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『幻想水滸伝 STAR LEAP』レビュー①:50時間かけて初期ストーリーをクリアした感想は1人で遊べる神ゲー。1章のラスボス曲と2章の学園編をぜひ堪能してほしい【ナンバリング全作クリア済:おすすめ度10点】

文:そみん

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 コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が手がけるRPG『幻想水滸伝』シリーズの完全新作『幻想水滸伝 STAR LEAP』が、8月7日に日本国内向けにリリースされました。
※海外モバイル版・PC版の配信は未定。
 現在電撃オンライン編集部では、待望のシリーズ最新作の先行プレイレポートを、複数人の視点でお届けする企画を展開中。
 今回は、ナンバリング全作(『I』から『V』)をクリア済みで、何よりも本作のコンシューマーライクな手触りや、1人用RPGとしての圧倒的な完成度に感動したゲーマーによるプレイ感想をお届けします。(『Rhapsodia(ラプソディア)』や『幻想水滸伝ティアクライス』、『幻想水滸伝 紡がれし百年の時』もプレイ済)

 50時間以上かけて、リリース当初に実装されているストーリーを全部クリアしたうえでの感想をお伝えします!

『幻想水滸伝』特集サイトはこちら読者レビューに投稿する

※この記事には『幻想水滸伝 STAR LEAP』のネタバレが含まれます。


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メインストーリープレイはスタミナ不要でがっつりプレイ可能【おすすめ度:10】


 スマートフォンの運営型RPGと聞いて、多くのゲーマーが最初に懸念するのは「スタミナシステムによってプレイが細切れに制限されてしまうのではないか」という点でしょう。特に『幻想水滸伝』のように、重厚なストーリーや広大な世界観にどっぷりと浸りたい作品において、物語の良いところでスタミナ切れとなり、翌日を待たなければならない……というのは大きなストレスになりかねません。

 しかし、本作『幻想水滸伝 STAR LEAP』に関しては、その心配はまったくの無用でした。本作のメインストーリーを進行する上ではスタミナを消費しません。スタミナ的なシステムを使うのは主にキャラクターの育成や、武器の強化に必要な素材集め、あるいは特定のサブコンテンツを周回する時などに限られています。つまり、自分のペースで「今日はこの章の結末を見届けるまで寝ない!」といった、コンシューマーRPGさながらのがっつりプレイが完全に可能な設計になっているのです。
 ぶっちゃけ、自分も久々に「ゲームの続きが気になって夜更かし……」なんてことをしちゃいました。こういう感覚は、まさにコンソールのゲームライクですね。

 そして、覚悟はしていたものの、その常軌を逸した圧倒的なボリュームにも驚かされました。今回の先行プレイでは、寄り道や育成のための周回をかなり少なめに絞り、ストーリーの進行を最優先にするプレイスタイルを取りました。それでも、自分の場合は最初の1つの章をクリアするのに20時間以上の時間を要しました。これだけでも並のRPGの1本分に相当するプレイ時間ですよね。
 そこからさらに物語を進め、リリース時に実装されている最新のストーリーラインまですべてクリアする頃には、なんと総プレイ時間が50時間を優に超えていました。ただ画面をタップしてテキストを読むだけの紙芝居ではなく、自分の足で街を探索し、人々と会話し、ダンジョンを攻略し、ボスと死闘を繰り広げた上での50時間です。
 街の探索やNPCとの細かな会話、各施設でのミニゲーム、キャラクターたちの背景を掘り下げる個別エピソードなどをじっくりとしゃぶり尽くすプレイスタイルであれば、100時間、あるいはそれ以上遊べるほどのポテンシャルを秘めています。スマートフォンというプラットフォームでありながら、据え置き機の大作RPGに一切引けを取らない、超ド級のボリューム満点な作品に仕上がっていると断言できます。

 ……補足ですが、育成系のスキップシステムは完備されている(素材収集のミニゲームはオート実行も可能)ので、そのあたりは“ながら作業”で進められるのは好印象。倍速演出についても、バトルは2倍速、シナリオ演出は3倍速に調整できるので、タイパ重視の人にもおすすめです。(自分の場合、バトル演出2倍を基本として、上記のプレイ時間でしたが)
 もうひとつ補足ですが、プレイ時間50時間と書いておきつつ、ほんとは+5時間くらいかかっています。というのもメインストーリーの一部ボスキャラの“壁”が高い部分がありまして。名前は伏せますが、3人同時のトリオで出てくるボスを倒すための育成&編成のトライ&エラーで苦戦して、時間を吸われました。こういうところも、ほんとコンソールのRPG感覚でした(笑)。

