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『終末トレインどこへいく?』7話ネタバレあり感想。まさかのセガサターン版『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』で懐かしい気持ちに。雨に濡れた静留が美少女すぎて破壊力満点だった

文:米澤崇史

公開日時:

 2024年5月13日(月)に放送されたTVアニメ『終末トレインどこへいく?』7話“笑うゾンビはゾンビじゃない”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『終末トレインどこへいく?』7話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

ゾンビ映画にも詳しい晶。結構細かく作られている本作におけるゾンビルール【終末トレインどこへいく? 7話】


 撫子たちと喧嘩した勢いで電車を飛び出し、黒木が率いる“渡りゾンビ”の一団に捕まってしまった静留。そんな静留を探そうと決意した撫子たちでしたが、速攻でゾンビに見つかってしましました。

 前回からそんな様子は見受けられてましたけど、やっぱりサブカル好きの晶はゾンビ映画にも詳しかった。「夜に出る」「目が悪い」「脳みそが好き」「ゆっくり動く」「叫ばない」など、いろんなゾンビルールを挙げていましたが、ロメロゾンビをベースにいろんなゾンビモノの要素がパロディとして混じっていそうです。「脳みそが好き」は、映画『バタリアン』からでしょうか。


 ゾンビたちが静留の荷物を持っているのを見つけて後をつけると、すぐに本人を発見。絵の具で顔を塗るというかなり雑に見えるメイクでしたが、目が悪く知能が低いゾンビだけではなく、静留も騙せているあたり意外とクオリティは高かったのかも。

 ゾンビかどうかを確かめるための拷問(?)で、熱々のうどんを作って持って来られるゾンビがあまりにも賢い。少し前に飯テロによる拷問を行うアニメが放送されていたな……と思い出しつつ、うどんを前にした時、玲美だけは反応が2人と違っており、誘惑に屈しかけていたように見えます。黒木がもっと勿体ぶって、ゆっくりと食べていたらボロが出ていたかもしれません。


 そして次に登場したのがまさかのセガサターン&サターン版『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』(ちゃんとセガのロゴ入りなので本物です)。サターン版はちょっと古いですが、シリーズとしてずっとゲームセンターで稼働している定番中の定番のガンシューなので、日本人の結構な割合が「名前は知らなくても実は見たりやったことがある」というなかなか珍しいシリーズなんじゃないかと思います。

 自分はちょうど世代的に直撃で、家にもセガサターンがあったのでめちゃくちゃ懐かしい気持ちになりました。アニメではガンコン(バーチャガン)を使ってるんで関係ないんですけど、セガサターンって同世代では珍しく最後までスティックがコントローラーに付かなかったハードでもあるんですよね。当時何作かガンシューをサターンで遊んだ記憶があるんですが、十字キーでのエイムってスティックに慣れすぎた今やると絶対にキツイだろうな……と、若干アニメから脱線した思い出が浮かんでいました。


 撫子はゲームをプレイすると完全に人格が変わるタイプだった様子。3人の反応を見るに、今回に限った話じゃなくいつもこんな感じなんでしょう。静留を見つけた時に大声を出しかけて突っ込まれたり、7話は総じて撫子のボケ成分が多めで新鮮でしたね。

エロネタで次々と消滅していくゾンビたちの妄想力が逞しすぎる【終末トレインどこへいく? 7話】


 結局ゾンビじゃないことがバレて、後半からは大量のゾンビたちとの戦いに発展してしまいました。

 「お化けは怖いけどゾンビはセーフ」っていう晶の中の基準、自分もホラー苦手なんですけど、ゾンビ映画は楽しく見れるのでなんか感覚として分かる気がします。『SIREN』とか、最近の『バイオハザード』とかはチビるほど怖いのでゾンビでも怖い作品は怖いですが。

 多くのゾンビ映画では頭を破壊すればゾンビは活動停止しますけど、今回の場合かなり簡単に頭が取れて、くっつけ直したりもしているので、仮に頭を壊せたとしても余裕で動き続けそう。戦闘力はいろんなゾンビ作品の中でも最弱クラスですが、この不死性はなかなか厄介そうです。


 ゾンビはもう生命として終わってしまっているので、新しい生命の誕生に関わるエロス的なものが弱点という理屈は、なんか筋は通っているような気がします。ただ、「びくんびくん」はともかく「ちちくりあう」にも反応して消滅するのは、さすがに男子小学生じゃないんだから……とツッコミたくなりました。

 一度はゾンビを振り切って電車に戻ることができた4人でしたが、このシーンで何よりインパクトがあったのが、雨に濡れて髪型がちょっと垂れ気味になっている静留の姿。

 会話内容としては、静留が今まで隠してきた自分の素直な心を3人に打ち明ける、結構重要なシーンなんですけど、この時の濡れた姿があまりにも美少女すぎて、そっちに完全に意識をもっていかれていました。すぐ翌日になって普段通りの髪型に戻った時には、「もっとあの姿を見せてくれ!」と心の声を挙げたのは絶対に自分だけではないはず。

 そして珍しく……というよりは初めて、善治郎との定期連絡が役に立ちました。肝心なところで時間切れになって何も重要な情報を伝えてくれないというのがパターン化してきましたが、そろそろ終盤に差し掛かってきそうというタイミングでもあるので、善治郎の情報が役立つことも増えてくるのかもしれません。春歌にまで詳しかったのはなかなか謎ですが……。


 その後には黒木の正体が判明し、静留たちと無事和解できたのはほっと一息。思い返せば、最初に静留を捕まえたあとなかなかゾンビ化させなかったのは、久しぶりに同世代の人間に会えた嬉しさもあったんでしょう。ゾンビたちが腐らないようにずっと移動しているというのも、ゾンビに救われたという過去を踏まえるとなるほどと納得できます。

 黒木の下着がガッツリ見えるシーンがあったのは驚きましたけど、ゾンビ映画といえばお色気シーンも定番ですからね。よく見ると、消滅する寸前のゾンビがお尻の方をガン見しているのが、見たら消えると理解していながらも本能に抗えなかった感があってちょっと面白かったです。

 最終的に友達にはなれたものの、結局ゾンビの女王として生き続ける道を選んだ黒木。まさか前回の展開から、こういういい話系のオチになるとはまったく想像していませんでしたが、ようやく静留の中にあったわだかまりが解消され、素直な気持ちで池袋を目指せるようになったという意味では、まさに折り返し地点に相応しいエピソードだったなと。

 「池袋にも別の女王がいる」という新しい情報も判明していました。一応、葉香は世界を変える引き金を引いた重要人物ではあるので、もしかするとその女王が葉香かもしれない……とか、いろいろ想像が広がりますね。

 これで残すは14駅、静留たちは無事に池袋に辿り着くことができるでしょうか。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース

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