよ。ですので、元々『オルクセン王国史』で描いた陸軍よりも、実は海のほうが好きでして。それで船大工をやっていましたね。

――ありがとうございます。最後に、読者に向けてお2人からメッセージをいただければと思います。

樽見
『オルクセン王国史』は、本当に皆さんに愛していただいてここまで来ることができました。なんとか完走できるように頑張りますので、これからも応援のほどよろしくお願いいたします。

しろうるり
長らくお待たせして申し訳ありません! ようやく『兵站将校は休みたい』を本にすることができました。

 加筆改稿した部分であったり、野上先生にご提供いただいた挿絵であったり、いろいろなところがWeb版から積み増されているので、ぜひお手に取っていただければと思います。

 こうやってグスタフ陛下のお力をお借りすることもできましたので(笑)、あとは本当に、どうか売れてくださいと願うばかりです。ぜひ『オルクセン王国史』をお楽しみの皆様も、もうちょっとミクロな戦場の裏方のお話をご覧いただければと思います。

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担当者プロフィール

  • 米澤崇史

    米澤崇史

    ロボットアニメを愛するライター。 フリーランスの専業ライターとして10年以上活動。複数のアニメ・ゲーム系のWebメディアでコラムやインタビュー記事を担当し、書籍では主に攻略本・ムック本のライティングに多数関わる。ゲーム会社在籍時は企画・プランナーとしてゲーム開発にも参加。 幼少期からゲームに触れ、主にRPG・SRPG・アドベンチャーゲームを中心にプレイし、とくに好きなのは『テイルズ オブ』シリーズや『Fate』シリーズ。ガンダム系のゲームも好み、『スーパーロボット大戦』や『ジージェネレーション』シリーズはほぼ全作プレイ済の大のファンで、人生のベストゲームは『スーパーロボット大戦α』と『ジージェネレーションF』。

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