 あと、選択肢によるちょっとした会話のバリエーションもほとんどボイス演出が入っています。ストーリーの振り返り機能によって、別の選択肢も試しやすくなっているので、ぜひいろいろな選択肢でリアクションを楽しんでみましょう。自分は……わりとふざけた選択肢をノリノリで選んじゃいました(笑)。

▲こういうリアクションについて、ちゃんとボイス付きで楽しめるのはホントすごいと思うんですよね。

音楽のレベルが高すぎ。特に特定ボス曲「ただひとりのために」は神曲確定でオケコンでの演奏を希望!


 『幻想水滸伝』シリーズを語る上で絶対に外せない要素が音楽です。ケルト音楽や民族音楽のテイストを取り入れた独特のサウンドは、これまでのシリーズでも多くの名曲を生み出し、ファンの心を震わせてきました。本作『幻水SP』のサウンドチームも、その伝統と期待を見事に受け継ぎ、さらに新しい風を吹き込んでいます。

 まずは、なにはともあれYouTubeで無料公開されている「幻想水滸伝」シリーズ30周年記念のオーケストラコンサートを聴いていただきたい! シリーズの人気楽曲はもちろん、この『幻水SP』の一部楽曲も演奏されています。フィールドやバトル曲などを聴けるので、ゲームの雰囲気を味わえますよ!


(余談ですが、自分は『幻想水滸伝V』のボス戦BGM「強大な敵」が大好きでしてね。このオケコンで生演奏を耳にして、鳥肌でした、ああ、いつかは神バトル曲「生か死か」もオケコンで聴きたい!)

 もちろん、過去作のファン感涙のアレンジ楽曲も素晴らしいのですが、自分が特筆したいのは本作オリジナルの楽曲群の質の高さです! 例えば、街のBGMひとつとっても、昼と夜でアレンジが変化します。昼は活気にあふれた明るいメロディが街の喧騒を表現し、夜になると同じ主旋律でありながら、主にしっとりとしたアコースティックなアレンジへと変わり、星空の下の静かな街並みを見事に彩ります。この細かい演出が、世界に生きているという没入感を何倍にも高めてくれているのです。


 そして、何よりも声を大にして伝えたいのが、バトル曲の凄まじさ! 特に、第1章のクライマックスとも言えるラスボス戦的な場面で流れる「ただひとりのために」という楽曲は、紛れもなく神曲確定です。イントロが流れた瞬間、鳥肌が立ちました。この感覚、数年に一度あるかないかの……本能的な“ひとめぼれ”レベル。
 この曲は、ある意味では今までの『幻水』っぽくない、ハイテンションな王道の中世ファンタジーバトル曲に感じる部分もあります。しかし、要所要所で中華風でオリエンタルな『幻水』特有のメロディラインがしっかりと顔を出す部分がありまして。

 音楽知識に詳しいわけではないので、あくまでゲーム音楽好きな人間の直感レベルではありますが。戦いの悲壮感と熱さを極限まで高めてくれる神曲で、とにかくテンションが爆上がりします。(ネタバレになるので伏せますが、「ただひとりのために」という曲名がまた、よいのよ)

 この曲は、9月19日に開催されるオーケストラコンサートで絶対に演奏してほしい、いや、演奏されるべき1曲だと確信しています。


 さらに、物語の中盤以降で立ち塞がる強敵“乱凛天(らんりんてん)”との戦いなど、シチュエーションに応じたバトル曲のバリエーションがとにかく豊富に用意されています。強敵と対峙するたびに「次はどんな熱い曲が来るのか」とワクワクさせられる、音楽だけでも十分にプレイする価値がある作品です。


シリーズ初見の方におすすめしたいのは、108人もの仲間集めの楽しさと気持ちいい明るさを持つキャラクターたち


 『幻想水滸伝』は歴史が長い作品だけに「シリーズのナンバリングを全部やっているような熱心なファンじゃないと楽しめないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。むしろ、シリーズ初見の方にこそ、本作で『幻想水滸伝』の最大の魅力である「108人の仲間集め」の楽しさを味わってほしいと強く思っています!

