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『幻水』はやはりドット絵表現がベストだと再認識。物語、システムともに死角なしの丁寧な作りで手触りよし!!【幻想水滸伝 STAR LEAPレビュー④ナンバリング全作クリア済:おすすめ度9点】

文:編集O

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 コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)の『幻想水滸伝 STAR LEAP』。現在電撃オンライン編集部では、待望のシリーズ最新作の先行プレイレポートを、複数人の視点でお届けする企画をお届け中。

 今回は『幻想水滸伝』シリーズのコアファンで、なによりも“遊びやすさ”の充足を重視するゲーマーのプレイ感想をお届けします。

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※この記事には『幻想水滸伝 STAR LEAP』のネタバレが含まれます。

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驚くほど豊かなドット絵表現!「これぞ幻水!!」という魂を感じるグラフィック【おすすめ度:9点】


 情報が更新されるたびに、緻密に描き込まれた美しいドット絵で、画面の中を生き生きと動くキャラクターたちの姿に惹き込まれていた自分。

 昨今のゲーム市場では、最新技術を用いたリアル頭身の3Dグラフィックが主流となっています。もちろんそれもひとつの進化の形ですが、自分を含めた『幻想水滸伝』シリーズのファンにとって、あの温かみがありながらも記号化されたドット絵表現こそが、シリーズのアイデンティティとして強く脳裏に刻まれているのではないでしょうか。


 だからその路線を真っ向から引き継ぎ、さらに現代のクオリティへとブラッシュアップして新作を作ってくれたKONAMIさんには、感謝の言葉しかありません。


 そんな本作のドット絵表現は、単に“なつかしい”というレベルに留まりません。「まさかこんな細かい仕草までドットで表現しているの!?」と、プレイ中に何度も驚かされるほど、そのパターンは豊富です。

 キャラクターが笑う、怒る、落ち込むといった感情の起伏はもちろん、日常の何気ない動作や、イベントシーンでのコミカルな掛け合いまで、すべてがドット絵のアニメーションによってにぎやかに表現されています。

▲吹き出しのセリフは複数人が同時にしゃべることもあり、ライブ感があります。

 この豊かな表現力があるからこそ、怒りや悲しみといった感情が爆発する“シリアスで重厚なシーン”ではキャラクターの覚悟が痛いほど伝わり、逆に道中で繰り広げられる“コミカルでクスッと笑えるシーン”では、最高に見ごたえのあるエンターテインメントに仕上がっています。


 そしてドット絵だからこそプレイヤーの想像力が刺激され、キャラクターたちがより一層魅力的に生きるのだと、あらためてこの表現の偉大さを実感させられました。

3Dとドットが融合した美しい街並みと、圧倒的な生活感


 キャラクターたちが歩む舞台となる街やフィールドは、美しい3Dグラフィックとドット絵を組み合わせたハイブリッドな作りになっています。これが非常に見事で、2Dの良さを残しつつも、世界の広がりや奥行きがしっかりと表現されているのです。


 開発陣の妥協なきこだわりは、街の隅々にまで行き届いています。建物の質感や配置、自然の描写などはどこを切り取っても美しく、文字通り“描き込まれている”という表現がぴったりです。


 さらに素晴らしいのが、街を行き交う住民の多さです。多くのNPCがそれぞれの生活を営んでおり、街全体から活気とにぎやかさがダイレクトに伝わってきます。“ただの施設が並ぶメニュー画面のような街”ではなく、そこに人々が生きて、文化があることを実感できる、まさに『幻想水滸伝』の世界そのものがそこに広がっていました。

意表を突かれた“故郷の復興”と、シリーズの伝統を感じる物語の山場


 RPGにおいて最も重要と言っても過言ではないストーリー展開ですが、本作の物語の山場の作り方は、まさに「これぞ幻水!」と膝を打ちたくなるような、シリーズらしさに満ちあふれています。

 運命に翻弄されながらも、自らの意志で仲間を集め、巨大な存在に立ち向かっていくあの高揚感が、本作でも見事に描かれています。

 一方で、物語の導入や設定には新鮮な驚きもありました。本作では「故郷を復興して本拠地にしていく」という流れが軸のひとつになっているのですが、これが「なるほど、そういう設定で攻めてくるのか!」と、良い意味で意表を突かれました。


 これまでのシリーズにおける本拠地といえば、放棄された古城や廃砦、あるいは船などを改造していくイメージが強かったのですが、本作の“自分たちの手で故郷を蘇らせる”という目的は、キャラクターたちの動機としても非常に感情移入しやすく、プレイのモチベーションを大きく高めてくれます。

破格のコストが投じられたフルボイス仕様! 歴代キャラまで喋る脱帽のクオリティ


 物語への没入感を深める上で、現代のゲームにおいて必要不可欠とも言えるのがキャラクターボイスです。本作はこの点においても、拍手を送りたくなるほど凄まじい力が入れられています。

 なんと、メインストーリーはフルボイスで進行します。ドット絵の細やかな芝居に実力派声優陣の熱演が合わさることで、ドラマの緊迫感やエモーショナルな場面の感動は文字通り何倍にも膨れ上がります。


 これだけでも驚きですが、自分が本当に脱帽したのは、本作で新たに登場する『幻水SP』の108星たちはもとより、ガチャなどで仲間になる“歴代のシリーズキャラクター”たちにも、個別に専用のボイスが用意されているという点です。

 シリーズ1作目からプレイしているファンとしては、あの思い入れの深い好きなキャラクターたちが、最新の環境で、しかも個別のボイス付きでしゃべってくれるというだけで、胸が熱くなりテンションがMAXに!

