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『信長の野望 出陣』1周年インタビュー。地域格差やマイナー大名家問題はどうなる? 使用率が高い人気武将、コラボ武将の可能性のほか、今後の改善・改修のテーマも聞きました

文:Ak

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 いよいよ8月31日に1周年を迎える戦国ウォークゲーム『信長の野望 出陣』。この記事では、1周年を記念して本作の開発プロデューサーを務める菊地啓介氏にインタビューを実施。これまでの振り返りやこれからの展望、1周年アップデートの見どころなどについて聞いてきました。

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▲『信長出陣』のプロデューサーを務める菊地啓介氏。主な代表作は『零』や『影牢』シリーズなど。

世界観さえあえば今後コラボ武将の実装も検討【信長出陣1周年インタビュー】


――まずは1周年を迎えた今のお気持ちを聞かせて下さい。

菊地
無事1周年を迎えることができてほっとしている部分と、もっとここをこうしたいという使命感など、いくつかの気持ちが重なっています。

 でも一番は、遊んでいただいている皆さんのおかげで今があることは間違いありませんので、その感謝の気持ちが大きいですね。1周年の間に解決できたものとそうでない部分もありますが、サービス開始初期のころから遊んでいただいている方もたくさんいらっしゃいます。

 引き続きさまざまな要望をいただいているので、時間がかかる場合もありますが、日々いいものにしていければと思っています。

――1周年を振り返ってみて、印象的な出来事はなんでしたか?

菊地
歴史を扱った位置情報ゲームならではのお城やお祭りに関連するイベントを実施してきたことで、日本各地でさまざまな業種の方と会えたのが新鮮でした。

 また、ご当地イベントでは実際にプレイヤーのみなさんが熱心にプレイしている様子を見たり、お話しできたことが、うれしかったですね。自分がお城巡りをしているときに『信長の野望 出陣』を遊んでいるユーザーさんを見かけることもあり、中にはゲームをきっかけに旅行を楽しんでくださっている方がいることを実感できて、これもまたうれしかったです。

 旅行や散歩など、外出することとゲームを遊ぶ楽しさを融合させることは、『信長の野望 出陣』の目指している部分の1つでしたので。

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――サービス開始当初の予定・絵図と比べて、実際に1周年を迎えての違いはありますか?

菊地
必ずしも順調ではなく、当初想定していなかったことも多かったです。

 当初は実際にその場に行ったり、歩いたりすることを主軸にするゲームを想定していましたが、実際は日常の通学や通勤で歩ける範囲tte
意外と限られるんですよね。だから、全部を歩かなければいけないコンテンツにするわけではなく、日常の外出の範囲内にゲームサイクルを組み込むようなな形に調整していきました。

 制圧した場所を足掛かりに領地を増やしたり、地域の武将を使ったりという地図ゲームとしての要素については、今も試行錯誤しながら開発を進めていきます。

――半周年の際は30代中盤から50代の方が多く遊んでいるということでしたが、ユーザー層に大きな変化はありましたか?

菊地
中心となる年齢層は変わっていませんが、親の影響で一緒に遊ぶという親子プレイ層や旅行のついでに遊んでいただける方もいて、ユーザー層は幅広くなっている印象です。

――現在のプレイヤーレベル上限であるレベル100に到達したプレイヤーはどのくらいなのでしょう? プロデューサーレターでは「増えてきた」とのことでしたが。

菊地
数千人ほどです。私が想像していた以上の方々が到達いただいています。夏休みに旅行をしてさらに増えていく部分でもありますので、1周年のタイミングでレベル150まで上限を解放することにしました。

 今後も状況を見て、上限解放のタイミングを考えていきます。

――コンテンツにもよると思いますが、ユーザーの使用率的に人気の武将は誰でしょうか?

菊地
遊び始めたばかりのプレイヤーの場合はストーリーの進行上手に入る武将である“【出世頭の秘策】木下秀吉”や“【浮城の勇】成田甲斐”が人気というのは変わりませんが、上位プレイヤーはイベントによって編成を使い分けている印象です。

 全体的に人気があるのは戦法発動速度で優位に立ちやすい【千成瓢箪】豊臣秀吉、火力が出しやすい【毘沙門天】上杉謙信、それに弱化を防げるので攻城戦で重宝する【御旗盾無】武田信玄などです。

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――ちなみに、開発チームの間で人気の武将はいますか?

菊地
火わかりやすく火力を出しやすい【毘沙門天】上杉謙信は人気ですね。上杉家は所属武将も多いので、編成しやすい部分もあると思います。

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 また、「毛利家が好きだから」など、能力とは別で愛着がある大名家を軸に考えるケースも多いですね。

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 ちなみに私の個人的な愛着で選ぶと【土佐の出来人】長宗我部元親です。若い時代の元親で、ビジュアルもすごく格好良いんです。

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 能力を含めて一番使っているという意味では、【車懸かり】上杉謙信です。

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――多くのアップデートでかなり遊びやすくなった本作ですが、特にユーザーからの反響が大きかった機能改善はどれでしょうか。

菊地
やはり利便性が上がるアップデートの反響が大きかったです。ロード時間を始め、列伝イベントの強敵の連続合戦機能、具申の演出オフなどです。

 課金要素については、特別登用のピックアップ機能も反響が大きかったです。個人的には、地図から選べる「制圧率」で、各地の制圧率を一覧で分かるようになったのも天下統一に向けて便利になったことかなと思っています。

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――拠点制圧の省略に関してはいかがでしょう?

菊地
拠点制圧はゲームの主軸になる部分なので、制圧後の演出スキップなどは入れたものの、現段階では合戦についてはなるべく省略せずに、ちゃんと合戦内容を見てもらうようになっています。

 とはいえ、省略したいという要望も多いので、ゲーム性と快適さのどちらを優先するかは、引き続き検討していきます。

――今後はどんな機能改善を実施していく予定でしょうか?