 過去シリーズを例にしたプッシュとなりますが、世界各地を旅しながら、一見するとただの村人や職人、あるいは敵対していた人物までもが、自分の本拠地に集い、仲間になっていく。この「雪だるま式に勢力が大きくなっていくカタルシス」は、他のRPGではなかなか味わえない独自の体験です。仲間が増えるたびに本拠地の施設が充実し、賑やかになっていく様子を見るのは、何度味わっても最高の喜びです。(過去作では、108人集めることで……みたいな隠し要素もお約束として存在してきました)

 で、この部分の楽しさは『幻水SP』でも踏襲されています。シリーズの歴代キャラや、本来は敵であるキャラなどがガチャで仲間になるというドリームチーム編成の楽しさとは別に、メインストーリーに深くかかわる108星は、無課金で仲間にできます。(リリース直後に全員を仲間にできるわけではありませんが)


 物語を進めるだけでもある程度は仲間になりますが、街で話しかけてクエストをクリアする、本拠地を復興させるなど、特定の条件が必要になるという部分は、過去作と同じようなプレイフィールを味わえます。ので、『幻想水滸伝』シリーズ未経験の方ほど、この“仲間を増やす楽しさ”+“個性豊かなキャラがたくさん出てくる群雄伝的な体験”はぜひ楽しんでほしいところ!

▲“酒場”では、仲間たちの魅力を掘り下げるサブストーリーも楽しめます。

 そして本作から登場する『幻想水滸伝 STAR LEAP』オリジナルのキャラクターたちは、皆とても魅力的で、気持ちいい明るさを持っています。物語の展開上、故郷が襲撃されたり、強大な敵に理不尽に虐げられたりと、シリアスで重く苦しい場面も多々訪れますが……そんな時にプレイヤーの心を救ってくれるのが、主人公の周りにいる仲間たちの存在です。


 いろいろと謎が多いヒスイ、底抜けに元気な幼馴染のシーリーンや、飄々としつつも頼りになるシャプール、商魂たくましいけれど情に厚いファラなど、彼らが織りなすコミカルな掛け合いや前向きな姿勢が、物語の重さを中和し、「この仲間たちとなら、どんな困難でも乗り越えられそうだ」という希望をプレイヤーに与えてくれます。(2章から始まる学園編の仲間やライバルもまた、クセ強キャラぞろいで素晴らしいんです!)

▲2章はファレナ女王国での学園生活が展開。タイマン的な修闘あり、試験ありと、熱い展開だらけです! 元女王騎士のガレオンやカイルなど、シリーズファン的にはなつかしのメンバーとの再会もうれしいところ。
▲男子生徒からの人気が高いシェリダン先生。か・わ・い・す・ぎ!

 初見のプレイヤーであっても、彼らの等身大の魅力と、徐々に深まっていく絆の描写に、すぐに感情移入できるはずです。そして108星をはじめとしたキャラクターそれぞれに固有のエピソードや背景がしっかりと設定されており、彼らを知れば知るほど、世界全体への愛着が深まっていくことでしょう。

 ……ちなみに、ちょっとネタバレとなりますが、過去シリーズでは主人公と近しい重要人物は、生死にかかわる重要な出来事や分岐が起こることが多いというお約束がありまして。

 『幻水SP』において、個人的にはシャプール師匠が一番危ういというか、死ぬか裏切るかしそうで、ずっとドキドキしながら遊んでいました。いやもう、『幻想水滸伝III』のコミカライズでおなじみの志水アキ先生による漫画での辛そうなシャプール将軍が、どういろいろあってゲーム版の弟子大好きなバカ執事(笑)になっていくのかも気になりますけど。


 ヒスイやシーリーンなど、仲間たちそれぞれに重い過去や謎もあるんですけど、自分としてはシャプール師匠がイチオシだからこそ、メインストーリーでどうなっていくのかハラハラしながら遊ぶことになりました。その結果は……ぜひ実際に遊んでみていただければ!

▲『幻水SP』からの新キャラもクセモノぞろい。あえて細かく書きませんが、ゴンオウちゃんとか、いろいろとギャップがあってかわいいのよ。
▲何度も戦う乱凛天ことランラン・リンリン・テンテンもいいキャラしてます。出自を含めて、意外なキャラと関係性があったりもして、実は重要人物です。

なつかしのシリーズキャラとの出会いをはじめ、シンダルやビッキーなど気になる伏線も回収の予感?