 もちろん、ボイスは会話シーンだけでなく、戦闘中にもふんだんに用意されています。技の名前を叫ぶ声、仲間を庇う声、勝利を喜ぶ声……これらが戦闘のテンポのよさと相まって、脳裏に強く印象を刻み込んでくれます。


 いったいどれほどのコストと時間をかけてキャスティングや収録を行ったのか……、KONAMIさんの本気度とシリーズへの愛に、ただただ圧倒されるばかりです。

ゲオルグやオデッサが序盤から登場! 新旧キャラの完璧なバランス


 本作は、シリーズを愛し続けてきたファンへのサービス精神に満ちあふれています。物語の序盤から、シリーズファンにはおなじみのゲオルグやオデッサといったキャラクターたちが次々と顔を見せるのです。

 彼らが画面に登場し、物語に関わってくるのを見た瞬間、「ああ、自分はいま、間違いなく『幻想水滸伝』の完全新作を遊んでいるんだな」と幸せな気持ちに包まれました。


 あと、なじみの場所や設定もガンガン飛び出すため、シリーズプレイヤーであればニヤリとさせられるシーンの連続です。

 しかし、本作の本当に恐ろしいところは、そんななつかしさだけに頼っていないという点。本作のオリジナルキャラクターである『幻水SP』の面々が、歴代のレジェンドキャラクターたちを食ってしまうほど、強烈な存在感と魅力を持っているのです。

「よくここまで差別化しているな」と感心させられるぐらい、“キャラ立ち”がしっかりした形で描写されており、プレイを進めるごとに「本作のキャラが良すぎる……!」と、どんどん魅了されてしまいました。

 その結果、お気に入りのシリーズキャラをパーティに入れたいのに、本作のキャラクターたちへの愛着も深すぎて、パーティ編成の枠がまったく足りないというジレンマに悩まされることに(笑)。まあ、この時間がメチャクチャ楽しいんですけどね!

 ちなみに、お気に入りのキャラクターはシーリーン。自分は元気な幼なじみ系の女の子に弱いので、彼女はまさにドンピシャでした。


 ファイルーズあいさんの演技がまたいいんですよ~。あと、奥義「里の幼馴染攻撃」が使い勝手がよく強力な点もGOOD♪

想像以上の“コンシューマRPG”感! 快適性を極めた移動システム


 本作のプラットフォームはスマートフォンがメインのため、プレイ前は「ポチポチ進めるだけの、いわゆる簡易的なソーシャルゲーム風のシステムになっているのではないか」という懸念を抱いている方もいるかもしれません。しかし、その心配は完全に杞憂です。

 実際にプレイしてみると、ダンジョンやフィールドの探索・移動がしっかりと用意されており、想像以上に従来の“コンシューマRPGのフォーマット”を踏襲していることがわかります。

 街を歩き回り、ダンジョンの宝箱を探し、敵とエンカウントする。この手触りは、自分が夢中になった『幻想水滸伝』そのものであり、新作を待ち望んでいた身としてはこれ以上ない喜びでした。

 その一方で、現代のゲームとして“徹底的な快適さ”が追求されているのが本作の大きな特徴です。特に移動周りの親切さは目を見張るものがあります。

 広大なフィールドやダンジョンであっても、目的地まで自動でキャラクターが走ってくれる“オート移動”の使い勝手が抜群に良く、迷子になったり移動をストレスに感じたりすることがありません。

 また、広大な街の中にはいくつかの“ランドマーク”が設置されており、一度訪れればファストトラベルで行き来が可能です。

 さらに、このランドマークを選択した際に表示される解説テキストが秀逸で、その場所の歴史や文化といった“世界観の補足”になっており、読み物としても非常に楽しめます。


 利便性を高めつつ、世界のフレーバーをより深く味わわせるという、開発陣のスマートな設計が光るポイントです。

鉄板の“本拠地システム”と、爆速テンポで爽快感抜群のバトル


 仲間が増えることで、自分たちの本拠地に新しい施設が解放され、機能が拡張されていく――。これぞ『幻想水滸伝』シリーズの鉄板であり、最大の醍醐味でしょう。

 本作でもそのサイクルは健在で、仲間をスカウトし、本拠地がどんどん大きく、にぎやかになっていくプロセスは、一度味わうとやめられない中毒性があります。

 そして、RPGの要である戦闘システムですが、こちらも驚くほどテンポよく設計されています。コマンドバトルの戦略性を残しつつ、戦闘スピードは非常にスピーディ。オート機能も賢く、通常の敵との戦闘であればサクサクと一瞬で終わらせることができます。