菊地
地域格差問題については、課題がある状況が継続していると認識しています。1周年のアップデートではいくつかの道路などでゲーム内のスポット出現場所を増やすことはしていますが、まだまだ劇的な改善とはなっていないので、少しずつ改善していきたいと考えています。

 また、通信関係についても継続的に改善していますが、読み込み時間が長いという声もいただいているので、引き続き対応していく予定です。

 各画面のユーザーインターフェースについても、まだ直観的に使いにくい部分があると思っています。重要な情報とそうでない情報はメリハリをつけて見やすくしていくつもりです。

――7月のプロデューサーレターで“歴史の自由研究・調べ学習”の学習シートを公開していましたが、反響はいかがでしたか?

菊地
なかなか好評をいただけています。ふだん取り扱ってもらっているゲームメディア以外のメディアや実際に学校などでも取り上げてもらうなど、反響いただきました。

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 自分の住んでいる場所の城や武将について調べることで、より愛着も沸いていくと思いますし、熱量が高いご意見をいただくこともありますね。



――コラボキャラクターについては、半周年の時点では「慎重に検討している」とのことでしたが、現在もそこは変わらずでしょうか?

菊地
今までも映画や交通機関とのコラボはしていましたが、武将そのもののコラボはまだ検討中です。

 ただ、そろそろ武将もそろってきたので、世界観を壊さないコラボ武将であれば実装してもいいのではと思っています。

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――コラボに限らず、ユーザーから実装してほしい武将についての要望も多いのでしょうか?

菊地
特定の武将というよりは「この勢力に武将を追加してほしい」というような部隊編成がしやすい武将の要望が多いですね。

――確かに、現状では所属武将が多い大名家(織田や武田など)が有利になっているように思えます。マイナー大名家への救済はあるのでしょうか?

菊地
現在検討中です。武将が少ない大名家の武将も適宜実装していく予定です。

 また、すでに実装している部分もありますが、特性や戦法によって勢力違いの武将でも連携を発動しやすくしたり、あるいは単体で採用しても強くしたりといった調整を考えています。

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 いろいろな大名家の武将で編成を試行錯誤できるのが、本作の醍醐味だと思うので、今後のアップデートを楽しみにしていただければ。

1周年武将の家康は分かりやすく強い性能【信長出陣1周年インタビュー】


――1周年では列伝イベント“関ヶ原の戦い”が開催されますが、こちらで実装される武将やその性能について聞かせてください。

菊地
列伝イベントと同時に登場するのは本多忠勝、列伝イベント開催の数日後に訪れる8月31日の1周年当日の武将として徳川家康が登場します。

 本多忠勝に関しては、とにかく攻撃的な性能で特性もすべて攻撃に関するもの、徳川家康とともに出陣するとさらに攻撃力が上昇するという感じです。

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 徳川家康は、圧倒的に分かりやすく強くて、大将に編成すると全部隊の兵数を上昇させることができます。まさに総大将、というイメージの性能ですね。

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 今はどうしても先に戦法発動させたほうが強い環境ですが、徳川家康の登場で環境が変化する部分もあると思います。

 ちなみに今回の列伝イベントはストーリーのボリュームもかなりのもので、前編後編、合わせて4人の強者(つわもの)が登場します。西軍の武将が続々登場するので、お楽しみください。

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――1周年では多くの上限解放や新要素の追加が実施されるようですが、特に注目のものはなんでしょう?

菊地
さまざまな機能追加や上限解放も行いますが、とくに要望の多かった名城・続名城を訪問するときに登場する名城武将や各地域のフィールドに登場するご当地武将を一気に追加しました。

 また、新しく実装される内政施設である“神社”でくじを引くことでも専用武将を入手できるので、より多くの武将を集めることが可能になっています。

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――神社はどうやって利用するのでしょうか?

菊地
余っているアイテムを消費してくじを引く感じですね。週に何回か、くじを引けるイメージです。

 くじでは神社限定武将の友好度を入手できるので、武将自体の入手に加えて覚醒も行えます。ちなみに神社限定の武将としては、宮本武蔵なども登場します。

――新要素となる、プレイヤーの見た目の変更についてはいかがでしょうか。

菊地
今までは2パターンしかなかったプレイヤーの見た目を変更できる機能です。

 まず当世具足は全員に配布して、そのほかの衣装はマイレージポイント(歩いてためられる)などで入手できます。

 忍者になりきれる衣装もあり、旗も変更可能です。無償でカスタマイズ可能ですので、いろいろ試してください。

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――今後もさまざまな新要素を実装予定とのことですが、どういった方向性になるのでしょうか。

菊地
まだまだお伝えできることは少ないのですが、9月には、継続してプレイしてもらった人に向けたリワードの仕組みを入れたいと考えています。

 また、対戦要素については、攻城戦の延長である勢力戦や、自動戦闘メインの群雄リーグなどを実装済ですが、新しい形のイベントを実装予定です。こちらも続報をお待ちください。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

菊地
まずはこの1年、たくさん歩いていただいてありがとうございます。

 1周年をまた新たなスタートとして、1年目より2年目をより充実したものになるようにしていきたいと考えています。新しいイベントや新機能、コラボも含めて、やりたいものがたくさんありますので、それを一つ一つ実現しながら、みなさまの体験がもっと豊かになるように、運営していきたいと思っています。

 年内にも新しい形のイベントも用意していますので、まずは1周年の関ヶ原の戦いにフォーカスしたイベントを楽しんでいただいて、その先もお待ちいただければと思います。引き続きよろしくお願いします。


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