 シリーズファンにとっての最大のご褒美は、やはり過去作のキャラクターたちとの再会や、長年語り継がれてきた世界観の謎へのアプローチでしょう。
 本作の時代は太陽暦453年。初代『幻想水滸伝I』(太陽暦457年)より少し前、『幻想水滸伝V』(太陽暦450年)より少し後の時代とされています。

 そのため、物語序盤から若かりし頃のゲオルグや、赤月帝国の貴族であったオデッサなど、ファンなら名前を見ただけで心が躍るようなキャラクターたちが登場し、彼ら彼女らの新たな一面に出会うことができます。オデッサについては、過去の婚約者との話も描かれるわけで……彼らが過去にどのような思いを抱き、どのような経験を経てあの名作たちの舞台へと至ったのか。そのミッシングリンクが描かれるだけでも、シリーズファンにとっては涙モノの体験です。

 シリーズファンとしては、オプション設定で歴代主人公の“名前”を見ることができるのも、地味に嬉しかったポイントです。主人公=プレイヤーなので、遊ぶ人の数だけ主人公の名前があるのが『幻想水滸伝』シリーズではありますが、これから『II』のアニメ放送も控えていますし、知人とおしゃべりする際にキャラ名がわかりやすいのはありがたいところ。
(『III』は主人公というより、キーマンである炎の英雄の名前ですけど)

・『I』主人公名:リアン
・『II』主人公名:リリュウ
・『III』主人公名(?):リグニス
・『IV』主人公名:リゼル
・『V』主人公名:リシュタール
・『SP』主人公名:チャオ

 『V』の太陽の紋章にまつわるロードレイクも、復興中の姿が描かれており、シリーズファンとしては感慨深いところ。女王騎士だったガレオンが学園長になっているのを見ると、シルヴァさんとも会いたくなりますねえ。


 さらに、物語の随所に散りばめられた“伏線”の存在が、我々プレイヤーの考察欲を強烈に刺激してきます。例えば、シリーズ全体を通して最大の謎の一つとされている古代の謎の民族“シンダル族”。彼らが残したとされる遺跡や技術は、過去のナンバリング作品でもたびたび物語の鍵となってきましたが、その全貌は未だ謎に包まれています。本作では、このシンダル族に関する新たな手がかりや、彼らの遺産に触れるような描写が登場し、「ついにこの謎に切り込むのか!?」とワクワクが止まりません。


 また、シリーズお馴染みのテレポート使いであるビッキーの存在も重要です。なぜ彼女はいつもくしゃみ一つで時空を超えてしまうのか。子どもビッキーと大人ビッキーが存在する理由はなんなのか。その特異な能力のルーツや、彼女自身が抱える(かもしれない)秘密について、新たな視点が提供される予感を感じさせる描写もありました。

 重大なネタバレとなりますが……本作では時代を超える・リープする要素も用意されています。まあ、“STAR LEAP(スターリープ)”というタイトル名や、これまでの情報でもほぼ示唆されてきたことですが。で、時代によって異なるビッキーが登場し、その間は“1人のビッキー”しかパーティーに編成できないなんて演出もあったりします。


 それから、ジーンさんとクリソツな紋章師のニージェさんの存在も気になるところ。

 ジーンは甲斐田裕子さん、ニージェは佐倉綾音さんと声優さんも違うし、別キャラであることは確かだと思うのですが……名前がアナグラムっぽいし、ニージェさんにシンダル関連っぽい知り合いがいるし、さすがに無関係とは思えませんよね。(『V』に登場したエレシュとかが出てきたら、また一気にジーンやシンダルの考察が進みそうですけど)
(余談ですが、ガチャで登場するSSRジーンさんの所属は“炎の運び手”。ということは、『III』の時代のストーリーにかかわってくるのかもしれません)


 これら過去作からの伏線や設定が、単なるファンサービスの範疇を超えて、本作のメインストーリーの根幹とどのように絡み合っていくのか。長年シリーズを追いかけてきたファンにとっては、一言のセリフからすら目が離せない、極上の歴史物語としても楽しむことができます。いやあ、シリーズ新作の『幻水SP』が出てくれて、本当によかった!

▲小悪党系のグレイディにも出番が!? クレイズやカナンとあわせた3人と戦うバトルコンテンツもあります。ちなみに、3人ともガチャで仲間にすることも可能です(笑)。

 そういえば、シリーズおなじみのプロフィール掘り下げ機能は『幻水SP』でも健在で、レベルを上げたり技レベルを強化したりと、特定の条件をクリアすることでキャラ辞典のプロフィールがオープンしていきます。早くニージェさんのプロフィールを読んでみたい……!


