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アニメ【推しの子】19話感想。アクアのおかげで巨星の演技を見せる有馬かな! 限界オタクと化す黒川あかね!! 盛り上がる舞台編から目が離せない(ネタバレあり)

文:カワチ

公開日時:

 TVアニメ【推しの子】の第19話“トリガー”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、【推しの子】第19話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

アクアに背中を押されたかなが…!【推しの子】


 原作が赤坂アカさん、作画が横槍メンゴさんの人気コミック【推しの子】のアニメ版。第2期は原作コミック第5巻~第7巻の“2.5次元舞台編”が描かれることになります。


 前回の第18話では、あかねのかなに対するあこがれや出会いが描かれました。あかねは“使いやすい役者になること”を選んだかなに納得できず、キラキラと輝く存在だったころの演技を引き出そうとしますが、それでも彼女は周囲を照らす黒子のような役割を続けます。そこで今度はアクアが動くことになりました。

 今回の第19話は舞台に立ったアクアがかなの演じるつるぎに「女 遊んでる場合か?」とアドリブで彼女にメッセージを伝えつつ、見事に本来の台本の流れにつながるような芝居をしてみせました。

 また、立ち位置もかなが中心になるように誘導して彼女に視線を集めるようにリードします。この器用さはさすがのアクアといったところ。ここまで何度もヒロインたちを救ってきているだけに信頼できますね。また、アニメ版は役者陣が立ち位置を変えていることが分かりやすくなっていてよかったです。


 “東京ブレイド”がアドリブだらけになっているところは気になるものの、筆者が役者の知り合いに聞いてみたたところ、舞台でのアドリブは普通らしいです。むしろ、そのアドリブを楽しみに何度も同じ舞台に通うお客さんもいるとか。アドリブでキャラクターの魅力を広げつつ、ストーリーを本題からずれないように演じるのはとても難しいことだと思うので、舞台役者は本当にすごいと感じます。

 アクアが「どんなアドリブだろうと受けてやる」という決意の行動をしたことで、かなにもスイッチが。走馬灯のように回想が流れ、アクアが「やりたい演技をやれよ」と伝えるシーンはアニメならでの一連の動きと、そのシーン自体がひとつの舞台になっているような演出でとても引き込まれるものでした。


 彼女の表情が笑顔になったところで、かなの回想が差し込まれました。天才子役として人気を博していたかな。そんなかなの人気に陰りが見えてからは母親との関係もうまくいっていなかったことが明かされます。

 母親のプレッシャーのほか、監督にもう少し上手くやらないと業界に残れないと言われたこと、アクアという本物の天才と出会ったこと、大人は演技力よりも使いやすさを求めていることなどを知り、他人に合わせる芝居を覚えてきたことが語られます。

 かなの心情について、他人にスポットライトを当てる抽象的な姿で描かれましたが、ハッとなるのは次のシーン。スポットライトを当てるかなのさらに後ろから彼女を照らすアクアの姿が。誰も見ていないと思っていたかなにアクアは気付いているという描写になっていて素晴らしかったですね。

 そこからは現実に戻り、「アンタはいつも私を変にさせる」とかなが笑顔になり、かつての巨星(スター)の演技を披露。アニメ版はやりすぎとも思えるような抽象的な演出でしたが、だからこそかなの唯一無二のスター性を表現していたと思います。素晴らしい。


 伸び伸びと芝居をするかなもよかったですが、そんな彼女の芝居を観てドキドキするあかねも必見。アニメ版はハート眼になっていたり、「かなちゃん」という回数が1回増えていたり、小さくデフォルメされたかながあかねを取り囲むような演出になっていたりとパワーアップしていて、よりあかねがかなにメロメロになっている様子が表現されていましたね。あかねの限界オタク感が増していてめちゃくちゃ笑えました。


 かなが覚醒したあとは、いよいよアクア自身にスポットが当たることに。演技を楽しいと感じるとパニック障害を起こしてしまうアクアが、どのようにして感情演技をするのか。

 原作でも迫力のあるシーンでしたが、アニメは凄まじい演出と演じている大塚剛央さんの迫真の芝居でさらに見応えのあるものになっていたのでぜひチェックしてみてください。アクアの感情演技ははじまったばかりなので次回以降も楽しみですね。

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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