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『菜なれ花なれ』6話感想。温泉チアは危ないので本当にいけません! 涼葉と詩音の初々しいやりとりでニヤついていたらラストに衝撃の展開が(ネタバレあり)

文:米澤崇史

公開日時:

 TVアニメ『菜なれ花なれ』6話“※温泉でチアはいけません。”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『菜なれ花なれ』第6話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。 [IMAGE]

ちょっとしたことでも遠慮なく頼れる、かなたと恵深の関係性が尊い【菜なれ花なれ 6話感想】


 第6話は、福引券があたって実現したまさかの温泉回。これは視聴者としても、福引券をくれたYJに感謝しなければならないでしょう。運気を呼び寄せるための足を組む穏花のカットがやたらセクシーでドキっとしました。

 駅でスッと自然に日傘を差し出す詩音のイケメンっぷりと、そこから赤面する涼葉のシーンは、開幕からすごい破壊力です。今回は本心を表す小さい涼葉が出ていませんが、恥ずかしさに耐えきれず思わず逃げ出してしまったであろうことも分かりやすい。

 プロポーズの決心のためにバンジージャンプを飛ぼうとするカップルへの応援は、今までダンスを通して間接的に応援する活動が多かったので、直にエールを送るのはちょっと新鮮でした(結構離れていたのに、よく二人の話が聞こえたなという点は気になりましたが)。


 自分も高所恐怖症気味なので、涼葉の動きを見ていたら穏花と同じように固まって顔から血の気が引いてしまいそうです。このシーン以外にも、今回の穏花は全体的にビビり面が強調されているシーンが多くて、カッコよかった5話からのギャップがまたあって可愛かったですね。


 お待ちかね(?)の入浴シーンでは、思ったより露出が少なかったことは少し残念でしたが(こういう湯浴み着を着て入れる温泉も結構あるみたいです)、今まであまり触れられてこなかった恵深の病気に関するやり取りが印象的。

 完治しているとはいえ、命に関わる病気になりながらもずっと前向きにリハビリを続けている恵深の気持ちの強さは本当にスゴイなと思いつつ、かなたが「川すごいよ!」と伝えた時に遠慮せず「見る!」と気持ちを伝えられて、身体を支えてたもらったあとは「ありがとう」をしっかり伝える二人の関係性はすごく良いなぁと浸っていました。


 今回に限らず、恵深についてはリアルな車椅子描写をしっかりやっている印象も受けます。6話にあった電車に乗る際に駅員さんに手伝ってもらうシーンや、車椅子を押す役を、一番仲がいいかなたではなく、体格が一番あって普段から車椅子の扱いに慣れている詩音がずっとやっているのも、こだわりを感じる部分です。

Cパートの涼葉と詩音のシーンが色々な意味で全部もっていった【菜なれ花なれ 6話感想】


 後半からは、合宿で偶然山に来ていた個人的な推しである華先輩が登場し、テンションが爆上がりしました。部活を休んでいるかなたに、腫れ物に触れるような感じではなくごく普通に接したり、かなたが気を病まないようするためのツンデレムーヴは、本当にいい娘だしかわいいなと思います。


 ただ、普通はこの感じの性格ならプライドが高いキャラクターとして描写されそうなものなんですが、その後すぐかなたにチアについての教えを請えるのが華のすごいところ。

 それだけかなたがずば抜けていることでもあるんでしょうけど、華は華で名門のトップを張っている以上はある程度プライドがありそうにも関わらず、素直に後輩の凄さを認めて良いところを吸収しようとしているのは、本当に向上心が強いんだろうなと(ただ、温泉でチアは他のお客さんの迷惑にもなるので本当にいけません)。


 部長が初対面であろう恵深のことを知っていたのはちょっと意外でしたが、おそらくポンポンズの動画をチェックしていて、どこかで恵深も映っていたのを見て調べたのかなと。

 「待ってるぞ」と声までかけられたのは、鷹ノ咲への編入を目指している恵深にとってかなり大きな励みになりそうな一方で、かなたたちと一緒にいるのが辛くないか問いかける愛江田とのやりとりも印象的。恵深についてはまだ一波乱ドラマがありそうな雰囲気を感じます。

 ポンポンズ単独のチャンネルを作った理由を聞かれて、布団に潜って逃げる杏那もかわいかった。5話でも描かれていましたけど、やっぱり杏那って結構な恥ずかしがり屋なんですよね。

 対して穏花は「一人の時間が減った」とか今回も思い切ったことを口にしていて、表向きのキャラと本質的な性格が割と反対っぽいのがこの二人の面白いところです。

 そして6話で一番衝撃だったのが、なんといってもCのパートの涼葉と詩音のやりとり。6話を通して、恥ずかしさで涼葉が詩音から逃げ回るような描写がずっとされていた伏線が、最後についに回収された感があります。

 詩音以外に対してはある程度普通に接していたので、ここで涼葉が言っている「直視できない」対象は詩音であることは明白。かなたと恵深、杏那と穏花はそれぞれ熟年夫婦的な雰囲気がどこかにありますが、涼葉と詩音は初々しさが溢れまくっていて独自の味わいがありますよね。

 個人的にコンビとしてはこの二人が一番好きなのもあって、「くそっ…じれってーな……!」と飛び出して行きたい気分でした。


 しかしそれだけに、二人が「しいちゃん」「涼ちゃん」と呼び合うラストシーンはあまりにも衝撃的。

 詩音が言っていた「もっと照れくさいこと」が影響しているのだと思いますが、かなた達と同じように「一体あの後に何があった……!?」と困惑していたのは自分だけではないはず。果たして詩音が涼葉に何を頼んだのか、ある意味今までで一番続きが気になる次回への引きになったかもしれません。

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米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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