 ちなみに、とある場所では『V』のオボロ探偵事務所のその後がちょっと明かされていたりと、街中の本棚とかも見逃せないゲームなので、シリーズファンは寄り道しながらじっくりと遊ぶことを推奨します!

▲街中では過去作に関する話題もちらほら。グレッグミンスターにはマクドール家のお屋敷がありまして。ということは、若き日のぼっちゃんやグレミオの姿を見ることも……! 寄り道推奨です。
▲現時点では物語に大きくかかわってきませんが、クエストの中で某オッペンハイマーさんの優雅な生活を垣間見ることができます(笑)。

特殊なバトルや、豊富なミニゲーム。これでもか要素が詰まった1人用RPGとして神ゲーです


 本作の魅力は、ストーリーやキャラクターだけにとどまりません。RPGとしての遊びの幅広さ、コンテンツの豊富さも特筆すべき点です。


 通常のコマンドバトルに加えて、シリーズの華である“戦争イベント(大規模戦闘)”も健在です。本作の大規模戦闘はリアルタイムストラテジー(RTS)の要素を取り入れており、複数の部隊を同時に指揮し、敵の動きを見極めながら進軍ルートや攻撃のタイミングを指示するという戦術バトルが楽しめます。仲間になったキャラクターたちがそれぞれの部隊を率いて戦場を駆け巡る姿は圧巻の一言です。


 リアルタイムストラテジーというと難しそうに感じますが、直感的に部隊に指示をして遊べると考えるくらいがちょうどいいかと。ちなみに戦争イベントはメインストーリー上ではそんなに頻繁に発生しませんが、それと近い要素を“悪夢の戦域”というコンテンツでいつでも楽しむことができます。



 そして、『幻想水滸伝』といえば本拠地での「ミニゲーム」です。本作でもその伝統はしっかりと受け継がれており、本拠地を発展させることで様々な遊びが解放されていきます。料理対決を彷彿とさせる料理のシステムや、思わず時間を忘れて熱中してしまうチンチロリン、釣りや素材集めのちょっとしたアクションなど、「世界を救う旅の途中なのに、気付いたら本拠地で何時間も遊んでしまっていた」という、あの愛すべき“寄り道”の楽しさが完全に再現されています。


▲毎日プレゼントをもらえる“寄贈箱”では、仲間からコメントをもらえることも。ルックくんからのありがたい一言!
▲『IV』のチープーも大好き! こういう一言や、食事の際の感想とかもボイス付きが多くて、本当にキャラ愛がすごい。

 ミニゲームについては仲間がサポートしてくれるほか、オートや倍速機能も用意されており、手軽に楽しめるようになっています。効率を考えるとちゃんと手動で遊ぶほうがよいですが、苦手なジャンルのゲームをオートに任せられるのはありがたいところですね!
▲敵のHPをジャストで削ることが大事になる“狩猟”は、カードゲーム感覚で楽しめます。
▲個人的に大好きなので、稲刈りをするアクションゲーム“稲収穫”。精霊に出会うことでスキルアップして速度や稲刈り範囲が上がるのが楽しい!

 ちょっと気になるのは、現状ではシリーズおなじみのお風呂・温泉がないことですが……これは今後のストーリーで登場しそうなのでひと安心。3章の舞台が、まさに温泉関連の場所になるはずなので!

 バトル系のやり込み要素は育成システムにも直結しているのですが、一度クリアすればスキップもできるので、かなりさくさく育成できます。こういうゲームだと、バトルに完勝しないとスキップできないケースもありますが、接戦であろうが一度勝てばスキップ可能という優しくて易しい仕様です。ありがたい!

