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【これで無料!】アンコールは『原神』。『ゼノギアス』『クロノ・トリガー』のサックス混成20重奏の音圧がすさまじく、『ポケモン』『ゼルダ』ほか『リズム天国ゴールド』『リズム怪盗R』など通好み楽曲も【岩垂徳行/Arc-hive Philharmonic Winds2.5回演奏会レポ】

文:電撃オンライン

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 Arc-hive Philharmonic Windsは、ゲーム音楽を演奏することを目的とした半常設吹奏楽団です。『逆転検事』シリーズや『グランディア』シリーズなど、人気作の作曲・編曲を手掛ける岩垂徳行氏が、指揮・顧問を担当しています。

 岩垂氏の楽曲も多数演奏されたArc-hive Philharmonic Windsの「第2.5回演奏会 アンサンブル~八花繚乱~」が、2024年7月6日に八王子市 南大沢文化会館 主ホール(東京)で開催されました。その公演の模様をレポートしていきます。
(Photo by G.K.WORKS)

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ゲーム好き皆が楽しめるアンサンブル演奏会【岩垂徳行/Arc-hive Philharmonic Winds2.5回演奏会レポ】


 Arc-hive Philharmonic Windsは権利者による許諾、またはガイドラインにそった範囲での演奏を行う非営利演奏団体で、今回の公演も何とチケット代・無料(事前申し込みの必要あり)で鑑賞することが出来ました。

 会場に子どもから大人まで、幅広い層のゲーム音楽ファンが来場していたのも印象的です。

 「第2.5回演奏会 アンサンブル~八花繚乱~」ではタイトル通り花が咲き乱れるがごとく、多彩なゲーム作品の楽曲がさまざまな楽器編成(アンサンブル)で演奏されました。

 私は作品やゲームメーカー単位でのオーケストラコンサートを鑑賞したことはありましたが、その枠を飛び越えたゲーム音楽の演奏会に参加するのは、今回が初めての経験。事前に曲順が記されたプログラムが配られて、それを見るだけでワクワク感が高まりました。

 また解説・詳細が書かれた電子パンフレットも無料で読むことができ、それぞれの楽曲や編成について、より詳しく知ることが出来たのも嬉しいポイントです。

 楽曲解説も楽団の皆さんが担当しており、「本当にゲームが好きなんだな」と同じゲームファンとしてもほっこりした気持ちに! ぜひ、鑑賞された際は電子パンフレットを隅から隅まで読んでみていただきたいです。

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多彩なアンサンブルで味わうゲーム音楽の世界【岩垂徳行/Arc-hive Philharmonic Winds2.5回演奏会レポ】


 演奏会の進行は、楽団の団長である村上晶紀氏が担当。軽妙なトーク、ときにはゲーム作品に合わせた名台詞やアクションで演奏会を盛り上げていました。

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■金管13重奏
『新・光神話 パルテナの鏡』より「8章 星賊船」
作曲:岩垂徳行 編曲:庄司燦
『ピクミン2』より「メインテーマ」
作曲:若井淑 編曲:庄司燦
『F-ZERO』より「BIG BLUE」
作曲:石田尚人 編曲:庄司燦
『スーパードンキーコング』より「キング・クルールの船 THE PIRATE SHIP」
作曲:David Wise 編曲:庄司燦
『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』より「ミラの加護とともに」
作曲:辻横由佳 編曲:庄司燦
『カービィのエアライド』より「シティトライアル:街」「シティトライアル:伝説のエアライドマシン」
作曲:安藤浩和(シティトライアル:街)/酒井省吾(シティトライアル:伝説のエアライドマシン) 編曲:山田雅彦
『Xenoblade』より「最後の戦いへ」
作曲:ACE+ 編曲:庄司燦
『大乱闘スマッシュブラザーズ X』より「終点」
作曲:植松伸夫 編曲:庄司燦
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』より「命の灯火」
作曲:坂本英城 編曲:庄司燦

 オープニングを飾ったのは、華やかな金管13重奏です。岩垂氏が作曲した『新・光神話 パルテナの鏡』の「8章 星賊船」から始まり、穏やかな『ピクミン2』より「メインテーマ」、終盤には怒涛のバトルソングとゲーム音楽の幅広さを感じる演奏を聴くことが出来ました。