 さらに個人的に高ポイントなのが、過去作のような“紋章の使用回数制限”がほぼないという点です(一部、主に回復系は使用回数制限あり)。これにより、出し惜しみすることなく、戦闘は常に全力でガンガン派手な技や紋章技を繰り出すことができます。

 必殺技や協力攻撃を思わせる演出などは、ドット絵とエフェクトが融合して非常に凝っているのですが、カメラワークや演出の長さが緻密に計算されており、戦闘のテンポを一切崩さない作りになっています。

 この“ド派手なのに爆速”というバトルバランスは、何度も戦闘を繰り返すRPGにおいて非常に快適で、開発陣の熱意と調整の妙を感じずにはいられません。

“盆栽ゲーム”としての奥深さ! 無限に迷える幸せな育成要素


 キャラクターの強化要素も、本格派RPGの名に恥じない充実ぶりです。装備品の更新や強化、紋章のセッティングなど、RPGに欠かせないカスタマイズ要素が完備されています。


 本作では、魅力的な『幻水SP』のメインキャラクターたちに加え、ガチャなどから歴代のシリーズキャラクターが多数登場します。そのため、プレイヤーの手元にはまたたく間に膨大な数の魅力的なキャラクターが集まることになります。

 お気に入りのキャラクターにじっくりとリソースを注ぎ込み、少しずつ、しかし確実に強くしていく。いわゆる“盆栽ゲーム”的な、キャラクター育成の奥深さがしっかりと担保されています。

 お気に入りのキャラを最強に育て上げたいという育成コンプ欲がある人や、コツコツとパラメータを上げるのが好きな人は、間違いなく底なしの沼にハマるはずです。

クイズ&課題形式のチュートリアルや時短要素など、徹底されたユーザーファースト


 ゲームとしての奥深さを備えつつも、現代のプレイヤーが触れるモバイルゲームや手軽なアプリとして必要不可欠な、各種時短要素や利便性もしっかりと完備されています。

 例えば、ゲームのルールや独自のシステムを学ぶ“チュートリアル”ですが、本作ではなんとクイズ&チャレンジのスタイルになっています。


 長々と説明テキストを読まされるのではなく、実際の戦闘やシステムに基づいたクイズやチャレンジに挑みながら直感的に仕様を学べるため、非常にわかりやすく、退屈さを感じさせません。


 また、素材集めなどで“特定の敵を倒す”タイプの人助け(クエスト)を受注した際、その敵の生息場所リストからダイレクトに現地のフィールドへワープできる機能など、細かいUIの導線が徹底的に磨き上げられています。


 プレイヤーが“面倒だ”と感じる導線を先回りして排除しており、限られた時間の中で効率よく、気持ちよく遊べる工夫が満載です。

スマホの要求スペックと、PC(Steam)版への期待


 今回の先行プレイはスマートフォンで行いましたが、グラフィックオプションは非常に充実しています。フレームレートやエフェクトの描画負荷など、自身の端末に合わせて細かく調整が可能です。

 ただし、ドット絵とはいえ、3Dの街並みの描き込みや、無数のNPCのAI、派手なバトルエフェクトやフルボイスの処理など、内部ではかなり贅沢にマシンパワーを使っている印象を受けました。

 そのため、最高画質でヌルヌルと快適に遊ぶためには、それなりに現行の高性能なスマートフォンが必要になるかもしれません。

 幸いなことに本作はPC(Steam)版のリリースも予定されています。大型モニタ+コントローラで、がっつりとコンソールゲーム感覚で遊ぶことも楽しみにしながら、まずはスマホで「幻想水滸伝」シリーズ最新作を楽しもうと思います!






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担当者プロフィール

  • 編集O

    編集O

    多くのゲームプレイ経験で得た“自分なりの物差し”には自信あり。 ゲーム歴はファミコン創成期から現在に至るまでと、激動のハード戦争をリアルタイムに見守ってきた超古参ゲーマー。編集・ライター歴は25年以上とそれなりで、電撃系やファミ通などの紙媒体やWebメディアを中心に活動中です。 おもにRPGやSLGが好みですが、おもしろければ何でも手を出す雑食系。物語やキャラの魅力を考察したり、システム面でイチオシ要素を探したりするのが得意です。ゲーム歴が長いだけに人気シリーズはほぼリアルタイムでプレイ済みで、RPGのシリーズ系ならば『DQ』、『FF』、『テイルズ オブ』、『軌跡』、『ペルソナ』、『アトリエ』、『幻想水滸伝』、『ゼノブレイド』、『龍が如く』……と、枚挙にいとまがありません。

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