 育成素材のゲーム内逆引き・検索機能も充実しているので、必要素材をわかりやすく集められるのも高評価ポイントですね。欲を言えば、逆引きでの素材入手後に、その育成画面まで戻れるとなお便利ですが、許容範囲かなと。

 ちなみに、無課金でのSSRキャラ獲得や限界突破素材の獲得方法があるのもうれしいポイント。限界突破素材は交換所のほか、放置要素での獲得となるのでなかなか気長になりますが、「あとちょっと足りない」なんて時に助かります。

 無料SSRキャラは、初心者ミッションで獲得できるSSRヒスイが優秀(限界突破も無料で可能)ですし、“悪夢の戦域”の報酬コインではボスキャラを仲間にすることもできます。また、ガチャ以外で入手できる108星は条件を満たすことで限界突破素材を獲得できるので、108星縛りプレイなんてのも楽しめそうでした。



 これらの要素が、運営型モバイルゲームという枠組みでありながら、「1人のプレイヤーが自分のペースでじっくりと世界を味わい尽くすためのコンテンツ」として丁寧に設計されていることに、開発陣の並々ならぬこだわりを感じます。誰かと競い合う必要も、時間に追われる必要もありません。ただひたすらに、自分が主人公となってこの魅力的な世界を旅し、仲間を集め、強大な敵に立ち向かえるわけで……まさにコンソール的な遊び方ができます。

 『幻想水滸伝 STAR LEAP』は、スマートフォンという現代のデバイスに最適化されつつも(Steam版はコントローラで遊べるので、それも楽しみですけどね!)、“王道の1人用RPG”の魂を完璧に受け継いだ、文句なしの神ゲーです。ナンバリングをすべてプレイしてきた一人のファンとして、本作は10点満点中10点、最高のおすすめ度であることをここに宣言します!

 シリーズファンも、初めての方も、まずは1章をクリアして神曲「ただひとりのために」を聞くまではぜひプレイしてみてくださいませ。RPG好きの方には、絶対に後悔はさせませんので!

▲オープニングアニメが流れてからが本格的な物語の始まりです! なお、初期実装ストーリーの後半くらいで本拠地の施設が出そろうので、そこまで一気にプレイするのがおすすめです……と言いたいところですが、自分は50時間以上かかったので、マイペースに遊ぶのがよいかと!
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担当者プロフィール

  • そみん

    そみん

    「電撃オンライン編集長。哲学と萌えを養分に生きる、ゲーム好きなおっさんライター」 【経歴/実績】幼稚園時代にファミコンと出会い、大学在学中の1997年に雑誌「電撃セガEX(のちの電撃セガサターン)」でライターとしての活動を開始。セガ系雑誌で、電撃サクラ隊、『ルナ2』『グランディア2』『シェンムー』などの記事を担当。書籍『イース大全集』『グローランサーIVキャラクター&シナリオコレクション』『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』などを制作。大学は8年目で一応卒業。卒業論文は「広津和郎の性格破産者論」。【得意ジャンル・ゲーム歴・知識】“ボーイミーツガール”のやさしいRPGが好き。日本ファルコム作品も大好物で、特に『英雄伝説V 海の檻歌』『ツヴァイ2』を好む。オープンワールドRPGよりも、いわゆるJRPGが好きで、自由度の高さよりも完成された物語を受動的に楽しみ、そこから解釈や妄想を膨らませることを好む。ゲーム歴は40年以上で、教育学部国文学科で培った文学知識、ミステリクラブで得た推理・考察スキルを持つ。記憶力に難はあるが、同じ物語を毎回新鮮に楽しめるというメリットもある。【好きなゲーム(の一部)】仙窟活龍大戦カオスシード(風水回廊記も可)/エストポリス伝記2/FFは3と5と2が好き(11と14以外履修)/ドラクエは3と8と11が好き/イースは6と9が好き/軌跡は空2が好き/幻想水滸伝は2と5が好き/ペルソナは4が好き/スパロボはF完結編とα外伝とXが好き/好きな魔装機神は1とF/サガは全部好き。特にサガ2秘宝伝説とサガエメが好き/ダンガンロンパは2が好き/テイルズはヴェスペリアとアビスとエターニアとアライズが好き/好きなポップンミュージックはCS版10と12/カエルの為に鐘は鳴る/天地創造/剣乃ゆきひろ作品(特にYU-NO)/有栖零児&シャオムウ/オクトパストラベラー/悠久幻想曲(ウィズハ、エタメロ、デバイスレインもよい)/シャイニングフォース3/ファンタシースター千年紀の終りに/グローランサーは1と4と6が好き/サモンナイトは2と6が好き【生き方に影響を受けた小説(の一部)】卵王子カイルロッドの苦難(冴木忍)/ティラノ 剣狼伝説魔空界編(園田英樹)/異次元騎士カズマ(王領寺静)/まんが家マリナ(藤本ひとみ)

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