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■木管混成8重奏
『刀剣乱舞 ONLINE』よりメドレー
・燭台切光忠
作曲:志方あきこ
・山姥切長義
作曲:志方あきこ
・大般若長光
作曲:志方あきこ
・小豆長光
作曲:都丸椋太(Elements Garden)
・謙信景光
作曲:都丸椋太(Elements Garden)
・小竜景光
作曲:志方あきこ

 続く木管混成8重奏は、フルート、サックス、ファゴット、ドラム、ピアノ、パーカッションの編成。『刀剣乱舞 ONLINE』より長船派にゆかりのある刀剣男士の近侍曲がメドレー形式で演奏されました。

 電子パンフレットにはジャズやケルト音楽など、それぞれの曲のベースとなっている音楽にも触れられていて、大変勉強になりました。

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■木管混成8重奏
『ゼルダの伝説 夢をみる島』メドレー
・かぜのさかなのうた
・オープニング
・メーベの村
・ショップ
・タルタル山脈
・シャドー戦(第1形態~最終形態)
・エンディング
作曲: 濱野美奈子/石川こずえ/永松亮 編曲:庄司燦

 『ゼルダの伝説 夢をみる島』メドレーは、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、パーカッションによる木管混成8重奏で演奏されました。本公演の演奏は、2019年にNintendo Switch用ソフトとして発売されたリメイク版を元にしたメドレーです。

 「かぜのさかなのうた」や「シャドー戦」などの演奏を聴くと、名場面が思い出され、また最初から遊びたい気持ちになりました。

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■クラリネット12重奏
『文豪とアルケミスト』より
・図書館メドレー(「憩」、「和」、「廻覧」、「折束食堂」)
・潜書(戦闘曲)メドレー(「いざ征きめやも」、「蝕ミニ抗フ文士タレ」、「焦眉ニ抗フ文士タレ」、「破綻スル歯車」、「開進止メヌ文士タレ」)
「文豪とアルケミスト」
作曲:坂本英城 編曲:山田雅彦

 クラリネット12重奏では、『文豪とアルケミスト』の楽曲を演奏。作品に合わせて、演奏者の皆さんも和モダンな装いをされていて、目にも華やかでした。

 またクラリネットといっても、EsCl、B♭Cl、A.Cl、Bs.Clといろいろな種類があり、それぞれの音色の違いを感じられたのも楽しかったです。

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■サックス混成5重奏
『グランディア』より「ガーライル」
作編曲:岩垂徳行
『リズム天国ゴールド』より「ウラオモテ」
作曲:米政美 編曲:山田雅彦
「猫」
作曲:tibita 編曲:山田雅彦
『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』より「怪盗Rのテーマ」
作曲:大谷智哉 編曲:山田雅彦

 サックス混成5重奏は、ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス、パーカッションという編成でした。(個人的な趣味もあるのですが)サックスの音色がカッコよく、聴き入ってしまいます。

 『リズム天国ゴールド』より「ウラオモテ」、『スイカゲーム』で流れるBGM「猫」では、ゲームを思わせる演出もあり、ゲーム音楽専門楽団らしさを感じて思わず笑ってしまう場面も。

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■フルート混成4重奏
『逆転裁判5』メドレー
・成歩堂龍一 ~異議あり! 2013
・みぬきのテーマ ~魔術の子 2013
・希月心音 ~法廷の革命児
・王泥喜法介 ~新章開廷! 2013
作編曲:岩垂徳行

 ピアノを含めたフルート混成4重奏では、『逆転裁判5』シリーズの“成歩堂なんでも事務所”のキャラクターを中心としたメドレーが演奏されました。

 「王泥喜法介 ~新章開廷! 2013」に“バンブートーン”という息を吹き込んで叩くような音を出す特殊奏法が取り入れられているなど、各アレンジとも聴きごたえ満点。

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■木管混成7重奏
『ポケットモンスター 赤・緑』よりメドレー
第一楽章「旅路」
マサラタウンのテーマ~オーキド研究所~トキワへの道-マサラより
戦い(VS野生ポケモン)~勝利(VS野生ポケモン)
クチバシティのテーマ~ポケモン回復~シオンへの道ークチバより
プリンの歌
第二楽章「挑戦」
ポケモンの笛
ロケット団アジト
ポケモン屋敷最後の道~ラストバトル(VSライバル)
~エンディング~
作曲:増田順一 編曲:渡辺将也

 フルート、オーボエ、クラリネット、パーカッション、ピアノによる木管混成7重奏で演奏された『ポケットモンスター 赤・緑』。作品は遊んでいたものの、当時はBGMをあまり意識していなかった気がします。

 それでも曲が流れただけで、「バトルだ!」、「今、ポケモンセンターで回復した!」といろいろな記憶や場面がよみがえってきて、音楽も本当に貴重なゲーム体験の一部なのだと実感しました。

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■サックス混成20重奏
『ゼノギアス』より「祈り、人の望みの喜びよ」
作曲:光田康典 編曲:渡辺将也
『クロノ・トリガー』より「クロノ・トリガー」
作曲:光田康典 編曲:渡辺将也
『聖剣伝説2』より「危機」
作曲:菊田裕樹 編曲:渡辺将也
『ファイナルファンタジー7』より「更に闘う者達」
作曲:植松伸夫 編曲:渡辺将也
『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』より「オープニングタイトル」
作曲:伊藤賢治 編曲:渡辺将也

 サックス混成20重奏は、サックスにティンパニーとパーカッションを加えた大編成のアンサンブル。どの曲も華やかで、重厚感があって、聴いていて心が浮き立つようでした。

 なかでも原曲がパイプオルガン風の『ゼノギアス』より「祈り、人の望みの喜びよ」を、サックスの重奏で表現しているのが圧巻。

 とにかく音圧がすさまじく、生音は耳だけでなく目や体も含めて全身で味わえるものだと再認識できました。特に暑い日で半袖だったこともあり、肌まで音の重さが伝わってきました!


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 フィナーレは、岩垂氏の指揮によるオーケストラ演奏&合奏です。岩垂氏と村上氏は、『ラングリッサーモバイル』に登場する剣(聖剣ラングリッサー&魔剣アルハザード)を持って登場! 楽団内に楽器だけでなく、聖剣を造れる鍛冶師までいるそうで……本当にすごい(なお、暗いところで光るそうです)。

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■合 奏
『ラングリッサーモバイル』より「The Beginning」
作編曲:岩垂徳行
『ファイアーエムブレム 紋章の謎』より「メインテーマ」
作曲:辻横由佳 編曲:木原塁
『グランディア』より「グランディアのテーマ」
作編曲:岩垂徳行

 合奏は楽器だけでなく、コーラスも入り、これまでとはまた違った雰囲気の演奏を楽しむことができました。コンサートミストレスの美音さん(アルトサックス)ほか、ソリストの皆さんの演奏も素晴らしかったです。

 最後に演奏された「グランディアのテーマ」は、本公演のために特別なフレーズが追加されたスペシャルエディションでした。楽曲中に観客がクラップ(手拍子)で参加できるようにアレンジされており、吹奏楽のコンサートでありながらライブのような一体感を味わうこともできました。楽団の代表曲とも言える楽曲ですが、公演を重ねるほど進化し続けており、今後どうなっていくのかワクワクしました!

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 そして、大きな拍手を受けて行われたアンコール楽曲は……『原神』! ログイン画面で使われている「夢のアリア」をアカペラ的に荘厳に歌い上げ、会場内に神々しさが満ちるようなアンコールとなりました。『原神』については2025年1月18日に行われる「第3回公演- Journey of the Quests -」(無料)でも演奏されるので、とても楽しみです!


アークハイブ・フィルハーモニック・ウィンズ今後のコンサート開催予定


 Arc-hive Philharmonic Windsは、2024年9月23日に
“能登復興支援のための『ウインドボーイズ!』コンサートin東京”(有料)を開催予定でチケット発売中です。

【プログラム】
・威風堂々(short ver.)
・ふるさと(short ver.)
・SUNNY DAY
・Go with the flow
・デイリートレーニング!
・マーチ「新しき船出」
・青嵐


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 さらに2025年1月18日には、『百英雄伝』『ラグナロクオンライン』『原神』『GRANDIA Ⅱ(グランディア2)』の音楽が演奏される「第3回公演- Journey of the Quests -」を予定しています。ぜひ、公式サイトで情報をチェックしてみてください。

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